たまりば

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2011年09月13日

大震災から半年


日曜日、みたか身の丈起業塾の仲間と奥多摩の御嶽山にハイキングに行きました。

その2次会、立川の居酒屋で、もう皆がかなり酔っていた頃、仲間の一人に言われました。
「最近、ブログ、変わりましたよね」
「はい。変わりましたとも」
「そういうことじゃなくて、最近の2〜3本」
最近の2〜3本って、大人のための数学教室のご案内とか、よくある質問とかのことか?という意味の沈黙があった後。
「いや、あんなのじゃなくて」

あんなのって・・・・・・。
このブログの主目的は、その「あんなの」をみなさんに読んでいただくことです。
笑ってしまいました。

しかしながら、「あんなの」と言われて、どんなのかすぐわかるほどに、私自身、あれは必要な情報だけれど、必要な情報って、それだけではつまらないよね、という気持ちがあるので、このブログには、不必要な情報が盛り沢山です。

で、「あんなの」をのぞいて、この2〜3本、私は変わったのだろうか、と考えました。
私の仕事は、受験知識のアップデートは必要ですが、それ以外のことで言えば、定点に留まることが必要な仕事ではないかと思っています。
灯台のように、そこにあること。
生徒の心の中に。
半年やそこらで変わったら、困るんだ。

以下は、3月24日に私がここに書いたものです。
今よりももっと、身内以外で読んでくださる人はいなかった頃。
おつきあいいただけますと、幸いです。
三鷹の水道水に放射線が混じっているというニュースが流れた翌日でした。


数年前、頼まれて、小学生に中学受験のための社会を教えていた。
その子の持っていたカラフルな塾のテキストは、子どもよりもむしろ大人が読んで面白いものだった。カラー写真が多く、読み物記事も沢山入っている。わかりやすく説明してくれているので、ああ、そういうことだったのか、と大人のほうが面白く読める。
子どもは、勉強するために与えられたテキストというだけで、つまらなく思えてしまうのだろう。面白いなんて決して言わないが。

エネルギー問題は、環境問題とからめて、大きな単元の1つだ。
中学受験生は、日本地図に描かれた点の集まりを見て、どういう種類の発電所の分布図か、見分けることができなければならない。
海岸部にいくつか点が打たれてあるのが、原子力発電所分布図。
都市部も含め、日本中にたくさん点が打たれてあるのが、火力発電所分布図。
山岳地帯に点在しているのが、水力発電所分布図。

それぞれの発電方法の長所と短所も記述できなければならない。

◎原子力発電
 長所 大量の発電ができ、二酸化炭素排出量が少ない。
 短所 放射線がもれるおそれがある。
◎火力発電
 長所 都市部周辺にも立地が可能。
 短所 二酸化炭素排出量が多い。
◎水力発電
 長所 二酸化炭素の排出量が少ない。
 短所 建設場所が限られ、多くの費用がかかる。
◎風力発電
 長所 二酸化炭素の排出量が少ない。
 短所 安定した電力の供給ができないおそれがある。

原子力発電所の短所。
放射線がもれるおそれがある。

そうだ。
私たちは、知っていた。
子どもにも、教えていた。
今、それが現実になっただけなのだ。
私たちは、この危険を知っていた。

私が教えていた小学生は、頭はいいのだが、妙にトンチンカンなところのある子だった。
あるとき、短答問題の練習をしていた。

問 日本で、原子力発電所の多い地域はどこか。
正解は、北陸だ。

しかし、彼女は、こう答えた。
「広島」

生徒が間違えても、傷つけるような表情をしてはならない。
なので、無表情が仕事として身についている私だが、そのときは、あまりのことに驚いて、「なんで?」と叫んでしまった。
「広島に、原発があるわけないよ」
「え?なんで?」
彼女は、私の驚き方に、逆に驚いていた。

広島に、原発があるわけない。
でも、それは、私の勝手な思い込みだ。

実際、広島に原発はないが、その理由は、私の憶測だ。本当のところは知らない。
だた、思うだけだ。
広島の人は、原子力の「平和利用」なんて、信じないのではないか。
広島に原発誘致は、不可能だろう。
実際は、三角州は立地に適さないとか何とか、そんな理由があるのかもしれないが。

そんなことを思い出すと、また、私は、自分の本心に気づく。
私は、原子力発電の安全性を信じていなかった。
危険なものだと知っていた。
でも、突然爆発するようなものだとも思っていなかった。
じわじわと危険が広がるが、でも、最終的にはどうにかなるもの。
そんなふうに思っていたのではないか。

水道に、放射性物質が混じっている。
乳児は飲用を控えるように。
このニュースは、衝撃的だった。
三鷹の水道が、利根川からのものだということさえ、私は知らなかったから。
野菜を洗っても、米をといでも、放射線が混じるんだなあ。
お風呂に入れば、皮膚にまとわりついてくるんだなあ。
微量だけれど。
大人の健康に影響するのではないらしいけれど。

自分に問う。
これは、想像していた範囲のことか?
いや、これは少し違う。
ここまでは、想像できていなかった。

原子力発電の短所  放射線がもれるおそれがある。

この1行を教えたとき、私は、その本当の意味がわかっていなかった。



・・・ここまでが、3月24日に私が書いたものです。
全然変わっていない…。
わかっていなかったことが多くて、立ち尽くしてばかりの半年でした。


数日前、テレビを見ていると、福島の人が、
「ノーモア・ヒロシマという言葉に、自分は傷ついたことはなかった。けれど、ノーモア・フクシマと言われて、傷つく自分を感じた。自分がその立場になるまで、そんなこともわかっていなかった」
という趣旨の発言をしていました。
それも、やっぱり私はわかっていなかったことなので、ああそうなのか、と考え込んでしまいました。
ノーモア・フクシマという言葉は、最低限の問題が解決し、20年、30年経ってから、永遠のスローガンとして残せばよいことで、今、口にする言葉ではないのかもしれません。


写真は、奥多摩。御嶽山ロックガーデン。


  


  • Posted by セギ at 14:37Comments(3)講師日記