たまりば

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2011年08月17日

大キレット


無事に戻ってまいりました。
セギ英数教室、角木です。

14日の夜行バスで、新穂高温泉へ。
西穂高に上るロープウェイで有名な場所ですが、ここから、槍ヶ岳に一気に登ることができます。
始めの2時間ほどは、林道のゆるやかな登り。
あとの6時間は、ひたすらな急登。
山頂付近は、広い広いお花畑でした。
その広い広いお花畑の中をジグザグに登っていく2時間。
朝からの急登続きに、私を含め、誰もかれも、ちっとも先に進まない。
誰も登っているように見えない。
そうこうするうちに、ガスが濃くなり、雨が降り始めました。
雨具を着ているとはいえ、ずぶぬれで槍ヶ岳山荘へ。

翌朝は、朝食前にヘッドランプをつけて、槍ヶ岳に登りました。
山頂直下の槍ヶ岳山荘の泊まり客しかそんなことはしませんから、比較的すいていて、15分で山頂に到着。
ちょうど、厚い雲の上に太陽が昇ってきたところでした。
(*^_^*)

しかし、晴れていたのは、早朝だけ。
稜線はガスに覆われ、辺りが真っ白な中、槍ヶ岳山荘を出て、中岳、南岳へと縦走。
その先に、大キレットがありますから、「普通の登山道」と、一言で処理されてしまう道ですが、ここだけでも、北アルプス特有の、普通の岩場が何となく険しい感じがずっと続いていました。
何だかなあ、険しいなあ、と感じながら、いよいよ大キレット。

前回のブログで、蝶ヶ岳から見た大キレットの写真を載せましたが、あのえぐれっぷりは素晴らしいですよね。
大キレット。
英語?
それとも、古い登山用語だから、ドイツ語?
と思うのですが、これは、日本語です。
大切戸と書きます。
稜線が深くえぐれているところを切戸と呼ぶそうです。

北アルプスの登山地図で実線で記されている一般登山道の中で、大キレットは、屈指の難度を誇ります。
それでも、近年、核心部の「飛騨泣き」が、崩落によりコースが付け替えられ、同時に足場が岩に打ち付けられ、ひどく易しくなったと聞き、それなら独りでも大丈夫か、と行ってみたのですが、まあ、怖い。
ガスで、岩も鎖も梯子もびしょびしよに濡れていました。
一般登山道で、手袋を外したのは、初めてです。
雪の岩場を登るときは、ぶ厚い手袋をはめて登りますから、一応、岩のちょっとしたくぼみも手袋でつかめるつもりではいるのですが、今回は、そんな「一応」なんて見栄はどうでもいい、「絶対」じゃないとヤバいでしょう、と感じました。

鎖や梯子が整備されているところは、まだ安全なんです。
その周辺の、鎖のないところが怖い。
普通に怖い。

でも、「長谷川ピーク」は鎖があっても、怖かったです。
「飛騨泣き」の写真は撮れましたが、「長谷川ピーク」の写真は撮れませんでした。
そんな余裕はなかった。
だって、薄い切り立った岩の信州側に付いている鎖から、飛騨側に付いている鎖へ、岩を乗り越えて移動するんですよー。
(^_^;)

ともあれ、大キレットを越え、山小屋へ。
テラスに座り、ビールを飲み、気長にガスが取れるのを待っていたら、一瞬だけ、ガスが切れました。
そのとき撮ったのが、上の写真です。
えぐれているところが、大キレットです。

3日目、朝からザアザア降り。
今回は、とことん雨とガスにたたられました。
北穂高~奥穂高への縦走はやめにして、まっすぐ涸沢から上高地へ下山。
北穂~奥穂の縦走路は、難度も高いのですが、それよりも、落石による事故多発地帯。
しかも、前後の登山客が落とす、人為的落石がほとんど。
そんな、ある意味もっとも怖い場所に、雨の日に入ることはできませんでした。

これは、勇気ある撤退である。
(*^_^*)





  


  • Posted by セギ at 22:48Comments(2)