たまりば

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2018年07月18日

時制に関する問題が苦手。高校生の場合。


時制の識別の話の続きを。
前回は中学生の話でしたが、今回は、高校生の話を。
現行の教育課程では、中学で学ぶ時制は以下のものだけです。
現在形・現在進行形・過去形・過去進行形・未来の文・現在完了形。
未来は時制ではない、「未来時制」「未来形」というものはないという説がありますが、初学者にとっては正直そんなのどうでもいいので、私は「未来時制」という言い方は避けますが時制を学ぶ際に未来も加えます。
ともあれ、上の6つの時制を中学の3年間でゆっくりと学ぶのですが、時制は、まだあと6つあります。
高校1年でその6つをほぼ同時に学ぶので、混乱する子が多いようです。
以下、例文とともに整理してみます。

◎現在形・・・主に現在の習慣・現在の状態を表す。  
She lives in Tokyo.
彼女は東京に住んでいる。

◎過去形・・・主に過去の動作・状態を表す。
She lived in Tokyo five years ago.
彼女は5年前東京に住んでいた。

◎未来の文・・・未来の動作・状態を表す。
She will live in Tokyo next year.
彼女は来年東京に住んでいるだろう。

◎現在進行形・・・現在行っている動作を表す。
She is playing the piano now.
彼女は今ピアノを弾いている。

◎過去進行形・・・過去のある時点で行っていた動作を表す。
She was playing the piano at that time.
彼女はそのときピアノを弾いていた。

◎未来進行形・・・未来のある時点で行っている動作を表す。
She will be playing the piano at this time tomorrow.
彼女は明日の今頃ピアノを弾いているだろう。

◎現在完了形・・・現在の時点までの完了・継続・経験・結果を表す。
She has lived in Tokyo for five years.
彼女は5年間東京に住んでいる。

◎過去完了形・・・過去のある時点までの完了・継続・経験・結果を表す。
She had lived in Tokyo for five years before she went to New York.
彼女はニューヨークに行くまで5年間東京に住んでいた。

◎未来完了形・・・未来のある時点までの完了・継続・経験・結果を表す。
She will have lived in Tokyo for five years by the time she finishes high school.
彼女は高校を卒業するまでで5年間東京に住んだことになる。

◎現在完了進行形・・・現在のある時点までの動作の継続を表す。
She has been playing the piano for five hours.
彼女は5時間ピアノを弾いている。

◎過去完了進行形・・・過去のある時点までの動作の継続を表す。
She had been playing the piano for five hours befor I visited her.
彼女は、私が訪れるまで5時間ピアノを弾いていた。

◎未来完了進行形・・・未来のある時点までの動作の継続を表す。
She will have been playing the piano for five hours till 15:00.
彼女は15時までで5時間ピアノを弾いたことになる。

これらがいきなりドバッと出てきます。
未来完了進行形など、日常会話ではほとんど使わない時制もあります。
書き言葉ですね。
しかし、文法的には存在します。

高校生になると、さすがに少し精神的成長が見られ、できればこれを覚えたいという意欲を見せる子が多いですが、意欲があっても識別できないことがあります。
特に勘違いしやすいのが、過去形・現在完了形・過去完了形。
中学3年生で現在完了形を学んだときは、過去形と混ざってわからなくなる子はそんなにいなかったのですが、過去完了形を学ぶと、この3つの区別がつかなくなり、結果、全て過去完了形を選んでしまう子がいます。

問題 次の空所に最も適切なものは以下のどれか。

He (    ) in Osaka since he was a child.

1.lived  2. has lived   3.had lived  4.had been living

正解は2の現在完了ですが、これを過去完了の3と誤答してしまう子は多いです。
過去完了を習いたてなので、何でも過去完了に思えてしまうということもあるでしょう。
こういう四択問題を理屈で解いたことがなく、全て根拠のない感覚で解いている子もいるでしょう。
しかし、一応理屈を考えて、それでも間違えてしまう子もいます。

過去完了は、「過去のある時点までの完了・経験・継続・結果」です。
視点は過去のある時点にあり、そこからさらに過去を振り返っての完了・経験・継続・結果ということです。
上の例文の、
She had lived in Tokyo for five years before she went to New York.
彼女はニューヨークに行くまで5年間東京に住んでいた。

で言えば、視点は、「彼女がニューヨークに行った」という過去のときです。
その過去のある時点までで5年間東京に住んでいたという継続の用法です。
こうしたときに用いるのが、過去完了です。

The train had already left when we got to the station.
私たちがその駅に着いたとき、その列車は既に出発してしまっていた。

これも過去完了です。
「私たちがその駅についたとき」というのが、過去の視点。
そのときには、既に列車は出発してしまっていたという完了の用法です。

それに対し、上の問題文は、

He has lived in Osaka since he was a child.
彼は子どものときから大阪に住んでいる。

この視点は現在です。
現在から見て、過去からずっと現在まで大阪に住んでいるという継続の用法です。
しかし、このsince節を「視点」と間違えてしまうのです。
このsince節は、「視点」ではなく「起点」です。
どこの時点に立って過去を振り返っているかの視点ではなく、その状態の起きた始まりを示しているのです。
ここを混線してしまう人が多く、何を見ても、過去完了を選んでしまうようです。

「じゃあ、sinceがあったら現在完了?」
と訊く子がいます。
sinceが入っていても過去完了のこともあります。
また、基準となる過去のある時点を明示するため、過去完了の文は1文が長くなりがちです。
「じゃあ、長いと過去完了?」
と訊く生徒もいます。
「そうとは言い切れないです」
「whenとかbeforeがあれば、過去完了?」
「・・・そういう安易な見分け方は、本当にやめよう」
「えー・・・・・」

現在完了と過去完了の見分け方の基準は、視点が現在なのか過去なのか、です。
それが、時制の定義にのっとった根本的な見分け方です。 
しかし、それだけは絶対に受け入れられないというように、他の安易な見分け方を延々と探そうとする子がいます。
それをやっている間は、時制の見分けはできません。
whenやbeforeがあれば必ず過去完了であれば本当に楽なのですが、決してそうではないのです。
ただ、1文が長く、before節がついているときに、これは過去完了の文なのではないかと予測しながら読んでいくのならOKなのですが。


昔、大手の個別指導塾で講師をしていた頃。
都立自校作成校に通う高校3年生の数学を担当したことがありました。
もともと秀才ですので、英語もそこそこ出来ていて、それは高い基準での話だと思うのですが、あるとき、雑談でこんなことを言いました。
「僕、最近、やっと英語がわかってきたんですよ」
「え?」
「学校の参考書ですよ。1回も読んだことがなかったんだけど、あれを読んでみたら、知りたかったことが全部書いてあった」
「・・・・・え?」
「いや、マジで」


現在形と現在進行形の使い分け。
過去形と過去進行形の使い分け。
過去形と現在完了形の使い分け。
現在完了形と過去完了形の使い分け。
時制の見分けは苦労するところですが、こうしたことは、実は、文法の参考書に詳しく書いてあります。
疑問に思ったら、参考書を開いて、その部分だけを調べてみるのをお薦めします。
多くの高校は、教科書やワークブックとともに、文法の参考書を一斉購入していると思います。
学校の授業で使わないので埃をかぶっている、厚い英文法の本、手元にありませんか?
例文がズラズラ並んでいて、ちょっと読む気にならないぶ厚い本です。
実は、あれが物凄く役に立つ本で、よくある疑問には全て答えてくれます。
教科書の例文と短い説明ではよくわからなかったことが全部書いてあります。

そんなの学校からもらっていないという人は、大きめの書店に行き、高校参考書コーナーで何冊か見比べて購入すると良いでしょう。
参考書や問題集は、他人の勧めで購入するものではなく、必ず自分で見て、自分が使い易いものを購入しましょう。
字体やレイアウトも重要です。
良い参考書としてネットや通信教育の付録冊子で勧められているものを買っても、買ったことに満足して終わるだけになりかねません。
開くだけで気持ちの沈むような参考書は、結局開かないです。
他人の勧める良い参考書は、英文法が好きで、英語の成績も良く、より詳しく知りたい人が読むものかもしれません。
いわゆる、文法の重箱の隅が載っている本です。
文法の基本を学ぶのなら、易しい文法の本で十分です。
カラフルで、イラストなども使われていて、易しい基本を説明している本を自分で選んでみると良いと思います。
ただし、目次と索引はしっかりしているものを。
「第一章 5文型」「第二章 時制」「第三章 態」といったように、目次に硬い言葉が並んでいるもののほうが調べものには向いています。
巻末に索引がついていることも重要です。
何かを調べるときには、索引を用いるからです。
柔らかい言葉で書いてある読み物的な文法の本は、調べものの役には立ちません。

宝物は、手元にあります。
良い参考書も単語集も。
そして、ラジオをつければ、良質なリスニング教材が無尽蔵に流れてきます。
使わない手はありません。





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