2018年07月20日
事後に考えた条件付き確率。
今回は「事後に考えた条件付き確率」です。
例えば、こんな問題です。
例題
赤玉5個、白玉2個が入っている袋から1個ずつ続けて2個の玉を取り出した。2個目の玉が白玉であったとき、1個目の玉が白玉である確率を求めよ。
まずは公式を使わず、場合の数を用いて、これを求めてみましょう。
玉の数は合計7個。
それぞれの玉は色は同じでも別の玉と認識します。
今回、2個目の玉は白玉であったことが確定しています。
ですから、2個目の玉が白玉である場合は何通りあるのかを考えます。
これは場合分けの必要があります。
すなわち、赤白の順番で出た場合と、白白の順番で出た場合と。
赤白の順に玉が出る場合の数は、
5×2=10(通り)
白白の順に玉が出る場合の数は、
2×1=2(通り)
よって、合計で、10+2=12(通り)であるとわかります。
条件付き確率は、この12通りが全体の場合の数となります。
2個目が白玉であるという条件下で1個目が白玉である確率は?ということだからです。
この12通りのうち、1個目も白玉であったのは、上の計算のように2通りです。
ですから、2個目が白玉であったとき、1個目も白玉であった確率は、2/12=1/6
これが答えとなります。
難しくありません。
条件付き確率は、条件がついたことで全体の場合の数が限定されるだけなのです。
ただ、高校数学では、上のように場合の数をいちいち求めたりせず、確率で処理します。
そのためにあるのが公式です。
公式は直観では意味を把握できないかもしれません。
そのため、
「わからない、わからない」
と混乱してしまう人がいます。
わからなくなったら、上の、場合の数の考え方に戻って確認してみてください。
条件付き確率の公式は、
PA(B)=P(A∩B)/P(A)
今回は、2個目がわかってからさかのぼって考えますので、この公式を利用して、
PB(A)=P(B∩A)/P(B)
と考えたほうがわかりやすいでしょう。
これが、事後に考えた条件付き確率の公式です。
1個目の玉が白である事象をA、2個目の玉が白である事象をBとします。
分母であるP(B)は、2個目が白玉である確率。
やはり場合分けして求めます。
赤白の順に玉が出る確率は、
5/7・2/6=10/42
白白の順に玉が出る確率は、
2/7・1/6=2/42
この2つは互いに排反ですから、2個目が白玉である確率は、
10/42+2/42=12/42 となります。
分子であるP(B∩A)は、2個目が白で、かつ1個目も白である場合の確率。
すなわち、白白の順に玉が出る確率ということですから、
2/7・1/6=2/42
よって、
PB(A)=2/42÷12/42=2/12=1/6
これが、答えです。
場合の数を用いて求めたさきほどの数字と見比べてください。
似ています。
2が2/42 に。
12が12/42 になっているだけです。
それぞれ、全体の場合の数42が分母としてついているだけです。
確率として式を立てたために、それらが分母についているだけ。
その分母は計算するときに払うことができます。
だから、場合の数÷場合の数で計算しても、確率÷確率で計算しても、結果は変わらないのです。
確率÷確率 でも、場合の数÷場合の数 と同じ結果が出る。
条件付き確率の公式が示していることは、そういうことです。
ところで、前回でもそこを詳しく書いたつもりだったのですが、計算式をズラズラ書いてあるところは読みにくいのかもしれません。
上手く頭に入ってこない。
つい斜め読みになる。
理解するために一番重要なところがそこなのに、1人で読んでいてはピンとこない場合もあると思います。
自学の難しさはそこにあります。
何が重要であるか、自分ではわからない。
読み流したことが最も重要なことかもしれません。
あるとき、高校生に「2次関数」の授業をしていて、
平方完成をした一般式
y=a(x-p)2+q
このとき、軸は直線x=p、頂点(p,q)
という、2次関数の前半の学習で最も大切なところをわかっていない子がいました。
理解できていないのは仕方ないのですが、
「学校で習っていない」
と主張するのです。
これを教えない数学の授業などありえません。
学校の授業ノートを見せてもらったら、やはり、ノートに書いてありました。
ただ、全てシャーペンで、黒1色。
ズラズラと行替えもせずに書かれて他の内容の中に埋没していたので、私は天を仰ぎました。
「これは、真っ赤で書いて、青マーカーで囲んでおくようなところだよ」
「だって、うちの先生、色分けしないから」
「もう高校生なんだから、重要度は自分で判断しよう」
しかし、それが無理な子がいるのも、現実問題としてわかります。
何が重要かという視点を持てず、学習した記憶のあることは重要、思い出せないことは習っていない。
そのように感情的な判断をし、定期テストが壊滅的な結果になってひどく落ち込むのですが、原因が何であるかの分析もやはり感情的。
サポートの必要な子は多いです。
基本がわかっていない。
重要なことがわかっていない。
テストに何が出るか、わかっていない。
それを解消するだけで、テストの点数は劇的に上がっていきます。
例えば、こんな問題です。
例題
赤玉5個、白玉2個が入っている袋から1個ずつ続けて2個の玉を取り出した。2個目の玉が白玉であったとき、1個目の玉が白玉である確率を求めよ。
まずは公式を使わず、場合の数を用いて、これを求めてみましょう。
玉の数は合計7個。
それぞれの玉は色は同じでも別の玉と認識します。
今回、2個目の玉は白玉であったことが確定しています。
ですから、2個目の玉が白玉である場合は何通りあるのかを考えます。
これは場合分けの必要があります。
すなわち、赤白の順番で出た場合と、白白の順番で出た場合と。
赤白の順に玉が出る場合の数は、
5×2=10(通り)
白白の順に玉が出る場合の数は、
2×1=2(通り)
よって、合計で、10+2=12(通り)であるとわかります。
条件付き確率は、この12通りが全体の場合の数となります。
2個目が白玉であるという条件下で1個目が白玉である確率は?ということだからです。
この12通りのうち、1個目も白玉であったのは、上の計算のように2通りです。
ですから、2個目が白玉であったとき、1個目も白玉であった確率は、2/12=1/6
これが答えとなります。
難しくありません。
条件付き確率は、条件がついたことで全体の場合の数が限定されるだけなのです。
ただ、高校数学では、上のように場合の数をいちいち求めたりせず、確率で処理します。
そのためにあるのが公式です。
公式は直観では意味を把握できないかもしれません。
そのため、
「わからない、わからない」
と混乱してしまう人がいます。
わからなくなったら、上の、場合の数の考え方に戻って確認してみてください。
条件付き確率の公式は、
PA(B)=P(A∩B)/P(A)
今回は、2個目がわかってからさかのぼって考えますので、この公式を利用して、
PB(A)=P(B∩A)/P(B)
と考えたほうがわかりやすいでしょう。
これが、事後に考えた条件付き確率の公式です。
1個目の玉が白である事象をA、2個目の玉が白である事象をBとします。
分母であるP(B)は、2個目が白玉である確率。
やはり場合分けして求めます。
赤白の順に玉が出る確率は、
5/7・2/6=10/42
白白の順に玉が出る確率は、
2/7・1/6=2/42
この2つは互いに排反ですから、2個目が白玉である確率は、
10/42+2/42=12/42 となります。
分子であるP(B∩A)は、2個目が白で、かつ1個目も白である場合の確率。
すなわち、白白の順に玉が出る確率ということですから、
2/7・1/6=2/42
よって、
PB(A)=2/42÷12/42=2/12=1/6
これが、答えです。
場合の数を用いて求めたさきほどの数字と見比べてください。
似ています。
2が2/42 に。
12が12/42 になっているだけです。
それぞれ、全体の場合の数42が分母としてついているだけです。
確率として式を立てたために、それらが分母についているだけ。
その分母は計算するときに払うことができます。
だから、場合の数÷場合の数で計算しても、確率÷確率で計算しても、結果は変わらないのです。
確率÷確率 でも、場合の数÷場合の数 と同じ結果が出る。
条件付き確率の公式が示していることは、そういうことです。
ところで、前回でもそこを詳しく書いたつもりだったのですが、計算式をズラズラ書いてあるところは読みにくいのかもしれません。
上手く頭に入ってこない。
つい斜め読みになる。
理解するために一番重要なところがそこなのに、1人で読んでいてはピンとこない場合もあると思います。
自学の難しさはそこにあります。
何が重要であるか、自分ではわからない。
読み流したことが最も重要なことかもしれません。
あるとき、高校生に「2次関数」の授業をしていて、
平方完成をした一般式
y=a(x-p)2+q
このとき、軸は直線x=p、頂点(p,q)
という、2次関数の前半の学習で最も大切なところをわかっていない子がいました。
理解できていないのは仕方ないのですが、
「学校で習っていない」
と主張するのです。
これを教えない数学の授業などありえません。
学校の授業ノートを見せてもらったら、やはり、ノートに書いてありました。
ただ、全てシャーペンで、黒1色。
ズラズラと行替えもせずに書かれて他の内容の中に埋没していたので、私は天を仰ぎました。
「これは、真っ赤で書いて、青マーカーで囲んでおくようなところだよ」
「だって、うちの先生、色分けしないから」
「もう高校生なんだから、重要度は自分で判断しよう」
しかし、それが無理な子がいるのも、現実問題としてわかります。
何が重要かという視点を持てず、学習した記憶のあることは重要、思い出せないことは習っていない。
そのように感情的な判断をし、定期テストが壊滅的な結果になってひどく落ち込むのですが、原因が何であるかの分析もやはり感情的。
サポートの必要な子は多いです。
基本がわかっていない。
重要なことがわかっていない。
テストに何が出るか、わかっていない。
それを解消するだけで、テストの点数は劇的に上がっていきます。
Posted by セギ at 11:42│Comments(0)
│算数・数学
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