たまりば

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2018年06月15日

リスニング力を鍛えるには。




今日はリスニングの話です。
リスニングが苦手とひと口に言っても、さまざまな場合が考えられます。

まずは、そもそも英語を聴いた経験が不足している場合。
日常の学習であまり英語を聴いていない子です。
教科書本文を収録したCDを持っていても、封も切りません。
NHKのラジオ講座が良いと勧められても、聴こうとしません。
学校の英語の授業で、教科書本文のCDを皆で聴く時間さえ、それを聴いていず、ぼんやりしている子もいます。
その子の知っている英語は、その子が自分で音読するカタカナ英語が全てになり、本当の英語とは乖離があります。

そうした生徒は、少し英語を音読してもらうとわかります。
全て自分の間合いで、知っている単語はハキハキと発音し、読みにくい単語は、その前に長い間を置いて、ためらいながら読みます。
英語特有の強弱もイントネーションも無視です。
自分のそうした英語を常に自分が耳にし、フィードバックしている。
それがリスニング問題で本当の英語を聴き取るのに大きな障害となります。
本人の頭の中にある英語と本当の英語とは全く違う音のつながりとして聞こえるのです。
これは発音の悪さとはまた少し違う話です。
正しい音を聞き分けられてはいるけれど、それを自分で正確に再生できないということは、英語のネイティブでない限り、大なり小なりあります。
そうではなく、全体のイントネーションとして英語らしい音のつながりを理解しているか。
英語のイントネーションがわかっているか。
リスニングには、これが重要です。

まずは本物の英語を聴くこと。
教科書本文のCDでも、ラジオ講座でも。
ところが、ただ聴くだけの学習は、本当に長期間の反復があって初めて効果が得られるものなので、効果を実感できる前に止めてしまう人が大半です。
ひと月くらいで効果が出ると期待してしまうのでしょう。
おそらく、ただ聴くだけですと、3年から5年後に、以前よりは英語が聴きとれるようになっていたという程度の効果だと思います。
他の学習と併用しないと、結果につながりません。

ただ聴いていると、途中でぼんやり考えごとをしてしまったり、果ては「英語も聴いているからいいでしょう」とスマホをいじりだしたりする子もいます。
それでは、効果は得られません。
集中して英語と接するにはどうすればいいか?

英語の歌に接するのは効果的な方法の1つですが、どんなに効果的な方法も、効果をゼロにする特殊能力を持っているのが英語が苦手な子どもたちです。
10代が持つ大人への反発心がそれを助長します。
「うちの英語の先生、ビートルズが好きでさあ。授業中までビートルズをかけるの。バカじゃね?」
「あー、うちの英語の先生は、カーペンターズ。うぜー(笑)」
といった会話を幾度聞いたことか。
私より若い学校の英語の先生たちが、自分が好きだから生徒に押し付けるほどビートルズやカーペンターズが好きだとは正直考えにくいのです。
私ですらその世代ではありません。
音楽史的な価値から敬意は抱いていますが、自分が本当に好きな音楽ではない。
しかし、そんなことは子どもには通じないようです。
文法や単語が比較的易しい歌詞の英語の歌だから生徒に聴かせているのだと、理解できないのでしょう。
学校の先生は、少しでも英語に興味を持ってもらえるよう授業の工夫をしているのにまともに聴かず、効果ゼロにしてしまう残念な子は多いです。

では、リスニングのためにはどんな練習が効果的か。
「シャドウイング」や「オーバーラッピング」という方法があります。
英語の模範音読にあわせて、自分も音読するのです。
自分がネイティブの英語と違うところで変な間を空けたり、逆に間を空けるべきところで変に急いでいることが、やってみると実感できます。
1語を読む長さの違いに気づき、いちいち母音+子音を強調する自分のカタカナ英語とネイティブの英語との根本の違いにも気づくでしょう。
そもそもネイティブの音読が速くてついていけないということも、やってみて初めて実感できる人もいると思います。
そうした場合、スピードをゆっくりに変えられる機能を持ったプレイヤーがあるとさらに便利です。
徐々に慣らして、ネイティブのスピードで音読できるようにしていくことができます。

リスニング対策に音読練習?
そう不思議がられるのですが、英語を聴きとることを阻害していることの1つは、自分の癖の強い音読に凝り固まってしまった英語音声への誤解です。
癖になって凝り固まっている自分の英語のリズムを矯正できます。
読み方の癖がそのまま聴き取り方の癖になっているのを矯正します。

「それだと、正しい英語の音が自分の声で聴きとれないから発音練習にならない。リピートがいい」
と、反発し、行おうとしない人がいるのですが、発音練習が目的ではないのです。「自分の声が邪魔だ。英語の正しい音が聴きたい」と思ったら、それはまた別に聴けば良いと思います。
そういう気持ちになり、英語の細部の音を聴こうとする意志が持てたことも効果の1つでしょう。
リピートはリピートで別の効果もありますが、模範音読の真似をしているつもりで、イントネーションの全く異なる読み方をしていてもそのことに気づかないことがあります。
リピート練習が惰性になってしまっているときは特に。
シャドウイングとオーバーラッピングは、読み方の間合いが模範と異なることを如実に自覚できるという点で、自学自習に最適の学習方法です。
誰に指摘されなくても、ズレていることは明らかなのですから。

そうやって、とにかく英語の音とイントネーションに慣れた上で英語を聴くと、短期間で今までよりも英語を聴きとれるようになります。
しかし、当たり前ですが、単語力がないと、リスニングは難しいです。
どんなに英語耳を鍛えても、知らない単語は意味を取れません。
学校の教科書の英文を読んだときに、新出単語以外でも意味のわからない単語がゴロゴロある状態では、該当学年のリスニング問題は、難しく感じると思います。

また、文法、すなわち英文の構造が理解できていることも、リスニングには有利です。
意味のまとまりごとに若干のポーズ(間)が置かれることを実感しながら聴きとることができます。
ポーズを把握することは、文法学習にも役立ちます。
相乗効果ですね。





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