たまりば

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2018年06月18日

確率と余事象。




さて、「確率」の学習の続きです。
今回は「余事象」の確率。
例えば、こんな問題です。 

例題 
袋の中に赤玉5個、白玉5個が入っている。この中から2個を同時に取り出すとき、少なくとも1個が白玉である確率を求めなさい。

問題文の中に「少なくとも」という表現があったら、余事象の可能性をまず考えてみましょう。
そのほうが楽に解けることが多いのです。
余事象とは、Aという事象があるとき、「Aではない」という事象を指します。
硬貨を1枚投げて表が出るという事象をAとするなら、「Aではない」は「表ではない」すなわち「裏が出る」。
この「裏が出る」がAの余事象です。

ある事象の確率とその余事象の確率との和は1となります。
確率が1とは100%ということ。
しかし、この説明をすると首を傾げる高校生もいます。
「もっと他のことがある気がする」
と言うのですね。
「他のことって、どんなこと?AかBしか起こらない場合だよ。確率があわせて100%、つまり1であるのは当然じゃない?」
と説明すると、
「わからない、わからない」
と言われてしまいます。

これは1つにはものの考え方の好みというものかと思います。
Aであるか、Aでないか、2つに1つしかないのだ。
そういう白黒はっきりした考え方が嫌い。
もっとグレーゾーンがある気がする。
そうではない可能性がある気がする・・・・。

気持ちはわかるけれど、そういう話をしているのではないのです。
しかし、「そういう話をしているのではない」ということが、最も伝わらないことであるような気もします。

もう1つ。
AかBかの事象しか起こらないということを理解できていない可能性があります。
「Aではない」=「Bである」。
この言い換えが納得できないというのです。
ここが完全なイコールではない気がする。
騙されているような気がする。
そのように言う生徒もいます。
その子にしか見えない蜃気楼が見えているのだろうかと教える側は困惑してしまうところです。
AかBかの事象しか起こらないという前提が視点から容易に外れてしまうのだろうと想像されます。

説明は理解できるが、自分でその言い換えをできる気がしない。
生徒からそのように訴えられることもあります。
白か赤の玉しか出ない状況でも、「白玉ではない」を「赤玉である」に言い換えることに自信が持てないというのです。
その発想の転換が、自力では出来そうにないと言います。
やはりAかBかの事象しか起こらないということを理解しきれていないことが原因なのではないかと感じます。
当該の事象にばかり目が向いてしまい、「わからない」「難しい」と感じるのは、外枠が曖昧だからではないかと思うのですが、「わからない」という状態にはまってしまっている子には、論理的な救済よりもまず精神的救済が必要な様子です。
「わからない」という気持ちに寄り添うこと。
まず落ち着いてもらうこと。
演習問題を解くための勇気をもってもらうこと。
数学にはあまり関係のないことが数学の問題を解くために必要になることもあります。


話を戻して。
この問題は「少なくとも1個は白玉である確率」を求めようとしています。
この程度の問題であれば、場合分けしてもそんなに難しいわけではありません。
「少なくとも1個は白玉」は、場合分けすると「1個が白玉で、もう1個が赤玉」である場合と、「2個とも白玉」である場合となります。
それぞれの確率を求めて単純に足しても、求めたい確率は出ます。
しかし、もっと複雑な問題になったときに、場合分けが3通り、4通り、5通りとなっていくこともあります。
計算も煩雑になります。
もっと簡単に求める方法はないか?
余事象を利用すれば、もっと簡単に求められるのです。

「少なくとも1個は白玉が出る」ことの余事象は、「1つも白玉が出ない」ということ。
言い換えると「2個とも赤玉が出る」こととなります。
「少なくとも1個は白玉が出る」ことの反対は、「2個とも赤玉が出る」です。
この「2個とも赤玉が出る」確率を求めて、全体1からその確率を引けば、「少なくとも1個は白玉が出る」確率を求めることができます。
これが余事象を利用した確率の求め方です。

全部で10個の玉です。
そのうち2個を同時に取り出します。
全体の場合の数は、10C2。
そのうち、5個が赤玉ですから、2個とも赤玉が出る場合の数は、5C2。
よって、余事象の確率は、
5C2/10C2=2/9
求めたい確率は、1-2/9=7/9
余事象を用いると、簡単に答えか出てきます。

計算そのものは簡単なので、「少なくとも1つが白玉である」ことの余事象は「1つも白玉ではない」すなわち「2つとも赤玉である」ことなのだと自力で読み取る力をつけること。
余事象の問題は、そのように事象を把握する力をつけることが鍵となります。
他の可能性がある気がする、というところに拘泥せず、このような考え方に慣れること。
この方向でものごとを分析するトレーニングをすること。
怖がらないで、練習あるのみです。
ヽ(^。^)ノ




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