たまりば

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2017年11月17日

三角比と関数の融合問題。


三角比と関数の融合問題を今回は扱ってみましょう。

問題 0°≦x≦180°のとき、 y=2sin2x-2cosx-1 の最大値と最小値を求めよ。

小学生や中学生は、文章題を見ると、
「問題が6行も書いてある。こんなの解けるわけない」
と、問題文の長さだけで解くのを諦めたりします。
あるいは、中学数学の関数や図形問題で、前提となる問題文を読まず、(1)の短い設問とグラフや図だけを見て、
「わからない、わからない。難しい」
とうんうんうなっている子も、珍しくありません。
問題文を読む習慣のない子は、かなりの割合で存在します。
どうせ大したことは書いていないと思っているのでしょうか。
文字を読み取ること自体が苦痛なので、できるだけ省略したいのでしょうか。
そういうタイプの問題は、問題文を読まないと解けるわけないんですけど。
(^-^;

しかし、高校の数学には、もっと別の怖さがあります。
こういう問題文が1行だけの問題が増えてくるのです。
何行も問題文が書いてあれば、どこかにヒントがありますが、こんなふうに1行で終わられたら、何もとっかかりがありません。
何をどうしたらいいのかわからない、という事態に至ります。

問題が何を言っているのか、わからない。
何を要求しているのか、わからない。

何をどうすることがこの問題を解いたことになるのか全くわからない、ということが起こりうるのです。
教わったときだけは何とか解き方を暗記しても、2か月も経って、校外実力テストや模試でこういう問題が出ていると、この1行を見つめたまま固まることになります。
そんな高校生は、多いです。
高校数学に白紙答案があるのは、そういう理由です。
わざと解かないわけではない。
どう解いたら良いのか、本当に何もわからないのでしょう。

この問題は、
「最大値・最小値って、関数で出てくる用語だよね」
と気づくと、問題がほぐれてきます。
そう思って見ると、
y=2sin2x-2cosx-1
って、関数ですよね。

これと似ている関数のイメージは、
y=2x2-2x-1
だから、ああ、これは2次関数なのだと気づきます。

しかし、普通の2次関数と違うのは、xではなく、sinxとcosxが使われていること。
うん?
それは、書き換えられたんじゃなかったでしたっけ?
サインはコサインに、コサインはサインに、転換する方法がありましたよね。
ここで、三角比の相互関係の公式を用いるのだと気づけば、もう先は見えてきました。
公式は、こうです。

sin2θ+cos2θ=1 (2は指数)
すなわち、
sin2θ=1-cos2θ
今回は、角度はθではなく、xが使われていますから、
sin2x=1-cos2x
これを代入します。

y=2sin2x-2cosx-1
 =2(1-cos2x)-2cosx-1
 =2-2cos2x-2cosx-1
 =-2cos2x-2cosx+1

ああ、これは2次関数ですねえ。
慣れてくるとこのままでも先に進めますが、見やすくするため、cosx=t と置き換えてみましょう。
すなわち、
y=-2cos2x-2cosx+1
 =-2t2-2t+1
これの最大値と最小値を求めたらいいんだー。
ヽ(^。^)ノ

しかし、その先もそう簡単にはいかない人がいます。
「三角比」の学習に入る頃には「2次関数」で学んだことの大半を忘れてしまっている子が多いのです。
数学は積み上げ科目なので、一度学習したことは忘れたらダメなのですよー。

2次関数の最大値と最小値の求め方?
何をどうするんでしたっけ?
2次関数のグラフは放物線です。
まずは定義域を無視して考えるのなら、頂点の y 座標が最小値か最大値になります。
下に凸の放物線ならば、頂点の y 座標が最小値。
上に凸の放物線ならば、頂点の y 座標が最大値。

頂点の座標を求めるためには、平方完成をします。
平方完成のやり方、覚えていますか?
高校生が相手ですと、ここでまたドタバタ。
平方完成という言葉すら忘れていたりします。

y=-2t2-2t+1
 =-2(t2+t)+1
 =-2(t+1/2)2+1/2+1
 =-2(t+1/2)2+3/2

すなわち、頂点の座標は、(-1/2 , 3/2) となりますから、
t=-1/2のとき、最大値3/2となります。

ところで、これは、定義域にある数なのか?
そもそも定義域ってあったっけ?
この確認は大切です。
t の定義域って?
cosx=t としたのですから、その定義域を考えればよいわけです。
問題の最初に書いてある通り、0°≦x≦180°なので、
cosxの変域は、-1≦cosx≦1。
すなわち、-1≦t≦1。

高校生は、ここでさらにドタバタ。
コサインの変域ということが、どうにもこうにも理解できない人が現れます。
そこで、単位円を描いて、もう一度、コサインの定義から説明し直しとなる場合が多いです。
半径1の単位円上の点をP(x,y)とし、動径OPとx軸の正の方向とのなす角をθとすると、
cosθはxの値そのものでした。
ですから、θ=0°のとき、すなわち、OPはx軸が重なっているときは、P(1,0)ですから、
cos0°=1
θ=90°のときは、P(0,1)ですから、
cos90°=0
θ=180°のときは、P(-1,0)ですから、
cos180°=-1
このように、0°≦θ≦180° のとき、-1≦cosθ≦1 です。

さて、コサインの変域が理解できたので。
定義域は、-1≦t≦1。
おお、t=-1/2は、定義域内に入っていますね。
これで、最大値は確定です。

ところで、最大値を答えるときは、xが何の値のときにyが最大値になるのかも答えなければなりません。
t=-1/2
すなわち、cosx=-1/2
頭の中で単位円を想像して。
それがまだ無理なら、実際に単位円を描いて。
cosx=-1/2
すなわち、x=120°

次に最小値を考えます。
放物線は、左右対称です。
今、放物線は上に凸。
頂点から離れるほどに、急激に y の値は小さくなっていきます。
tの変域の内部で、頂点の t の値-1/2から距離があるほうの端の値が、最小値となります。
-1と1。
-1/2から遠いのはどちらか?
もちろん、1ですね。
ですから、t=1のとき最小値です。
t=1を代入して、
y=-2t2-2t+1
=-2-2+1
 =-3
さて、t=1すなわち cosx=1のとき、
またまた、単位円をイメージして。
x=0°

したがって、
x=120°のとき最大値3/2
x=0°のとき最小値-3

これが最終解答となります。
問題に出てくるxとyと、コサインの定義に出てくるxとyとで混乱が起こる人もいます。
cosθならばわかるけれど、cosxと書いてあるだけで、何のことかわからなくなる人もいます。
「そんなところでxを使っていいんですか?」
と不安になり、納得できない様子なのです。
「きちんと定義してあれば、どんな文字だって使っていいでしょう」
そう説明しても、頭の中の霧は晴れない様子です。

数学が苦手な人の頭の中を覆うこうした「霧」の正体は何なのか。
xやyなど、文字が数学に登場した頃から、実は納得できていなかったのではないか?
何か使い方にルールがあるはずなのに、自分だけそのルールが理解できないでいる。
そんな不安があるのだろうかと想像してみるのですが、まだよくわからないことが多いです。
生徒の言葉の端から想像してみるしかないのです。
わからないことの何がどのようにわからないのかを明確に語ることができるのなら、それは「わかっている」のと同じでしょう。
何がわからないのかわからないから、本人も悩んでいるのだと思います。

不安は、比較的理解力のある高校生の中にもあるようです。
わからないわけではない。
説明を聞けばわかるのです。
でも、自分で解こうとすると、途中で詰まってしまう。
あれ、何のことだっけ?
今、何をやっていたんだっけ。
そうやって何度も詰まる。
そんな感想の人もいると思います。
わからなくなる度、なぜそれで解けるのかを考え直し、頭の中に明瞭な筋道を作っていきましょう。
作業手順だけ覚えてやり過ごそうとしても、作業手順が長すぎて、覚えきれないです。
覚えることは、これだけではないのですから。

思うに、希望はあるものとも言えぬし、ないものとも言えない。
歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。

歩くのが自分一人ならば、何回も歩けば、それは道になります。
ヽ(^。^)ノ




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