たまりば

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2017年09月27日

2次不等式の解法。




画像は、3年前、日影沢で撮影したキツリフネです。
かなりピンボケですが。

今日は2次不等式の話。
例えば、こんな問題です。

問題 x2-3x+2≧0 を解け。

実際に解くときには簡略化して、作業手順だけの解き方になりますが、ここではじっくり考えてみましょう。
まずは左辺を2次関数とします。
=x2-3x+2
この放物線はx軸とどのように交わるでしょうか。
y=0を代入してみましょう。
x2-3x+2=0
(x-1)(x-2)=0
x=1,2
よって、上の放物線は、x軸と点(1,0)、(2,0)で交わるとわかります。

x軸と2点で交わる下に凸の放物線をイメージしてください。
ここで、不等式x2-3x+2≧0に戻りましょう。
この不等式の解の範囲は、放物線で、x軸上とそれより上の部分ということになりますね。

ここで「え?」「え?」となってしまう高校生は多いです。
x2-3x+2の値というのは、yの値なのであるということが頭の中で上手く繋がらないのかもしれません。
y=x2-3x+2
としたのですから、x2-3x+2の値はyの値です。
したがって上の不等式は、放物線で y≧0の部分ということになります。

xについて解く練習ばかりしてきたせいか、x2-3x+2という式自体が何かの値を表しているということがピンとこない子は多いです。
それがyとイコールであることも、頭の中で上手くつながりません。
y=x2-3x+2
と書いてあるんだから、そうでしょう?
と説明しても、ポカンとしています。

「え?じゃあ、x≧0が解?」
と高校生に質問されて、ぎょっとしたりするのですが、そういうことではありません。
y≧0の部分のxの範囲が解です。
では、どの部分かというと、x軸で点(1,0)、(2,0)で交わっているのですから、x座標でいうと、1以下の部分と2以上の部分で、放物線はx軸上とそれより上となります。
よって、解は、
x≦1,2≦x
となります。

x軸上とそれより上の部分の放物線の各点のx座標が、この不等式の解です。
このことを理解してもらうためにはかなり根気よく説明しなければなりません。
ここでは、実際に放物線を用いて説明していないからわかりにくいという面もありますが、放物線を用い、わかりやすいテキストを見ながら解説しても、上手く理解できない子もいます。
「学校でやったけど、意味がわからなかった」
と相談を受けることが多い箇所です。

中学生のときに関数と座標平面について確かな感覚を養ってこなかった子は、放物線上のそれぞれの点にx座標とy座標があることが曖昧なのかもしれません。
x座標やy座標を活用するタイプの問題に弱い傾向があります。
放物線は点が上下に動いているように見えるので、上下の方向、すなわちy座標のことしか考えられなくなるのでしょうか。
放物線上の点には、x座標とy座標があります。
y≧0 である範囲の放物線上の点の、x座標が解なのです。
それをx軸上に落として説明しているテキストは多いです。
しかし、x座標で考えることができない子は多いです。

中学の間は、関数と方程式は、ほとんどつながりがありません。
唯一、中2の「1次関数」で、「連立方程式のグラフによる解法」という内容を扱います。
その際に、
「関数をやってたはずなのに、急に連立方程式の話になるから、意味わかんない」
と愚痴を言う中学生がいます。
「連立方程式なんて計算で解けばいいのに、それをグラフで何かぐちゃぐちゃやっているから、意味がわからない」
というのです。
その「グラフで何かぐちゃぐちゃ」が、実は大切な部分なのですが、問題を解くことに短絡的にはつながりません。
無駄に思えて無視してしまう子は多いです。
数学の各分野でそれを繰り返すうちに、頭の中に残っているのは個々の問題の解き方だけになってしまいます。
海の上に浮かんでいる島だけが見えていて、それが海底で全部つながっていることがわかっていない状態です。
本人の頭の中では、島どうしがつながっていませんから、全て不安定な浮島です。
より高度な内容が入ってきたときに、それでは処理できなくなります。
本当に大切なのは、島ではなく、海底を作る作業でしょう。

今回学習した2次不等式は、最初は理解してもそのうち作業手順だけになりがちなところです。
2次不等式を実際に解くときは、いちいちグラフは描きません。
不等号の向きだけで単純に処理していきます。
そのせいもあって、時間が経つと途中の考え方が頭の中から消えていきます。
海底が消え、浮島だけが残ってしまいます。
なぜそれで解けるのか、わからなくなります。
そうして、わからなくなっていることに、ある日突然、自分で気がつき、不安になります。
そうなってから、先生に質問します。
しかし、不安を感じながら聞く説明は、もう最初のときほど理解しやすいものではなくなっています。

海底を作る作業は、本当に難しい。
小学生の頃から、ある意味頭の回転が速く、作業を手順化して短絡的に結びつけることに慣れているタイプの子ほど、あっという間に海底が消えていくことがあります。
全ては海底でつながっていることを常に意識して問題を解いていきたいですね。





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