たまりば

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2017年07月16日

7月29日(土)、大人のための数学教室を開きます。


7月15日(土)、大人のための数学教室を開きました。
分数式の乗除、繁分数の計算を終えて、「恒等式」に進みました。
恒等式とは、その名の通り、常に成り立つ式のことです。
「xについての恒等式」でしたら、xにどのような値を入れても常に成り立つことを意味します。

問題
次の整式がxについての恒等式となるように、定数a、b、cの値を定めよ。
x2+2x+3=a(x+1)(x-1)+b(x-1)+c

誤解しやすいところですが、問題文中にある「整式」とは、「係数やxの値が整数の式」という意味ではありません。
分母にxがある「分数式」などではないという意味です。
xの係数やxの値は整数である必要はありません。
具体的には、単項式と多項式とをあわせて「整式」と呼びます。

さて、この問題の解き方は2つあり、それぞれ「係数比較法」「数値代入法」という名前がついています。
まずは係数比較法から。
とりあえず、右辺を展開します。
a(x+1)(x-1)+b(x-1)+c
=a(x2-1)+bx-b+c
=aX2-a+bx-b+c
これをxについて降べきの順に整理します。
=ax2+bx+(-a-b+c)
すなわち、
x2+2x+3=aX2+bx+(-a-b+c)
この左辺と右辺の係数を比較します。
これがxについての恒等式なのですから、左辺・右辺それぞれの係数や定数項は等しいでしょう。
よって、
1=a
2=b
3=-a-b+c
の3本の式が得られます。
わからない文字が3つあるとき、式が3本あればその文字の値を求めることができます。
連立方程式ですね。
a=1、b=2を-a-b+c=3に代入して、
-1-2+c=3
-3+c=3
c=6
よって、a=1、b=2、c=6です。

もう1つの解き方が「数値代入法」。
xに適当な値を代入して、式を解いていく方法です。
やはり、わからない文字が3つあるので、式は3本用意します。
xにどんな値を代入した式でも良いのですが、どうせなら計算しやすいほうがいいですね。
x2+2x+3=a(x+1)(x-1)+b(x-1)+c
という式から、x=0、1、-1の値を代入すると判断します。

どういう基準で、それらの値を代入すると判断するのでしょうか?
x=0ならば、左辺の2つの項が0になり、計算が楽だからです。
同様に、x=1ならば、右辺の2つの項が0になり、その後の計算が楽になります。
x=-1ならば、右辺の第1項が0になり、その後の計算が少し楽です。

では、やってみましょう。
x=0を代入すると、
0+0+3=a・1・(-1)+b・(-1)+c
すなわち、
-a-b+c=3 ・・・・①

x=1を代入すると、
1+2+3=a・2・0+b・0+c
すなわち、
c=6 ・・・・②

x=-1を代入すると、
1-2+3=a・0・(-2)+b・(-2)+c 
すなわち、
-2b+c=2 ・・・・③

0には何をかけても0になるので、消えてしまう項が多いのですね。
だから、xそのものが0になる値や、(x+1)や(x-1)が0になる値を用いています。
この3本を連立方程式として解いていきます。
②を③に代入しして、
-2b+6=2
-2b=-4
b=2 ・・・④
②、④を①に代入して、
-a-2+6=3
-a+4=3
-a=-1
a=1

先程の係数比較法と同じ値が出ましたが、数値代入法の場合、このまま解答してしまうわけにはいきません。
なぜなら、x=0、1、-1のときにそれが成立することしか今のところわかっていないからです。
xがいくつかの値に対して成り立つようにa、b、cの値を決定したに過ぎません。
これは、xについての恒等式であるための必要条件であって、十分条件ではありません。
そこで、a=1、b=2、c=6をもとの式に代入して、本当に大丈夫なのか確認します。
すなわち、「十分性を示す」のです。

a=1、b=2、c=6を与式に代入すると、
右辺=1・(x+1)(x-1)+2(x-1)+6
   =x2-1+2x-2+6
   =x2+2x+3
よって左辺=右辺 となり、与式は恒等式となる。
ゆえに、a=1、b=2、c=6

数値代入法は、このように最終確認をしなければならないことが答案的には難しく、しかもわかりにくいかもしれません。
「必要条件」「十分条件」という言葉の意味も忘れかけていた頃に突然これが出てくるので、戸惑う高校生は多いです。
必要条件と十分条件は、数Ⅰの最初の頃に学習した内容です。

pならばqであるとき、pをqであるための十分条件、qをpであるための必要条件という。

上の問題でいうならば、「a=1、b=2、c=6ならば、与式はxがどのような値でも成立する」
ということを示さなければなりません。
「x=0、1、-1ならば、a=1、b=2、c=6である」
では、矢印の方向が逆ですね。
必要条件であるというのはそういう意味です。
ですから、逆方向の矢印でも大丈夫であること、すなわち「十分性」を示すことが重要です。

難しいのはそこだけだと思うのですが、実際の計算で苦労する高校生もいます。
3元1次連立方程式を見ると、軽いパニックが起こり、何をどこに代入していいのかわからなくなる子は案外多いのです。
堂々巡りになるだけの、やらなくて良い式の変形ばかりやってしまい、必要なことをやりません。
見ていて不可解なほど、混乱してしまうのです。
中学2年の「連立方程式」の学習のとき、「加減法」しかやろうとせず、
「代入法は嫌い」
と言って使わない子がいますが、そういうことが尾を引いている可能性もあります。
代入法が嫌いというのは、代入法の理屈が上手く理解できず、加減法のように手順を把握しやすいほうに逃げているのかもしれません。
型通りの加減法の連立方程式なら解けるのですが、手順を覚えているだけで、なぜそれで解けるのか理解していないのでしょうか。
しかし、高校生になって使うのは、加減法よりも代入法のほうが多いのです。
2つの解き方があるとき、1つのやり方しか理解しないのは危険です。

上の恒等式の問題を解くときも、私も現実には係数比較法しか使いませんが、数値代入法の解き方も理解しておいてください。
2つとも、また別の問題で活用する考え方を含んでいます。

さて、次回の数学教室のお知らせです。

◎日時  7月29日(土)10:00~11:30
◎内容  数Ⅱ「等式・不等式の証明」を続けます。p14例題2から。
◎場所  セギ英数教室
       三鷹市下連雀3-33-13
         三鷹第二ビル 305
       春の湯さんの斜め前のビルです。
◎用具   ノート・筆記用具
◎参加費 2,000円
       当日集めさせていただきます。
◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。







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