たまりば

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2017年06月28日

2次関数と平方完成。


2次関数は、y=a(x-p)2+q の形にすることで、どのような放物線であるかが明らかになります。
上のような形になっていれば、軸は直線x=p、頂点の座標は(p,q)と読み取れます。
ですから、問題の中で、y=aX2+bx+c の形で示された場合は、とにかく上の形に直すことが必要となります。
そのために行うのが平方完成です。

例題 2次関数 y=x2+4x-5 のグラフの軸と頂点の座標を答えよ。

この見た目では頂点の座標はわかりませんから、平方完成しましょう。
平方完成で使用するのは、中3で学習した因数分解の公式です。
a2+2ab+b2=(a+b)2
a2-2ab+b2=(a-b)2
ですね。
ただし、平方完成は因数分解ではないので、定数項が( )からはみ出して構いません。
y=x2+4x-5
 =(x2+4x+4)-4-5
 =(x+2)2-9
これが平方完成です。
軸は直線x=-2、頂点の座標は(-2,-9)です。

無いものを勝手に足して、同じものを勝手に引いて、それで辻褄を合わせるやり方が理解できずに苦労する高校生が多いところです。
等しいというのはそういうことだから何も問題はないよと言っても、「わからない」「わからない」「わからない」という反応ばかりの子もいます。
授業が全く進まないことがあります。

そういうこともあり、高校生に対しては、基本的には、塾では復習中心で授業を進めます。
数Ⅰと数Aと、数学は2科目ありますので、週1回の授業では予習先行したくてもすぐに学校に追いつかれてしまうという事情も大きいです。
しかし、何より、「わからない」「わからない」「わからない」とつぶやく生徒と1対1で対話していると、時間ばかりかかって先に進まないのです。
初めて学ぶ内容に違和感が強く、抵抗感も大きいのでしょう。
とにかく補助するから練習してみようと声をかけても、手を動かしてくれません。
やりながらわかってくることがあるよと言っても、反応がありません。
「どこがわからない?何が疑問?」
と訊いても、黙り込む子も多いです。
何がわからないのか、それすらわからない。
違和感がありすぎて、フリーズしてしまう。
そういうことかもしれないと想像しています。

しかし、同じことでも、学校で一度授業を受けていると、「わからない」と言いながらも練習することには抵抗しません。
やり方を間違えている場合は多いですが、とにかく手を動かしてくれます。
「そこのやり方は、こうだよ」
と説明すると、素直に聞いてくれます。
「こうやると間違えないよ」
と説明すると、熱心に聞いてくれます。
「すげえ。わかりやすい!」
と言ってくれることすらあります。
予習をする場合と同じ説明をしているのですが。

とにかく、新しい事柄に抵抗があるのでしょう。
高校数学は、最初に教える者が損をする科目かもしれません。
「学校の先生もこんなふうに教えてくれたらいいのに」
と言ってもらえることもあります。
・・・・いや、そういうことではないよ。
最初に教わるときにはあなたはパニックを起こしているんだよ。
そう思いますが、まあそれは本人には言わず、にこにこしております。
ヽ(^。^)ノ

定理や公式の説明は学校の先生に任せて、塾では、それを使ってどう正確に解くか、どうスピーディに解くか、そのテクニックの伝授に時間をかけたい。
そういう気持ちもあります。
でも、数学が苦手な子ほど、予習をしてほしがります。( 一一)
学校の授業がわからなくて不安だからという気持ちはわからなくはないんです。
学校の授業がわかるようになると安心するのでしょう。
しかし、その先、定着するかどうはまた別の問題です。
「わかる」ことと「解ける」ことはイコールではありません。
予習ばかりして定着を確認できない授業形態では、テスト前になってようやく復習をしようというとき、予想通り何にも身についていないことがわかって、もう打つ手なしという場合もあります。

学校の授業がわからなくて不安なら、授業の前に数学の教科書を読み、例題を自分で解いてみるのがお勧めです。
何がわからないのか自覚でき、そこを中心にしっかり授業を聞くことができます。
しかし、授業に不安を感じながらも、そういうことはしない子が多いです。
自分で予習もして、学校の授業も受けて、宿題もこなして、塾にも行くのでは、数学に時間をかけすぎで、無駄に感じるのかもしれません。
どこかを重ねて、一石二鳥で済ませたいのでしょう。
そう考えると、予習と塾を重ねるのが、一番無駄がない。
そして、復習は、学校指定の問題集を提出用ノートに解くことで、一石二鳥。
本人はそれを合理的ととらえているのでしょうか。
しかし、それは、自ら可能性を封じるやり方です。
小学校の算数ならそれで大丈夫なのですが、高校数学でそれをやってしまうと、多くの場合、数Ⅱや数Bはほとんど何もわからない状態に陥っていきます。
予習は予習で自分でやる。
学校の授業を聞く。
塾で演習する。
塾の宿題をやる。
学校の指定問題集は解答解説を見ないで自力で解く。
余裕があれば、市販の問題集も自分で購入して復習する。
何も重ねないことで、幾度も復習でき、定着します。
こういう学習サイクルが理想です。


話を平方完成に戻しましょう。
y=x2+4x-5
説明としては、上に書いたように
 =(x2+4x+4)-4-5
となりますが、この書き方は説明のための書き方で、実際に解く際には解きにくいように感じます。
いや、これに慣れているし、これで解きやすい、ミスもしないというのならそれで良いのですが、4xから「2」という数字を導きだして、しかもそれを2乗した「4」を書かねばならないのは、頭の中でやることが多すぎるのでケアレスミスが出やすいのです。
y=x2+4x-5
 =(x+2)2-4-5
 =(x+2)2-9
と書いていくほうが頭が少し楽なように私は思います。
4xの係数の「4」を2で割った「2」という数字が、因数分解の公式の(a+b)2のbになります。
a2+2ab+b2
の2abの部分が4xに当たり、そのうちにxはaにあたりますから、4は2bにあたります。
だから、bは、4xの4を2で割れば導かれます。
これはいつでもそうなので、xの係数を2で割ればいいだけと単純化したほうが楽なのです。
そこで、
y=(x+2)2
まで、まず書いてしまいます。
そして、次に、a2+2ab+b2 のb2の部分を引いて辻褄を合わせます。
y=(x+2)2
と既に書いてありますから、bは2で、b2=4と見た目ですぐにわかります。
だから、
y=(x+2)2-4
まで、スムースに書いていくことができます。
考える時間は不要。
秒殺の作業です。
後は、もともとある-5を書き加えます。
y=(x+2)2-4-5
 =(x+2)2-9
こうすれば、平方完成は特に考え込む必要のない作業です。

例題 2次関数 y=3x2-3x+5 のグラフの頂点の座標を求めよ。

x2の係数が1ではない場合はどうしましょうか?
これは、まず文字項を3でくくります。
このとき、定数項+5はほおっておきます。
定数項はどうせ( )の外に出るものなので、最後に考えます。

y=3x2-3x+5
 =3(x2-x)+5
 =3(x-1/2)2-3・1/4+5
 =3(x-1/2)2-3/4+20/4
 =3(x-1/2)2+17/4
よって、頂点の座標は(1/2,17/4)

まず3でくくって、3(x2-x)。
xの係数が-1なので、bにあたる数は-1/2。
b2にあたる数は1/4。
しかし、( )の前に3がありますから、それをさらに3倍したものを引かねば辻褄が合いません。
だから、-3・1/4をすることで辻褄をあわせます。
後の+5と通分するので、慌てて計算する必要はありません。
1つ1つ目に見える形で書いていくことでむしろ速く正確に解いていくことができます。

やり方そのものを「わからない」「わからない」と言っていた子が、この段階になると、上のように丁寧に書かず、何なら与式の次は答えの式を書こうとする飛躍を始めるのも一つの傾向です。
無理な飛躍をするからケアレスミスをするのですが、そこを改めない子は多いです。
書くのが面倒くさいらしいのです。
暗算するほうが面倒くさいし、時間も余計にかかるし、間違いも多いのですが。
子どもの中には「暗算ができることが数学ができること」という不可解な神話にとらわれている子がいますが、暗算は最優先の課題ではありません。

一方、暗算しても書いていくのと同じスピードがあり、正答できる子はそれでいいのです。
数字や数式をわざわざ書かなくても脳裏に映像として見えている子はいます。
見えているものは省略してもミスしません。
精度の維持が最優先事項です。
やり方に「絶対」はありません。


例題 2次関数 y=-1/2x2+4x+2 のグラフの頂点の座標を求めよ。

y=-1/2x2+4x+2
 =-1/2(x2-8x)+2
 =-1/2(x-4)2+8+2
 =-1/2(x-4)2+10
よって頂点の座標は(4,10)

-1/2でくくるところが難しいです。
-1/2(x2+2x)などとしてしまうミスが目立つところです。
( )の中のxの係数が-8になるということがピンとこないのかもしれません。
符号ミスも多いです。
「何でそうなるんですか?」
と質問するので、展開して戻してみなよと言うと、一瞬で理解し、
「あっ」
と驚く子は、まだ理解の速い子。
「展開って何のことですか?」
など、会話がなかなか先に進まず説明に時間がかかることもあります。
一応は理解した後も、類題を解くとまた同じミスをしてしまうところでもあります。

平方完成は、2次関数の全ての基本。
符号ミスや指数の書き忘れにも注意しましょう。
ヽ(^。^)ノ





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