たまりば

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2017年06月07日

2次関数の一般式。


今回は2次関数の話です。
y=a(x-p)2+q
これが2次関数の一般式です。
中学3年で学習する、y=ax2 という放物線をx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動した放物線です。
y=ax2の頂点は原点にあります。
y=a(x-p)2+q の頂点は(p,q)です。
頂点に注目することで平行移動のイメージは具体的になります。
頂点の座標とy切片(y軸との交点のy座標)がわかれば、この放物線をイメージできますし、グラフを描くこともできます。
どんな応用問題でも、2次関数を与えられたら、とにかくこの形に式を整理することで問題の形が見えてきます。

しかし、数学が苦手な子は、これができないことが多いです。
与えられた式をぼんやり眺めたまま、何をどうしたら良いのかわからず呆然としてしまうことが多いのです。
「平方完成して」
とアドバイスすると、
「あ・・・」
と思い出してその作業をする子はまだ軽症。
「平方完成して」
「平方完成って何ですか?」
と訊いてくるようですと、かなり重症です。

平方完成とは何か?
与えられた式を( )2の形に直すことです。
定数項がはみ出しても構いません。
y=a(x-p)2+q
は平方完成された形だということができます。

昔、この説明をしていたとき、
「y=a(x+p)2+qの式はないんですか?」
という質問を受けたことがあります。
そんな式は必要ないですよと説明したのですが、不評でした。
「えー。わかりにくい!」
「・・・・・?」
どういうことなのか、そのときはよくわからなかったのですが、結局、根本の問題は正負の数に対する理解が不十分であることなのだと思います。
y=a(x-p)2+q のとき、頂点の座標は(p,q)
y=a(x+p)2+q のとき、頂点の座標は(-p,q)
この2つの式は、結局、同じことを表しています。
だから、2つ覚える必要はありません。
要は、pのほうは式にするときに符号が反転するが、qのほうは符号はそのまま。
そういうイメージですね。

なぜ、pのほうだけ符号を逆にし、qの符号はそのままなのか。
本当は、両方とも、符号は逆にしているのです。
y=ax2をx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動した式は、整理する前は、
y-q=a(x-p)2
それを移行して、
y=a(x-p)2+q
となっているのです。

でも、x軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動するなら、
y+q=a(x+p)2
なんじゃないの?
そういう疑問を抱く高校生も多いでしょう。
直観的にはそういうイメージを抱いてしまうので、この公式がますます覚えられない。
わかりにくい。
そういう子もいます。

ここで、移動前の、頂点が原点である2次関数を、
Y=aX2
と大文字で表してみましょう。
本当は全く別の文字を用いても良いのですが、関数らしさがなくなってますますわかりにくくなるといけないので、大文字にはするけれど、YとXを用いています。
この放物線上の任意の点の座標を(X,Y)と表します。
そうして、(X,Y)が移動した放物線上の点を(x,y)とします。
このxとyとの関係を表す式が、新しい放物線の式となるでしょう。
このXとxとの関係は、X+p=xでしょう。
そして、Y+q=yです。
すなわち、移項すると、
X=x-p
Y=y-q
です。
これを最初の式、Y=aX2 に代入すると、
y-q=a(x-p)2
y=a(x-p)2+q
上の一般式が導かれました。

しかし、この説明、途中でついてこられなくなる生徒が多いのです。
文字ばっかりでよくわからない。
何のために代入しているの?
そんなの、代入していいの?
大体、任意の点って何ですか?
その点のxとyの関係を表す式が放物線の式って、本当ですか?

数学が苦手な高校生の反応はこのようなことが多いです。
関数に対する理解が浅いと、抽象的な証明は理解できないのも無理からぬところがあります。
そこで、具体的に移動前と移動後の関数のxとyの値を表にして、座標平面上に点を打っていき、放物線を描いて、確かにその通りになると確かめるのが今の授業の主流です。
しかし、ここでも、何のためにそんなふうに具体的に表にしてグラフにしているのか理解できず、なめてかかり、「何だ中学生みたいだな。こんなの簡単だ」と思っていたら、突然授業がまとめに入り、一般式の形にされるとよくわからなくておろおろする生徒もいるかもしれません。

ともかく、2次関数の一般式は、
y=a(x-p)2+q
その頂点の座標は(p,q)、軸の方程式はx=p

2次関数の全てはここからです。




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