たまりば

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2017年05月14日

十分条件と必要条件。



本日は、十分条件と必要条件について。
「pならばqである」という命題が真であるとき、pをqであるための十分条件、qをpであるための必要条件という。
それだけのことなのですが、実際に問題を解いてみると、高校生の多くの答えは逆転していて、何だか全然わからないと愚痴を言います。
1つには、まず、「十分条件」「必要条件」という言葉が似ていて覚えにくいからなのでしょう。
どっちがどっちでも、同じような意味に感じるのだと思います。

例えば、「犬であるならば動物である」という命題があるとします。
「犬であること」は、「動物である」ための十分条件。
「動物であること」は、「犬である」ための必要条件です。

でも、
「え?逆じゃね?逆のほうが正しいっぽくね?」
そんな疑念が生じて、ごちゃごちゃになってしまう子がいます。

私の記憶違いでなければ、私の頃の教育課程では、これは中学3年生のときに学習しました。
そのときの先生の解説が明解で、今でもよく覚えています。
使われた命題も、この「犬であるならば動物である」でした。

集合で考えるならば、犬の集合は、動物の集合の部分集合です。
ベン図で言えば、動物の集合の輪の中に犬の集合がすっぽり入っています。

目の前にポチという名の生き物がいたとして、その生き物が犬であるならば、その生き物が動物であることは、言うまでもないことです。
「犬である」という条件を満たせば、「動物である」ということは十分に満たす。
「犬である」ことは、「動物である」ための十分条件です。

一方、「動物である」ことは「犬である」ための必要条件。
こちらのほうが、ちょっとわかりにくいのかもしれません。
これは否定して考えるとわかります。

もし、目の前のポチが動物ではないのなら。
ポチが動物でないのなら、犬であるはずがない。
動物であることは、犬であるために必要なこと。
だから、「動物であること」は、「犬である」ための必要条件です。

とはいえ、この解説、聞いたときは「ほおなるほど」と思っても、またすぐ忘れてしまうらしいです。
そうして、また混乱し、わからないわからないと言い出す高校生が多いです。
なので、もういいから、50音順で「十分条件」の「じ」のほうが「必要条件」の「ひ」より先に出てくるから、pのほうが「十分条件」とこじつけて覚えなさいと言っています。
(^_^;)

一応理解しても、またわからなくなる高校生が多いのは、「十分条件」「必要条件」の定義と、実際の問題との構造が違うせいもあるでしょうか。
「pならばqである」という命題が真であるとき、pをqであるための十分条件、qをpであるための必要条件という。
このように、定義ではpとqを逆にして説明しますが、実際の問題では、pとqの配置は固定されています。
それで、わからなくなる子も多いです。

例題
以下の空欄に「十分」「必要」「必要十分」のいずれかの語句を補充せよ。
xy≧0は、x≧0 かつ y≧0であるための(  )条件である。

「xy≧0ならば、x≧0 かつ y≧0である」
という命題の真偽をまず考えます。
これは、偽です。(反例 x=-1 , y=-1)
なので、xy≧0は、x≧0 かつ y=0であるためのの十分条件ではありません。
次に、逆を考えます。
「x≧0 かつ y≧0ならば、xy≧0である」
これは、真です。
なので、xy≧0は、x≧0 , y≧0であるための必要条件です。
よって、例題の空所を埋める語句は「必要」となります。

え、え、え?
今のどういうこと?
という声が聞こえてきそうです。(^_^;)

これ、地図を読むような感覚なのかもしれないと思います。
方向感覚が狂いやすい人は、この逆転が理解しづらいのかもしれません。
でも、これは慣れることで習得できます。
慣れてしまえば、単純作業です。





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