たまりば

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2017年04月13日

対称式の計算と、数学の成績がなかなか上がらない理由。


対称式の計算について、まずは考えてみましょう。
対称式とは、文字を入れ替えても値の変わらない式のことです。
例えば、x+y。
xとyを入れ替えても、値は変わません。
x2+3xy+y2
などもそうです。
その中で、x+yとxyの2つを特に基本対称式と呼びます。
この2つを利用した計算問題は、高校数学の各単元で繰り返し出てきます。

問題 x+y=5、xy=3のとき、x2+y2の値を求めよ。

x+y=5
これをまずは2乗してみます。
(x+y)2=25
これを展開すると、
x2+2xy+y2=25
xy=3を代入して、
x2+6+y2=25
よって、
x2+y2=19

答案としては、
x2+y2=(x+y)2-2xy
として一気に代入して計算してOKです。

そんなに難しくないはずなのですが、高校生の中に、これを、
「わからない」
「わからない」
と言い続ける子がいます。

勝手に(x+y)を2乗して、2xyを引くことで辻褄を合わせるやり方に納得がいかないのでしょうか。
存在しないものを勝手に足して、その上で同じものを勝手に引いて、ほら解けた、というやり方が釈然としないのでしょうか。
存在しないものは勝手に足してはいけない、そんなやり方はありえない、という思い込みが他の人より強いのかもしれません。

もう1つのタイプは、理解できないことはないけれど、自分で実際に解くときにそのやり方を使える自信がない。
存在しないものを思いつける気がしない。
そうした未来への不安に襲われ、わかるんだけどわからない、となってしまう子でしょうか。
説明したことがわからないのかと私は思い、もう1度説明するのですが、解決はつきません。

結局、説明はわかっているんです。
あとは精神的なもので、未来に自分で使えるかどうかなんて、今考えても仕方がないことに不安になって「わからない」と言われても、それは私もわかりません。
とにかく練習してみましょう、練習して様子を見ましょう、手を動かしてみなければ何も始まりませんよと私は言うのですが、そういうタイプの子は、失敗するのが嫌いなのか、完全に出来ると確信してからでないと練習しようとしないのです。
他人の前で間違えたくない、失敗したくないというプライドがあるのかもしれません。
励ましたりなごませたり、いろいろと別のアプローチが必要となってきす。

高校数学は、多くの子どもにとって気持ちの負担なのだと感じることは多いです。
中学まではそれなりに理解できたのに、高校数学になって全くわからなくなる子がいます。

1つには、練習量の問題があるのでしょう。
数学が得意な子が5分で解く問題。
しかし、計算の遅い子は、1問に15分くらいかかってしまいます。
計算過程が複雑なので、計算力に不足のある子は、高校数学になるとかなりもたつくようになるのです。
ノートを覗き込んで確認すると、何でこんな面倒なやり方をわざわざ選んでいるんだろうと首をひねらざるを得ない、遠回りで計算ミスをしやすいやり方を選んで計算している場合が多いです。
約分、通分、計算の簡略化、( )をいつ開くか、全てにおいて、計算のセンスが少しずつ悪いのです。
どうでも良いところをもたもた丁寧に書いていくのに、そこを省略したらミスをしやすいでしょうというところで暗算したりもします。
遠回りでも正解ならまだ良いのですが、バランスの悪いやり方をしていますから、どこかで計算ミスをしてしまいます。
それの直しに、また15分くらいかかります。
結局、数学が得意な子が5分で解く問題に、合計30分かかります。
1問に6倍の時間です。

ということは。
数学が得意な子が週に3時間勉強するとして、同じ量の勉強をするために、数学が苦手な子は6倍の18時間必要となります。
1週間に18時間、数学を勉強する。
理屈では可能ですが、現実には無理でしょう。
他の科目の勉強もありますし、やりたいこともあります。
でも、1週間に18時間勉強していかない限り、数学の得意な子との差は、どんどん開いていくばかりです。
数学が得意な子が週に3時間勉強している学習量をそうしないとこなせないということなのですから。

数学が苦手な子がどんどん数学がわからなくなっていくのは、このように端的に学習量が足りないことに原因があります。
解いている問題数が、定着するには足りないのです。
反復もほとんどできないですから、覚える量より忘れる量のほうが多いでしょう。
数学がわからないのは、理解力がないからではなく、前提となる既習の知識を忘れてしまっているからという場合は少なくありません。

計算力のない高校生は、学校から渡されている教科書準拠の問題集をテスト前に1回解くだけで精一杯で、余力がありません。
学習量を増やすために、「塾は塾のテキストを宿題に出しますよ」と言っていると、テスト前になって、学校の問題集が終わっていない、テスト当日に提出しなければならないのに、と生徒に言われて頭を抱えてしまうことがあります。
毎週の塾の宿題は締め切りがあるので、とにかくそれを優先した結果、定期テスト前が提出期限の学校の問題集は手つかずのまま放置されてしまうのです。
学校の問題集と、塾のテキストと、復習用に自分で買った問題集と、3つくらい並行して解くのが当たり前でしょう、なんて言っても通用しません。

18時間は無理でも、最善を目指しましょう。
やっているうちに、少しずつ速くなります。
少しずつ能率が上がります。
計算のやり方で助言されたことを実行に移し、改善していくことも必要です。
テクニック1つで激変することもありますからね。

短い時間で効果的な学習。
そんなことが良く言われますが、それは、現在既に能率の良い学習が可能な場合の話でしょう。
不器用な子は、どうしても時間がかかります。
現在の自分はどうにも不器用だと自覚したら、時間をたっぷり投じる覚悟をしましょう。
耳ざわりの良い情報に惑わされて、人生を無駄にしないでください。
時間をかけなければ結果はついてこないこともあると思います。




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