たまりば

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2017年02月08日

関数が苦手な子。


中高一貫校は、中3でもう高校数学に入ります。
一般的なスケジュールよりちょうど1年早い学校も多いですが、半年くらい早いカリキュラムの学校もあり、今は、数Ⅰの「2次関数」を勉強している子もいます。
中3の「2乗に比例する関数」の放物線は、原点を通るものしか学習しませんが、高校数学の放物線は原点を通るとは限らず、座標平面上の色々なところに位置します。
難しそうですが、原点を通る放物線からどのように平行移動したものであるかという発想で、その放物線の形を把握し、グラフを描いていくことができます。
すなわち、
y=a(x-p)2+q
のグラフは、
y=ax2
のグラフをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動したものです。

このことは、説明をしっかり聞けば理解できることですが、図や表を多用しますので、ここでは省略します。

上のように、
y=a(x-p)2+q
の形に式を整理することを「平方完成する」と言います。

ここで数学が苦手な子が陥りやすいのは、与えられた2次関数の式を平方完成することを忘れてしまうこと。
大半の問題はとにかく平方完成してみないと何も始まらないのですが、その最初の一歩を忘れてしまうのです。

高校数学の問題の中には、1行で終わるものも少なくありません。
4行も5行もズラズラと書いてある中学の文章題に苦しんだタイプの子は、しかし、ここで気づくのです。
1行しか書いていない問題のほうが怖い。
何をどうしていいのか、全くわかりません。

2次関数 y=2x2-ax+6 (-2≦x≦8) の最大値・最小値を求めよ。

教科書や問題集の例題を常に見て、その通りになぞる形で類題を解いて、それでわかったつもりでいる子は、テストになって、たった1行のこの問題を見たときに、問題が何を要求しているのかわからず、呆然としてしまうことがあります。

何をどうしたらいいのかわからない。
そもそも、何を答えろと言われているのかわからない。
関数の「最大値・最小値」って、何?


「関数」に対するアレルギーの大きい子は多いです。
中学生の頃から、「関数」についてモヤモヤしたものを抱いています。
中1の「比例・反比例」も、中2の「1次関数」も、機械的な作業としてやり方だけ覚え、テスト前だけ何とか身につけてやり過ごし、結局、何だかよくわからなかったようです。
問題が解けないわけではありません。
宿題も、それなりに解いてきます。
でも、わからないと言います。
勉強がかなり進み、関数の利用に入った頃に訊いてきます。
「関数って何?」
「・・・・・・」

「変数xとyがあるとする。xの値を決めると、yの値がただ1つに決まるとき、yをxの関数という」
これが関数の定義です。
しかし、こんな定義は、そういう子の前では無意味です。
不快そうに顔をしかめてさらに訊いてきます。
「そんなのどうでもいいから、関数って何?」

そこで、一時期よく使われたブラックボックスの図を使って説明します。
私自身も中学生のときに数学の先生から実際にその授業を受けました。
70年代最新の教育技術だったようです。
80年代に入り、『金八先生』でも、ブラックボックスの授業が行われた回がありました。
国語教師である金八先生が、数学の先生の授業内容に口を出し、その先生の前で数学の授業をやってみせるという筋に、私は少し抵抗感がありましたけれど。
金八先生の国語の授業は、教科書を読み聞かせては教師本人が感動して感想を述べるだけのものでしたので、
「他人のことより、自分の授業の質を何とかしなさいよ」
と感じていましたから。

それはともかく、ブラックボックスの授業とは。
ボードに箱の絵を描きます。
あるいは、本当に黒い箱を用意すると、生徒はさらに興味を示します。
例えば、この箱は、ある数を入れると、その数を2倍して3を足すという機能を持った箱。
この箱の入口に、今、4という数字を入れると、出口から、11という数字がポロンと出てくる。
この箱の機能が関数です。

こういう実演型の授業は、ただ口で説明するだけ、ボードに書くだけでは興味を示さない子が、そこから関心を持ってくれる場合があります。
私自身、数十年のときを経ても自分の受けた中学の関数の授業を覚えているということ1つとっても、印象の強さがわかります。
とにかく、わかった気になるだけでも大切ですね。
そこから全てが始まります。

関数に関心を持たせるには、他にもいろいろ方法があります。
英語で、関数は、function。
それは、本来、「機能」という意味の英語です。
「ほら、パソコンでFキーってあるよね。あれは、functionキー。機能キーというでしょう。あのfunctionだよ」
こういう情報を、理解のとっかかりになるように付け加えます。
自分の身近に、これから学ぶことが既に存在していたというのは、ちょっと印象に残りますよね。
秀才ほど、そういう情報をつかんで、そこで記憶を深めるのが上手です。
しかし、勉強の苦手な子がこういう場合にとる反応は主に2種類。

①また先生が知ってることだけしゃべってる、と思って聞き流すタイプ
何でそういう見方をするのかわからないのですが、大人が知識を披露すると、知ってることをしゃべりたくて仕方ないんだなあと聞き流す子がいます。
学校の先生でも、塾の講師でも、自分の知っていることをとにかくしゃべりたいタイプの人はむしろ少なく、生徒の知識の定着の助けになればと余談に関しても目的をもって話しているのですが、そういうことが理解できない子がたまにいます。
大人に対して、うがった見方をしたいのかもしれません。
授業の工夫を無にしてしまい、他の子が記憶しているのにその子だけ覚えていず、損をするタイプの子です。

②先生が言ったことをきっかけに思いついたことをしゃべりまくるタイプ
「あ、Fキー、知ってる知ってる。あれがさあー」
と、自分が経験したこと、知ってることをとにかくしゃべりまくる子。
おしゃべりが好きな子に多いです。
自分が話したいことをたくさん話して満足し、関数の話はどこかにふっとんで終わります。
勉強が下手な子は、あらゆる場面で勉強が上手な子とちょっとずつ違うんです。

話を戻して、関数についてのいろいろな説明を聞いて。
それで理解できる子もいるのですが、わからない子はわからないままです。
「関数って何?」

質問がつたないので、よく伝わらないのですが、おそらく、そういう子は関数が何であるかを知りたいのではないのでしょう。
「関数なんて、何の役に立つの?」
質問の本当の形は、それかもしれません。
自分が上手く理解できないものは役に立たないものであるとしたい心理も働いているのかもしれません。
関数なんて無意味だから理解しなくて良いのだということにしてしまいたいのでしょうか。

でも、それは間違っています。
関数は数学の中でも実生活に直結している分野です。
「関数は、役に立つものだよ。いろいろなことが関数で一発解決だよ」
「嘘だ。関数なんか使わないよ」
「使いますよ。エクセルは関数でしょう?」
「何、それ」
「・・・・・エクセルを知らないの?」

うーむ。
子どもの使うソフトではないかもしれませんね。


「電卓だって、パソコンだって、広い意味で関数だよ」
「は?何言ってんの?」
だんだん機嫌が悪くなってきます。
「そうして、予想通りのあなたの反応も、私の中では、関数だよ」
「・・・・・腹立つー」


さて、話がかなりそれましたが、「関数」にモヤモヤした違和感を抱いている子が理解できていないこと。
それは、
「yをxの関数という」
ということ。
すなわち、関数の最大値・最小値とは、yの値の最大値・最小値です。
これ、わかっている人には、ごく当たり前のことなのですが、数学が苦手な子にくどいほどこのことを説明しても、なかなか定着しないのです。
最大値・最小値に関する宿題を繰り返し出しても、
「問題の意味がわからなかったー。関数の最大値って何ですかー?」
と、翌週にこにこして白紙のノートを持ってきます。
「・・・・せめて、平方完成をしてこようか?」
「平方完成って何ですか?」
「・・・・・うーん。とりあえず、そういう数学用語を覚えて、指示された内容を理解できるようになろうか?」

数学が得意になるまでの道は長く険しいのです。




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