たまりば

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2017年01月26日

三平方の定理と三角形の面積、さらに三角比、ヘロンの公式。


中3で学習する「三平方の定理」の中でも、これは応用問題です。
例えば、こんな問題です。

問題 上の図で、AB=20、BC=21、CA=13です。△ABCの面積を求めなさい。

まずは、三平方の定理までしか学習していない中3として、この問題をどう解くか考えてみましょう。
三角形の面積は、1/2×底辺×高さ で求めることができます。
底辺をBCと見るなら、高さは、AH。
まずは、AHを求めることに集中します。
AHを挟んで、左右に2つの直角三角形があります。
ここで三平方の定理を利用できそうです。
BH=x とおくと、CH=21-x 。
△ABHにおいて三平方の定理より、 AH2=AB2-BH2
△ACHにおいて三平方の定理より、 AH2=AC2-CH2
(文字の後ろにある半角の2は指数として読んでください)
よって、AB2-BH2=AC2-CH2
202-x2=132-(21-x)2
400-x2=169-(441-42x+x2)
400-x2=169-441+42x-x2
-42x=-672
x=16
ゆえに、BH=16です。
ここから、AHを求めます。
△ABHにおいて三平方の定理より、
AH2=AB2-BH2 
AH2=202-162
AH2=400-256
AH2=144
AH>0 より
AH=12
これで高さがわかりました。
よって、
△ABC=1/2×21×12
     =126
面積は、126とわかりました。

ここで難しいのは、計算過程が何段階にもわたるので、BHを求めている間に、それが高さだと勘違いしてしまう子が出やすいこと。
あるいは、AHを求めたところで満足して、それを最終解答としてしまう子もいます。
「何を求めるんでしたっけ?」
と私が問いかけても、
「え?何を求めるんだっけ?」
と私の顔を見返すばかりで問題に目を戻そうとしない子は、解き方は理解できても、自力で正答に至るのはなかなか難しいです。
何を求めるのか。
求めるものの単位は何か。
こうした最終確認をする癖がついていると良いですね。


さて、中3は上の解き方がベストなのですが、高校1年生になると「三角比」を学習します。
三角比の基本から、正弦定理、余弦定理と学習が進んだ先に、三角形の面積も三角比を利用して求めます。
三角比を利用した三角形の面積の公式は、
S=1/2ab・sinC=1/2bc・sinA=1/2ca・sinB
Sは面積です。
a、b、cとは、それぞれ、角A、B、Cの対辺(向いあう辺)を指します。
簡単なイメージで言えば、2辺とその間の角のサインをかけて1/2すればいいというのが、この公式の構造ですね。

なぜ、その公式で面積を求めることができるのか。
上の図を用いて簡単に説明します。
sinB=AH/AB です。
これはサインの定義がそうであるからなので、「なぜ?」と疑問を挟む余地はありません。
この両辺にABをかけると、
AB sinB=AH。
すなわち、
AH=AB sinB
三角形の面積は、1/2×底辺×高さですから、
S=1/2・BC・AH
 =1/2・BC・AB sinB
 =1/2ac・sinB
公式の通り、2辺とその間の角のサインをかけて1/2すれば良いとわかります。

さて、それでは、この公式を用いて、同じ三角形の面積を求めてみましょう。
AB=20、BC=21はわかっていますが、sinBがわかりません。
だから、まず、sinBを求めます。
サインだから正弦定理かなあと考えがちですが、どこか1つの角の大きさがわかっていないと、正弦定理は使えません。
3辺の長さから求めることができるのは、コサインのほうです。
だから、余弦定理を用いて、まずコサインを求めます。
今回は、余弦定理はもうご理解いただいている前提で進めます。
わからないけれど興味のある方は、検索されるか、書店で数Ⅰの参考書などを読んでみてください。

△ABCにおいて余弦定理より、
cosB=(c2+a2-b2)/2ca
    =(202+212-132)/2・20・21
    =(400+441-169)/2・20・21
    =672/2・20・21
    =4/5

コサインからサインを求めるには、三角比の相互関係の公式を利用します。
sin2B+cos2B=1
という公式です。
これは、よく使うので絶対に忘れてはいけない公式ですね。
これに代入して、
sin2B+(4/5)2=1
sin2B=1-16/25
sin2B=9/25
0°<B<180° より sinB>0 だから、
sinB=3/5
これでようやく、sinBがわかりました。

さて、面積の公式に代入しましょう。
S=1/2ca・sinB
 =1/2・21・20・3/5
 =126

一番上の解き方と同じ答えが出ました。
ヽ(^。^)ノ

ところで、この解き方、間違ってはいないけれど、何だか遠回りで面倒くさいですね。
こんな解き方では、一番上の三平方の定理を利用する解き方と作業の煩雑さでは大差ないです。
ここで登場するのが、「ヘロンの公式」です。
3辺の長さがわかっているときに、いきなりその数値を代入して三角形の面積を求める公式です。

s=(a+b+c)/2 とする。
S=√s(s-a)(s-b)(s-c)
これがヘロンの公式です。

sとSが紛らわしいのが難点なのと、こういう公式は本当に便利なのに、高校1年生ともなると数学の公式アレルギーが悪化して、新しい公式はもう何1つ頭に入らないという子も出てきて、なかなか定着しない公式の1つです。
公式を覚えないから、煩雑な計算をするしかない。
煩雑な計算をするから、計算ミスをする。
そういう残念な答案が高校生の数学答案には多いです。

ヘロンの公式の証明は、代入と式の変形を繰り返していくもので、分数と指数まみれなので、ここに書いても読みづらいと思います。
興味のある方は、「ヘロンの公式 証明」で検索すればすぐに出てきますから、ご覧になってください。

では、ヘロンの公式を使って解いてみましょう。
△ABCにおいてヘロンの公式より、
s=(20+21+13)/2=54/2=27
S=√27(27-20)(27-21)(27-13)
 =√27・7・6・14
 =7・3・3・2
 =126

やはり、1番上の解き方と同じ答えになりました。
これが使えると一番楽なのも、実感できるかと思います。
ヽ(^。^)ノ





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