たまりば

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2016年10月24日

英作文が苦手。


英検2級の出題内容が今年度から変わりました。
従来の大問3の乱文整序問題がなくなり、代わって英作文が出題されるようになりました。
与えられたテーマに沿って、80語から100語の英文を書きます。
本年度第1回日曜日実施問題のテーマは、オフィス・カジュアルについて。
第2回日曜日実施問題のテーマは、化学物質を使わない農業について。

何だか難しそうですが、実際の試験はもっと親切で、色々説明してくれています。
例えば、第1回の問題では、
「今日、従業員にジーパンやTシャツのようなカジュアルな服装を許可する会社もあります。
そうした会社の数は将来増えると思いますか」
これならイエスかノーかですから、意見が書きやすいですね。
試験問題は、そう思う理由を2つ書きなさいとも指示されています。
しかも、参考となるポイントも3つあげられてまいす。
ビジネス・カルチャー
快適さ
ファッション
このポイントは使っても使わなくても構いません。

これは、従来からある英検準1級の問題の指定語数が少ないだけです。
本気で対策したい人は、英検準1級の過去問を買って、指定語数だけ変えて解いて、模範解答を参考にすると良いと思います。
2級に合格したら次は準1級ですから、無駄になる買い物ではないですし。
もっと本気で対策したい人は、NHKのラジオ講座「ビジネス英語」はこうした話題を常に扱っていますから勉強になると思います。
新しいものの考え方を、それをどう英語で表現するかも含めて書いてあるので、テキストを読むだけでも面白いです。

しかし、本音を言えば、これで合否が決まるわけではないので、そんなに構えなくても大丈夫じゃないかなあというのが私の感想です。
何か書いておけば部分点は入るので、それでいいんじゃないでしょうか。
他で得点すれば大丈夫です。
というのも、英検2級対策を頼まれると、この英作文対策ばかり要求されそうで、でもそういうことじゃないのになあと感じるからです。
今まで通りの勉強で合格すると思います。

「英作文が苦手」と言う人は多く、あまりにも苦手なので去年のうちに無理をして英検2級を取った生徒もいます。
そのほうが余程大変なんですが、「英作文が1題出る」というのはそれほどショックなことなのかもしれません。

しかし、「英作文が苦手」と言う人が、本当にそんなに英作文が苦手なのかというと、どうもそうではない場合も多いように思います。
何を書いても△がついて返ってくるテスト答案にショックを受けてしまう。
そして苦手意識を持ってしまう。
そういう場合も多いです。
私は英作文で満点を取ることを目標としたことがないので、そのショックがよくわかりません。
採点するときに満点をつけたこともありませんし。
英作文問題は、満点でなくても構わないんです。
まず、そこから意識を変えられるといいなあと思います。

英作文の何が△になってしまうのかというと、大きくは「文法上の誤りやスペルミス」と「内容」に別れます。
文法上の誤りやスペルミスが多いほど減点されるのは当然で、それは英語力の問題ですから改善したいです。
単純に、冠詞の有無や時制のミスも多いですが、もう少し根深いミスもあります。

中学生や、英語があまり得意ではない高校生が、英作文の宿題が出ると辞書を引いて英文を書いてくることがありますが、品詞に対する意識が希薄なので動詞や形容詞を名詞のように主語として使っていたり、接続詞を使わず文と文をつないでいたり、主語がなかったり語順がおかしかったりします。
「これ、日本語から英語にしたでしょう?しかも、辞書を引きましたね?」
と指摘すると、本人は努力してそうしたので、そこを非難されるとびっくりしてしまう様子です。
品詞によって単語を使い分ける文法知識がないと、辞書を引いても正しい英作文はできません。
英文として読み解くことが困難な、暗号のようになってしまい、
「これ、何が言いたかったのか、日本語で説明してくれる?」
と私は質問せざるを得ないのですが、そう質問されると生徒はぶ然とし、なかなか答えてくれなかったりします。
嫌味で言ってるわけじゃない。
本当に意味がわからないから訊いているんだよー。
( ;∀;)

例えば「環境問題」を語るのに、「環境問題」を英語で何と言うか、ど忘れした。
そういうことなら辞書を引いて解決したら良いのですが、日本語の言い回しを辞書を引いて繋げただけの作文は、異形のものです。
読むほうもつらい。
本人の努力のわりに報われません。
そうしたことを繰り返したあげくの挫折感から英作文が嫌いになってしまうのは、勿体ないし、哀しいです。
もっと平易な、自分が自力で書くことのできる範囲の英語で十分なのです。
そこから少しずつ書く能力を高めていったら良いのですから。

そうした英作文への姿勢が直り、自力で英文を書くようになった子にも、さらなる困難はあります。
そもそも、日本語の作文すら苦手である。
書くことがない。
意見がない。
何も思い浮かばない。
そういう子も多いです。
これが「内容」に関する課題です。

そうした子のためにも英検2級の出題形式は有難いです。
イエスかノーなら誰でも判断できますし、そう判断した理由も何かあるでしょう。
そして、もし作文の課題がそういう形式ではなかったら、自分でそういう形式に直したらいい。
これは、入試の小論文対策などでも、よく言われることです。
漠然とした課題をイエスかノーかで答えられる問題にする。
その内容について、イエスかノーかを明示する。
その理由を述べる。
それで十分合格点の作文を書くことができます。


しかし、「内容」に関する問題は、他の側面もあります。

あるとき、生徒の定期テスト答案を見ると、使役動詞を用いてひと続きの内容の3文を書きなさいという出題がされていました。
その子の答案は、文法ミスを直して復元すると、このような感じのものでした。
My parents don't let me use their computer.
Because it made me play video games for many hours.
So I am careful not to use it.

おお。使役動詞を2個も使っている。
でも、採点した先生の評価は低かったようです。
第2文、第3文はほとんど直されていました。

Because I can play video games with it for many hours.
So I decide not to use it.

先生の添削では、むしろ使役動詞は使われていません。
生徒が書いた、
「コンピュータが私にテレビゲームをさせた」
「コンピュータを使わないように気をつけます」
という表現が完全に直されているのが興味深いです。

1つには、それは英語的な発想ではない。
論理構造が何かおかしい。
無生物主語は英語によくあるとは言え、こんな言い方はしないでしょう。
日本語としても、そういう表現は大人をイラッとさせる気がします。

コンピュータが私にテレビゲームをさせた、じゃありませんよ。
あなたが勝手に長時間やったんです。
コンピュータは強制していません。
それをコンピュータのせいにする自分の甘さを直視できていますか?

コンピュータを使わないように気をつけます、じゃありませんよ。
なぜバシッと「使いません」と言えないんですか。
何か主体性を感じないなあ。
どうしてこうも受動的なのかなあ。

そうした先生の怒りや心配が添削された英作文から感じられて、私には興味深かったのですが、その生徒に学校の先生の気持ちが伝わったかどうかは微妙です。
本人の感想は、
「テレビゲームって、ビデオゲームって言うんですね」
でした。

そこっ?(''Д'')




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