たまりば

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2016年10月09日

2乗に比例する関数


「2乗に比例する関数」。
2次関数のうち頂点が原点にあるもののみを中3で学習し、こう呼びます。
高校数学になると、2次関数のグラフは頂点が座標平面上のどこにでも位置し、頂点の座標を求めるところから問題を解き始めないといけません。
しかし、中3のうちはまだ頂点は必ず原点にあります。
その分、簡単です。

テストでよく出題されるのは、与えられたxとyの値の組から、2乗に比例する関数の式を求める問題。
y=ax2 の一般式に代入してaを求めるだけなので、これは比較的易しいです。

次に、式からグラフを描く問題。
描き方がわからない子はまずいないのですが、実際に描いてみると不器用な子は放物線のグラフを描くのにかなり難渋します。
方眼紙に放物線を描くのは私も苦手です。
放物線はフリーハンドでそんなに上手に描けるものではないので、格子点(xもyも整数値の点)はとにかく正確に通って、方眼紙の終わりではグラフの端が楕円にならないよう直線的にすっと抜けていけば、それでまあ良しとしましょう。
採点的にもそれ以上は要求されません。

最もよく出題されるのが、xの変域からyの変域を求める問題です。
これは都立入試で毎年出題されていますので、中学校の定期テストにも必ず出ます。

例題 y=2x2 で-3≦x≦5のときのyの変域を求めなさい。

この問題を、1次関数のときのように、x=-3のときy=18、x=5のときy=50。
よって、18≦y≦50 
と答えてしまう子が多いのです。
xの変域が0をまたぐときは、y=0の値が変域の中にあります。
放物線をイメージすればすぐわかることですが、yの値はいったん小さくなり、0になってから再び大きくなっていくのです。
よってyの最小値は0です。
では最大値は?
x=-3の値とx=5の値と両方を実際に計算しないとわからないでしょうか?
いいえ、これも放物線をイメージすれば、xの値の絶対値が大きいほどyの値が大きくなることがわかりますね。
だから、-3と5を比べて、絶対値の大きいx=5のほうだけ計算します。
したがって、答えは、 0≦y≦50 です。

ここを間違えないように生徒に強調して解説し、さて練習問題を解いてみます。
しかし、練習問題は、2<x≦5 や、-7≦x≦-2 のように、0をまたいでいないものから始まります。
そうして(5)くらいでついに -3≦x≦5 の問題が出てきて、その頃には解説されたことなどすっかり忘れて、やったらダメだよと強調したことをそっくりやってしまう生徒は多いです。
( ̄ー ̄)

一度間違えても、その失敗の経験から二度と同じ轍は踏まないのであれば良いのです。
でも、幾度間違えても翌日にはまた同じ失敗をしてしまう子も多いです。
「学習能力」というのは、失敗から学ぶ能力。
理解力はあるのですが、この学習能力の弱い子が課題だなあとつくづく思います。
何度同じ問題を解き直しても同じことを同じように間違えてしまうのです。
学習するということの根本が何だか上手く機能していないのを感じます。
解き直すときに以前の失敗を意識して改善していくのだということを意識していないようなのです。
「学習する」ということを学びそこねているのかもしれません。
そういう子には「間違えた問題は解き直しなさい」という指示だけでは学力に変化は起こりません。
同じように間違えるだけです。
もっと手取り足取りの指導が必要となります。

ところで、この答え「0≦y≦50」はどう読むでしょうか?

これは「0小なりイコールy小なりイコール50」と読みます。
「<」の読み方が「小なり」です。
学校でこれを習っている子は答えあわせもすんなりいきますし大小関係の把握もスムーズであることが多いのですが、学校の先生の中にはこの読み方を教えない人もいます。
「小なり」という読み方が古臭いことは私も否定しません。
学会で正式に認められた読み方である保証もありません。
でも、この読み方を知らない子に答えを読ませると頭の中で1度日本語に翻訳する作業が必要となります。
「yは0以上50以下」
読む順番が元の不等式とは異なります。
「以上」「以下」だけならまだましですが、「<」の符号の読み方はさらに難しくなります。
0<y<50
の読み方は、「yは0より大きく50未満」。
不等式を見てこの読み方を瞬時にできる子は言語能力がかなり発達している子でしょう。
まあ大抵はぐちゃぐちゃで、宿題の答えあわせは普段の3倍の時間がかかります。
書いてある通りに読むだけの「小なり」の読み方のほうが、覚えてしまえばその後が楽で正確です。
ちなみにこの「小なり」の読み方は、パソコンでその通りに打ち込めば「<」の記号が出てくる、一般に普及した読み方です。

読み方を間違えているだけなら良いのですが、不等号の右と左のどちらが小さいのか理解できていない子もいます。
他のことはわかっているのに、そこだけ知識が陥没している子もひっそりと存在します。
小学校の頃に学びそこねたのでしょう。
最初に間違えて逆に覚えてしまい、どちらが正しいかいつまで経ってもあやふやになっているようです。
そのまま高校生になってしまい、高校数学で苦労する子もいます。


変域の次に学ぶのが変化の割合に関する問題。

この後に学ぶ放物線と直線の交点に関する問題に含まれる内容でもあるので、「変化の割合」として独立して出題されることは少ないです。
2乗に比例する関数の場合、グラフは放物線ですので、変化の割合は一定ではありません。
どの点からどの点までの変化の割合なのか、与えられた条件にそって、yの増加量/xの増加量 の計算をして求めていきます。

問題 関数y=3x2で、xが-2から3に変化するときの変化の割合を求めなさい。

与えられた式に代入すると、x=-2のときy=12、x=3のときy=27です。
このときは「いったん0を通る」などと考える必要はありません。
よってxの増加量は5、y増加量は15。
したがって変化の割合は15/5=3です。

これには裏ワザがあります。
比例定数がaの2乗に比例する関数で、xがpからqへと変化するときの変化の割合は、
 a(p+q)
で求めることができます。
上の問題では、3(-2+3)=3と一度で答えが出てきます。

これは公式です。
この公式の証明は、それほど難しくありません。
x=pのときy=ap2、x=qのときy=aq2
よってxの増加量はq-p。
yの増加量はaq2-ap2=a(q2-p2)=a(q+p)(q-p)。
よって変化の割合は、a(q+p)(q-p)/q-p=a(q+p)。

これが使えますと、放物線と交わる直線の式なども簡単に求められます。
しかし、この公式は、公立中学校では教えません。
教科書準拠のワークの発展問題にこの関連問題が1題載っている程度です。
進学塾でも上位クラスの生徒だけに教える内容です。

なぜ教えないのかと言えば、この公式は見た目はシンプルですが何を意味しているのかぱっと見た限りではよくわからないからでしょうか。
言い方を変えれば、実感を伴わない公式です。
こういう公式は数学が苦手な子には定着しません。
中途半端に使ってかえって混乱する可能性のほうが高いです。
そうなるくらいなら、時間はかかっても意味のよくわかる作業をして求めてもらいたい。
教える側にはそういう気持ちが働きます。
だから、数学が苦手な子は教わることがなく、地道に解くことになります。

数学が苦手な中学生は教わらない裏ワザや公式は、このようにたくさんあります。
多くは高校で学ぶ内容を先取りして、中学生のうちに使ってしまうものです。
それらの公式は使えればスピーディに問題を解くことができます。
手間を省いているので途中の計算ミスの危険性も減ります。
だから、数学が得意な子はますます速く正確に問題を解いていけます。
何というか、「数学格差」とでもいうものが広がっていく気がします。

ただ、数学のテストというのは十分な時間がありますので、裏ワザなんか知らなくてもしっかり解いていけば良い結果を出すことができます。
裏ワザや公式を振り回すわりに何だか得点が安定しない子も多いのです。
それよりは、基本に忠実にしっかり得点を重ねていくほうが良いでしょう。
単なる作業手順にせずに、1問1問理解して問題を解いてほしいです。

高校数学になれば、理解していなければ解けない問題が増えてきます。
作業手順として覚えるには複雑すぎ、多岐に渡り過ぎて、暗記などできなくなります。
自分がやっていることの意味を理解して解いていくことのほうが大切です。




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