たまりば

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2016年08月15日

情報を読む力。


今日から夏期講習後期の授業が始まりました。
今年は諸事情があり、予定していた山行ができず、あわただしく夏休みは過ぎていってしまいました。
秋は何とか一泊で山に行きたいものです。

そんな夏休みの最終日、久しぶりにゆっくりテレビを見ながら、いろいろと思うことがありました。

もう何年も前になりますが、日光サル軍団が大変注目を集めていた頃、その様子を一定期間追うドキュメンタリー番組を見たことがあります。
日光サル軍団というのは、その名の通り、芸をするサルを複数抱えてパフォーマンスをする団体でした。
おサルの教室など、少しでも見た記憶のある方は多いと思います。
番組は、サルの稽古風景など、大半は見ていて予想の範囲内の内容が続いていました。
サルの調教は大変だろうし、そこには大変な忍耐と愛情とがあるだろうし。
それらは素晴らしいけれど、しかし、目新しいものでもない。
そんな目でぼんやり見ていた私がポカンとしてしまう映像が突然差し挟まれました。
調教中のサルたちが、突然、訓練を中止し、サル山に放たれ、突進していったのです。
「サル山でクーデターが起きた」
といった、唐突なナレーションとともに。

え?サル山?
え?クーデター?

そして、クーデターはたちまち鎮圧され、サルたちは戻ってきました。
何だこの映像は?
(*_*)

日光サル軍団は、多数のサルを常に抱えています。
次世代の有能なサルの確保・育成のためにも軍団はサル山を所有していたのでした。
そして、芸をするサルたちは、そのサル山のボスザルとその幹部たちでした。
ところが、彼らが芸の稽古をして不在中にサル山でクーデターが起きた。
それに気づいた職員が稽古中のサルたちをサル山に放すと、サルたちは不在中のクーデターなど簡単に鎮圧したのでした。
そしてまた、人間を相手に稽古をするサルたち・・・・・。

私は、芸をするサルたちの可愛らしさや頭の良さは十分に認めていましたが、彼らがボスザルとその幹部たちであるという発想はありませんでした。
でも、考えてみれば、その肉体の大きさと健康さ、毛づやの良さ、身体能力、頭の良さからいって、サル山でボスになるのが当然のサルたちなのでしょう。
そうでなければ、あのように高度な芸はできない。
頭が良いから、自分の置かれている環境で最善の道として人間を相手に芸をしている。
ペットのような印象があるため、野生のサルと比べれば弱い生き物であるようなイメージを漠然と抱いていた私は、彼らこそがもし野に放たれてもトップに立つサルたちなのだと気づいて愕然としました。

野生動物として人間にどう対応するかで優劣をつけるのは人間の発想です。
野生として人間に牙をむく者が上位で、人間に調教されて芸をする者が下位。
そんな価値観は野生動物にとっては意味がない。
それに気づかされました。


話は変わりますが、今度は、男性アイドル・グループの話。
アイドルである彼らは、女の子たちの理想の王子様らしく歌い踊り、わちゃわちゃとふざけあって楽しげにふるまうことが仕事です。
歌も踊りも衣装も基本的にダサいし恥ずかしい。
軟弱な上に頭が悪そう。
それなのに女の子たちにキャアキャア言われている。
昔は、アイドルに対する印象はそんなものだったと思います。
特に十代の頃は同世代の男の子たちにとっては「何だかなあ」という存在でしょう。
普段は接触の機会がないので黙殺できますが、もし接触の機会があったら?
テレビ番組の中のゲームコーナーで闘うことになったら?
そりゃあ、この機会にボッコボコにしてやりたいと思う男の子たちが現れても不思議はないですよね。

昔、そういうアイドルの番組がありました。
ある日の番組では、その十代の男性アイドルたちは、素人の同世代の男の子たちと騎馬戦で一騎打ちをしていました。
もみあってしばらくは何が起きたのかよくわかりませんでした。
突然、騎馬の先頭にいたアイドルが相手の男の子に向けて鋭い回し蹴りを決めました。
たちまち乱闘勃発。
騎馬後方にいた別のアイドル少年が今度は驚くべき高さでキック。
場内騒然とする中、そのアイドルグループの中で最年少の男の子がカメラの真ん前に立ち、笑顔で乱闘の様子を隠しました。

・・・・何だこの映像は?

私は喧嘩も暴力も礼賛しません。
客である素人の少年たちを相手に乱闘してしまうなど、プロとして最悪であると思います。
あの後、彼らはめちゃめちゃ怒られたでしょうし、「怒られろっ」と思います。

しかし、その一方、「アイドルなんか一発カマしてやろうぜ」という気持ちだっただろう素人少年たちの予想をはるかに越えたに違いない彼らの身体能力に驚愕しました。
顔が可愛らしいからといって、軟弱とは限らない。
ダンスが上手いということは、身体能力が高いということ。
身体能力が高いということは、喧嘩をしたら強いということ。
その当たり前のことに、喧嘩をふっかけた素人少年たちも、テレビを見ていた私も、実際の彼らのキックを見せられるまで気づきませんでした・・・・。
同時に、身体能力だけでなく、そういう場面で決して引かないタイプの人たちであるということも。
彼らは、同世代の男の子たちの作るサル山のボスになるタイプの少年なのでした。
そのことが、アイドルらしい衣装の裾からチラっと見えた気がしました。


どうせそうだと思い込んで、わかっていないことは、あとどれだけあるだろう。
昨日一日、日本中をかけめぐったアイドルグループ解散の情報を読みながら、私はそう考えていました。

私は特に彼らのファンではありません。
彼らのテレビ番組もめったに見ません。
ずっといわゆるゴールデンタイムに働いているので、オンタイムでテレビを見る習慣がありません。
余程気になる番組以外は予約録画はしないです。

しかし、たまたま休日のときに。
あるいは、面白そうなスペシャル番組だから気が向いて録画したときに。
彼らは上に書いた以外にも不可解な驚愕を私に与えてくれた人たちだったと感じます。
何か、どこか、枠からはみ出している。
その身体性と精神性は、ちょっと他では見られない種類のものがありました。
過去のアイドルの概念を覆す、とても自由な人たち。
彼らは、昔ながらのかっこ悪いアイドルのイメージを塗り替えた人たちだったと思います。

1月のあの生謝罪があまりにも気持ち悪かった。
彼らのことが必要以上に気になったのは、それも大きいです。
あれ以来、なるべく彼らの番組を見ていました。

ワイドショーでは彼らの所属事務所からのファックスで語られていることが全て事実であるように報道されています。
しかし、彼らのコメント。
あれは、本当に彼らが自分の意志で書いたものでしょうか。
伝えられていることは、本当に事実でしょうか。
私が今まで見知っている限りでも、彼らの身体性・精神性を全く感じません。

テレビのワイドショーは、スポーツ新聞の記事をただ読み上げるだけです。
一番彼らに近く、彼らと同じテレビ局が職場なのに、独自取材は一切しません。
不可解な話です。
これは、誰の意志でどこから出ている情報だろう?
どうもそこから疑ったほうが良さそうです。

また1つ自由が奪われたような閉塞感を感じているのは、私だけでしょうか。



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