たまりば

  地域と私・始めの一歩塾 地域と私・始めの一歩塾  三鷹市 三鷹市

2016年07月31日

8月20日(土)、大人のための数学教室を開きます。


7月30日(土)、大人のための数学教室を開きました。
今回の学習内容は「合同式」。

2つの整数a、bを自然数mで割ったあまりが等しいとき、aとbをmを法として合同であるといい、a≡b(mod m)と表す。このような式を合同式という。

さて、定義は上のようにシンプルで、難しい言葉は何1つなく、込み入った論理も何1つないのですが、予想通り、授業は「大人の数学教室」史上一番の停滞となりました。
いつもは、もう理解されていて演習を始めたい方と、まだ理解されていず説明を聞きたい方と、その表情の違いに私の気持ちが焦ります。
しかし、今回は、どう見てもどなたも納得されていないので、むしろ私には気持ちに余裕があり、授業としては安定していたのではないかと思います。

合同式を解説する難しさは、具体的に説明すれば理解してもらえるとは限らず、その具体例に縛られて混乱したり誤解をされてしまう人が多いことにあります。
それでも、具体例で説明しないわけにいきません。

例えば整数を7で割った余りで分類することを考えてみましょう。
7で割ると1余る数。
こういう数には、1、8、15などがあります。
これらは7を法として合同です。
8≡1(mod7)と表すことができます。

あるいは、整数を4で割った余りで分類することにします。
4で割ると2あまる数。
こういう数には、2、6、10などがあります。
これらは4を法として合同です。
2≡6(mod4)と表すことができます。

これがぱっと感覚的に理解できれば何も問題ないのですが、最初に上手く呑み込めないと結局最後まで何だか納得できないという感情が尾をひくことになるようです。
高校生でもそうです。
それは理解力の問題ではなく、何か固定観念があり、このことの理解を阻んでいるものがあるせいなのかもしれません。
それが何であるのか、新課程にこの単元が登場し教えるようになってから、私はずっと不思議に思っています。

混乱は、例えば「1は7で割ると1あまる数である」ということが初耳で驚いてしまうという小さいことからも起こります。
1÷7=0あまり1
商は0でも良いというのは単なる知識ですが、初めて知るとこれだけでもとても大きなことなのかもしれません。

自然数に限っての話でもなかなか大変なのですが、合同式は整数全体、すなわち負の数も含んで考えます。
例えば、6で割った余りで整数を分類してみましょう。
6で割ってあまり0。
自然数の範囲では、6、12、18、・・・・
しかし、0も-6も-12も6で割ってあまり0の数です。
すなわち、-6≡0(mod6)

同様に、6で割った余りが1の数を考えれば、
・・・・-17、-11、-5、1、7、13、・・・・
という数列が見えてくると思います。
これらの数は全て法を6として合同です。
-5=6・(-1)+1
-11=6・(-2)+1
-17=6・(-3)+1
どの数もあまりが1になるのがわかりますね。

とはいえ、-5が6で割って1余る数であるというのはちょっとピンとこないことでもあります。
それよりも、-5は、6で割って5不足する数ととらえるほうが自然です。
そうです。
整数を6で割るとき、すなわち、6を法とするとき、「1余る」ということと「5不足する」ということは、同じことです。

授業はここで長い停滞を迎えました。
しかし、繰り返し同じことを説明したその果ての参加者の発言は私には大変興味深いものでした。
「あっ。わかった。商は何でもいいのね」
「・・・・・・?」
・・・・そうですよ?
最初からその話をしていますよ?
割る数と余りの話だけをしていますよ?

そのとき、ふっと見えたことがあります。
ああ。
商が重要だとずっと思っていらっしゃったのかな?
わり算の式を立てるとき、立てた本人は商を求めるために立てている感覚があります。
求めているのは商だから、それが何より大切だと思ってしまうのかもしれません。
商なんかどうでも良くて、割る数と余りの話をしているのですが、それが普段の計算の常識とは異なるために、そこに立ち位置を移せない場合があるのでしょうか?


「あまりと不足に関する問題」は、中学受験の受験算数の単元の1つです。
しかし、何回復習してもこの問題を解けるようにならない子がいます。
例えばこんな問題です。

例題 4で割ると3あまり、6で割ると1不足する数のうちで100にもっとも近い数を求めなさい。

4で割ると3あまる数は、言い換えれば4で割ると1不足する数です。
ですから、この問題は、4で割っても6で割っても1不足する数を求めます。
ならば、まずは4で割っても6で割っても割り切れる数を考えます。
それは12で割り切れる数です。
100÷12=8あまり4
12で割り切れる数で100に一番近い数は、上の式から、12×8=96。
それは、上の式から100-4=96と求めることもできます。
では、12で割って1不足する数は、96-1=95。
よって、問題の答えは95となります。

この問題、小学生には難しいのは事実ですが、幾度解説しても、何度同じ問題を解いても、全く解けるようにならない子がいます。
何がそんなに難しいのか教える側として疑問だったのですが、何だか少しわかった気がします。
あの子どもたちも、あまりや不足に着目するより、商のことばかり考えてしまうのかもしれません。
4で割って3余るということは1不足するということ。
その言い換えをするときには商が変わるだろうに、それを無視する姿勢が理解できない。
商が変わればそれは同じではないのに、同じだと言っている神経が理解できない。
・・・そういうこともあるのかなあ?
そもそも、商を無視して、余りだ不足だばかり言っている姿勢が理解できないのかなあ?

あの子たちは、こんなふうに思っているのでしょうか。
問題を解くって、そういうことじゃないでしょう!
式を立てて、計算して、答えを出すんでしょう!
その答えが問題の答えでしょう!
算数の問題はそうでなければならないよ!

子どもたちの無言の中に、実はそんな心の抗議があったのでしょうか?
しかし、それはあまりにも頭が硬い。
ガチンゴチンです。
そう思うものの、子どもの頭というのは大人がびっくりするくらい石頭で、妙な思い込みに凝り固まっているものですから、もしそうだとしても驚くに値しません。

でも、1つ言えること。
子どもの石頭は一度割ることに成功すれば、そこからの回復は柔軟です。
新しい考え方を受け入れ、無限に伸びていきます。
それだけ成長する力、生命力があるのが子どもです。

「頭を柔らかくしなければダメねえ」
はからずも、そのような感想を告げて、参加者の方は帰っていかれました。

さて、次回の大人ための数学教室のお知らせです。

◎日時  8月20日(土)10:00~11:30
◎内容  数A「整数の性質」の学習を続けます。p121「合同式」例題1復習から。
◎場所  セギ英数教室
       三鷹市下連雀3-33-13
         三鷹第二ビル 305
       春の湯さんの斜め前のビルです。
◎用具   ノート・筆記用具
◎参加費 2,000円
       当日集めさせていただきます。
◎予約  メールにて、ご予約をお願いいたします。
       左の「お問合せ」ボタンからご連絡ください。
       既にご参加いただいている方は携帯メールアドレスにご連絡ください。     






  • 同じカテゴリー(大人のための講座)の記事画像
    4月22日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    4月8日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    3月18日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    3月4日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    春期講習のお知らせ。2017年。
    2月18日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    同じカテゴリー(大人のための講座)の記事
     4月22日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-04-09 15:55)
     4月8日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-03-20 12:39)
     3月18日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-03-09 13:28)
     3月4日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-02-24 11:59)
     春期講習のお知らせ。2017年。 (2017-02-22 12:36)
     2月18日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-01-29 17:16)

    ※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
    上の画像に書かれている文字を入力して下さい
     
    <ご注意>
    書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

    <?=$this->translate->_('削除')?>
    8月20日(土)、大人のための数学教室を開きます。
      コメント(0)