たまりば

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2016年07月14日

英訳と和訳と。


先週、高校生の英語の期末テスト対策をしたときのことです。
テスト範囲に日本語の詩を英訳されたものがありましたので、ひと通り一緒に読むことになりました。
私は読んでいて面白い内容だったのですが、生徒は浮かない顔をしています。
「どうしたの?」
と問いかけると、
「私が知っているのと、この訳が違うから、違和感が・・・」
と言うのです。
ほお?
確かに、こんなに有名な詩なら幾通りもの英訳が存在するのかもしれません。
そのどれか1つを以前に読んだことがあって、それとの違いが気になるのかな。
それにしても、良い勉強をしているものだなあ。

私は答えました。
「英訳は色々な種類があるでしょう。和訳もそうでしょう。最近、『秘密の花園』の新訳が新潮文庫から出たよね。慣れている訳もいいけれど、現代にふさわしい新しい訳も良いね」
「あ。そうなんですか?出たんですか?」
とかみ合った会話をしているような印象が最初はありました。
この子も高校生になり、手応えのある会話ができるようになったなあ。

しかし、よくよく聞いてみると、その子の言う「私の知っているの」は単に、日本語のもともとの詩のことなのでした。
自分の知っている日本語が英訳されていることに違和感を感じただけだったのです。
何だ、そうかあ・・・・。
思ったよりもずっと子どもっぽい違和感です。
しかし、それは私が先走りし過ぎただけで、そんなことでがっかりされたら生徒が迷惑ですね。

英語から日本語に直すときも、それが文学作品ならば、訳す人の言語感覚で色々な訳があり得ます。
日本語の詩を英語に直す場合も当然そうです。
そういう話をしているのだと私は思ったのですが、まだまだ高校生はそんな次元でないのも仕方ないでしょう。

一方、受験英語としての和訳は文法的に正確に訳すことが第一で、文学性は関係ありません。
とにかく文法的に正しく構造をつかんだ直訳をする。
それが日本語として不自然な場合にのみ、意訳をする。
この鉄則で訳していきます。
小説を読むのが好きな子の中に、自分の和訳がバツになるのは学校の先生とセンスが違うからと誤解している子がたまにいますが、和訳は文学センスの問題ではなく語彙と文法の問題です。
その子の和訳がバツになるのは、文法的に、主に修飾関係が間違っているからなのですが、そういうことは1つ1つの誤答がなぜ誤答であるか分析してもらえないと把握できないことかもしれません。
模範解答と自分の解答を見比べても、文意にばかり目がいって、自分の和訳の何が誤答なのか自分では分析できない高校生は多いです。
「言ってることは同じじゃん!」
と文句を言うんですね。
しかし、そういうことではないのですよ。

ともあれ、面白かった英訳 Strog in the Rain を以下に引用します。
アメリカ出身のロジャー・バルバース(作家・演出家)の訳です。
テスト問題としては出題しにくいので、期末テストには出なかったろうと思いますが。

Strong in the rain
Strong in the wind
Strong against the summer heat and snow
He is healthy and robust
Free from desire
He never loses his temper
Nor the quiet smile on his lips
He eats four go of unpolished rice
Miso and a few vegetables a day
He does not consider himself
In whatever occurs ... his understanding
Comes from observation and experience
And he never loses sight of things
He lives in a little thatched-roof hut
In a field in the shadows of a pine tree grove
If there is a sick child in the east
He goes there to nurse the child
If there's a  tired mother in the west
He goes to her and carries her sheaves
If someone is near death in the south
He goes and says, 'Don't be afraid'
If there are strife and lawsuits in the north
He demands that the people put an end to their pettiness
He weeps at the time of drought
He plods about at a loss during the cold summer
Everybody calls him Blockhead
No one sings his praises
Or takes him to heart...

That is the kind of person
I want to be

そういうものに、私もなりたい。




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