たまりば

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2015年12月23日

暦に関する問題

暦に関する問題

今年もおしつまってまいりました。
暖冬のせいか、あまり実感がないのですが、もう年末。
23日、24日はお休みをいただいて雪山に行くつもりでいましたが、前線が通過するので山に行けませんでした。
八ヶ岳の初級者コースで足ならしをするだけのつもりでも、雪山は案外遠い。
というわけで、画像は2年前の北八ヶ岳高見石小屋の入り口です。

新しいカレンダーを眺めていると、受験算数の暦に関する問題をふと連想します。
一番易しいのは、こんな問題です。
易しいといっても、子どもの中には、必ず1日分だけ曜日がズレてしまう子も多いです。
考える上で特定の癖があるならそれを訂正すれば正解できるようになるのですが、毎回多様にミスをして1日ズレてミスの展示会みたいになる子もいます。

問題1
ある年の9月22日は火曜日でした。その年の12月31日は何曜日ですか?

1週間は7日で曜日が繰り返されます。
この問題は「周期算」であることに気づくのが第一段階です。
9月22日から12月31日までに、1周期7日の周期が何周期あって、あまりが何日なのか?

月ごとに考えましょう。
9月22日から30日までは、30-21=9。
10月は31日。
11月は30日。
12月は31日。
だから、全部で、9+31+30+31=101(日)
これを7日で割ると周期がわかります。
101÷7=14あまり3
このあまり3は、第15周期が始まってその途中までということです。
火曜日から始まっている周期なので、火・水・木。
答えは木曜日です。

易しい周期算ですが、1つ知識として必要なのが、月ごとの日数。
大の月と小の月を知識として覚えておくこと。
「にしむくさむらい」で覚えなさいと言っても、その「にしむくさむらい」が覚えられないのが今どきの子ども。
ものを覚えるということが苦手な昨今の小学生には、これがなかなかの難題です。
げんこつを作った手の甲で、「1月」「2月」とやっていますが、「7月」と「8月」の操作を失敗してズレてしまう子は多いです。
そのあたりの努力を怠らずきちんと受験勉強してきたかを問いたい学校は、今も1行問題としてこのタイプの問題を出題します。

でも、最近の日暦算はこの程度までにとどまり、これ以上の難問はあまり出題されなくなったと感じます。
これ以上の難問というのは、例えばどんな問題なのか?

あるクラスの生徒は30人で、教室の掃除当番は、出席番号順に6人ずつ1班から5班の5つの班に分かれて、当番は1日ずつ1班、2班、・・・・・5班、1班、2班・・・・、とくり返して進みます。9月1日(火)始業式の日の掃除当番は1班でした。12月24日(木)終業式の日の掃除当番は出席番号が何番から何番の人でしょうか。ただし、土曜日・日曜日・祝日は学校はお休みで、掃除当番はないものとします。なお、この年の秋分の日は9月23日でした。

これは、なかなか面倒くさいですね。
丁寧に解いていきましょう。
まず、9月1日から12月24日まで、何週間と何日あるのか計算します。
9月は30日。10月は31日。11月は30日。12月は24日まで。
だから、30+31+30+24=115
全部で115日となります。
それが何週間と何日であるかを調べるために、7で割ります。
115÷7=16あまり3
16週間と3日であるとわかりました。
火曜日から始まる周期で計算しているので、あまりの3日は、火曜日・水曜日・木曜日です。
学校は、土日を除く週5日。
16週間とあまり3日で学校へ行く日は、
5×16+3=83
83日。
ここから、祝日を除いていけば、学校に行く日が正確にわかります。
ただ、ここで問題があります。
祝日と日曜日が重なった場合は振替休日がありますが、祝日と土曜日が重なった場合には振替休日はありません。
だから、この年の祝日が土曜日と重なっていないか、逐一調べなければなりません。

9月からいきましょう。
9月の第3月曜日は敬老の日。
これはいつでも月曜日なので問題なし。
9月23日が秋分の日。
この日は何曜日なのか?
23÷7=3あまり2
問題によれば、9月1日が火曜日です。
火曜日から始まる周期の第4周期の2日目だから、水曜日だとわかります。
これも、土曜日と重なっていません。

10月の祝日はどうでしょう。
10月第2月曜日は体育の日。
これも土曜日と重なるわけがありません。

11月の祝日は?
11月3日は文化の日。
これは何曜日でしょうか。
9月1日から数えると、
30+31+3=64
64÷7=9あまり1
第10周期の1日目。これは火曜日。
土曜日と重なっていません。
11月23日は勤労感謝の日。
30+31+23=84
84÷7=12
第12周期がちょうど終わった日ですから、月曜日。
これも土曜日とは重なりません。

12月の祝日は?
12月23日が天皇誕生日。
これは何曜日でしょうか?
30+31+30+23=114
114÷7=16あまり2
火曜日から始まる周期の第17周期の2日目。
だから、水曜日です。
これも土曜日とは重なりません。

したがって、9月1日から12月24日までで、祝日は、6日。
これらは全て土曜日とは重なっていませんでしたので、先ほど仮に計算した、学校に行く日83日からさらに6日を引けば、本当に学校に行く日数となります。
83-6=77
学校に行く日は77日。
掃除当番は、5班で回していますから、1周期5の周期算となります。
77÷5=15あまり2
第16周期の2日目。
すなわち、12月24日は、第2班の担当となります。
出席番号順に1班6人ずつだから、第2班の出席番号は、7番から12番まで。
やったー。解けたー。

・・・・・・いいえ、これは正解ではありません。
何がいけなかったのか?

9月の祝日をもう一度見直してみましょう。
敬老の日は、9月第3月曜日。
それは何日なのでしょう?
9月1日が火曜日ですから、第1月曜日は、9月7日。
第2月曜日は、9月14日。
第3月曜日は、9月21日。この日が敬老の日です。
そして、秋分の日は、9月23日。ここが重要。
祝日と祝日にはさまれた日は、国民の祝日となります。
よって、9月22日も祝日です。
だから、祝日は全部で7日。
83-7=76
76÷5=15あまり1
掃除当番は、第17周期の1番目。
すなわち、出席番号1番から6番が正解です。

・・・・・・何だそれ?
こんな問題、得点を与えるつもりがあるとは思えない。
(+_+)
こんなの算数でも何でもないよ。
ひっかけだよー。

感覚としては、ハッピーマンデー法が制定されたあたりから、この種の問題は急速にすたれていった気がします。
大の月と小の月に関する知識まではともかく、祝日に関する知識をここまで問う問題は算数と言えるのか?
そういう疑問があるからかもしれません。
現代の子どもは、こちらがびっくりするほど祝日のことを覚えていないということもあるでしょうか。
学校が休みになる楽しい日なのに、彼らは祝日を覚えないですね。
やはり、ものを覚える習慣がないことが影響しているのでしょうか。

上の曜日設定、実は、今年のカレンダー通りでした。
今年は、上のような理由で9月の連休が長かったですね。
「シルバーウィーク」というもの、言葉だけは聞いたことがありましたが、初めて実感した連休でした。
来年のカレンダーを見ると、シルバーウィークと呼べるような連休はもう存在しません。

でも、来年から新しい祝日が登場。
8月11日は、山の日です。
ちょっと楽しみです。
(*'▽')




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    Posted by セギ at 12:57│Comments(0)算数・数学
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