たまりば

  地域と私・始めの一歩塾 地域と私・始めの一歩塾  三鷹市 三鷹市

2015年12月03日

12月12日(土)、大人のための数学教室を開きます。


11月28日(土)、大人のための数学教室を開きました。
ご参加は4名様。
本日より「組合わせ」の授業です。
「組合せ」は、例えば、こんな問題です。

例題 15人の生徒の中から12人を選ぶとき、次のような選び方は何通りあるか。
(1)何も条件がない場合。

まずは「順列」で考えてみます。
15人から12人を選んで並べる順列は?
樹形図をイメージして、
15×14×13×12×11×10×9×8×7×6×5×4
という式で求めることができます。
でも、これは順列。
順番を意識して考えたものです。
組合せは順番は関係ありません。
上の式で求める答えは、同じ選び方なのに順番だけが違うものを何度も繰り返しカウントすることになります。
では、同じ選び方を何回繰り返してカウントしているのか?
それは、12人を並べる順列の数だけ、繰り返していますね?

組合せの公式を理解するためのここが最初のヤマ場です。
上の問題は数字が大きいので、もう少し易しい問題で考えてみましょう。
例えば、p、q、r、sの4つの文字から3個を選ぶ組み合わせは何通りあるか?
p、q、r、sのうちから、1例として、p、q、rの3個を選んでみます。
でも、順列の計算では、同じp、q、rという組合せを、
(p、q、r)、(p、r、q)、(q、p、r)、(q、r、p)、(r、p、q)、(r、q、p)
と6回もカウントしています。
この6通りを計算で求めるなら、それは、p、q、rの3個を並べる順列の数でしょう。
3×2×1=6 です。
これは、p、q、sなど、他の3個を選んでも同じで、どの選び方をしても順列の計算では6回繰り返しカウントしてしまいます。
ということは、まずは4個から3個を並べる順列で、4×3×2とした上で、それを、3個のものを並べる順列 3×2×1で割れば、組合せの数が計算できるのでは?

一般化するならば、n個のものからr個を選ぶ組み合わせの個数は、
n(n-1)(n-2)×・・・×(n-r+1)が分子。
r!が分母。
そういう分数で表せます。
これが、組合せの公式です。

ここまで順調に説明できた、と思った瞬間、参加者の方から質問が。
「それ、sを加えたら、どうなるんですか?」
「・・・・え?」
質問の意図を明確にくみ取ることが難しいこうした質問が、「場合の数と確率」という単元では特に多くなります。
それは、高校生に教える場合、なおさらそうです。
今の説明の何がまずくて、sのことを気にさせてしまったんだろう?
今までの説明全てに霧がかかってくるようなモヤッとした質問は、説明を聞いた人の心に何かモヤッと霧がかかっていることを示しています。

p、q、rという組合せを例にとり、「これは全てに言える」と、数回繰り返し強調したつもりだったのですが、そこで大きく論理が展開したことが伝わらなかったのかもしれません。
1例だけを挙げて、これは全てに言えると結論づけたのが早急だったのでしょう。
p、q、sについても、6通り示す。
p、r、sについても、6通り示す。
q、r、sについても、6通り示す。
全て、同じ1つの組合せを6回カウントしていることを示す。
だから、順列では、4×3×2=24 となるけれど、
組合せでは、(4×3×2)÷(3×2×1)=4である。
この全ての過程を一度全部示したほうが理解しやすかったのだと思います。
教室のホワイトボードが小さいので、ついついスペースのことを気にして、こういうことを省略してしまうのですが、一度は示さないと深い理解が得られないことは多いのでしょう。
どうか、ご自宅で、納得のいくまで順列と組み合わせとの数の関係を見極めてください。

さて、例題に話を戻すと、例題は、15人から12人を選ぶ組み合わせでしたから、
公式通りに書くと、
15×14×13×12×11×10×9×8×7×6×5×4
12×11×10× 9 ×8 ×7×6×5×4×3×2×1
この2行は、上が分子、下が分母の分数だと思ってください。
これ、分母と分子に同じ数が多いので、かなり約分できますね。
約分した結果は、
15×14×13
 3× 2× 1

あれ?
この式は、15個のものから3個を選ぶ組み合わせの式と同じなのでは?

そうです。
15個から12個を選ぶ組合せと、15個から3個を選ぶ組合せは、同じ数となります。
これは数字上のことだけではなく、意味の上からもそうなります。
15個から12個を選ぶということは、15個から3個を選ばないということ。
ならば、その選ばない3個を「選ぶ」と考えても、同じことである。

しかし、ここで予想通りの停滞が起こりました。
ここは、中学2年生の単元として「場合の数と確率」の学習をしたときも「わからない」とおっしゃった方がいらっしゃったので、授業としては停滞を予期していました。
ここがわかりにくいのは、数字上の問題ではなく、表現上の問題なのかもしれません。
「15個から12個を選ぶ」ことを「15個から3個を選ぶ」ことにすり替える。
それが、同じことであるはずがない。
だから「わからない」とおっしゃるのかなあと推測しています。

そうです。
意味上は、同じことではないのです。
でも、「15個から12個を選ぶ」ことと「15個から3個を選ばない」ことは同じこと。
だから選ばない3個を先に選んで除外しましょうということなのです。
ご不明な点は、またご質問ください。

(2)特定の5人から3人だけを選び、特定の5人以外の10人から9人を選ぶ方法は何通りあるか。

うーむ、何だこのえこひいきは?
いや、そもそも15人から12人を選ぶこと自体がおかしい。
12人選ぶくらいなら、もう全員にすればいいのに。
そうツッコみながら、楽しく解いていきましょう。ヽ(^o^)丿
まずは、特定の5人から3人を選ぶ組合せを考えます。

これは公式を使って簡単に解いていけますね。
(5×4×3)÷(3×2×1) です。
ちなみに、組合せは「コンビネーション」の頭文字Cを用いて、5C3と表します。
5C3で、5個から3個を選ぶ組合せ、という意味です。
5C3=(5×4×3)÷(3×2×1)=10 です。

次に、残る10人から9人を選びます。
先ほどの考え方を用いて、
10C9=10C1=10 となります。

さて、この2つをどうするのか?
足すのか?
かけるのか?

この2つは同時に起こる事柄です。
5人から3人を選んだ組合せの1つ1つに対して、10人から9人を選んだ組合せが対応します。
だから、かけ算をします。
これを「積の法則」と呼びます。
 
5C3・10C1
=100
100通りが、この問題の答えです。

(3)特定の2人を含まない選び方は何通りあるか。

どうせ含まないのですから、特定の2人は最初から除外しましょう。
15人から12人を選ぶのではなく、13人から12人を選ぶのです。
よって式は、13C12=13C1=13
答えは、13通り です。

ここで、
「その特定の2人を選ぶ方法を考えなくていいんですか?」
という質問が予想されます。
高校生によく質問される内容です。
ですが、問題に「特定の2人」と書いてあるとき、その時点でその特定の2人は確定しているので、問題を解く我々がその2人が誰であるかを選ぶ必要はないのです。
という説明が、これまで高校生にこのことを説明してきて、まだしも理解しやすい説明だと思います。
それでも納得してくれない子とは、延々と不毛な論争をすることになります。
そういう子の論理は循環して、トリックアートみたいになっています。
そこに切り込んで、循環した論理を粉砕するのは意外に難しいのです。
「場合の数と確率」という単元は、その人の思考の癖や文章の読み取りの癖が出やすい単元なのかもしれません。

(4)特定の2人のうち少なくとも1人を選ぶ場合

さて、これが一番の難問です。
計算自体は非常に楽なのですが。
問題文に「少なくとも」と書かれているときは、その反対を考えると楽に解けることが多いです。
確率で言う「余事象」というものです。
「特定の2人のうち少なくとも1人を選ぶ」ことの反対とは何か?
それは、「特定の2人を選ばない」ことになります。

例えば、ここで特定の2人をAさんとBさんと名付けましょう。
この2人の選び方は、以下の4通りあります。
「AさんもBさんも選ぶ」
「Aさんを選ぶ。Bさんは選ばない」
「Aさんは選ばない。Bさんを選ぶ」
「AさんもBさんも選ばない」
他の選び方はないですよね?
さて、ここで、2人のうち少なくとも1人を選んでいるのは、どの選び方か?
上から3つ目までがそうです。
最後の4つ目だけが、それとは異なる選び方となります。

だから、「特定の2人のうち少なくとも1人を選ぶ」ことの反対は、「特定の2人を選ばない」ことになります。
ということは、(1)で求めた、何の条件もない選び方455通りから、(3)で求めた、特定の2人を選ばない選び方13通りを引けば、(4)の答えとなります。
よって、455-13=442
442通りが答えです。

この考え方を、スパンと理解して、
「あー!場合の数、面白い!」
と言う高校生と、
「それ全然わかんない」
という高校生と、はっきり分かれます。

例として出したAさんとBさんが、むしろ悪影響を及ぼすこともあります。
「では、CさんとDさんの場合はどうなるんですか?」
・・・・いや、AさんとBさんだけが特定の2人です。
「特定の2人」と問題に書いてあるので、その2人にAさん・Bさんと名付けたのです。
CさんやDさんは、特定の2人になることはありません。

「他の場合もあるんじゃないんですか?」
・・・・ありません。
他の場合とは、では、どんな場合が?
何かありそうな気がする?
・・・・それは、気の迷いでしょう。

こんな解答で高校生に納得してもらえることのほうが実は少ないのです。
そして、こうした質問に対し、具体的に書いていくには、442通りは、あまりにも数が多い。

「場合の数と確率」という単元は、思考のサーフィン。
上手く波に乗れると楽しくて大好きになる単元ですが、どうしても波に乗れないこともあるようです。
場合の数の考え方の何かが肌に合わない、ということなのかもしれません。
でも、思考訓練として面白いです。
自分の考え方のどこが間違っているかを究明しようとするとむしろ迷宮を彷徨うことになりますので、正答の考え方を理解することに専念することをお勧めします。
どうか頭を柔らかく。

次回の数学教室のお知らせです。
◎日時  12月12日(土)10:00~11:30
◎内容  数A「場合の数と確率」を続けます。「組み合わせ」の続き。p23から。
◎場所  セギ英数教室
       三鷹市下連雀3-33-13
         三鷹第二ビル 305
       春の湯さんの斜め前のビルです。
◎用具   ノート・筆記用具
◎参加費 2,000円
       当日集めさせていただきます。
◎予約  メールにて、ご予約をお願いいたします。
       左の「お問合せ」ボタンからご連絡ください。
       既にご参加いただいている方は、
       ご出席確認メールへの返信の形でご連絡くださりますと助かります。
       携帯メールアドレスをご存じの方は、そちらにご連絡ください。     




















  • 同じカテゴリー(大人のための講座)の記事画像
    7月29日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    7月15日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    夏期講習のお知らせ。2017年夏。
    7月1日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    6月17日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    6月3日(土)、大人のための数学教室を開きます。
    同じカテゴリー(大人のための講座)の記事
     7月29日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-07-16 15:42)
     7月15日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-07-03 12:26)
     夏期講習のお知らせ。2017年夏。 (2017-06-27 15:37)
     7月1日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-06-18 13:44)
     6月17日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-06-04 16:52)
     6月3日(土)、大人のための数学教室を開きます。 (2017-05-25 13:15)

    この記事へのコメント
    大人の数学教室は面白い試みですね。
    いろいろユニークなアイデアに感心しています。
    また、毎回受講者がおられ、素晴らしいことです。
    Posted by 渡辺 重男 at 2015年12月22日 09:39
    渡辺さま、コメントありがとうございます。
    数学を楽しんでくださる方々に励まされて、何とか5年続けてこられました。
    中1の「正負の数」から始めて、気がつくと数A「場合の数と確率」。
    まだまだ先は長いですが、長いことが楽しみです。
    ヽ(^o^)丿
    Posted by セギセギ at 2015年12月22日 13:07
    ※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
    上の画像に書かれている文字を入力して下さい
     
    <ご注意>
    書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

    <?=$this->translate->_('削除')?>
    12月12日(土)、大人のための数学教室を開きます。
      コメント(2)