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2015年07月26日

御殿場口から富士山に登ってきました。2015年7月。

御殿場口から富士山に登ってきました。2015年7月。


2015年7月19日、御殿場口から富士山に登ってきました。
ご当地キャラを見に東京スカイツリーに行ったときのこと。
友人が、富士山に登りたいと言い出しました。
初めてならば、距離の短い吉田口から登るのが無難です。
何かあったとき、ほぼ等間隔で小屋が並び、終夜営業しているのが何より安心ですし。

ただ、吉田口は、いつも混雑していて、大渋滞に巻き込まれます。
下りの炎天下の砂利道もかなり不快。
「富士山は見るもので、登るものではない」
という感想を口にする人は、多くの場合、この吉田口の往復で辟易したのだと思うのです。
私も、吉田口は、もう当分いいなあ。

幸い、友人は、山歩きこそしないものの、水泳・ジョギングなど日常的に運動しています。
富士山の最長コース、御殿場口からの往復でも、大丈夫なのではないか?
最盛期でも人が少なくマイペースで歩けるこのコースは、豪快かつ雄大で、富士山の魅力が詰まっています。

御殿場駅待ち合わせ。16:20。
御殿場口新五合目行き最終バスに乗りました。16:40。
2年前に同じバスに乗ったときは、登山者は私の他は1人しかいなかったのですが、今回、バス停に行くと既に10人ほど行列ができていました。
御殿場口コースも、少しずつメジャーになってきているのかもしれません。

御殿場口新五合目。17:20。
バス停前の風景は2年前とさほど変わっていないのですが、バスの来た方向に1分ほど戻ると、立派なレストハウスとトイレが出来ていました。
トイレは、無料。
レストハウス前のテーブルを使って、ゆっくり夕食。
コーラを購入。500mL、260円。
友人は紺色の新品のザックを担いでいました。
「買ったの?」
「うん。この後、多分息子にあげる」
「なるほど」
今後続けて山歩きをする予定がない場合、今は、道具のレンタルも可能です。
靴は、ミドルカットの軽登山靴。これも新品。
私は、ローカットのトレイルランニング・シューズ。
荷物が軽いときは、いつもこの靴です。

鳥居をくぐって、出発。18:30
まずは大石茶屋まで、ゆっくり歩き始めました。
どれだけゆっくりのペースを作れるかが、最初の勝負。
大石茶屋。18:55。
自分でもびっくりするくらいのスローペースでした。
友人は、そんなものかと思うのか、黙って私の後ろを歩いています。

大石茶屋を抜けると、左側が登山道、右側が下山道。
うっかり下山道を選んでしまうと、砂でフカフカの道を行くことになり、体力を消耗します。
空は青空が見えている部分も少しはあるのですが、富士山は、ガスの中。
あの中がどうなっているのかが、若干不安です。
周辺は、オンタデの咲く、果てしない砂礫の平原です。

いよいよガスの中に入りました。
パラパラっと雨が降ってきました。
ガスが切れると、また止みます。
まだ気温が高いので、雨具はつけず様子を見ました。

暗くなってきて、ヘッドランプを装着。
2年前、自分のヘッドランプがあまり明るくなく、視野が狭くて不安だったので、あの後、買い換えました。
友人にも、ヘッドランプは良い物を買ったほうがいい、防災グッズに使えるからと力説しました。
山道具は、怖いくらいに性能と値段が比例しています。

ジグザグの道が続きます。
ジグザグの角のところは少し登りになります。
そこだけ足元が砂でフカフカで歩いている感覚だけでは、そこが道かどうかよくわかりません。
角で180°近く回転するため、全体の地形がわかっていないと、そのまま道を逸れてしまう可能性もあります。
ヘッドランプが暗いと、こうした地形を把握しづらいのです。
昼間歩く分には間違えるはずがないことが、夜歩くとこんなにもわかりづらい。
それでも、後ろからときどき人はやってきますし、道しるべも等間隔で立っています。
それがなくなったら道を逸れてしまったということです。

次郎坊。20:30。
ゆっくり歩いているので、休憩は特に必要ないのですが、それでも風のない場所を発見する度、座り込んで水分補給をし、行動食を口にしました。
友人の行動食は、ドライフルーツ・ブドウ糖・ハチミツを固めたもの。
スポーツをする人らしい、本気の行動食でした。
私は、行きがけにコンビニでぱぱっと購入したクリームパンやチョコレート。
慣れてくると、何でも雑になっていけませんね。

延々と、ジクザグ道を行きます。
だんだんと地形がつかめて、曲がり角でも悩むことが少なくなりました。
休憩の度に、友人と先頭を交替。
ときどき、ガスが濃くなり、視界不良で全く周囲が見えなくなり、そういうときは立ち止まって様子を見ました。

六合目小屋跡。0:40
風を避けられるので、ここで大休憩。
防寒のために雨具を着用しました。
今回は結局本格的な雨にならず防寒のためだけでしたが、風雨になった場合、良い雨具がないと富士山は怖いです。

3000m標識。2:40。
麓からずっと見えていた七合目の小屋のオレンジ色の光。
どこまで歩いても近づく気配のなかった光が、ようやく近づいてきた気がします。

七合目小屋。3:00。
風が強い。
小屋の中で人の気配がします。
そろそろ起きだしているようです。

道は岩がちになり、登りも急になってきました。
だんだん空が明るくなり、ヘッドランプは不要となりました。
三日月の形をした山中湖が眼下で白く光っています。
地平線には帯のような雲。
でも、その上は雲が切れて赤く燃えています。
ご来光が見られるかもしれません。

角を曲がる度に振り返り、ご来光を見逃さないように。
4:40。
ついにご来光が始まりました。
立ち止まり、刻々と変わる空を見つめました。
天気予報から考えれば無理かもしれないと思っていたご来光。
思いがけず、くっきりと朝日が姿を見せてくれました。
黙って拝んでいる友人を見て、役目を1つ果たせたようで、ほっとしました。

明るくなると、山頂が見えてしまうことで、かえって先を長く感じます。
空気も薄くなり、そんなにスピードは出せません。
一歩一歩、登っていきます。

ついに山頂到着。5:55。
御殿場口山頂は、山頂郵便局の前です。
鳥居を越えたすぐ先で、火口を見下すことができました。
麓から富士山を見るときには想像もつかない荒涼とした眺めです。
紫がかった赤茶色の砂礫の火口を飽きず眺めました。

さて、剣ヶ峰へ。
時計周りにお鉢巡りを始めました。
馬の背のきつい登りを越えて、ついに最高点、剣ヶ峰。6:30。
行列し、順番を待って、最高点で写真撮影。
富士山レーダーは何年も前に撤去され、今は麓の記念館で保存されています。
レーダーがなくなって、台座だけ残ったような印象の建物の前を通り過ぎ、さらに先へ。
お鉢巡りは、天気が良く風がなければ、よく整備された快適な登山道です。
スキップしたいような道を行きます。
太陽が高くなってくると、紫外線の強さに目が痛い。
富士山を歩くには、サングラスも必需品です。

ぐるっと回って吉田口山頂。
ここは、売店が並んでいることもあって、いつも通りの大混雑でした。
吉田口からは岩がちの道。
登って下りて、再び御殿場口に戻ってきました。8:00。

さて下山開始です。
まずは登ってきた道を下ります。
一晩寝ないで歩いていますから、身体のバランスが悪い。
空気が薄いせいもあるかもしれません。
何となくふらつきます。
用心し、慎重に降りていきました。
眼下には雄大な景色が広がっていました。

七合目小屋。9:45。
トイレを借りました。有料300円。
富士山のトイレは有料なので、小銭の用意が重要です。
小屋では、飲み物・食べ物の販売もあります。
私は、麓から持ってきた2Lのスポーツドリンクがまだ残っていました。
それと行動食の残りで朝食。

さて、大砂走りに備えて準備を整えます。
途中で暑くなるし、砂にまみれると洗濯が大変なので、雨具は脱いで片づけました。
山頂からかけているサングラスはそのままで目を保護。
マスクをして口を保護。
ゲーターで、靴に砂が入らないようにします。
ザックは、ザックカバーで保護。
さあ出発。
小屋を出て、しばらくは登山道と同じ道。
途中から、いよいよ下山道へ。
大砂走りの始まりです。
フカフカの砂の坂道を一気に駆け降ります。
ほとんど後ろに倒れるように重心をおいて、足が滑るのに任せます。
一歩が3メートルにもなります。
友人が素晴らしいフォームで前を行きます。

坂道を駆け降りていくと、麓まで見下せました。
傾斜の緩くなっているあたりから上り坂になっているように見えました。
目の錯覚ですね。

道が緩くなって、ようやく休憩。
水分を補給し、またすぐに出発。
あんなに何時間もかかった道を1時間ほどで走り降りました。

御殿場口新五合目。11:55。
次のバスは、12:15。
ちょうどいい感じです。
私は、またしても自販機でコーラを購入。
顔を拭いたり、ゲーターをしまったり、靴の中の砂を落としたりしているうちに、バスがやってきました。



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