たまりば

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2015年06月18日

試行錯誤ができるかどうか


例えば中学の関数の問題。
2直線の交点の座標を求め、その数値を使って、三角形の面積を求める問題。
こういう問題になると、全く手が動かなくなる生徒がいます。
直線の式を求める基本問題は解けます。
2直線の交点を求める基本問題も、解けます。
でも、このような応用問題になった途端、何をどうしていいのかわからず、思考が停止するようです。
今まで学んだことを使うのがピンとこないのかもしれません。
全く新しい知識を使う、全く新しい問題に見えているのでしょうか。

「とにかく、わかることから求めてごらん。わかった数値は絶対使うから。数学の問題は、そういう構造になっているから」
とアドバイスしても、最後まで見通せないと何も解き始めないのが、そうした子に多く見られる傾向です。
結果、手つかず。
何もせず、私の解説を待ってしまいます。

「問題文にある式や座標は、座標平面上に書き込もう。わかりやすくなって、どう解いたらいいか見えてくるよ」
とアドバイスしても、無駄に思えることはしたくないのか、何も書き込まないのも1つの傾向です。
何もしないから、問題がほぐれてこない。わからない。
「書こうよ」「また書いてないよー」
こうしたタイプの子には、延々と同じ注意をしなければなりません。

そういう子は、
「どう解いていいのかわからないから、解けない」
と本人は思っていて、そういう自分を間違っていないと感じているように見えます。
どう解いていいのかわからないのだから、とりあえず何かをしてみろと言われても、何のことかわからない。
そういう子に、私が数学の問題を解くとき、別に最後まで見通しているわけではないと話しても、あまり理解できない様子です。
問題を読んで、とにかく求めることができる数値は求めてしまう。
無駄になるかもしれないけれど、多分、無駄にはならないから。
数学が苦手な子は、そういう話を聞いても、納得した表情になりません。

また、方程式や関数の問題を解く場合、とにかくノートに与式を書き取ってしまい、すぐに解き始める体勢を整えてからどう解くが考えたら良いのですが、じっと問題を眺めているだけの子もいます。
「とにかくノートにまず式を書こう」
と声をかけても、じっと問題を睨んで考え込んでいます。
そうして、何か解き方を思いついてから、ようやく与式を書き取るのですが、その後、
「あれ?どうやって解くんだっけ?」
とぽかんとしてしまう子、多いです。
「考える前に、やるべきことをやっておけば、そういう二度手間にならないよ」

そういう多くの例を見ていて思うのは、数学が苦手な子の多くは、作業を分割するのが苦手なのだということ。
そういう子にとって数学の問題を解くことは、「解く」という1つの大きな塊で、それがいくつもの行程に分割できることが見えていないのではないか。
だから、「とにかくわかることを求めて」という指示の意味がわからない。
先に問題を書きとっておく意味もわからない。
分割された1つ1つが見えていないので、まずできることをやれと言われても、何のことか理解できない。
気持ち悪いこと言ってるなあこのセンセイ、そんなの中途半端になっちゃうじゃん、と思っているのかもしれません。


例えば、こんな計算問題。
3(4x-5y)-2(7x-6y)

これを、途中式を全く書かず、一気に、
-2x-3y
と答えだけ書いてしまう子がいます。
注意しても、なかなか直しません。
全部暗算で解いてしまいます。
当然、普通に途中式を書いていくより時間がかかる上に符号ミスを起こしやすく、正答率も低いです。
それでも、やめません。

字を書いていくのが面倒くさいのも大きな理由でしょうが、見ていると、何よりもそうやって頭を使って一気に解くことが嬉しいようです。
とりあえずxの係数だけ先に求めて書いておく、ということもありません。
頭の中で、解答を完成させてからでないと答えを書きません。
作業過程を分割しないで一気に解く。
それが楽しいのかもしれません。
そうやって暗算で解いているとき、とても嬉しそうなのです。

でも、数学の問題を解くということは、そういうことじゃない。
数学が得意ということは、そういうことではないんだよ。
それをどう伝えるか、苦慮しています。

問題を分割し分析すること。
応用問題を解けるようになるには、それができなければなりません。
分割できれば、まずは第一段階まで進もうという判断ができます。
それで失敗したらまだ戻ってやり直すという発想が生まれます。
試行錯誤ということが実感できるようになります。
試行錯誤ができるようになれば、解ける問題のレベルが跳ね上がります。




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