たまりば

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2015年02月26日

比例式の計算


「比と比の式」は、小学校6年生の算数で勉強する内容です。
例えば、こんな問題がそうです。

次の□に当てはまる数字を答えなさい。
2:3=10:□

小学校では、これの解き方は、2から見て10は5倍になっているので、3も5倍して、□は15である、というふうに考えます。
式に書くのなら、
10÷2=5
3×5=15
となります。

少し難しくなって。
24:16=90:□

これを上の問題と同じように解こうとすると、
90÷24
あれ?割り切れない。

「センセイ、割り切れない!」
こう言い出す小学生は、案外多いんです。
この問題を宿題に出した場合、割り切れなかったから解かなかったという子も多いです。
「・・・・・割り切れなかったら、答えは、分数でしょう」
「えーっ」
小学生の分数嫌いは深刻です。
「分数の計算」という単元なら諦めるけれど、それ以外の単元で分数を使うのは断固拒否。
あるいは、分数に関する単元以外では、分数は使わなくて良いものだと誤解しているのかもしれません。
「・・・・分数は便利ですよ。わり算なら何でも分数で表すことができますから」
「全然便利じゃないっ!大嫌い!」
「・・・・中学の数学になったら、分数の有難さがわかりますよ」
「絶対わからないっ!」

まあ、それはともかく。
次の問題。

288:540=8:□

これのよくある誤答。
288÷8=36
540×36=19440

え? 288:540=8:19440 ?

「・・・・おかしいと思わない?」
と生徒に声をかけても、ピンとこない子がいます。
自分の答を見て、これは何かおかしいぞと自分で思える子ならば、自力で訂正できるのですが、一度答えが出たら、もう間違いでもいいや、直すの面倒くさい、と思ってしまう子は、訂正がききません。
あるいは、比の根本が理解できていない場合、手順を暗記して作業しているだけなので、自分の答えのおかしさに気づくことができません。

正解は、
288÷8=36
540÷36=15

「なんで、わり算なのー?」
「うん。そうだねえ」
「なんで、かけ算だったり、わり算だったりするのー?」
「何でだと思う?」
この説明、簡単そうでなかなか複雑で、理解してもらうのに時間も手間もかかります。

小学校で教えているこの解き方、面倒くさいですね。
問題ごとに、いちいち解き方を考えなくてはなりません。
中学生になったら、もっと簡単に、常にただ1つの方法で解けます。

288:540=8:□

内項の積と外項の積は等しいので、
288x□=540×8
288x□=4320
    □=4320÷288
    □=15
   
しかし、数学が得意のお父さんが、子どもに訊かれて、この解き方を教えると、
「ぜんっぜん、わかんない!」
と反発されることがあります。
小学校では、この解き方は、教えないんです。

あるいは、その解き方で宿題を解いていったら、小学校の先生に全否定されたという話も聞いたことがあります。
「それは、方程式でしょう。方程式で解いたらいけません」

・・・・・・えー?
なんでー?

方程式だからダメだなんて、数学的思考とは真逆のワカランチンぶりです。
反抗期真っ盛りの小学6年生にそんな無駄に高圧的なことを言うと軽蔑されかねません。
もっとも、そんな先生ばかりではなく、内項の積と外項の積が等しくなることをわかりやすく補足説明し、その解き方もOKとした先生の話も聞いたことがあります。


小学生の間は、どんなときにかけ算かわり算か、わからなくて右往左往。
ところが中学生になると、「1次方程式」の学習の際に一度、簡単な説明がされるのみで、以後はもう、内項の積と外項の積が等しいことを利用するのが当たり前となります。
これでまた、数学が苦手な子は右往左往します。

比例式なんかたまにしか出てきません。
忘れた頃に出てくるので、小学生の頃の記憶しか残っていません。
そのため、小学生の頃の幼稚な式を書いてしまい、しかもかけ算とわり算を間違えてしまう中学生は多いです。
「待って待って。何だいその解き方は?小学生かい」
「えー?こう解くんでしょう?」
「いやいや、説明したよ。内項の積イコール外項の積。学校でも教わっていたじゃない」
「そうだっけ?」

でも、しばらく経つと、また小学生の解き方に戻ってしまいます。
そんなこんなで、結局苦手意識が強くなり、比例式を立てれば簡単に解ける問題もそれを迂回するようになります。
理科第一分野の、「酸化と還元」の計算問題なども、比例式を立てれば簡単なのに、それを迂回して訳のわからないことになってしまう子がいます。
厄介です。
小学校から、内項の積と外項の積は等しいことを利用した解き方で統一してくれたら楽です。

でも、その解き方を実感をもって理解できる小学生は、全体の半分もいないかもしれません。
なぜその解き方が正しいのかという理屈と実際の解き方との間に距離があるものは、小学生にはまだ難しいんです。
発達段階として、小学生には小学生らしい解き方があるのも、事実なのです。





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