たまりば

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2014年06月12日

成績急上昇の可能性

成績急上昇の可能性


同じような情報というのは、同じような時期に集まってくると感じます。
最近、ネットで、テレビで、書店で、「偏差値30台の子が1年で70台になり、有名大学に合格」といった情報を立て続けに3例目にしました。

そういう成績急上昇の情報は、別に嘘ではないでしょう。
そういうことは、現実に起こります。
どの例も、昔ながらの真面目な努力を毎日長時間、大量に行ったという点で、説得力がありましたし。

私が教えていても、例えば数学で、定期テストで30点台の子がちょっと頑張れば70点台を取るようになるのは、よくあることです。
英語では、以前にも書きましたが、初見の英文が全く読めず、実力テストや模試では英語の偏差値40台前半がやっとという子に、3か月、単語の特訓をしたことで50台後半まで一気に上がり、その後、70を越えた例もあります。
そういうのは、この業界で長くやっていれば、必ず出会うことです。

え?
上がり幅が微妙に狭い?
(#^^#)

確かに、世間の耳目を集めるには、ゴールが有名大学であることが重要です。
私が教えた中ですと、英語や数学でそういう奇跡を起こした子は、他の科目のへこみをその科目で補う形で大学に合格しましたので、大学名で言うと、世間があっと驚くというのではなかったです。
本人は、行きたかった大学に合格して満足で、私も満足でしたが。

単に有名大学というと、高校3年生に私が個別指導して合格した大学というと、東工大、農工大、早稲田、明治などがありますが、もともとそこそこ勉強のできる子たちでしたので、奇跡のドラマはありませんでした。
でも、やっぱり、奇跡はすぐそこに現実にあると感じます。


私のやっていることは普通のことで、特に語るようなことではありません。
まっとうで真面目な努力を生徒に要求するだけです。
英語で言えば、大学受験に必要な単語力と文法力をつけたい。
その力があってこそ、入試問題に対応する技術が活かせます。
予備校などで、魔法のようにスラスラ英文が読めて問題が解ける方法を教わっても、自力では、そのような読み方はできないですから。

魔法のような読み方や「〇〇メソッド」など、新しい解法をかかげる予備校講師が、じゃあ単語力も文法力もないのかと言ったら、そんなわけがありません。
本人は、そんなトリッキーな読み方ではなく、自分の高い英語力で本文を隅々まで精読し、正答を判断しています。
自分はまっとうに読んでいるのに、単語力も文法力も足りない子が解くためのねじれた魔法を作り出し提言している、という視点はもっていたほうがいいです。
一時期、そういうものがあまりにもひどくなり、また、近年はそもそも文章を読めない子が増えたので、段落ごとに内容を把握する普通の方法を教える講師も多いようですが。
いずれにせよ、単語力と文法力は、必要なものなんです。

なかでも、結果を出すまでに時間のかかるものは、単語力です。
高3になるまでに、大学受験に必要な単語力をつけさせたい。

しかし、これが難しい。

今年の春も、昨年同様に、無料英単語教室を開きました。
英単語の練習だけで90分。週1回。
ただし、毎日1時間自宅で練習。
それだけで、単語力は大学入試の長文を読んでいくのにさほど苦痛はない程度になります。
そういう教室です。

しかし、この教室、挫折率は7割。
1日1時間を単語の練習に充てる。
それだけのことが、続きません。

挫折のメカニズムは大体わかっています。
始める時期の問題もあるのかもしれません。
大学受験に失敗し、浪人した子がやるほうが結果は出やすいでしょう。
近年の入試問題によく出てくる実践的な単語・熟語を一気に覚えていくのですが、ある程度入試演習の経験がないと、覚えた単語・熟語が入試問題に本当によく出ているということが理解できません。
まだ大学受験まで間がある子にとっては、かなり難しく感じる内容です。
難しい。
覚えにくい。
覚えても覚えても、またすぐ忘れてしまう。
それは仕方ないことで、完璧ではなくてもいいから継続してくれれば、結果はいずれついてくるのですが、そういう方向で努力をしたことのない子には、つらいようです。

努力できないときに、自分の努力不足を反省できる子は、少ないです。
嫌なことから逃げる理由を探し始めます。

「こんなことやっても、意味がない」
「時間がもったいない」
「単語は、学校で覚えるからいい」
挫折する子は、判で押したように同じことを言い始めます。
1日の中で無駄に遣っている時間は他にいくらでもあるのに、単語を覚える1時間が無駄に思えて、その時間を切り捨てようとします。
英単語を覚えているその1時間のせいで、学校の勉強ができないと、本気で思うようです。
携帯をいじっている時間のほうが無駄なんですが。

単語教室への参加を決めるのが保護者の場合、特に心配です。
親に言われて始めた場合、ほとんど挫折してしまいます。

私の書き方が悪いのかもしれません。
英単語教室の内容を読むと、保護者の方は、ああ、うちの子も、英語はもう大丈夫と思うようなんです。
「英語は、やればできるようになるから」
と、面談でこともなげにおっしゃるお母様もいらっしゃいました。
正直、ヒヤリとしました。
やればできるようになる。
それは、事実なんですが。
何も間違っていないのですが。


偏差値30の子が、1年で偏差値70に。

こういう情報、嘘ではないのです。
でも、保護者の方が、そういうものを鵜呑みにして、自分の子どもも簡単にそうなると思うのは、心配です。

子どもが、自力でそういう情報を発見し、自分もやれば出来るようになると励ましを得るのは、素晴らしいことです。
そういう飛躍の可能性は、本当に誰にでもあるのです。
やればできる。

でも、保護者の方がそういう情報から、成績が上がるのなんて簡単なことだと安易に思い、子どもに安易にそれを期待するのは、心配です。
努力をするのは、保護者ではなく、子どもですから。
奇跡を起こすための努力は、並のものではないのですから。

誰にでも可能性のあること。
でも、誰にでもできるわけではないこと。
大人は、そういうことを理解していたほうがいいと思うんです。




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    Posted by セギ at 17:01│Comments(0)講師日記
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