たまりば

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2014年01月16日

都立推薦入試の利用法


さて、入試シーズンです。
都立高校の推薦入試が近づいてまいりました。
都立の推薦入試は、大学受験の指定校推薦などとは全く別の種類のものです。
ほぼ誰でも推薦をもらって受けることができるので、たいていの子が受験します。
ただし、合格することはほとんどありません。
というのも、募集定員が少ないのに、誰でも受けられるため応募が多く、とても倍率が高いんです。
ですから、その後の一般入試なら合格する学力の子も、同じ高校の推薦入試は、受かりません。
合格するのは、高校を2~3ランク下げて受けている子です。
推薦入試で確実に合格することを狙っている子たちだけです。

なので、毎年、中3の子が推薦入試を受けると言う度に、私は言います。
「あー。合格しませんよ。落ちますよ。あなただから落ちると言っているんじゃないんですよ。みんな落ちますよ。一般入試なら受かる子も、推薦入試は落ちるんですよ。だから、作文とか自己プレゼンテーションとか、そんなことの準備に受験勉強の大切な時間を割いたらダメですよ。そんなもんがどれだけ良くたって、合格は内申で決まるんです。不合格でも、落ち込まないようにね。それで勉強が手につかなくなったりしないようにしてください」

それでなくてもナーバスな受験生に何てことを、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、中学3年生は、まだまだ未熟なので、推薦入試で合格することをちゃっかり夢見ていることが多いです。
そして、甘い夢を見れば見るほど、不合格の現実に落ち込みます。
そんなにも明確に何かから拒絶されるのは、それが人生で初めてですから、ものすごく傷つくようです。

・・・・・・受かるはずのない試験を受けて、落ちて、傷つかれてもなあ。
それで数日うじうじ悩んで勉強が手につかないんだからなあ。
そんなことより、合格の可能性の高い一般入試に向けて、さあ、勉強しようよ。

そんな気持ちから、あらかじめ、落ちるよ、落ちるからね、と言っておきます。
ある程度覚悟していた不合格は、軽く傷つくだけで済みます。
本番の一般入試で同じ思いをしたくないと気が引き締まる子もいて、そういう意味では、推薦入試の不合格は良い刺激とも思っています。


本当に推薦入試で都立に合格したい場合は、先ほども書きましたが、受ける高校のランクを2~3ランク下げる必要があります。
ときどき知識不足から勘違いをして、推薦入試で合格した都立を滑り止めにして、別の都立を一般入試で受けられると思っている子がいるのですが、推薦入試に合格したら、もうその高校に行かなければいけません。
入学を辞退したいといっても、話は通りません。
一般入試を受けたいといっても、中学は受験のための書類を作ってくれません。
これは、絶対のルールです。
この話をしたとき、我の強い女の子が、
「なんでだよ!いいじゃん。何が悪いんだよ!」
と教室で叫び出し、びっくりしたことがあります。
自分の見つけた上手いやり方を大人が寄ってたかって邪魔するように感じて、怒りの塊になってしまったのかもしれません。
その子は、まだ推薦に合格もしていなかったのですが。
やはり受験前は、いろいろと感情が揺さぶられてしまうようです。


2~3ランク下げて、都立の推薦入試に合格する。
これは、その子の性格によっては、良い方法です。
以前に勤めていた塾での話ですが、やはり、相当思い切ってランクを下げて、都立の推薦入試に合格した女の子がいました。
もっと上の高校に一般入試で受かるのに、もったいないねと講師間では話していたのですが、本人は、それで全く構わなかったようです。
それから3年後、高校3年生になったその子が、大学に合格したと報告にきました。
MARCHのうちの1校に、指定校推薦で合格したのでした。
そうなると今度は、
「え、あの子が?学力的には、あの子の学力じゃ、一般入試じゃ、ちょっと無理だよね?」
ということになり、講師たちは、またびっくりしました。

都立高校は、かなりランクの低い高校でも、そういうプラチナチケットの1枚や2枚は保有しています。
ある程度の内申を要求されますので、使われずに終わることすらある指定校推薦枠。
しかし、高校のランクを下げればその中で高い成績を維持できます。
それを使っての、指定校推薦枠での大学合格。
戦略としては、なかなかのものです。

ただ、これは、誰にでもできることではないと思います。
一般的にはやめたほうが良さそうです。
というのも、多くの子は、入った高校の学力に簡単に下がってしまうんです。
2ランク下げたのだから、校内順位は10番以内で当然。
そう思っているはずなのに、結果は、真ん中程度の成績。
下手をすると、平均点以下の科目も出てきてしまいます。
子どもは、環境に染まりやすいんでしょう。
高校の3年間、それだけを目指してコツコツ努力できる精神力のある子はなかなかいません。
高校生活は、いろいろと楽しいことがありますから。
ガツガツ勉強する雰囲気ではない高校で、1人だけガツガツ勉強するって大変です。

それが可能なのは、私の主観も交えていえば、生真面目で融通の利かないタイプの女の子のようです。
小学生の頃は、「学校から帰ったらすぐ宿題をする」というルールを厳密に守ってしまうような子。
「夕方からお出かけするから、今日は、宿題はあとでやりなさい」
とママに言われても、涙目になって、宿題が終わるまで机から離れないような子。
中学3年生のときには、入試が終われば誰も勉強なんかしたくないはずなのに、
「3学期の期末テストの対策をしてくれませんか」
と塾に来ちゃうような子。
「え?3学期の期末テスト対策って、そんなの実力でやりなさいよ」
と講師に断られ、結局、自分の思うような点が取れず、悔し涙を流してしまうような子。

強弱はありますが、ある程度そのような性格傾向の子でないと、3年間はもたない可能性が高いです。
その高校の学力に合わせて沈んでしまうと、学力の低い高校では、教わることにも限りがあり、一般入試を受けるには学力が足りないというリスクばかりが高まってしまいます。

また、大学に合格したといっても、推薦入試で受かった子と、一般入試で受かった子とでは、学力に大差があるのが現実です。
学内での成績、あるいは就職に、やっぱり少し問題が生じてしまうことがあるようです。
上手い抜け道なんてないのかもしれません。

都立の推薦入試。
自分の本当に行きたい高校で入試を受ける雰囲気だけ味わってくればいいよ。
合格しなくて、いいんだよ。
それより、受験勉強頑張ろう。
そう思う日々です。


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