たまりば

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2013年10月15日

英語が苦手な子の特徴



小学生のお子さんをもつお母様に、こんな質問をいただくことがあります。
「英語は、やっぱり、小学生の頃から習わせたほうがいいんでしょうか」

これ、私には少し答えにくい質問です。
全然そんな必要ないですよーと答えたら、子ども向け英会話スクールに対して失礼です。
だからといって、絶対必要ですよーと答えるには、そうでもない事例をたくさん見ています。

英語も、結局、学校で勉強する教科の1つなので、勉強の得意な子が英語もできるようになります。
中学受験で忙しく、英語は小学校の授業以外では勉強していなかった子が、最初は不器用なつまずきを見せることがあっても、結局、英語でも秀才になることは多いです。

一方、幼い頃から英語を習い、小学生のうちに英検3級を取った子が、けれども、それが限界で、中学生になっても英検準2級は合格できず、悔しいからそれは飛び越えて、高校生になって2級を取ろうとして、それも不合格、ということもあります。
「英検なんて意味ない」
と否定するようになり、別の資格に挑戦しますが、そのスコアは、初心者レベルのまま動きません。

結局、ピアノなどのお稽古事と同じなのでしょう。
「ピアノは、子どもの頃から習わせたほうがいいんでしょうか?」
という質問と同じなのだと思います。
それは、習わせないよりは習わせたほうがいいでしょうが、習わせたからといって、必ずしもピアニストになれるわけではありません。

しかし、中学1年生からは、英語は学校以外でもどこかで習ってほしいです。
うちの教室に通え、という宣伝ではなく、もうどこでもいいんです。
集団指導の塾でもいいし、英会話スクールでもいいから、とにかく、どこかに通ってほしいです。
音声英語だけではなく、書く英語や文法をしっかり教えてくれるところなら、どこでもいいです。
中2、中3になって、英語に関して相当にこじらせた状態でようやく塾に通うことにした生徒と接する度にそう思います。

こちらも全力を尽くしますし、本人も頑張っています。
無論、通塾前よりは、成績は上がっています。
しかし、何か手応えが違う。
こうじゃないんだけどなあ。
中1から通ってくれれば、決してこのようなことにはならないのに。
そう思うことが多いんです。

先日、高校生と動名詞の練習をしました。
「彼女は、そのときラジオを聴いて楽しんでいました。」
She was (  )(  ) to the radio at that time.
この問題、正解は、
She was enjoying listening to the radio at that time.
です。

ところが、英語が苦手なその子は、正答を聞いても、納得しません。
何かおかしい、と首をひねっています。
その子の答えは、
She was enjoy listen to the radio at that time.

もう何回目かの解説を、私はその子にしました。
「・・・・・・・be動詞の後に、動詞の原形は、来ないよ」
「be動詞って何?」
その子のその質問も、もう何回目かわからないほどです。
「wasが、be動詞だよ」
「オレ、いつもわかんないんだよ。be動詞って、何なんだよ」
「am、is、are、 was、 were、がbe動詞。原形は、be。過去分詞は、been。現在分詞は、being。それ以外はないから、覚えよう」
「そんなに覚えらんねえよ」
「動詞は、一般動詞とbe動詞に分けられるんだよ。be動詞以外は、全部、一般動詞だよ。be動詞さえ覚えれば、残りは、全部、一般動詞なんだから」
「・・・・・・」
「be動詞の主な働きは2つ。説明しようか?」
「・・・・・・いい」

この話、既にどこか噛みあっていないのです。
塾に通わない子の多くが、中1の英語学習が「一般動詞」に入った直後に、最初の混乱をきたします。
それまでの、「be動詞の文」は、それでも、そこそこ理解できていたのです。

I am a girl. 「私・は・女の子」
You are Mr Yamada. 「あなた・は・ミスター・ヤマダ」

なんだ、英語なんて簡単じゃねえか。
疑問文は、
Are you Mr Yamada?
あー、はいはい。
areを最初に書けば、疑問文になるんだな。

こういう把握をしている子は、一般動詞の疑問文を、こう間違えます。
Are you study English?
この間違いをやっていた期間が長ければ長いほど、もう一生治らないのではないかというくらいに、治りません。
それは違う、そうじゃないと何回教えても、Do you ~?を自力で思い出すことができません。
そのときは理解しても、1週間経つと、また元の書き方が復活しています。
be動詞とdoとの混同は、その後、何年も尾をひくことになります。
逆に「be動詞を入れて」と指示すると「do」と書いたります。
be動詞とdoを、なぜか逆に逆に使ってしまいます。
間違いは、習慣として定着する前に直さないと、何回教わっても、本人の中で、本当に正しいのはどちらなのか、わからなくなるようです。
学習する度に混乱が深くなっていく様子すら見え、頭の中で整理されません。

使ってはいけないところでbe動詞を使って疑問文を作ったりする一方、使わなければならないところでbe動詞を書き忘れるのも、英語が苦手な子の特徴です。

動詞がらみの中1の2つ目の混乱は、2学期。
「現在進行形」の学習のときです。
あー、はいはい。動詞にingをつければいいんだな。
簡単じゃねえか。
I studyng English.

「違うよ。I am studying English.だよ。進行形は、be動詞+~ing。be動詞を忘れやすいから、むしろ『be動詞』のほうを大声出して力を入れて覚えよう」
「・・・・・」
そんな話も、もう10回以上した記憶があるのですが、定着しません。

進行形にbe動詞を使うことが意識にないのですから、最初に書いた、
She was (  )(  ) to the radio.
の最初の空所に、enjoyingを入れることは、思い浮かぶわけがないのです。

中1から塾で文法を学んでいる子は、問題を解く際に文法的な分析をしますから、wasを手がかりに、enjoyをどのような形にしていくか判断していきます。
しかし、何年間か自己流の英語学習をしていた子は、文法的な分析をする習慣がなく、問題を解くときは、勘を働かせて解いてしまうようです。
しかし、「勘」というのは、本人の感覚です。
それは、本人の頭の中の「誤答の集合体」からの判断に過ぎません。
間違った英語を何年も書いてきた、その経験が頭の中に定着し、間違った英語が本人の中での「英語らしい英語」になっているのです。
誤答の拡大再生産が繰り返されます。

本人も、何とかしたいという気持ちはあるのです。
質問は、積極的です。
「enjoyingはわかったけど、何でその後ろが、listening?そんなのおかしいだろ」
「・・・・・おかしくないけど。メガフェプスダのエだよね。enjoyは」
「はあ?」
「メガフェプスダ。目的語に動名詞をとる動詞。そうやって覚えましょう。この話も、3回はしています」
「そうだっけ?」
「この呪文、今はもっと長いんだよ。年々長くなっているんだよ。裏をかいて、別の動詞を入試問題に出す大学があるからねえ。でも、そんな重箱の隅はいいから、とにかく、メガフェプスダをまず覚えて」
「・・・・・でも、おかしくね?~ingの後に~ingって」
「enjoying listening が、ですか?」
「おかしいだろ」
「別におかしくないです。~ingを2回続けて書いてたらダメというルールは、英文法にはありません」
「そうなの?」

これもまた、英語が苦手な子の特徴の1つです。
英文法にはアレルギーがある様子なのに、変なルールを自分で作って、その英語はおかしい、と決めてしまうことがあります。
例えば、
He wanted to go to the park.
という文を見て、
えー、こんな文、おかしい。
toを、1つの文に2回使っていいの?
そんなことを訊いてきたりします。

重要なルールが覚えられない一方、妙なルールを読み取って空回りする。
独りで勉強してきた子ほど、その傾向があります。
中1の基本から、文法的なアプローチをしている子は、そういう点でも安定しています。

「でも、やっぱり、She was enjoying listen to the radio.が正解だろ」
まだ続きます。
「なんで?」
「to があるじゃん。toなら原形だろ」
「・・・・・to不定詞のtoは、動詞原形の前に書くんだよ。listen toじゃなくて、 to listenが不定詞。この文のtoは、単なる前置詞のto」
「でも、to じゃん」
「語順を意識しよう。動詞の前だろうが後だろうがtoを書いときゃいいだろう、不定詞だろうってわけにはいかないんだよ。それに、listenの後ろにはtoという前置詞が必要だったよね」
「知らね」
「・・・・・・・」

単語を覚えていないわけではない。
意欲がないわけでもない。
なのに、どうにもこうにも英語が形になっていかない。

「文法なんか嫌いだ」
と、英語が苦手な子はよく口にしますが、だからといって、文法を全否定するわけではないのです。
さすがに高校生になれば、文法の授業が学校でもあります。
でも、問題を解くときに、習った文法事項を利用する様子がありません。
問題を解くと、我流の変な英語を書いてしまいます。
文法を習うことと、それを利用して問題を解くことが、結びつかないようです。

何年も何年も、感覚で英語を並べてきたのです。
その習慣が抜けず、理屈で英語を並べていくことができません。
そこが、どうにも結びつかない。
私の目の前で解いていてさえ。

故ブルース・リーには悪いですが、私は叫びたい。

Don't feel ! Think !


あるいは、「そんなことを言うなんて、彼女は疲れていたに違いない」という、乱文整序問題。
とりあえず、Sheから書き出すことはできます。
「はい。主語を書いたね。次は何を書くの?」
「such」
「え。なんで?」
「そんなは、suchだから」
「いや、日本語の順番と英語の順番は違うよ。文法的に考えよう。英語では、主語を書いたら、次は何を書くの?」
「知らね」
「動詞だよ」
「動詞?tired?」
「tiredは、動詞じゃないよ」
「動詞じゃん。疲れるって」
「・・・・形容詞なんだよ。もともとは過去分詞。edがついてるでしょう?過去分詞が形容詞として固定化したの。分詞は形容詞であるって、前に話したよね?難しかったら、tiredは形容詞って覚えよう。それはともかく、形容詞の前には、何を書くの?」
「知らね」
「be動詞だよ」
「何だよ、be動詞って。またbe動詞かよー。わかんねえよ」
「・・・・・・」

数学もそうですが、英語も、勉強が苦手な子は、誰もが、同じところを同じように間違えます。
同じところで同じ誤答をします。
何か独特なつまずきやすさがあるようです。
誤答のメカニズムはよくわからないのですが、ここで間違えるというところは予想がついています。
だから、先回りして、「ここは間違える」「ここをこのように間違えるから気をつけて」と教えることが可能です。

英語の根幹をなす大切なことは、ほとんど中学1年生で学習します。
どうか、中学1年生から、塾に来てください。
たくさん間違えて、誤答が頭の中に定着してからではなく、最初から、誤答を頭に残さないことが大切です。
頭の中に正しい英語しかない状態を作りましょう。
間違った英語感覚や英語学習が習慣化する前に、塾に来てください。

それでも、今、英語が苦手になってしまっているのは、仕方がない。
今いる高校生に、中1から通ってくれればこんなことにはならなかったのにと愚痴るだけでは何も変わらない。

継続こそが万能です。
諦めてはいけない。



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