2013年07月05日
中間テストの結果集計
もう期末テストが終わった学校もありますが、ようやく中間テストの集計結果が出ました。
1人の生徒が、「まだ返ってきていない」を繰り返したあげく、最終的には、「え?この前言ったはず」と言い出しました。
そういう子の点数が良いはずはないので、待たなくても良かったかなと思います。
(^_^;)
◎英語
90点以上 1名(中3)
80点以上 1名(高3)
80点未満 4名
◎数学
90点以上 1名(高2)
80点以上 1名(中2)
80点未満 5名
期末は、今のところ、返ってきた4人は、1人が80点台、あとの3人は90点台で、まずは快調ですが、これから期末テストの学校も多いです。
さて、どうなりますか。
テストの点数をきちんと言えない子は、すなわちテスト問題や答案を持ってこない子です。
何やかや理由をつけて、問題も答案も持ってきません。
私としては、その子がテスト本番で何が解けて何が解けなかったのかわかりません。
出題のレベルや傾向もわかりません。
なので、今後の対策も決め手に欠けますから、伸びる可能性も低いのですが、テストを見せられるかどうかは、その子の性格に大きく関わってきます。
私が注意しても、保護者が「ちゃんとテスト持った?先生に見せなさいよ」と念を押しても、見せないものは見せません。
私には、「忘れてきた」と言います。
あるいは、「テスト直しをして、学校に出した。まだ戻ってこない」と言います。
それは本当の場合もあるのですが、返却されたからと言って、持ってくるわけではありません。
悪い点数を見せるのが、嫌なんでしょう。
努力はしないけれど結果を求めるタイプの子に、多い傾向です。
申し訳ないけれど、それでは、成績は上がりません。
しかし、努力をしない子に努力させるのは、難しいです。
そもそも、宿題をやってきません。
私が以前勤めていた集団指導塾は、私がいた頃は、面倒見が良いことで評判の地域密着型の学習塾でした。
ところが、私が勤めるようになる前、はるか以前には、スパルタ教育でその名のとどろく塾だったらしいです。
普段はそんな話は一切しませんでしたが、酒の席などで、古株の講師から、そんな話がぽろっとこぼれ出ることがありました。
生徒を平手打ちするのは当たり前。
宿題をしてこなかった生徒には、男女関係なく、平手打ち。
保護者は、そのことを承知で通わせています。
だから、特に問題も起こりません。
他の生徒の前で平手打ちされるのは嫌ですから、生徒たちは、皆、必死に宿題をやってきたそうです。
成績は驚異的に上がり、またたくまに教室を3つに拡大しました。
1990年代の話。
不快な話ですが、そのように支配されるとパフォーマンスの上がる子たちが存在するのも事実なのでしょう。
体罰を是認する人が消えない理由がそこにあるのだと思います。
罰もご褒美も、同じことの裏表。
自覚し、自立して学習できるようには、なりません。
時代は変わって、私が勤めていた頃は、その塾は、集団指導塾としては小希望な塾になっていました。
生徒数が少ないので、学年ごとに成績別に2つのクラスに分けるのがやっとでした。
成績上位クラスは、意欲のある生徒が多く、そういう子たちがクラスの雰囲気を作っていましたので、自覚のなかった子もひきずられ、意欲が増していくようでした。
だから、宿題も、どんどん量を増やしていくことができました。
1週間に問題集10ページ以上。
秋も深まれば、そんな量でも1日か2日でやり終えてしまう子が多く、
「センセー、なんかプリントほしいー」
と、もらいに来ます。
1人がもらいにくれば、他の子も、
「オレもオレも」
ともらいに来て、競争で解いていました。
そういう子たちについては、担任から、
「あいつは、志望校には内申が少し足りないんだけれど、どう思う?」
と訊かれても、
「あの子は、受験日の朝まで伸びますよ」
と、自信をもって答えることができました。
しかし、成績下位クラスの意欲は低かったです。
宿題を出しても、やってこない子が大半でした。
他の子がやってこないと、それにひきずられ、やってこない子が増えます。
成績は低迷していました。
生徒の成績が上がらない。
なぜ、上がらないのか。
中3の成績下位クラスの担任は難しい仕事です。
だから、塾長自身が務めていました。
保護者面談などで、当然、成績の話になります。
苦情も出ます。
塾に通わせているのに、なんで成績が上がらないのか。
下位クラスの子の成績が上がらない理由は、きわめて単純でした。
勉強しないから、成績が上がらないだけのこと。
授業を聞いて理解しても、それはそれだけのこと。
「わかる」ことと「問題が解ける」ことは、似ているけれど別のこと。
宿題もやってこないようでは、成績が上がるわけがありません。
それでは、なぜ、宿題をやってこないのか。
塾長は、生徒と個人面談し、宿題をやってこない理由を話しあっていました。
「量が多すぎる」
「難しくて、解けない」
生徒は、そんなふうに答えたようです。
成績上位クラスが週10ページの宿題を楽にこなしている時期に、週5ページ程度の宿題が「多すぎる」?
1日1ページやれば、5日で終わるのになあ。
1ページに20分もかからないけどなあ。
仕方がないので、その次の授業で、
「宿題が多すぎてやる気がしないという人がいるので、宿題の量を減らすことにしました」
と告げ、宿題を1ページだけにしました。
生徒は、大喜びしました。
意欲のある子は、個人的に呼んで、別のプリントを与え、やってきなさいとささやきました。
下位クラスにも意欲のある子が1人2人はいたんです。
できる科目に偏りのある子は、上位クラスには入れません。
数学の成績メインでクラス編成をしている塾でしたので、数学がどうにもならない子は、他の科目ができても、下位クラスに在籍していました。
その子が、こんなくだらないことに巻き込まれて、学習進度が遅れてしまうのは避けたかったのです。
その結果。
翌週も、私がささやいた子以外は、ほぼ全員、そのたった1ページの宿題をやってきませんでした。
家庭学習の習慣がないし、やってこなくてもこれまで何とかなったのですから、1ページになったところで、やってくるわけがありません。
「1ページにしても、やってこないので、元に戻すことにします」
「えー」
それで、その話は終わりにしました。
「宿題が、難しくて、解けない」
そういう言い訳については、塾長に宿題のテキストを見せ、
「これが難しいんでしょうか。宿題をやってこない子も、自分の当たるところだけは授業中に解いていますけれど」
と説明し、難度についての話は、それで終わりにしました。
「センセーは、勉強のできない子に冷たい」
あるとき、生徒にそう言われたことがあります。
「結局、できる子のことしか、考えていない」
「勉強のできない子に冷たいわけではない。でも、意欲のない子には、冷たいかもしれない」
私は、そう応えました。
そういう不満に対し、時間をかけて話しあおうとしないだけでも、やっぱり冷たかったですね。
あのとき、自分はやる気があったのに、親身になってくれなかった。
その子には、そんな不満があったのかもしれません。
私は、そのとき、もとから意欲のある子への対応で忙しく、そのときだけやる気を出している子への対応は後回しにしたかもしれません。
宿題をやってこない子、だから、成績の上がらない子に対し、
「やってこないんだから、仕方がないんじゃないの」
で済ます気持ちが、私にはあったのでしょう。
意欲もあり素質もある子の成績を上げるなんて、素人でもできること。
意欲のない子の成績を上げること。
今、私はそれを自分への課題としています。
Posted by セギ at 13:32│Comments(0)
│講師日記