たまりば

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2013年01月29日

甘え風邪


インフルエンザが猛威をふるうこの頃、皆様、お元気ですか?
私は、喉を壊し、咳がガホゴホ出ています。
冬期講習そして入試シーズンで授業がたてこんで、しゃべり過ぎて喉がおかしくなってしまっただけなので、感染しませんから、皆さまご安心を。
咳ばっかり出て仕事にならないので、咳止めを処方してもらったら、これが非常に眠くなる成分が含まれていて、薬をあまり飲まない身体には劇的に効き、最近いつも眠いです。

とはいえ、個別指導は、集団指導と比べると、生徒の風邪がうつる可能性が高い指導形態です。
私も、長年の間には、普通の風邪からインフルエンザ、果ては、子どもに流行している肺炎まで感染しました。
職業ごとに、ある種の危険はつきまといますが、子ども相手の仕事は、風邪との闘いなのだと、この仕事を始めて30年、冬になる度、思います。
命の危険や「職業病」と呼んで構わないような重い肉体的危険があるわけではないので、恵まれているほうだと思います。

相手にうつすまいと努力している人と、うつりたくないときちんと用心している人との間では、感染は起こりにくいんです。
三鷹は、やはり、そういう点で、ご家庭の教養度が高いのでしょう。
三鷹に教室を開いてからは、生徒を前に、
「ああ、この子の風邪は、絶対に私にうつる」
と絶望のため息をついたことはありません。
以前勤めていた塾の生徒の中には、なかなかのモンスターっぷりをみせてくれた子たちがいました。

一番多かったのは、風邪をひいているのに、マスクをしてこない子。
「風邪ひいちゃったーん」
と、なぜか陽気に塾に現れます。
マスクをしないで、ウィルスたっぷりの嫌な感じの咳を、狭いブース中にまき散らされますと、それだけで絶望的な気持ちになりました。
「どうしてマスクをしないの?」と訊くと、
「もう風邪をひいているんだから、マスクは必要ない」
と判で押したように同じ応えでした。
マスクは耳が痛いし、呼吸がしにくいから、嫌がる子どもは多いですね。
・・・・・・悪魔が来たりて、ウィルスを吹く。
私は、そのように心の中でつぶやき、あとは私の体力勝負、と自分に祈ったものでした。

鼻のかみ方が、危険な子もいました。
鼻をかまなくちゃ。
かんだら、ティッシュをごみ箱に捨てに行かなくちゃ。
気持ちがあせるのか、この2つが一緒になって、立って鼻をかみます。
結果、私の頭上で鼻をかむ。
ウィルスをたっぷりふくんだ目に見えない霧が、頭の上から降ってくる。
この、頭上鼻かみ攻撃を受けた場合は、一撃で、2~3日以内に高熱が出ました。
これは、もう私の体力がどうのこうのというレベルを越えていました。
(^_^;)

ティシュの使い方がおかしい子もいました。
ティッシュをきちんと折って鼻をおおって使うことができず、鼻がティッシュからはみ出してしまいます。
そんな状態でも、おしゃべりな子は、私のほうを見て、ずっと何かしゃべっています。
そして、私めがけて、鼻をかみます。
これは、頭上鼻かみ攻撃ほどひどくないですが、それでも、感染の可能性がきわめて高い鼻のかみ方です。
鼻をかむときは、人のいない方向を向くことも、わかっていない子は、案外わかっていません。

念のため申しますが、これらは皆、小学校低学年の話ではなく、小学校高学年から、中学生の話です。

なんて書くと、私が非常に神経質で虚弱体質みたいですが、私自身は、ほおっておけば、一生風邪などひかない体質です。
この頑健な肉体を撃沈させるのが、子どものウィルス。
体力のない子どもの体内で、ウィルスは小躍りし、強さを増しているのでしょうか。
至近距離で指導しているという特殊な環境がそれに拍車をかけます。
(^_^;)

子どもの風邪、特にインフルエンザが流行しやすいのは、1つには子どもの抵抗力の弱さがあるのでしょうが、もう1ついえば、上に書いたように、何をすれば他人に感染するのか、あまりよくわかっていない子が多いこと。
他人にうつしてはいけないことがわかっていない子もいること。

さらにもう1つ言えば、受験生など、風邪など絶対にひくわけにいかない事情を抱えている子以外は、風邪の1つもひけば、学校を休めて楽しいな、くらいのゆるいモードでいる場合が多いのも原因かもしれません。
自分の子どもの頃のことを考えましても、そんなに緊張感をもって風邪をひかないようにしていたとは言い難いです。

風邪をひくと、学校を休めます。
学校が嫌いなわけじゃないけれど、休めると、やっぱり嬉しいです。
大人のように、風邪をひいて熱が出ると身体の節々が痛くてつらい、なんて年寄りくさい苦しみはあまりないですし。

それに、風邪をひくと、親が優しいです。
私が子どもの頃は、医院に行って注射を打ってもらった帰りには、書店に寄って、マンガとか本とか、1冊好きなのを選ばせてもらえました。
たまご雑炊とか、鍋焼きうどんとか、熱々のおいしいご飯も出てきました。
桃の缶詰とか、アイスクリームとか、プリンとか、おいしいデザートもつきました。
子どもの風邪ひきさんは、良いことばっかりです。
そりゃ、ひと冬に1度は風邪をひかなきゃ損である。
(*^_^*)

これを甘え風邪と申します。

では、風邪をひくとデメリットだらけになるようにすれば、子どもは風邪をひかなくなるのかというと、それはかなりの確率でそうなると思いますが、風邪をひいた子どもを叱るようなのは、やっぱり、可哀そうです。
子どもの頃の、風邪をひいた日の思い出は、大人になると、不思議と懐かしい。
良い思い出の1つです。

ただ、両親とも働いているのが普通の昨今、自分が風邪をひいたら親が困る、という自覚のある子どももいます。
何か言われるわけじゃないけど、困っている親の気持ちがわかってしまう。
だから、自分は病気になるわけにいかない。
そのように思う子どもは、少し痛々しいですが、でも、愛おしいです。
甘ったれている子どもよりも、他人のことを一生懸命考えている子どもは、愛おしい。
それは、どんな場面でも、そうですね。

とりとめのない風邪話でした。



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    Posted by セギ at 14:31│Comments(0)講師日記
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