たまりば

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2013年01月14日

思い違いをする脳


先日、ラジオを聴いていたら、脳科学者がこんなことを話していました。

人間の脳には、全く関係のない2つのことを関連づけてしまう性質がある。
身近なパターンに当てはめることで、未知のものに速く対応しようとする。
複雑なものを、自分が理解できるように単純化しようとする。
思い違いは、そこから生まれる。

例として挙げられていたのが、有名な「重いコンダラ」でした。
(*^_^*)
何のことかというと、アニメ『巨人の星』のオープニングです。
「思いこんだら」という歌詞の背景で、野球部員たちが、グランドで整地ローラーを引いているのを見て、「重いコンダーラ」と勘違いをした少年たちが当時の日本で多数発生し、整地ローラーのことを「コンダーラ」というのだと誤解し、その言葉が部活等で使われるに至り、今や辞書にも載りかねないほど定着しつつあるということ。

思い込んだら試練の道を行くが男のど根性

私も『巨人の星』は毎回見ていましたが、そんな誤解をしたことはありませんでした。
おそらく、歌詞が上のように文脈上正確なものだったからだと思います。
何でも文脈で読んでしまう私は、文脈から外れたことがぽつんと出てくる歌詞だと、むしろ誤解してしまうことがあります。
私は、『悲しい色やね』の歌詞を、「hold me tight  大阪ベーブ・ルース」だと、ずっと思っていました。
相手に呼び掛けている歌詞なのだから、ここで出てくるのは、相手の名前であるだろう。
つまり、ここに出てくる男は「大阪ベーブ・ルース」という愛称の野球選手なのだな。
阪神か阪急のバッターなのかな。
「浪速のロッキー」がいるんだから、「大阪ベーブ・ルース」がいてもおかしくない。
大阪の人は、そういうの、好きそうだ。
で、今、大スランプで、自分が今までどうやってヒットを打っていたのか、もう訳がわからなくなってしまった。
そこまで明確にプロ野球選手じゃなくても良く、社会人野球でも、かつての高校球児でも、草野球でも何でもよいのですが、多少のからかいがあるにせよ何にせよ、多くの愛情を込めて「大阪ベーブ・ルース」と呼ばれる存在。
その人が、今、苦しんでいる。
で、彼女に、「オレのこと好きか」なんて聞いてしまう。
そんなことさえ、わからんようになったんか。
と返す彼女のこの言葉は、深いなあ。
いい歌だ。

後年、この歌詞が、「hold me tight Osaka bay blues」であると知り、落胆しました。
何だ、つまんない歌詞だなあ。
いえ、私が考え過ぎていただけですけどねー。

私のこんな勘違いなど、実生活には何にも影響しないのですが、子どもたちの勉強がらみの勘違いは、成績に影響しますので、深刻です。
毎年、都立を受ける中3には、希望があれば理科や社会も教えます。
都立の理科や社会は、基本問題しか出ませんから、簡単です。
覚えるべきことをさくっと覚えて、後は、正しい判断をさくさくしていけば、あんなもん、90点は楽勝です。
・・・・・と思うのですが、生徒にとっては、なかなかそうもいかないのが現状です。

毎年のようにみられる、生徒の錯誤。
例えば、歴史分野でよくある誤解。
「でも、センセイ、高度経済成長って、バブルのことでしょう?」
「・・・・・・はあ?」
「朝鮮戦争って、日清戦争のことでしょう?」
「・・・・・・え?」
「書院造って、寝殿造の別名ですよね」
「・・・・・・何ですと?」

歴史が苦手な子の、この乱暴なくくり方に、毎年頭を悩ませています。
ちょっと似ているくらいのことで、何でここまで混同するんだろう。
大丈夫なのか?

地理を勉強すれば、
「福岡と福島って、似てるから、どっちがどっちか、覚えられない」
「・・・・・もしもし。福しか似てないですよ?」

理科で「地震」を勉強すれば、
「センセイ、ほら、関東ロームってあるじゃないですか。あれは、地震にどう影響するんですか」
「関東ローム?関東ローム層?粘土層が、地震にどう影響するかなんて、そんな専門的なこと、私はわからないよ」
「え?でも、テレビでよくやってますよ」
「関東ローム層と地震の関係を、テレビでよくやっている?見たことないけど?」
「え、違うのかな。何か、そういうの、ありませんでしたっけ?」
「・・・・・・・・もしかして、南海トラフ?」
「あ、そうそう、それ」
「関東ロームと、南海トラフのどこが似ているのー!」
関東ロームと南海トラフが似ているのだったら、青山テルマだって似ています。

この程度の類似性で混同されたら、学習なんかできません。

似ていることの細かい違いを把握し、区別して認識するのが、学習ではないのか。
それが出来ないということは、根本的な能力の問題なのかなあ。
だったら、勉強不足を怒っても、意味がないのかなあ。

そんなふうに思うこともあったのですが、最初に話しました、ラジオに出演した脳科学者は、こんなことを言っていました。
思い違いは、知的能力とは、関係ない。
思い違いは、知能の高い人でも起こす。

では、何が原因なのかというと、そもそも、その分野に対して、関心がない。
関心がないので、複雑なものを、なるべく自分が理解できる単純なものに変えてしまう。

あー。

確かに、あの子たちは、社会科や理科に関心がない。
だから、あんな粗雑な勘違いを平気でする。
それは、全くその通りです。

では、どうすればいいのかというと、しかし、その先は、脳科学者の仕事ではないのでしょう。
受験に必要だということは理解しているはずなのに、それでも、社会科や理科に関心のない子を、どうすれば良いのか。
そこから先は、教育の問題だと思います。

正しく覚えて、正しく識別すれば、都立の社会や理科なんて、本当に簡単なんだけれどなあ。
(^_^;)

最後に、もう1つ、歌詞にまつわる話。
去年くらいからでしょうか、年末になると、JRが、「ふるさと行きの乗車券」というキャンペーンをはっています。
中島みゆきさんの歌から来ているのは、間違いのないところ。
でも、あの歌詞、故郷に帰れない人の歌ですよね。
私がそう言うと、知り合いが、「いや、あれは帰っている」と言うんです。

いや、帰れなかっただろう。
街に挨拶している間に、最終列車に乗り遅れて、ホームに取り残されているだろう、と私が力説しても、何を言っているんだという顔をされます。
納得がいかない。
私も、「大阪ベーブ・ルース」の前科がありますので、あまり強く言えないのですが、あれは、絶対、列車に乗り遅れている。

皆さんは、どう思いますか。
(*^_^*)



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