たまりば

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2013年01月12日

方程式の文章題をスマートに解く


小学校の算数から、中学の数学になって、一番変わるのは、方程式という概念の導入だと思います。
もちろん、その前に、小学校では習わなかった負の数を学ぶのですが、それは、小学校の算数とは地続きで、計算ミスをする子は多いものの、理解できない子は少ないです。

しかし、方程式は、下手をすると根本的に学びそこねてしまう子が現れます。
では、方程式の何が小学校の算数とは違うのか。
大きな違いは、小学校の算数は、答を求めるための式を立てるということ。
何本かに式を分けるとしても、小学生の立てる式は、最終的に、求めたい答を出すための式です。
ところが、方程式は、関係を表す式。
答を求めるための式ではありません。

例をあげるとわかりやすいかもしれません。

例題1
鉛筆を9本購入し、1000円札1枚を払い、おつりを10円もらいました。鉛筆は1本いくらでしたか。

小学生の立てる式は、以下のようになります。
まず、代金を求める。
1000-10=990
これが、鉛筆9本分の代金なのだから、1本分は、
990÷9=110
なので、答は110円。

小学生の立てる式は、このように、まっすぐ答に向かっていく式です。
言い換えれば、その式で答が出るか、最後まで見通していないと、式を立てることができません。

同じ問題を方程式で解くと、このようになります。

鉛筆1本の代金をx円とする。
9x+10=1000
   9x=990
    x=110
      答 110円

このように、方程式は、どうすればxを求められるかを考えて立てるものではありません。
とりあえず、与えられた情報から、等しい関係を読み取り、関係を表す式を立てます。
ですから、関係を表す式を立てている段階では、どう計算すれば答が出るかを考える必要がありません。
でも、立ててしまえば、こっちのもの。
あとは、方程式の解き方のルールを守ってそれを解けば、xの値がわかります。

方程式に慣れている大人にとっては何でもないことですが、中学生になって、方程式を学び始めた子どもたちにとっては、これは、大転換。
当然、この転換についていけない子が現れます。

方程式の計算方法は、一応身についています。
でも、立てる式は、こんな式です。

(1000-10)÷9=x

宿題全部をこんな式で解いている子のノートを覗き込み、「どわっ」と私はのけぞるのですが、私が驚いている理由が、その子にはわからなかったりします。


例題2
90円の鉛筆と、120円のボールペンをあわせて20本購入したところ、合計の代金は、2070円でした。ボールペンは何本購入しましたか。

一見易しいようですが、普通の小学生は、この問題を解くことができません。
これは、「つるかめ算」と呼ばれるもの。
小学校で習う算数ではありません。

ですから、このあたりから、方程式の凄さに気がつく子どもは多くなります。

ボールペンをx本購入したとする。
120x+90(20-x)=2070
120x+1800-90x=2070
           30x=270
             x=9
                    答9本

小学生の頃は、どう解いたら良いのか見当もつかなかった問題を、方程式を使って解く自分。
どうしたら答が出るかは考えなくてもいいんだ。
関係を表す式を立てたら、あとは自動的に解けるんだ。
うーん、かっこいい。
大人である。


方程式の計算はできるけれど、文章題の式が立てられないという子は、この転換がうまくいっていない場合が多いです。
小学生の発想から脱却できず、答を求める式を立てようとしてしまいます。
小学生ふうの発想で式が立つほど、方程式の文章題の構造は簡単ではありません。
だから、式が立たないのです。
そういう場合は、ぜひ、塾へ。
文章題の各パターン別の立式を一緒に学びましょう。


さて。
2学期の期末テスト範囲が方程式の文章題だった学校は多かったです。
そんな学校の1つで、期末テストにこんな問題が出されました。
数値は少し変えてあります。

問題
あるお店のチョコクッキーは、材料125gのうち、ココアパウダーが25g含まれています。
また、バターは、材料全体の35%の割合で使用します。
今、ココアパウダーを550g使用してチョコクッキーを作ります。
バターは何g使用すれば良いですか。

バツのついた答案を、私は眉を寄せて睨みつけていました。
その子の式は、こんなふうでした。

バターをxg使用するとする。
25/125 : 35/100 = 550 : x

沈黙がつらかったのか、その子が言いました。
「友達に、考え方が根本的に間違っていると言われました」
「・・・・・あ?」
友達が、この式を、根本的に間違っていると言った?
「・・・・・友達は、どんなふうに解いたの?」
「えーと。えー・・・・・・」
「・・・・・君の式は、完璧ですよ」
「ええっ」
「よく、こんなスマートな式を、テスト中に立てられたね」
「え」
「でも、計算が間違っているね」
「ええっ」
xを使った比例式を立てるのは、方程式の文章題の中でも、かなり高度なテクニックです。
普通は、比例式を立てる度胸はなく、普通の式しか発想できません。
しかも、割合の用法に習熟していないと、この左辺は作れません。

それなのに、なんで、35×550の計算を間違えるんだろう。
(^_^;)

「この式の意味がわからないような友達は、どんな式を立てたって言うの。わざわざもとにする量を求めるような、まぬけな式を立てたんじゃないの?」
そうと言い切る根拠は何もないのですが、腹が立っていると、私は口が悪くなります。
「そんな奴が正解で、このスマートな式で1点も取れないなんて」
あああああ、と私は、怒り心頭なのでした。

計算力も、鍛えましょうね。
(*^_^*)



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