たまりば

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2012年09月20日

子どものサバイバル


先日、「子どもの嘘」というブログを書きました。
子どもは嘘をつきますけれど、子どもの嘘をそんなに深刻にとらえる必要はないと思いますよ、という内容です。
すると、知人から、
「大丈夫?何か保護者ともめてるの?」
というメールが来て、おいおいおい、と苦笑してしまいました。

子どもが嘘をついたのつかないので保護者と今もめていたら、むしろ、あんなことをブログに書けません。
トラブルがおさまるどころか、火に油を注いでしまうでしょう。
クレームを受けたはらいせに、そのことをブログに書くような塾は、ダメでしょう。
(^_^;)

保護者の方に、複眼をもっていただきたいと思って、あのブログを書きました。
家庭にいるときの子どもと、学校や塾にいるときの子どもは、多分違う顔をしている。
成長するということは、そういうこと。
それぞれの場所での、それぞれの顔があるものです。

幸い、現在のところトラブルはありませんが、だからこそ書けることとして、今のうちに書いてしまえば、以前勤めていた個別指導塾では、やはりその種のトラブルはありました。
それまで集団指導塾で気ままにやっていた子が、成績が上がらないからと、個別指導塾に移ってくると、塾と保護者との連絡の緊密さに、息苦しくなってしまうことがあるんです。

集団指導塾では、多くの場合、授業態度がどうなのか、宿題を毎回やってきているのかどうなのか、そのことを保護者にその日のうちに伝えるシステムがありません。
塾で行うテスト結果を伝えるシステムならあるのですが、では、なぜその成績なのか、なぜそれは改善されないのか、それを保護者にすぐ伝え、すぐ考えてもらうシステムがないことが多いです。

なので、生徒の中には、ただ何となく塾に通い、ぼんやり授業を聞き、家に帰っても宿題をやらない子がいます。
当然、成績は上がりません。
だから、塾の月例テストでも、学校の定期テストでも、悪い結果が出てしまいます。
テストの結果を見ると、保護者は、
「塾に通わせているのに、何で成績が上がらないのかしら」
と思います。
それで塾に相談します。
このとき、電話を受ける「担任」は、講師ではなく、「教務」と呼ばれる社員である場合が多く、毎回の授業と生徒の実態を正確に把握しているわけではありません。
ここから先は、その教務の危機管理能力と営業力勝負になってきます。

教育的な見地から言えば、不毛です。

何回塾と相談しても、結局成績が上がらないので、ついに親がしびれを切らし、集団指導塾から個別指導塾に移ります。

自分のためだけの授業。
それはさすがに聞かないわけにいかない。
ぼんやりしていると、「聞いてるか?」とすぐ問いかけられます。
自分のためだけに出される宿題。
新鮮で嬉しくて、だから勉強するようになり、成績が上がっていく。

そうなる場合が多いのですが、そうならない場合もあります。

家庭学習の習慣がない子は、自分のためだけに出された宿題も、やはりできないんです。
自分と1対1で会話してくれる個別指導塾のセンセイの存在は嬉しい。
だから、宿題も、「やってくるー」と安請け合い。
しかし、塾の宿題をやるような生活習慣はありません。
学校から帰ったらやることは、大体決まっています。
いつもと同じような時間の使い方をしていたら、塾の宿題をやる時間はないんです。

結局やれなかった宿題。
まあ何とかなるだろう、と個別指導塾に行くと、たいてい「連絡帳」という存在があります。
「宿題をやってきていません」
必ず書かれてしまいます。
連絡帳は、保護者に見せて、サインをもらわないといけない。
・・・・・やばい。

帰って、連絡帳を見せて、怒られて、しぶしぶ宿題をします。
でも、そんなの、本当は、やりたくありません。
またその次の週は、さぼってしまう。
連絡帳に書かれる。
親に怒られる。

連絡帳には「ケアレスミスが多いです」「問題文をしっかり読む習慣がありません」等、その子特有の失点原因も書かれていることが多いです。
それも、親に怒られる。
だんだん、嫌になってきます。

集団指導塾に通っていた頃は、自由があったのになあ。
夜も友達に会えて、一緒にふざけて、面白かったなあ。
親と塾講師の連絡が緊密過ぎて、全部ばれてしまって、自由がない。
めんどくせー。

その後の生徒の行動は、もうその子の性格次第で、連絡帳を親に見せなくなる子もいますし、連絡帳を自分で書き換えた子を見たこともあります。

もう1つ。
親が講師の書くことにダイレクトに反応し、いちいち怒ってくることに、うんざりした子どもがとる行動があります。
親と講師の仲が悪くなるようにしむけること。
一番特徴的なのが、親の怒りのツボを刺激する、講師の一言を、親に伝えるという行動。
この講師を罰したい、排除したいという気持ちが子どものなかに働くと起こる行動です。
もちろん、その一言が本当に許せなかった、という場合もあり、一概には言えませんが。

ともあれ、親がその一言を聞いて激怒し、子どもの思惑通り、わあっとクレームになる。
若くて、厳しい指導をしたい熱血学生バイトが、結局それでクレームを受け、講師を替えられてしまうことがときどきありました。
その火消し役の後釜に回ることが多かった私は、教務から多少事情を耳打ちされましたが、その講師が一方的に悪いとは思えない場合もしばしばありました。
真面目に一所懸命勉強している子に、講師がいきなりひどいことを言うわけがない。
講師が言った言葉は事実その通りなのだとしても、それまでの経緯で、生徒がその講師を相当に怒らせています。
若く真面目な講師ほど、真面目にやらない子のことが、本当に嫌いですから。
もちろん、客商売ですので、腹が立つからと言って、何でも言っていいわけではないのですが。

一方、子どもを責めても意味がありません。
自由に動きまわれない。
今までのように思う通りにさぼったり遊んだりできない。
自分のテリトリーを侵されている。
そうなってしまった原因を排除したいのは、気持ちとしてはよくわかります。

それは、本能です。
一種のサバイバルです。
特に性格の悪い子がそれをする、とも思いません。
これは、子どもが悪いわけではなく、ふりまわされる大人が悪い。
集団指導塾よりも、個別指導塾のほうが、子どもと講師、講師と親との関係が近いために、トラブルになる可能性も高いのです。

でも、実は、この危機の後は、子どもは真面目に勉強し始めることが多いんです。
子どもなりに、いろいろと内面で葛藤があってのことなのだと思います。
それで成績が上がり始めれば、子どもにとっても、それは嬉しいこと。




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