たまりば

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2011年11月05日

「新人類」という言葉がありました


もうじき終わる、ゆとり教育。
その教育を受けた最初の子どもたちは既に社会人になりましたが、あまりに「使えない」ので、大人たちはあきれ果て、「おゆとり様」という言葉が生まれました。
これは、揶揄です。
完全にバカにしています。

いわく、「能力が、低い」。
いわく、「自分の能力の低さが自覚できていず、自己肯定感が強い」。
全否定です。

世代論というのは、どうしてもかなり乱暴なくくりになってしまい、例外はいくらでもあります。
でも、血液型や星占いよりは、多少、根拠がある気がします。
それは、成育歴と密接な関係があるものだからでしょうか。

思い出してみれば、私が本当に若かった頃、私たちの世代は、「新人類」と呼ばれました。
今や、完全な死語ですが。
当時の大人にとっては、理解不能な世代だった様子です。
何が新しかったんでしょう。

1つ、大きな特徴は、生まれたときから家にテレビがあったこと。
だから、『となりのトトロ』のような子ども時代を経験していません。
子どもの心を深く成長させる、静かで暗く長い夜を知らない。
家の中は、常に蛍光灯で明るく照らされ、寝る寸前まで、テレビがやかましく騒いでいました。

もう1つ、「広場」の消滅。
塾やお稽古事で忙しい子どもが増え、同時に空き地が減り、学年を越えた近所の外遊び集団が構成されなくなっていった、最初の世代です。
遊ぶのは、同学年の子のみ。

時代は、スプートニク・ショック。
宇宙開発競争で、アメリカがソ連に先を越され、資本主義諸国では知識偏重の詰め込み教育が行われていました。
授業時数も、教わる内容も、戦後の教育史上、マックスの詰め込み方でした。

真面目な話を嫌う。
議論を嫌う。
熱い奴を見ると照れる。
明るいが、軽い。
個人主義である。

いろいろ言われましたが、私たちが社会に出てしばらくすると、日本はバブルの時代に突入しましたので、もう、新人類なんか、どうでもよくなりました。
日本中が浮かれていましたし、バブル期に入社した、もっと甘っちょろい世代が下にいましたので、アラも見えなくなりました。

そして、バブルが崩壊しました。

私が、同世代として、一番ぞっとしたのは、地下鉄サリン事件です。
教祖は、もっと年上でしたが、幹部信者たちは、同世代でした。
ああ、そうか、と納得するものがありました。

勉強は、できる。
でも、こんなものに、簡単にだまされてしまう。
ノストラダムスの大予言とか、アルマゲドンとか、そんなものが何故か大好きで、楽しむ分にはいいけれど、本気で信じてしまう。
この判断力のなさは何だろう?

本当かどうかわかりませんが、当時の報道の中で印象に残ったことの1つは、幹部信者たちが毎晩のように開いていたという宴会のメニュー。
寿司と、から揚げと、メロン。
何だ、その組み合わせは?
中学生の誕生日か?
食に対する、この教養のなさは、何なんだ?

私たちの周りには、サブカルチャーは腐るほどあったけれど、カルチャーがなかったのかもしれません。
私たちの親の世代は、戦前の教育を受けた世代。
実際に戦争に行った世代ではなく、子どもとして戦争の被害を受けた世代です。
その重い鎧を、私たちには受け継がせたくなかったのかもしれません。
それは、親心だったと思います。
けれども、そのせいで伝統から切り離され、教養がない。

頭をかかえ、ため息をつき、それに気がついた者から、大人になって勉強を始めました。
同世代を眺めると、何だかそうであったような気がします。
何しろ、子どもの頃から、勉強量だけは、ずば抜けていた。
勉強の仕方だけは、知っていたのです。

「おゆとり様」というのは、私の同世代が育てた子どもたちです。
私自身には子どもがいませんが、いたとして、これ以上にうまく育てたとは、到底思えません。
「ゆとり世代とバカにされるけれど、実は、ぼくたちはー」
などと主張する子をはがいじめにし、後ろから口をふさいで、
「本当にすみません。もう、本当に、バカでしょう?もう、恥ずかしい。本当にすみません」
と言いたくなってしまいます。

けれど、人生は、長い。
足りないものは、自分で補えばいい。
自分には、足りないものがある。
それが自覚できれば、何か変わるだろう。

「センセー、人は、褒められて伸びるんだよー」
今日も、ゆとり世代は、呑気なことを言っています。
「出来てないのに褒められても、こんなのでいいのかと思うだけで、伸びません。出来なかったことが出来るようになったら褒めるから、出来るようになりなさい」
と、叱咤激励する毎日です。



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