たまりば

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2018年05月09日

場合の数。グループ分けの問題。


今回も「組合せ」の学習です。
例えばこんな問題です。

問題 
6人で旅行し、ホテルに宿泊しました。301号室、302号室、303号室の3部屋に2人ずつ宿泊します。何通りの泊まり方がありますか。

まず、301号室に泊まる人から決めていきましょう。
6人から2人を選ぶ組合せでいいですよね。
だから式は、6C2です。
次に、残った4人から、302号室に泊まる人を決めます。
4人から2人を選ぶ組合せです。
だから式は、4C2です。
最後に、残った2人から、303号室に泊まる人を決めます。
2人から2人を選びます。
式は、2C2です。

この最後の2C2。
2C2=1ですし、何より、残った2人は自動的に303号に泊まることになるのですから、書かなくて良いものです。
ところが、2C2は書かないということがスルッと理解できる人と、どんなに言葉を変えて説明しても理解できない人とがいます。
思考の癖なのだと思います。
「選ばない」ということが、どうしてもどうしても納得できないようなのです。

しかし、そういう人には、あえて2C2=1を書いて説明すると、問題なく理解します。
なぜなんだろう。
理解しやすさという点で何が違うんだろう。
説明する側として、むしろそのことに興味があるのですが、きっと何かが決定的に違うんだろうと思います。
残ったのが2人でも、ちゃんと選んでほしい。
選ばないままなら、それは選んでいない。
そういうことなのかなあ。

そこがモヤモヤすると、そもそも6C2の次が4C2というのがわからない、2人ずつ選ぶんだから、6C2×6C2×6C2じゃないのか、それでなぜいけないのかという話に進む可能性もあります。
一度そのように混乱し始めると、言葉で説明しても到底理解してもらえるものではなくなります。
「場合の数と確率」という単元は、一度、本人の頭の中に間違った筋道ができてしまうと、それを消すのには大変な手間と時間がかかります。
思考の迷宮に陥る前に、先手を打って2C2=1で理解してしまうのが良さそうです。
「場合の数と確率」は、理解するにも教えるにもデリケートな単元です。

先日も、中学生に「場合の数と確率」の授業をしていたのですが、その子は「順列」と「組合せ」は何が違うのかわからないと嘆いていました。
「順番が関係あるのが順列で、順番はどうでもいいのが組合せだよ」
と説明しても、
「それがわからない」
と言うのです。
「A、B、C、D、Eの5人から、AとBを選ぶのと、BとAを選ぶのは、同じ選び方じゃない?それが組合せだよ」
「AとBを選ぶのと、BとAを選ぶのとは、違うと思う」
「そう?例えば、親戚の人がお土産に色々なケーキを持ってきてくれて、その中から、イチゴのショートケーキとチョコレートケーキを選ぶのと、チョコレートケーキとイチゴのショートケーキを選ぶのは、実質同じことだよね?」
「イチゴを食べてからチョコを食べるのと、チョコを食べてからイチゴを食べるのは、口の中の感じが全然違うから、違う選び方だ」
「それは順列だよ。胃の中に入れば同じだよ。それが組合せだよ」
「そんな雑な話は、わからない(笑)」
途中から笑っていましたから、理解できたようです。
ヽ(^。^)ノ


一番上の問題の説明に戻ります。
3つの部屋に入る人を選ぶのは同時に起こることなので、「積の法則」が適用され、全体の式は、
6C2・4C2・2C2 です。
最後の2C2はどうせ答えが1なので省略されて、6C2・4C2
分数の式にすると、

6・5・4・3
2・1・2・1

この2行は、分数の分子・分母として読んでください。
答えは90通りです。
しかし、このグループ分けに関する問題の最大のヤマ場は、この次にあるのです。

問題
6人を2人ずつ3つのグループに分ける。何通りの分け方があるか。

問題に余計な叙述がなくなっただけで、同じことなのでは?
答えは90通りでしょう?

・・・・いいえ、違います。
この問題の答えは、15通りです。

何で、最初の問題の答えは90通りで、同じ問題のように見えるのに後のほうの問題の答えは15通りなのか?
この2つの問題は、大きく異なる点があるのです。
分けられた3つのグループに「名称」と呼べるものがあるかないか。
最初の問題の3つのグループは「301号室の人」「302号室の人」「303号室の人」と名称が与えられます。
参加者6人をA、B、C、D、E、Fとするなら、
301号室はAとB、302号室はCとD、303号室はEとF
という部屋分けと、
301号室はAとB、302号室はEとF、303号室はCとD
という部屋分けは、違う部屋分けです。
90通りの中で、上の2つは別々の部屋分けとしてカウントされています。

では、「6人を2人ずつ3つのグループに分ける」という場合はどうなのか?
(A、B)、(C、D)、(E、F)と、
(A、B)、(E、F)、(C、D)は、別のグループ分けでしょうか?
これは、同じですね。
順番を変えているだけで、同じ分け方ですから。
3つのグループに名称がなく、ただ3つに分けるだけなら、順番は関係ないのです。
他にも、
(C、D)、(A、B)、(E、F)
(C、D)、(E、F)、(A、B)
(E、F)、(A、B)、(C、D)
(E、F)、(C、D)、(A、B)
これらは全て同じです。
90通りの中で、同じ1通りのグループ分けを繰り返しカウントしていることになります。
1つについて、何回繰り返しカウントしているか?
上の例からもわかるように、3つのグループを並べる順列、
すなわち3P3=3!=6(回)、同じグループを繰り返しカウントしています。
ですから、答えは90÷6=15(通り)となります。

ほんのちょっとした記述の違いで、解答が大きく異なる。
場合の数は、そういう意味でも難しい単元です。
センター試験のⅠ・Aでは、「場合の数と確率」は選択問題の1つなのですが、これを避けると図形問題を選択しなければならなくなります。
図形は図形で、苦手な人が多いのです。
どちらを選ぶか。
どちらが克服可能か。
中学生の頃からの図形への苦手意識で、安易に「図形は絶対無理」と思ってしまう人も多いのですが、解いてみると「場合の数と確率」のほうが得点できないこともあります。
「場合の数と確率」の考え方とそりが合わないとでもいうのでしょうか。
それでも、本人には苦手だという自覚がない。
何となく得点できないだけ、ケアレスミスしただけと勘違いして、「場合の数と確率」に固執してしまう場合もあるようです。
どちらを選ぶべきか、客観的な判断が必要なところです。

  


  • Posted by セギ at 11:07Comments(0)算数・数学