たまりば

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2017年10月05日

2次不等式の解法。放物線がx軸と接する場合。


さて、「2次不等式」の話の続きです。

問題 x2-4x+4≧0 を解け。

これは左辺が平方の形に整理されます。
(x-2)2≧0
2次関数 y=(x-2)2 を
グラフにしてみると、点(2,0)でx軸と接する下に凸の放物線となります。
この放物線は、すべてのxについてy≧0が成り立ちます。
よって、もとの不等式の解はすべての実数です。


問題 x2+6x+9>0 を解け。
(x+3)2>0 と整理できます。
放物線y=(x+3)2 は、点(-3,0)でx軸と接する下に凸の放物線です。
これは、x=-3のときだけは、y=0となり、y>0を満たしません。
だから、この不等式の解は、x=-3をのぞくすべての実数となります。


問題 x2-6x+9≦0 を解け。
(x-3)2≦0 と整理できます。
放物線y=(x-3)2 は、点(3,0)でx軸と接する下に凸の放物線です。
これは、x=3 のときだけy=0となり、y≦0を満たしますが、それ以外は全てy>0となり、y≦0を満たしません。
よって、解は、x=3 となります。
「不等式なのに解が1つだけでいいの?」
と納得しない高校生もいるところですが、あてはまるところが1つしかないのですから仕方ありません。

問題 x2-4x+4<0 を解け。
(x-2)2<0 と整理できます。
放物線y=(x-2)2 は、点(2,0)でx軸と接する下に凸の放物線です。
これは、どのような場合にもy<0を満たしません。
よって、解はない、となります。


このようなタイプの問題を整理すると、

(x-a)2≧0 のとき、 xはすべての実数
(x-a)2>0 のとき、 xはaを除くすべての実数
(x-a)2≦0 のとき、 x=a
(x-a)2<0 のとき、 解はない

上の( )の次の2は、指数として読んでください。
この4パターンを理解するのにかなり時間がかかる子がいます。

時間がかかっても正しく理解してくれたらそれで良いのですが、覚え間違えてしまう子もいます。
奇跡的なほどに、逆に逆にものごとを覚えてしまう子がときどきいるんです。
もういっそ、最初から逆に教えたら、むしろ正しく定着するんじゃないか、というほどに。
解説を聞いて、そのときは理解しても、1週間経つと、また逆になっています。
やればやるだけ混乱してしまう様子です。
( 一一)


初期に覚え間違えると一生混乱するということはあります。
私も、そういうのが1つあります。
「熊」のアクセントがいまだによくわかりません。
動物の「熊」と、目の下の「くま」の、どちらか頭高型アクセントだったか、混乱しがちです。
これ、テレビを見ていても、アナウンサーやナレーターによってアクセントがバラバラであるように思うんですよ。
私が混乱しているからそう思うのかなあ。
( 一一)

最初に覚え間違えると、一生たたります。
以前、あるタレントさんが「警視庁」と「警察庁」のどちらが何だったか、最初に覚え間違えて、よくわからなくなっているとぼやいていました。
むしろ、世間一般では、警察庁というものの存在がほとんど認識されていないので、そこの混乱は起こりにくいのですが。
高学歴タレントならではの不思議な混乱でした。


左辺が平方になる2次不等式に話を戻して。
「解はすべての実数」「解はない」などが答となる場合に、
え、そんなのが答えでいいの?
と納得しない高校生もいます。
「解いた気がしない」
と言うのです。

すべての実数というのは、結局なんでもいいということだから、そんなのは答えと言えないのではないか。
そんなふうに考えてしまうようです。
そういう子は、x<3 というような答えでも、実は不満で、何ではっきり定まらないのが答えなんだろうと口にすることがあります。
まだ小学校の算数の意識が残っているのかもしれません

不等号に対する概念が小学生のままなのだと思うのです。
不等号は、小学校では、大きさ比べ以外では使いません。

3<5

というようなことですね。
実際には、
2/7<0.3
というように、小数と分数の大きさ比べなど、上の例よりは難しいことで使いますから、何かもっともらしいことをしている気がしますが、結局、小学生の間は、大きさ比べをしているだけです。

しかし、x<3 が表しているのは、大きさ比べではありせん。
「xは、3未満のすべての実数である」という意味なのです。
これを、答えが定まっていないように思うのは誤解で、明確に定まっているんです。
しかし、
「xと3とを比べると、xのほうが小さい」
というふうにしか思わないと、xの値はぼんやりしていて、じゃあなんなの?と感じてしまうようです。

同様に、
「解はすべての実数」
というのも、解として明確に定まっています。
解はすべての実数として、定まっているのです。
しかし、そのことが理解しづらい子もいるようです。

本人の理解不足から、
「数学って何か変」
「数学っておかしい」
と不満を抱くようになり、数学を否定し始めることがあります。
数学を否定し、数学を勉強しない言い訳にし、数学で受験できないようになってしまうのは、しかし、勿体ないです。
全てを理解できないとイライラするのかもしれませんが、わかるところとわからないところがあっても数学全体は否定せず、何とかつきあっていってほしいなあと思うのです。

難しい内容に対して、
「学校でそんなのやってない」
と主張する子もいます。
これは微妙な話です。
本当に学校で習っていないこともあるからです。
進学校でない場合、こういう難しいところは省略してしまうことはあるでしょう。
本人が数学を入試科目に使用する可能性が皆無であれば、無理に教える必要はないと私も判断します。

しかし、本人が「やっていない」と思いこんでいるだけで、実は、学校で習っている可能性も高いのです。
授業を聞いていない。
授業が理解できていない。
だから、何を学習し、何を学習していないのか、よくわからない。
そういうことは珍しくありません。


必ず持ってくるように言っても教科書を持ってきません。
学校のノートもありません。
学校の問題集だけは、塾で学校の宿題をやりたいなと期待して持ってきているので、それで調べます。
「ここに、この問題が載っているけれど、本当に習っていないの?」
そのように具体的に質問していくことで、ようやく本人の記憶が戻ってきたりします。
「あ。やったかもしれない」

( ;∀;)


「実数」という言葉が突然出てくると、えーと、実数って何?と言い出す子もいます。
用語がいろいろありすぎて、だんだんわからなくなってくるという話は、少し前にもここでしました。
しかし、数学の用語を使わないと、説明はもっとわからなくなります。

以前にこんなこともありました。
中学3年生と図形問題を解いていたときのことです。
「この問題、補助線が要るね。どう補助線を引く?」
と私が問いかけたところ、その子は、
「真ん中の棒に、それと同じ幅の棒を、何かえーと、同じ幅になるように書いて・・・・・」
と説明し始めました。
「・・・・・待て。何を言っているのか、わからないよ」
「だから、ここの棒を」
「・・・・・・線分ACのことなの?中3が、数学の時間に、『線分』を『棒』と言ったらダメだよ」

さらに彼の説明を聞くと、彼がしきりに「同じ幅」と説明していたことは、平行線のことだろうかと思ったのですが、実は、点Pから線分ACに垂線を下ろすことだったのです。
さすがに、それは伝わらない。
( ;∀;)

数学用語がたくさんあり、そのすべてについて厳密に定義されているのは、必要があってのことです。
本人が使用している言葉の意味が、他人の理解とは異なる場合、伝えたいことが伝わらなくなります。
だから、数学用語を正しく理解し、正しく使用することは、意味のあることなんです。

教える側が、「すべての実数」という言葉を使わず、
「なんか、何でもいいやつ」
などと説明したら、おそらく、誰も理解できませんよね。
(^-^;

自然数、整数、有理数、無理数、実数。
そして、この先に、虚数。
用語の意味がわからなくなったら、その都度定義に戻って、正しい用語を正確に使用していきましょう。

  


  • Posted by セギ at 13:17Comments(0)算数・数学