たまりば

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2014年05月06日

蝶ヶ岳に行ってきました。2014年5月。


2014年のGWは、北アルプスの蝶ヶ岳に行ってきました。
5月5日に気圧の谷が通過することが予報されていました。
今年は、奥穂高岳か北穂高岳に行きたかったのですが、登るだけ登っても降りられなくなりそうです。
なので、今年は、雪山初心者でも楽しく登れる蝶ヶ岳にGOなのです。
1日で登って降りてこられますから。
(*^^)v

5月3日 三鷹7:01発の中央快速に乗って、立川でスーパーあずさ1号に乗り換え。
松本着9:43。
エスカレーターを登ると、例年通り、上高地行きの切符の臨時販売所がありました。
今年は消費税分だけ値上がりし、松本・上高地往復4550円。
そのまま松本電鉄のホームに移動。
萌えキャラのラッピング電車が入線してきました。
松本電鉄の淵東駅と渚駅から名前をとった「淵東なぎさ」ちゃんだそうです。
えーと・・・・・・。
('_')

松本発10:10。終点、新島々10:40。
駅前には、「上高地行き」のボードを掲げた係員さんが待機していました。
見事な誘導を受け、ささっとトランクにザックを入れてもらい、バスに乗車。
終点、上高地到着。12:00。

まずはバスターミナルに直行し、5日のバスの整理券をもらい、さて出発。
河童橋の向こうに穂高岳が見えてきました。
うーん、今年は、雪が多いのかなあ。
少ないのかなあ。
何だかよくわかんないなあ。

今日は横尾泊まりなので、気楽です。
アイゼン・ピッケル・雪山用のアウター上下などでザックは重いですが、服装は、長袖Tシャツに短パンに高機能タイツ。
ただ、靴は雪山用の重い登山靴です。
のんびり歩き始めました。

明神。13:10。
そこから先、池の付近で、いつも通り、猿の群れのお出迎え。
食べ物を見せびらかして歩いてでもいない限り積極的に襲ってはきませんが、あまり近づくと威嚇してきます。

徳沢。14:10。
徳沢園が建て替えられたと聞きましたが、見た目はそんなに大きく変わってはいなかったです。
周囲にマッチしたロッジ風な建物。
ただ、「氷壁の宿」の看板はなくなっていました。
「氷壁の宿」と言っても、今の若い人にはキャッチーじゃないからかなあ。
私だって、ナイロンザイル切断事件や、新聞小説『氷壁』の大ヒットは、登山史として知っているだけで、オンタイムで知っているわけではないのですし。

キャンプ場には、たくさんのテント。
スリーシーズン用のテントが目立ちました。
もう雪は融け、草地が見えていますから、テントの下にシートを敷いてテント内も銀マットと個人マットで防寒すれば、そこそこしのげるのかなあ。
GWもテント泊にすれば費用的には楽なのですが、雪山装備+テント装備となると、これはかなり重い。
なので、テント場は若者が多いようでした。

横尾山荘。15:10。
のんびり、コースタイム通りに歩いて到着。
山小屋ですので、予約なしでも泊まれますが、畳の部屋になるようです。
「全員揃うまで、布団は敷かないでください」
と言われていました。
ちょっと不便ですね。
私は予約していたので、2段ベッドの部屋。
三方は壁、もう一方はカーテンで仕切られ、一種の個室空間が作られていますので、山小屋としては望外の快適さです。
トイレも清潔だし、トイレ前の洗面所の水は飲料水だし。

3時半、お風呂の用意ができましたという放送が流れ、早速入浴。
石鹸・シャンプーの使用は禁止ですが、汗が流せるだけで快適です。
洗い場を長々と占領する人もいないので、特に混雑することもありません。
のびのび入って、タオルを乾燥室で干して、談話室の自販機でビールを購入。
500mL、700円。
山小屋に行くと、「PEAKS」を読みます。
奥秩父縦走かあ。いいなあ。
丹沢山小屋特集かあ。いいなあ。
熟読していたら、いきなりガツンと揺れて、びっくり。
え、地震?

隣りの人は、奥穂高から今日降りてきた人で、昼間も何度も揺れたと言っていました。
人が巻き込まれるほどではないけれど、地震の度に小さな表層雪崩が起きて、不気味だったと。
うわ・・・・・。

夕食、5:00。
ふき味噌がおいしかったです。
凍らせたフルーツゼリーもシャリシャリとシャーベットになっていて、おいしかった。
消灯、9:00。
でも、廊下とトイレはずっと明かりがついていて、ヘッドランプ不要でした。

5月4日。
起床、4:30。
朝食、5:00。
今日はこれから登る人が多く、みんな出発を急ぎますから、廊下に食事待ちの行列ができていました。
廊下の突当りに、お湯かお茶を汲める場所があり、ポットに自由に詰めることができました。

支度をして出発。6:00。
小屋を出て右へ行くと、すぐに槍ヶ岳と蝶ヶ岳の分岐がありました。
みんな穂高か槍に行くんだろうと思ったら、意外に蝶ヶ岳も人気で、前後には常に人がいました。
樹林帯の急登が続きます。
特に危険個所はありません。
沢も岩場もありません。
雪の状態にもよるでしょうが、今回は、ピッケルも不要でした。
トレッキングポールで、サクサク登っていきました。

槍見台。7:30。
槍ヶ岳がドーンと見えました。
槍沢のトレースまで見えるようです。

さらに樹林帯の急坂を登っていき、稜線に出ました。9:45。
稜線は、雪が融けて、夏道が見えていました。
今日は1日晴れるそうなので、できるだけ長く稜線歩きを楽しみたい。
なので、まずは左の三角点へ。
360°の展望です。
上の画像がそれです。
右から、槍ヶ岳、中岳、南岳、大キレット、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳。
画像には写っていませんが、そこからさらに左奥に、乗鞍岳、少し離れて御嶽。
その奥、南アルプス。
うっすらと富士山。
八ヶ岳。
さらに左に目を転じると、中央アルプス。
自分の立つ稜線続きには蝶槍と、常念岳。
1周し、目は槍ヶ岳に戻ってきます。

稜線漫歩を楽しみながら分岐まで戻り、さらに蝶ヶ岳ヒュッテへ。
その先が、蝶ヶ岳の最高点でした。
ここには、徳沢から長堀尾根を登ってきた若い子たちがたくさんいました。
蝶ヶ岳は、雪の北アルプス・デビューをする子も多い山。
そうした子たちのテンションは特別です。

そうだねえ。
凄いよねえ、この眺め。
それ以上に雪山をここまで登ってきたことが誇らしいよね。

きれいだとは思いつつ、当たり前になりつつあることを少し反省。
あともう何回この景色を肉眼で見ることができるか、わからないのだから。
麓から山頂を見上げ、若い頃はあのピークに立ったのよという日もいずれ来るのだから。
何か、それはそれで楽しみなのですが。
南アルプス展望ハイキングコースなんかは、そういう日のために、今は登らず、とっておいたりします。

当初の予定では、蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊するつもりでしたが、予報はどんどん悪化していました。
日没もご来光も期待できません。
大半は樹林帯だけれど、吹雪になるとやはり嫌だなあ。
今日のうちに麓に降りることにしました。

さて、下山。11:35。
朝登ってきた急坂を慎重に下っていきました。
下りが苦手なので、どんな山でも慎重に慎重に。
私は、気をつけていてもミスしてしまうから、慎重に。

雪の奥穂の岩場を下るときも、易しい蝶ヶ岳を下るときも、もっと易しい無雪期の高尾山を下るときも、同じように慎重に。
それは、性格なのかもしれません。

生徒には、生まれつき器用で頭も良いので、小学生の頃は家で勉強なんかしたことがないという子は多いです。
学校の授業なんか聞いていなくても、さあ練習しましょうと言われたら教科書を斜め読みすれば問題は解ける。
それが習慣になり、プライドにもなって、中学生になってもそのまま。
自分は、家で復習しなければならないほどバカじゃない。
授業を真面目に聞かなければならないほどバカじゃない。

しかし、そういう子の大半は、中学2年くらいから成績が急降下していきます。
それでも、習慣か、あるいはプライドからか、真面目に勉強する気持ちになりません。

「簡単な問題は、簡単だから、なめてかかってミスをする。難しい問題は、難しいから解けない。あなたは、いったいどこで得点するの?」
私の説教に、
「それなwww」
と苦笑しながら認めてみせても、やっぱり直せない。

一方、ちょっと不器用な子のほうが、公立中学では、あっけないくらい簡単に「5」をとります。
しっかりしなくちゃ。
頑張らなくちゃ。
一所懸命やらないと、自分はミスをしてしまうから。
そういう気持ちでいる間は、安心です。

雪山にきてまで、そんな仕事のことを考えているうちに、横尾山荘が見えてきました。12:50。
予約をしていなかったので、おそるおそる申し出ると、受付の人は私の顔と名前を憶えていてくれました。
「蝶ヶ岳、どうでしたか。よく見えましたか」
「はいー。素晴らしかったです」
向かいあって、にこにこ。
ヽ(^。^)ノ
「今日は、2段ベッドの上のほうになってしまうんですが」
「あ、全然かまいません。もっと大部屋かと思いました」
「もう昨日ほど混雑しませんから、そんなことないんですよ。食事も、昨日よりゆっくりです」
見ると、受付に置いてある食事の表示は、「夕食5:30 朝食5:30」になっていました。
昨日より、30分ずつ遅い。

さて、荷物を整理し、まずは炭酸入りのオレンジジュースを購入し、行動食の残りを食べました。
それから、入浴。
そして、また、ビール。
夕食は、昨日とは別のメニューでした。
チーズが中に入っているハンバーグだ。
(#^^#)

同じテーブルには、小学4年生の男の子を連れたお母さんがいました。
「今年の夏、槍ヶ岳に行くので、その足慣らしに、槍沢ヒュッテまで行く予定なんです」
ほほお。
夏の槍ヶ岳より残雪期の槍沢ヒュッテまでのほうが難度が高い気もします。
同じテーブルの他の人たちは、皆男性の単独行ですが、1人1人、登ってきた山の難度がえらく高かったです。
単なる奥穂高とか槍ヶ岳のレベルではない。
なのに、訊かれなければ言わない。
人は、レベルが上がるほど寡黙になるもんですね。
そして、初心者に優しい。

自分がこれまで登った山を訊かれてもいないのにペラペラ喋るタイプの人は、バリエーションの入門ルートに連れていってもらっているだけなのに勘違いしていることもあるなあ。
と、ちょっと毒舌。
(#^^#)

5月5日。
予報よりもさらに悪く、朝から雨。
朝食を済ませて、6時10分出発。
ぼんやり前の人に続いて歩いていたら、分岐を間違えて、梓川の右岸に渡ってしまいました。
なので、新村橋で、左岸に渡り直しました。
吊り橋、嫌いなのに。
いえ、新村橋は、比較的頑丈な造りで、揺れも少ないですけれども。
( ;∀;)

徳沢、明神と軽快に通過し、河童橋。8:25。
とりあえず、バスターミナルで、整理券を発行し直してもらいました。
3日にもらったのは、16:45のバス。
予定では、蝶ヶ岳ヒュッテから長堀尾根を降りて、午後に上高地に着くつもりでしたから。
9:30のバスの整理券を受け取り、ダッシュで対岸に渡り、上高地アルペンホテルで入浴。
「外来入浴」の看板が出ていなくて、おそるおそるフロントで尋ねると、外来入浴可能でほっとしました。500円。
ちょっと急ぎすぎた、10時台のバスでも良かったと後悔しながら、大急ぎで入浴し、バスターミナルに戻り、売店でビールと野沢菜おやきを購入。
もうバスの乗車は始まっていました。
無事に乗車。

新島々から松本電鉄に乗り、松本駅へ。
駅で、またもビールと「料理弁当 アルプスの四季」を購入。
毎年、このお弁当が楽しみです。
松本で、12時発あずさ16号乗車。
始発なので、自由席でも座れました。
電車が動きだし、お弁当を開きました。

  


  • Posted by セギ at 17:12Comments(0)