たまりば

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お知らせ

2017年08月06日

戦争のことを少し。


今もそうですが、私は夏野菜が好きです。
高校生の頃、夏になるとよく路地物のキュウリを丸ごと1本、マヨネーズをつけてかじっていました。
そういう私を見て、必ず母は、
「戦争中みたいねえ」
と言っていました。
「戦争中はキュウリに味噌をつけて食べていたものよ」
「・・・・・」

キュウリと味噌のある「戦争中」は、随分とのんびりした印象でした。
少なくとも、私が本で読んだりドラマで見たり学校で習ったりしていた「戦争中」とは違うものでした。
母の口にする戦争中の話には「餓死」も「空襲」も「罹災」も「疫病」も「疎開」も出てきませんでした。
キュウリと味噌と、そしてもちろんお米のある「戦争中」は、果たして戦争中なのだろうか?
それはそれなりに豊かな生活であるような気がしたのです。
勿論、戦争を知らない私が安易にそんなことを言うわけにいかず、黙ってキュウリをぽりぽり食べているのが常でしたが。

太平洋戦争の頃、母は新潟市に住む旧制女学校の生徒でした。
近隣にはまだ農家が多く、祖父の友人の農家から野菜などを分けてもらっていたようです。
食糧を求めに来たよそ者には辛くあたったかもしれない農家の人も、以前からの知り合いには優しかったと思います。

母は、女学校の生徒でしたが、戦争末期には動員されて軍で働いていました。
乱数表から暗号を読み取っていたそうです。
ときどき、軍人さんからお菓子や肉の缶詰をもらえたと言います。
「戦争中でも、軍には何でもあったのよ」
と母は不満げに言っていましたが、ときどきでも分けてもらえる母の立場もかなり羨ましいものではなかったかと思うのです。
私が知識として知っている女学生の動員は、軍需工場で働かされた上にその工場が空襲されて友達は死に、自分の身体は一生残る傷を負うという、この世の地獄のようなことばかりでしたから。
そういう話と比べれば楽そうな職場にいた母は、それでも動員で働かされたことが不満だったようです。
「結婚前に働きたくなかったのに」
と言っていました。
望まない労働を強制されたというよりも、女学校を出たら仕事などせず、花嫁修業をして、良い縁談に恵まれて結婚するというあるべき人生に余計なものが挟まったことに対する不快感が先にきている様子でした。
そういう時代だから仕方ないのですが。

『火垂るの墓』を書いた野坂昭如氏は、神戸の戦災で幼い妹さんを亡くし、新潟に住む実父に引き取られました。
妹さんを亡くした経緯は小説とは随分違うものらしいのですが、妹さんは亡くなり野坂さんは生き残ったという事実は変わらないようです。
自分だけが生き延びたつらい記憶を抱えて暮らすことになった新潟での、戦争があったとは思えない豊かな暮らしへの複雑な思いが書かれた著作を読んで、母が語る断片的な思い出とそれがつながり、ああ、そういうことだと腑に落ちました。
まして、母は、私が読んでいる本の内容には頓着せず、
「ああ。野坂昭如さん?あの人の義理のお母さんと、私、お茶の教室が一緒だったのよ」
などと、さらにそれを裏付ける断片をぶっ込んでくるのでした。( ;∀;)
お茶の教室って・・・・。
いや、それはさすがに戦争中ではなく、戦後すぐの話だと思いますが。
戦後の混乱期、母はお茶だお花だと花嫁修業にいそしんでいたのでした。

『火垂るの墓』はひどく読みにくい文体でつづられています。
それは、野坂昭如さんがいかにあの主題を語りにくかったのか、その辛さがそのまま文体になったものだろうと思います。
学生時代の夏、うんうんうなりながらそれでも一応は読んだものの、以後、読み返すのはさすがにつらく、もっぱらアニメの記憶になってしまいます。
アニメで印象的だったのは、主人公が餓死に直面している同じときに、戦争が終わって疎開から帰ってきた女の子が晴れ晴れとクラシック音楽を聴いて平和を享受している場面でした。
たったそれだけのシーンで、その女の子は、戦争中ですら、それほどの苦難は味わわなかったのではないかと想像されるのです。

悲惨な戦争があっても、そんなに苦しい思いをしなかった人もいる。
戦争は平等に不幸をもたらすものではない。

そのことに、私は戦慄します。
みんな平等に不幸なら、まだましなような気がします。
そもそも、みんな平等に不幸になるなら、もう2度と戦争は起こらないのです。
誰もそんなことはやりたがらないのですから。

どれほど悲惨な戦争があっても、そんなに苦しい思いをしなかった人もいる。
だから、また戦争は起こる可能性がある。

戦争で苦しむかどうかは、財力だけの問題ではないのでしょう。
新潟は、軍事施設のある港でしたが、最後まで大きな空襲はありませんでした。
しかし、原子爆弾投下候補地のリストに載っていたそうです。
なぜ、新潟には原爆が落ちなかったのか。
そんなのは、紙一重の問題でしょう。

戦争末期、広島と長崎に「新型爆弾」が投下された後、8月11日だったのか12日だったのか、新潟市に3つ目の新型爆弾が投下されるという警報が出され、市民が一斉に避難した日があったそうです。
「あのときは、リヤカーを引いて皆で避難したのよ。関屋まで逃げたよ」
母はそう言うのですが、その「関屋」は、爆心地がどこになるかによるにせよ、被災から完全に逃れられたとは到底思えない距離にある地名なのです。
戦争中に食糧にそれほど不自由しなかった幸運など、そうなってしまったら、もう何にも関係がありません。
歴史的事実としては、新潟に原子爆弾は落ちなかった。
落とされる可能性も低かったことが今はわかっている。
それでも・・・・。

財力があれば戦争から逃れられるわけではありません。
戦争になったとき、どうすれば自分だけは苦しまないでいられるのか。
そんなのは、戦争を引き起こした当事者でもわからないかもしれません。
それでも、本人はわかっているつもりかもしれない。
それが、恐ろしい。

終戦の日、軍で玉音放送を聴いた母は、その直後、将校の1人が抜刀して女学生に切りかかり暴れだしたのを見たそうです。
そうでもしないと気持ちのやり場がなかったのか。
そうでもしないと面子が保てなかったのか。
女学生に切りかかって暴れる軍人の話は、母の話の中で最もリアリティのある話でした。

ああ、軍人ってそういうメンタルか。
乱心して切りかかるにしても、女学生相手なんですね。
結局、怪我人はいなかったそうで、全部ポーズですよね。
ああ、嫌だ、嫌だ。

その話は、私が二十歳を過ぎてからようやく母の口から語られたことでした。
もしかしたら、母は、子ども相手に語るべきではないもっと嫌なことも見聞したのかもしれません。

戦争がなかったら、東京の女子大で勉強できたのに。
母から、幾度かそう聞きました。
戦後の混乱期の東京に、娘を出すわけにはいかない。
そういう理由で、母の大学進学はかないませんでした。

何となく聞き流してきたけれど、私が当たり前のように大学に進学したのは、母のそういう気持ちも背景にあったろうと思います。
母の戦争体験をのんびりしたもののように思う私ですが、では、自分が戦争のせいで大学に行けないとなったとき、それを我慢できるのかと考えると、そんなの我慢できるわけがないのです。
本で読んだだけの悲惨な話に頭でっかちになり、小さな不幸に共感できないなんて。
薄っぺらいのはむしろ私でしょう。

戦争体験を語れる人が少なくなってきました。
私の知っている断片だけでもここに残しておこうと思います。


  


  • Posted by セギ at 15:39Comments(0)講師日記

    2017年08月02日

    2次関数の最大・最小。




    今回は、「2次関数」の佳境、係数に文字を含む2次関数の最大値・最小値についての学習です。
    しかし、これの解説には放物線を示しながらの解説が不可欠です。
    ブログではちょっと説明しきれないのを感じます。
    ここはぜひとも授業を受けて理解してほしい部分なのですが、できる限り説明してみます。

    問題 y=x2-2ax+a (0≦x≦2) の最大値・最小値を求めよ。

    解き方を全て書いていくのは難しいのですが、とにかく、与えられた式を平方完成します。
    y=(x-a)2-a2+a
    よって、頂点は(a,-a2+a)、軸はx=a。

    定義域は、0≦x≦2です。
    この定義域の間で、yの値の最大値はいくつで、最小値はいくつなのかというのが問題の意味です。

    え?そんなのx=0のときが最小値でx=2のときが最大値じゃないの?

    1次関数の感覚でそんなことをうっかり考えてしまいそうですが、これは2次関数。
    x2の係数が1ですから、下に凸の放物線です。
    0≦x≦2 という定義域が、放物線のどのあたりに位置しているかによって、どれが最小値でどれが最大値かが違ってきます。

    まず考えられるのが、0≦x≦2 が、放物線の頂点より右側の部分である場合。
    このときは、x=0で最小値、x=2で最大値となるでしょう。
    ところで、aがどんな値のときに、放物線の頂点より右側が定義域になるでしょうか?
    この放物線は、頂点が(a,-a2+a)、軸がx=a の放物線です。
    aの値によって、軸の位置も変わり、定義域との関係も変わってくるということです。
    ですから、aの値によって場合分けが必要だとわかります。

    放物線の頂点より右側に定義域があるときというのは、x=0が、x=aより右側にあるということです。
    すなわち、a<0のとき。
    このとき、x=2で最大値、x=0で最小値です。
    このx=2やx=0を2次関数の式に代入するとyの値が出ます。
    関数の値とは、yの値ということです。
    与式に代入しても、平方完成した式に代入しても同じ値が出ますので、代入しやすいほうを選びましょう。
    与式にx=2を代入して、
    y=4-4a+a=-3a+4
    与式にx=0を代入して、
    y=0-0+a=a
    よって、a<0のとき、
    x=2で最大値-3a+4
    x=0で最小値a

    さて、次は放物線のどんな位置に定義域が存在する場合を考えましょうか。
    頂点を含んで定義域が存在する場合を考えてみましょう。
    頂点のところが最小値になることはすぐ判断できます。
    しかし、最大値は?
    定義域の範囲が、放物線の軸を挟んで右側のほうが高く上がっている場合は、右側が最大値となりますが、左側のほうが高く上がっていたら、左側が最大値となりますね。
    そして、頂点を挟んで、左右がつりあっている場合は、その両方が最大値となるでしょう。
    だから、頂点を含んでいるというだけでなく、もっと細かく場合分けが必要となります、

    軸を挟んで、右側のほうが高く上がっている定義域というのは、軸x=aとの関係はどうなるのでしょうか?
    え?0<a<2 でいいんじゃないの?
    そう思うでしょうか?
    しかし、それでは上に挙げた3通りの場合は全部そうじゃないでしょうか?
    もっと細かい場合分けが必要となります。

    どうしたら良いのでしょうか?
    ここで、重要なのは、定義域0≦x≦2 の中央の値、1です。
    定義域の中央の値と軸との関係によって、右に傾いたり左に傾いたりします。
    すなわち、0≦a<1のときに、放物線は、軸の右側が高く上がっていきます。

    ここらへんで、「え?」「え?」となる人が多いところですので、実際に放物線を描いて確認することをお薦めします。
    この問題は、必ず放物線を描いて解くものです。
    描く放物線は、x軸もy軸も必要ありません。
    どこにx軸やy軸があるのかわからないのですし、問題を解くのに関係ないからでもあります。
    下に凸の放物線を点線で描き、そこに軸を描き、定義域の部分を実線で描き、x=0、a、1、2の位置を書き込んでいくだけで十分です。

    さて、a=1のとき、そこは放物線の軸と重なります。
    定義域は左右対称となり、最大値は両端の2か所となります。
    1<a≦2のときには、定義域の放物線は左側が高くなるでしょう。
    すなわち、
    0≦a<1のとき、x=2で最大値-3a+4、x=aで最小値-a2+a 
    a=1のとき、  x=0、2で最大値1、   x=aで最小値0
    1<a≦2のとき、x=0で最大値a、     x=aで最小値-a2+a

    a=1のときは、aが明確になった分、最大値・最小値も文字の残らない数字になることにも注意が必要です。

    最後に、定義域が軸よりも左側にある場合は、2<a ということですから、
    2<aのとき、x=0で最大値a、x=2で最小値-3a+4

    以上をまとめると、
    a<0のとき    x=2で最大値-3a+4  x=0で最小値a
    0≦a<1のとき x=2で最大値-3a+4   x=aで最小値-a2+a
    a=1のとき    x=0、2で最大値1     x=aで最小値0
    1<a≦2のとき x=0で最大値a        x=aで最小値-a2+a
    2<aのとき    x=0で最大値a       x=2で最小値-3a+4

    この問題の解き方は、
    ①まず放物線を5通り描く。
    ②その放物線ごとのaの値の範囲を決定する。
    ③それぞれの場合の最大値・最小値を計算する。

    最近の親切な問題は、その5通りに場合分けをしてくれているのですが、むしろそれで混乱する子もいます。
    自力で5通りに場合分けして、問題の場合分けと一致していることを確認したほうがしっかり理解しながら解けると思います。
    なお、「最大値のみ」「最小値のみ」の場合は、放物線は3通りになります。
    定義域の中央の値である「1」が関係するかどうかは、放物線が上に凸か下に凸か、と最大値か最小値かでそれぞれ異なってきますので、実際に放物線を描いて判断します。

    これだけの説明を丁寧に行って、もう大丈夫、さて演習しましょうとなったとき。
    ところが、私が説明したのとは違う解き方を始めてしまう生徒がいるのです。
    ( ;∀;)
    やはり、テキストの問題が親切すぎるので、結局、問題にあるaの値の範囲の場合分けを優先して解こうとして、xの定義域とaの変域とで混乱が起こり、どう放物線を描いていいかわからなくなってしまいます。
    まず自分で場合分けしましょう、と強調したつもりでも、伝わっていないことは多いです。

    「まず、放物線を5つ、最初に描いて場合分けしましょう。問題に書いてある場合分けは、その後で、確認のために使ってください」
    私がそう言うと、不審そうな顔をする子もいます。
    「だって、先生が、さっき、こういう順番で解いていたじゃないですか?」
    「え・・・・?いえ、私は先に放物線を描いて、それで自分で場合分けするように言ったんですよ」
    「え?さっきはそうじゃなかったですよ」
    「え・・・?」
    これには動揺します。
    どうして全く逆のことが記憶されてしまうのだろう?
    おそらく、私が説明している間、その子は、テキストに書いてある場合分けを見ているのでしょう。
    そうして、私がテキストの場合分けに沿って説明しているのだと思いこんでいるのだと思います。
    私が、
    「テキストの場合分けは見ないで、自分で場合分けするんですよ」
    と説明しているのを聞いていないか、あるいは、自分の思いこみに反するそうした情報は聞き流してしまうのかもしれません。

    何かを正確に伝えることは、本当に難しいです。


    例えば、中学生の場合でも、こんなことがあります。
    中学1年生にとって、1学期は、小学校時代の「算数」から中学の「数学」に移行する大切な時期です。
    しかし、本人たちには、その違いがよくわかりません。
    だから、小学校時代の意識のまま、数学の問題を解いてしまいます。
    これは小学生の答案だなと感じる最たるものは、問題を解くのに式を書いていないこと。
    解き方を思いつくと、式を書くのを忘れてしまうらしいのです。
    くしゃくしゃ筆算して、答えだけ書いています。
    式を書く解答欄がなければ式を書かなくていいと思っている子は多いです。
    どういう公式や定理を使って、どういう流れで解いたのか、それでは何も読み取れない。
    そんなのは、数学の答案ではありません。

    それを直すために、特に私立中学の数学の先生は、中学1年生に高圧的な答案指導をすることがあります。
    かなり強く言わないと、子どもは直さないですから。
    「こう書かないと、テストは全部バツ」
    「これを書いていなければ、0点」
    そういう指導になりがちです。
    「うちの学校の先生、すごくうるさい」
    と口を尖らせて言う子のノートを見ると、ごく当たり前の答案が書かれていて、
    「何もうるさくない。これが普通です。良い答案を指導してくれる先生ですね」
    と説明することはよくあることです。

    しかし、ときどき奇妙な答案の書かれたノートに出会います。
    例えば、式の値を求める問題。
    「x=5、y=-2であるとき、3x-4yの値を求めよ」
    この問題の答案の1行目で目が止まってしまいました。
    「xを5、yを-2に代入して」
    ・・・・・・え?('_')
    わかると言えばわかるのですが、何かモヤッとする日本語です。
    これ、「を」と「に」が逆ですよね。
    「xに5、yに-2を代入して」
    このほうが良いでしょう。

    これは、その数学の先生に国語力がないために起きていることなのか、この子が勘違いしているのか、どちらなのだろうと困惑してしまいます。
    普通に考えれば、その子のミスなのですが。
    いずれにしろ、
    「x=5、y=-2を代入して」
    と書けば、そういう混乱は回避できます。
    しかし、その子にそう助言しても、
    「学校の先生がこうでなければダメだと言った!」
    と強く主張し、直しません。

    また別の問題。
    それは、式による証明の問題でした。
    「連続する3つの偶数の和は6の倍数になることを説明しなさい」
    この問題の答案の書き出し。

    「整数をnとすると、2n-2、2n、2n+2とかける」
    ・・・・・え?
    「整数をnとすると」
    この書き出しに、まず「え?」と思ってしまいました。
    「整数をnとすると」ではなく、「nを整数とすると」のほうが適切です。
    そして、最後の「かける」にも違和感がありました。
    「かける」とは「書ける」ということなのだと思うのですが、なぜ、書くこと限定なんだ?
    何だか、微妙に気持ち悪いです。
    間違っているとは言えないのですが、違和感があるなあ。
    間違っているわけではないから、まあいいのですが。

    これの標準的な書き方は、
    「nを整数とすると、連続する3つの偶数は、2n-2、2n、2n+2と表される」
    となります。
    「学校の先生が、こう書いているの?」
    と尋ねると、その子は黙ってうなずきました。
    しかし、学校の先生が本当にそう書いているのか、疑問の余地があるのです。
    板書の見間違いや写し間違いを、していないでしょうか。
    あるいは、本人の国語力が、学校の先生の模範解答を歪めていないでしょうか。
    学校の先生は「表される」と板書したのに、その子の語彙の中にそのような表現がない。
    本人としては「表される」という言い回しに、むしろ違和感がある。
    そのため、本人の中での「正しい日本語」に勝手に変換し、「かける」と直してしまった。
    しかも、自分がそのように書き換えたことが記憶の中から消え、先生がそのように板書したという記憶として残っている。
    そういうことなのではないかという推測もできるのです。

    しかし、確証はありません。
    私立中学に入学したお子さんの数学の勉強を見ようとして、こういうことで困っている保護者の方もいらっしゃるのではないかと思います。
    学校の授業の細部を、保護者は確かめることができません。
    子どもの記憶とノートが、情報の全てであることは多いです。
    そうした中で、多くの子どもは、
    「絶対に、こうだった」
    と言い張ります。
    学校の先生から、
    「こう書かないと0点」
    というプレッシャーを受けていますので、これは違うんじゃないのと言われても、認めません。
    「その書き方じゃなくても大丈夫だよ」
    と教えても、いや、あの先生は、絶対そういうのは許さないんだと決めつけたりもします。
    子どもの勉強を見ようとして、こういう反発にあい、教えることができなくなってしまう。
    そんなことが、起きていないでしょうか。

    数学の答案の筋道というものを理解させようとして、学校の先生たちは、ある程度生徒たちに強要します。
    しかし、それが、場合によっては、微妙に奇妙な答案を定着させてしまう。
    学校の先生が生徒たちに伝えようとしていることの核心は、そういうことではないのです。
    表現方法は何通りもあります。
    ただ、どうしても答案に書かねばならないことがある。
    どういう公式や定理を使って、どのように解いているか。
    それがわかる答案であることが、数学の答案には必要です。
    細部の表現に右往左往し、かえって日本語として誤った書き方をしてしまっている中学1年生に、1日も早く本質を伝えたいのですが、これがなかなか難しいです。

    経験から言えば、とにかく、その子の数学的能力を高めなければなりません。
    本質が見えていないのは、数学というものがよくわかっていないからだと思うのです。
    数学の能力が高まれば、自然に、こういう課題からは解放されていきます。
    ついでに言えば、もうちょっと国語力がつくといいかなあ。
    ヽ(^。^)ノ

      


  • Posted by セギ at 22:34Comments(0)算数・数学

    2017年07月29日

    8月19日(土)、大人のための数学教室を開きます。



    画像はヤマオダマキ。三ツ峠で撮影しました。
    7月29日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    本日の学習内容は、「等式の証明」です。
    「等式の証明」は、高校生には不評です。
    「何のためにこんなことを証明しなければならないのかわからない」
    と言うのです。
    何のためにと言われても、これは基礎訓練ですから、証明する内容に大した意味はありません。
    この等式が何かを表しているわけではありません。
    このやり方を利用して、大切な公式や定理も証明できますから、まずその基礎訓練をしましょうということです。
    やってみましょう。

    問題 (a2-b2)(c2-d2)=(ac+bd)2-(ad+bc)2  を証明せよ。

    等式の証明は色々な方法があります。
    ①左辺を変形し、右辺と等しいとを示す。
    ②右辺を変形し、左辺と等しいことを示す。
    ③左辺、右辺をそれぞれ変形し、左辺=右辺であることを示す。
    ④左辺-右辺=0であることを示す。
    ⑤左辺÷右辺=1であることを示す。

    問題によってどの方法で示すのが楽であるかを判断します。
    上の問題は単純な構造のものですので、③のやり方で大丈夫そうですね。
    ④や⑤で解くことも勿論可能ですが、これらはもっと発展的な問題のときに利用する方法ですので、無理して使う必要はないでしょう。

    では、解いてみましょう。
    左辺=(a2-b2)(c2-d2)
       =a2c2-a2d2-b2c2+b2d2
    右辺=(ac+bd)2-(ad+bc)2
       =a2c2+2abcd+b2d2-(a2d2+2abcd+b2c2)
       =a2c2+2abcd+b2d2-a2d2-2abcd-b2c2
       =a2c2-a2d2-b2c2+b2d2
    よって左辺=右辺となり、等式が成り立つ。

    考え方は難しくないので、後は計算力となります。
    高校2年ともなりますと、計算力は個人個人で大きな隔たりがあります。
    勿論、高校1年生までの数学を完璧にマスターしている子もいます。
    高校受験のための勉強は一所懸命やったので中学数学はマスターしているけれど、高校の数Ⅰ・数Aの内容が定着していない子もいます。
    中高一貫校の子や、高校受験の勉強をしてもよく理解できなかった子の中には、中学数学の内容が定着していない子もいます。

    (a+b)2=a2+2ab+b2
    という乗法公式を覚えていないため、上手く展開できない子。
    (ab)2=a2b2
    などの指数法則を理解していないため、上手く展開できない子。

    高校数Ⅱで新しく教わる内容が理解できないわけではないのです。
    でも、そのはるか手前でつまずいていたり、基本となる知識が抜けている子は多いです。
    そのため、自分で問題を解こうとすると正答を出すことができません。
    こうなると独学は難しくなります。
    生徒がどのレベルでつまずいているか理解して、そこから説明する個別指導が効果を発揮するところです。

    次回は、もう少し発展的な等式の証明をやってみましょう。
    お盆休みをはさみますので、3週間後になりますから、ご注意ください。

    ◎日時  8月19日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「等式・不等式の証明」を続けます。p16から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。











      


  • Posted by セギ at 14:53Comments(0)大人のための講座

    2017年07月23日

    1学期末テスト結果集計出ました。2017年。


    2017年度1学期期末テスト結果は以下の通りです。

    数学 90点台 1人 80点台 1人 70点台 2人 60点台 1人 40点台 2人
    英語 100点 1人 80点台 2人 60点台 1人 50点台 1人 

    数学は、上がった子もいる一方、下がった子もいて、全体の結果としては、あまり変わりませんでした。
    前回90点台に上がった子が、今回は勉強を半ば放棄した印象があり、ガクンと下がってしまいした。
    テスト前もあからさまに意欲が低く、テスト前日まで学校の課題が残っていました。
    中間テストで高得点を取り、それを以後も期待されることが、居心地が悪かったのかもしれません。

    ダイエットするとすぐにリバウンドしてしまう人の心理に近いものがあるのでしょうか。
    頑張ったけれど今回はダメだったというのではなく、高得点を取ると、次はなぜか頑張れなくなり、元に戻ってしまう子がいます。
    以前も、そういう子がいました。
    良い成績を取ると、バランスを取るように次はサボるのです。
    しかし、本人は自覚してバランスを取っているわけではなさそうです。
    無意識にそうしてしまう様子なのです。

    「やればできる子」は、頑張って高得点を取った成功体験が、以後、悪影響を及ぼす場合もあります。
    いつでも、やればできる。
    いつからでも巻き返せる。
    本人の中にそんな期待があるからなのか、ギリギリまで頑張らなくなります。
    やればまたできるようになると思うからか、むしろ以前よりも勉強しなくなる子がいます。

    いや、そんなに単純な話ではないのかもしれません。
    一度は努力できたはずなのに、同じ努力をできなくなるのはなぜなのか。
    努力をした時間が苦しかったので、同じ思いをするのはもう嫌なのか。
    努力をしても同じ結果が出るとは限らないことを、本人は気づいているのか。
    努力することが怖くなってしまうのか。

    多感な子の指導は難しいです。

    いつからでも巻き返せるのも事実だろうけれど、あまりにも低くなってからでは、到達点は、最初に期待したようなところにはいきません。
    誰より頭の良い子だったのに、本人の望むような受験はできなかった子もいました。

    今回は、それでも、結果が悪かったことへの反応がまっすぐで、また落ち着いて勉強し始めていますので、だんだん高めに安定してくると期待しています。


      


  • Posted by セギ at 14:06Comments(0)講師日記

    2017年07月20日

    3元1次方程式と計算力。


    3元1次方程式とは、すなわち、x、y、zなど、3種類の文字を含む方程式のことです。
    3本を連立すれば、解くことができます。
    例えば、こんな問題です。

    2x -y +z=8 ・・・・① 
     x+3y+2z=5 ・・・・② 
    4x+2y-3z=-3 ・・・・③

    中学2年で連立方程式を習うときにも、その応用として少し演習するのですが、本格的には、高校数Ⅰ「2次関数」で、3点の座標から2次関数の式を求めるときに学習します。

    この3元1次連立方程式、2元1次連立方程式よりも文字が1つ増えるだけで、なぜか正答率がガクンと下がります。
    解き方は、そんなに難しくありません。
    3本の式を組み合わせて、どれかの文字を消した2本の式を作るのがまず目標です。
    例えば、zを消すと決めたら、上の例で言えば、
    ①×2-②より
     3x-5y=11 ・・・・④
    ①×3+③より
     10x-y=21 ・・・・⑤ 
    こうやって、まずはxとyだけの2本の連立方程式にします。
    ここからは、2元1次連立方程式の解き方と同じです。
    ④-⑤×5
       3x-5y=11
    -)50x-5y=105
    -47x   =-94
           x=2 ・・・⑥
    ⑥を⑤に代入して
    20-y=21
      -y=1
       y=-1 ・・・⑦
    x、yの値がわかったところで、最初の式のうちの1本を選んで代入し、zの値を求めましょう。
    ⑥、⑦を①に代入して、
    4+1+z=8
         z=3
    よって、
    x=2、y=-1、z=3

    手間はかかりますが、そんなに難しくはありませんよね。
    ヽ(^。^)ノ

    でも、数学の苦手な高校生の中には、3元1次連立方程式をほとんど正答できない子もいます。
    解き方がわからないわけではないのですが、途中でミスしてしまうのです。

    よくあるミスとしては、1本目の式でzを消し、2本目の式ではxを消してしまう子。
    できた2本の式を並べてみると、文字は1つも消えていないことになってしまいます。
    どうやったら楽に解けるか、変に迷っていつまでもいつまでも考えて、なかなか式を立てない子が、結局そんな式を立ててしまうことがあるのです。
    「zを消すのでいいんじゃないの?」
    とヒントを出しても、何か考え込んでいて、手が動かないのです。

    この問題、式全体を何倍かしなければならないので、どの文字を消すにしても、そんなに楽ではありません。
    しかし、どの係数の文字なら消しやすいか、考え過ぎてしまう子がいるのです。
    いったんzを消すことに決めて、式を2本作っても、そうやってできた2本の式の係数が揃うことはまずありません。
    それを見て、計算しづらいことにひるんでしまうようで、また最初から別の文字を消して解き直したりもします。
    あげく、単純な符号ミスで間違えたりします。

    どう解いたところでそんなに楽ではない。
    だから、こう解くと決めたら、あとは機械的に淡々と解いていったほうが速く正確です。
    間違える子は、数学の問題を解きながら、やたらと感情が動き、ひるんだり動揺したりして、途中で計算ミスをしてしまう様子です。
    冷静に解いていくことができないことが、エラーを招く原因なのだと思います。
    見ていても、ペン先がためらってくるくる回っていて、なかなか書き出さないのです。
    何でさっさと書いていかないのか不思議なのですが、本人の中にためらいや混乱があって、スッと書き出していくことができない様子です。
    不安なんだろうと思います。
    結局、正答する自信がないことが一番の原因なのかもしれません。

    突飛な省略をしたり、無理な暗算をしたりと、ミスしやすいようなやり方で計算しているから起こるミスについては指導します。
    自分が何をどうミスしやすいか自覚しなさいと注意もします。
    しかし、全て指導しても、それでも符号を見落とす、式を書き間違えるというミスが繰り返される子は、もうそれでいいやと開き直るのも1つの方法だと思います。
    ミスをしやすい自分とつきあっていく。
    ケアレスミスがあることを見込んで、テストの得点を予測していく。
    そのように気持ちを切り替えることも、あるいは必要かと思います。

    数学的なセンスを感じる子でケアレスミスの多い子に関しては、
    「まあ、いいんじゃない?次の問題を解こう」
    という指導をしていると、気がつくとケアレスミスも減っていることが多いです。
    その子がケアレスミスを気にしていても、私は気にしていないのが大きいのかもしれません。
    その子のマイナス要素より、伸びしろの大きさに私は目がいっています。
    ピグマリオン効果というものですかね。

    気にして、突ついていると悪化するのがケアレスミス。
    そういうこともあるのかもしれません。

      


  • Posted by セギ at 14:38Comments(0)算数・数学

    2017年07月16日

    7月29日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    7月15日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    分数式の乗除、繁分数の計算を終えて、「恒等式」に進みました。
    恒等式とは、その名の通り、常に成り立つ式のことです。
    「xについての恒等式」でしたら、xにどのような値を入れても常に成り立つことを意味します。

    問題
    次の整式がxについての恒等式となるように、定数a、b、cの値を定めよ。
    x2+2x+3=a(x+1)(x-1)+b(x-1)+c

    誤解しやすいところですが、問題文中にある「整式」とは、「係数やxの値が整数の式」という意味ではありません。
    分母にxがある「分数式」などではないという意味です。
    xの係数やxの値は整数である必要はありません。
    具体的には、単項式と多項式とをあわせて「整式」と呼びます。

    さて、この問題の解き方は2つあり、それぞれ「係数比較法」「数値代入法」という名前がついています。
    まずは係数比較法から。
    とりあえず、右辺を展開します。
    a(x+1)(x-1)+b(x-1)+c
    =a(x2-1)+bx-b+c
    =aX2-a+bx-b+c
    これをxについて降べきの順に整理します。
    =ax2+bx+(-a-b+c)
    すなわち、
    x2+2x+3=aX2+bx+(-a-b+c)
    この左辺と右辺の係数を比較します。
    これがxについての恒等式なのですから、左辺・右辺それぞれの係数や定数項は等しいでしょう。
    よって、
    1=a
    2=b
    3=-a-b+c
    の3本の式が得られます。
    わからない文字が3つあるとき、式が3本あればその文字の値を求めることができます。
    連立方程式ですね。
    a=1、b=2を-a-b+c=3に代入して、
    -1-2+c=3
    -3+c=3
    c=6
    よって、a=1、b=2、c=6です。

    もう1つの解き方が「数値代入法」。
    xに適当な値を代入して、式を解いていく方法です。
    やはり、わからない文字が3つあるので、式は3本用意します。
    xにどんな値を代入した式でも良いのですが、どうせなら計算しやすいほうがいいですね。
    x2+2x+3=a(x+1)(x-1)+b(x-1)+c
    という式から、x=0、1、-1の値を代入すると判断します。

    どういう基準で、それらの値を代入すると判断するのでしょうか?
    x=0ならば、左辺の2つの項が0になり、計算が楽だからです。
    同様に、x=1ならば、右辺の2つの項が0になり、その後の計算が楽になります。
    x=-1ならば、右辺の第1項が0になり、その後の計算が少し楽です。

    では、やってみましょう。
    x=0を代入すると、
    0+0+3=a・1・(-1)+b・(-1)+c
    すなわち、
    -a-b+c=3 ・・・・①

    x=1を代入すると、
    1+2+3=a・2・0+b・0+c
    すなわち、
    c=6 ・・・・②

    x=-1を代入すると、
    1-2+3=a・0・(-2)+b・(-2)+c 
    すなわち、
    -2b+c=2 ・・・・③

    0には何をかけても0になるので、消えてしまう項が多いのですね。
    だから、xそのものが0になる値や、(x+1)や(x-1)が0になる値を用いています。
    この3本を連立方程式として解いていきます。
    ②を③に代入しして、
    -2b+6=2
    -2b=-4
    b=2 ・・・④
    ②、④を①に代入して、
    -a-2+6=3
    -a+4=3
    -a=-1
    a=1

    先程の係数比較法と同じ値が出ましたが、数値代入法の場合、このまま解答してしまうわけにはいきません。
    なぜなら、x=0、1、-1のときにそれが成立することしか今のところわかっていないからです。
    xがいくつかの値に対して成り立つようにa、b、cの値を決定したに過ぎません。
    これは、xについての恒等式であるための必要条件であって、十分条件ではありません。
    そこで、a=1、b=2、c=6をもとの式に代入して、本当に大丈夫なのか確認します。
    すなわち、「十分性を示す」のです。

    a=1、b=2、c=6を与式に代入すると、
    右辺=1・(x+1)(x-1)+2(x-1)+6
       =x2-1+2x-2+6
       =x2+2x+3
    よって左辺=右辺 となり、与式は恒等式となる。
    ゆえに、a=1、b=2、c=6

    数値代入法は、このように最終確認をしなければならないことが答案的には難しく、しかもわかりにくいかもしれません。
    「必要条件」「十分条件」という言葉の意味も忘れかけていた頃に突然これが出てくるので、戸惑う高校生は多いです。
    必要条件と十分条件は、数Ⅰの最初の頃に学習した内容です。

    pならばqであるとき、pをqであるための十分条件、qをpであるための必要条件という。

    上の問題でいうならば、「a=1、b=2、c=6ならば、与式はxがどのような値でも成立する」
    ということを示さなければなりません。
    「x=0、1、-1ならば、a=1、b=2、c=6である」
    では、矢印の方向が逆ですね。
    必要条件であるというのはそういう意味です。
    ですから、逆方向の矢印でも大丈夫であること、すなわち「十分性」を示すことが重要です。

    難しいのはそこだけだと思うのですが、実際の計算で苦労する高校生もいます。
    3元1次連立方程式を見ると、軽いパニックが起こり、何をどこに代入していいのかわからなくなる子は案外多いのです。
    堂々巡りになるだけの、やらなくて良い式の変形ばかりやってしまい、必要なことをやりません。
    見ていて不可解なほど、混乱してしまうのです。
    中学2年の「連立方程式」の学習のとき、「加減法」しかやろうとせず、
    「代入法は嫌い」
    と言って使わない子がいますが、そういうことが尾を引いている可能性もあります。
    代入法が嫌いというのは、代入法の理屈が上手く理解できず、加減法のように手順を把握しやすいほうに逃げているのかもしれません。
    型通りの加減法の連立方程式なら解けるのですが、手順を覚えているだけで、なぜそれで解けるのか理解していないのでしょうか。
    しかし、高校生になって使うのは、加減法よりも代入法のほうが多いのです。
    2つの解き方があるとき、1つのやり方しか理解しないのは危険です。

    上の恒等式の問題を解くときも、私も現実には係数比較法しか使いませんが、数値代入法の解き方も理解しておいてください。
    2つとも、また別の問題で活用する考え方を含んでいます。

    さて、次回の数学教室のお知らせです。

    ◎日時  7月29日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「等式・不等式の証明」を続けます。p14例題2から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。




      


  • Posted by セギ at 15:42Comments(0)大人のための講座

    2017年07月13日

    2次関数の文章題


    画像はギンリョウソウ。
    今の時期、日陰の林床で見られる植物です。

    さて、今回は「2次関数の利用」。
    文章題です。
    文章題を解く際に、子どもは語彙の面でつまずくことがあります。
    例えば、こんな問題です。

    幅16cmのトタン板を折り曲げて、切り口が長方形のといを作る。切り口の面積が最大となるようにするには、といの深さを何cmにすればよいか。またそのときの面積も求めよ。

    この問題、高校数Ⅰの問題としては易しいのですが、解けない子は多いです。
    問題を熟読している様子なので、考えているのかなあと様子を見ていると、かなり時間が経ってから質問してきます。

    「・・・・・・といって、何ですか?」
    「とい?雨どいのことでしょう」
    「何ですか、それ?」
    「家の屋根の下につけてある、雨水を受けるものだよ。見たことない?」
    「ありませんね」

    高1でも、日本語の名詞の中で知らないものがたくさんあります。

    一応、といの件は理解して。
    それでも手が動きません。
    しばらくして、また質問。
    「トタン板って何ですか?」
    「金属の薄い板だね。鉄かな。錆びないように何かでメッキしてあるんだと思うよ」
    「何かって、何ですか?」
    「知らない。興味があるなら、自分で調べたらいいよ」
    「知らないと、わからないじゃないですか!」
    「トタン板の成分は、この問題を解くのに必要ないでしょう」
    「・・・・・・・・」

    現代の子どもがトタン板を知らないのは、仕方ないかもしれません。
    辞書で調べたら、鉄を亜鉛でメッキしてあるものだそうです。

    私も、トタン板とは何なのか、曖昧にしか理解していませんでした。
    でも、問題を解くのに不都合を感じません。
    そもそも、この問題、テキストでは、横に挿絵があるのです。
    言葉による説明だけでは、わかりにくいからでしょう。
    それでも、言葉でつまずく子がいます。
    知らない言葉があると混乱し、もう解けないと思ってしまうようです。
    自分の知らないことがたくさんあることを不安に思っていて、だから、そういう反応になってしまうのでしょうか。

    言葉の意味がわからないだけではないのでしょう。
    文章題は苦手だと思いこんでいる子の多くは、解法パターンを把握していません。
    文章題を解いていく方法はどれも同じです。

    ➀何をxとするかを決める。
    ➁xを用いて、何かの数量を表す式を立てる。
    ➂式を解く。
    ➃解が問題の答えとして適切かを確認して解答する。

    文章題が苦手な子は、この解法パターンを理解していません。
    毎回、
    「何をxとしますか?」
    と声をかけないと、全く手が動かない子は多いです。
    彼らは、では、何を考えて、どう解こうとして悩んでいるのでしょうか。
    おそらく、文章題を見ると小学生に戻ってしまい、小学生として答えを出す式をうんうん考えているのではないかと推測します。
    それは難しいでしょうね。
    上の問題を、小学生として解くのは、普通の小学生には無理だと思います。
    受験算数の訓練を積んでいれば、面積図を描いて強引に解く方法はあるでしょう。

    「何をxとしたらいいのかわからない」
    と言う子もいます。
    「求めたいものをxとするんですよ」
    「でも、そうじゃないときもあった」
    「うん。増減に関する方程式の問題は、例えば昨年の女子の生徒数をx人としますね。でも、あれは、読めばすぐ増減に関する問題だとわかりますから、区別できますよ。それ以外は求めたいものをxとするのでほとんど大丈夫ですよ」
    「でも、そうじゃないときもあった」
    「・・・・どんなとき?」
    「忘れた」
    「・・・・・・・」

    彼らは、数学に対してネガティブで、裏切られた記憶ばかりが濃く残り、標準的な解き方を信じることができないのかもしれないと思うことがあります。
    易しいことを難しくしているのは、自分の心かもしれません
    文章題だからどうせ難しいなんて思いこみは、捨ててしまいましょう。

    上の問題で言えば、求めるのはといの深さですから、深さをxcmとします。
    式はxではない数量を表す式を立てます。
    ここでxに頭がとらわれ、xを表す式を立てようとする子がいますが、それは小学校の算数。
    立てる式は、xそのものではない数量を表すのだということを理解しているだけで、問題はかなりほぐれてきます。
    この問題の中で、といの深さではない数量というと。
    1つはトタンの板の長さ。
    もう1つは、といの切り口の面積。

    どちらにするかは、センスの問題もあります。
    数学が嫌いな子に、この二択を選ばせると、「トタン板の長さ」と答える子は確かに多くて、がっかりしてしまうのも本当です。
    そちらのほうが求めやすそうだから選んでしまうのでしょうか。
    目先の求めやすさを選び、問題を解くにはどちらが有効かという判断ができないのだと思います。
    この問題では、切り口の面積も求めるのですから、面積を表す式を立てるという判断が妥当でしょう。
    といの切り口は長方形。
    その長方形の縦の長さはといの深さであるxcm。
    では横の長さは?
    トタン板の長さ16cmから、深さとして折り曲げたx㎝2個分を取り除いたものが、長方形の横の長さになります。
    したがって、横の長さは16-2x(cm)。

    よって、切り口の面積は、
    x(16-2x)。
    これが最大になれば良いのです。
    xの値によって、この式全体の値も変わっていきます。
    ですから、これは、2次関数の最大値に関する問題ですね。
    グラフの形や頂点を把握しましょう。
    平方完成が必要です。

    F(x)=x(16-2x) とします。
       =16x-2x2
       =-2x2+16x
    ここで平方完成をします。
       =-2(x2-8x)
       =-2(x-4)2+2・16
       =-2(x-4)2+32

    「何で平方完成するの?」
    と質問されることがあるんですが、最大値や最小値を求めるのには頂点の座標が必要だからです。
    しかし、それだけでなく、とりあえず2次関数を見たら平方完成して、軸や頂点の座標を把握してみるのは意味のあることです。
    それを習慣にしておけば何も問題はないのです。
    どんなときに平方完成したらいいかわからない、などと言わず、とりあえずどんなときも平方完成することをまず考えてみたら良いと思います。
    数学が苦手な子は、この「とりあえずやってみる」ができない子が多いように思います。

    上の式を2次関数としてとらえれば、
    頂点は(4,32)、上に凸の放物線だとわかります。
    すなわち、X=4のとき、最大値32です。

    この問題、何を求めるんでしたっけ?
    切り口の面積が最大となるときのといの深さと、そのときの面積でしたよね。
    0<2x<16
    0<x<8
    という問題の条件に、この頂点の数値は一致します。
    よって、といの深さは4cm、面積は32平方cmです。

    「え?」
    ここで固まってしまう高校生は多いです。
    平方完成しただけで、何でもう答えが出てしまうのか、わからない。
    何か物凄い飛躍がある。
    全然わからない。
    そういう表情で固まってしまうのです。

    「何で32が、といの切り口の面積になるの?」
    「この式は、といの切り口の面積を表す式だからだよ。その最大値が32なんだから、といの面積の最大値は32だね」
    「ちょっと、何言ってるかわからない」
    「・・・・・・・」

    この深い断絶をつなぐ言葉が、なかなか見つかりません。
    2次関数に関して普通のことが、彼らの頭の中で繋がっていないのを感じます。
    といの深さをxcmとしたこと。
    といの切り口の面積を表す式を立てたこと。
    そうした最初の前提と計算の結果とが上手く繋がらないようなのです。
    2次関数の最大値・最小値を求めなさいという計算問題ならば解けるのに、文章題になるとその考え方を利用できない子は多いです。
    最大値・最小値に関する問題は、今後の単元でも、忘れた頃に出てきます。
    その度、
    「これは、最大値を求めよと言っているんでしょう。だったら、2次関数として解くだけだよ」
    とヒントを出せば済む子と、答案を全て板書して詳しく解説しても理解した表情を見せない子がいます。


    文章題になると、理解できなくなる。
    それは小学生も同様です。
    何年か前の小6対象の全国学力調査の算数に出題された文章題。
    そこに、謎の言葉が登場しました。

    「親指と人差し指を直角に広げ、その両端を結んだ長さを、ひとあた、と言います」
    そのように、問題文中で説明されていました。
    挿絵もありました。
    「ひとあた」という見慣れない単位の意味を理解すれば、問題そのものは簡単でした。
    「割合」に関する易しい問題です。
    でも、言葉でつまずくタイプの子は、あの問題は解けなかったと思います。
    知らない言葉が出てくると、「習っていない」「習っていないことがテストに出た」「習っていないから、わからない」となってしまう子は、真面目な秀才の中にもいます。

    大人でも、「ひとあた」は、耳慣れない言葉です。
    使いやすい箸の長さは「ひとあた半」と説明されると、ああ、そう言えばそんなことを聞いたことがあると、ようやく思い出す言葉だと思います。

    でも、知らなくたって、いいんです。
    問題文の中で説明されているんですから。
    それなのに、問題の中でどれだけ説明されていても、自分が知らないことは解けない子がいます。

    受験算数ですと、「約束記号」の問題が苦手な子は、そういうタイプの子です。

    「大きいほうの数を小さいほうの数で割って、その商を3倍することを、記号◎を使って表すとします。例えば、2◎10=15 です。以下の問いに答えなさい」

    こういう問題、受験算数としては簡単なことが多く、得点源なのですが、わからない子は全くわからない様子です。
    問題の意味がわからないというのです。

    「だから、そういう意味の記号なんだね」
    「知らない。そんな記号、あるの?」
    「いや、このときだけの記号だよ」
    「知らない」
    「だから、この問題だけの記号だから、覚える必要なんかないし、知らなくていいんだよ」
    「何それ。そんなことして、いいの?」

    新しい情報を飲み込めない。
    頭が固い。
    頑固である。
    文章題が苦手な子の特徴の一つといっていいかもしれません。

    もう何度も書いてきたことですが、大人よりも子どものほうが、むしろ保守的で頑固です。
    視野が狭く、融通がききません。
    視野を広げ、より柔軟になるために、人は学ぶのでしょう。

    それでも、やはり子どもは柔軟です。
    子どもの持つ柔軟さとは、自分の知らないことに失敗し傷ついたときの、そこからの回復力を指すのではないでしょうか。
    自分の間違いに気づいてそれを受け入れる力は、子どもは圧倒的です。
    今日の自分の固定観念なんて、明日は踏みつけて生きていけるはずです。
    文章題が難しいなんてのも、くだらない固定観念かもしれませんよ。
      


  • Posted by セギ at 13:32Comments(0)算数・数学

    2017年07月10日

    三ツ峠山を歩きました。2017年7月。


    2017年7月9日(日)、河口湖畔の三ツ峠山を歩きました。
    6年ぶり5度目の山です。

    三鷹7:01発の高尾行きに乗車。
    高尾着。7:46。
    高尾発。7:47。
    向かい側のホームなので、乗り換え1分で富士急直通の河口湖行きの電車に乗ることができました。
    この電車、前の4両は河口湖行き。
    後ろ4両は大月止まりでした。
    こんな便利な電車があるんだなあ。
    o(^o^)o
    外出する気になれないほど暑いせいか電車はそれほど混雑せず、途中までボックス席に1人で座っていけました。

    大月を過ぎると、車窓から富士山が見えてきました。
    雲の上に頭だけ出ている富士山です。
    終点河口湖。9:34。
    駅前にはバス停がいくつもあり、きょろきょろしながら小さな横断歩道を渡って、「天下茶屋」行きのバス停を発見。
    とはいえ、そのバス停に他の観光バスがいつまでも停まっていたりして、ちょっと不安になります。
    時間になって、ようやく天下茶屋行きのバスが入ってきました。
    富士急もこのバスもSuicaが使えました。

    バスが出発。
    駅前の時計塔が「気温29℃」を示していました。
    河口湖も今日は暑くなりそうです。
    バスは河口湖を巡り、途中から御坂道を上がっていきました。
    舗装されていますが、山の中の林道です。
    明るい緑の中をバスは軽快に進んでいきます。

    三ツ峠登山口。10:15。
    8人下車。
    三叉路のところにバス停がありました。
    バスは左折して、天下茶屋のほうに去っていきました。
    下りた客は皆、三ツ峠に行く登山客のようです。
    迷う様子もなく、舗装道路を直進していきます。
    私は、道路の端で山支度をして、すこし遅れて出発。10:20。

    10分ほど舗装道路を行くと、駐車場とトイレがありました。
    駐車場には、登山客の車がぎっしり。
    トイレを済ませて、さあここからは舗装されていない山道です。
    とはいえ、四駆なら登れそうな広い山道がしばらく続きました。
    もう下りてくる人が何人も。
    車で来ている早朝登山の人たちかなあ。
    山頂の山小屋で泊まった人たちかなあ。
    夏の富士山を見るなら、朝のうちが勝負でしょうか。

    ヒグラシが鳴いていました。
    鳴き声が幾重にも重なって聞こえてきます。
    眺望はありませんが、高山らしい林の中を行く、静かな山道です。
    道幅は広いままですが傾斜がだんだん急になってきました。
    これは四駆も無理かなあ。
    キャタピラー車じゃなきゃ無理でしょう。
    そう思っていたら、本当にキャタピラーの跡が登山道に残っていました。

    昔、この山は高山植物の宝庫で、この季節はそこら中が花だらけでした。
    しかし、何にも咲いていません。
    これは、どうしたことだろう。
    山頂近くになって、やっとチラホラと花が咲いているのを見つけました。
    クサタチバナが数株。
    ヤマオダマキが数株。
    何でこんなふうになったかなあ。
    鹿の食害かなあ。
    それとも、数年前に甲府を襲った大雪で、植物が根ごと流されてしまったかなあ。
    回復するといいなあ。
    6年前の花畑を思い浮かべながら歩を進めます。

    山小屋への道しるべが見えてきて、いったん山頂らしき広場に出ました。
    ヤマオダマキ、ハナショウブ、シモツケソウ。
    草むらに高山植物が咲いていて、ほっとしました。
    ここからお花畑が再び広がっていきますように。

    ここでもういいような気分なのですが、行く手には電波塔の並ぶ開運山が見えています。
    見るからに急登ですが、登っていく人たちがよく見えます。
    私も行かなくちゃ。
    木段から土が流れ落ちてしまっている急坂を登っていきます。
    木段は地面から飛び出て、斜めになっています。
    これも大雪の後遺症でしょうか。
    右手に「危険」とロープが張ってある先は、岸壁のクライミングルートの到達点でしょう。
    足を踏み外したら命にかかわるし、上から小石などをうっかり落としてしまったらクライマーにとって危険。
    お互いの平和のために、入ってはいけない場所ですね。
    最後の登りは新しく整備されて歩きやすい木段になっていました。
    山頂。12:00。
    予想はしていましたが、富士山は全く見えませんでした。
    「本当はこっちのほうに大きく見えるんだよー」
    そう教えてくださった方と二人、富士山が見えているようなポーズでしばらく立ち尽くした山頂でした。
    先週は曇りだったのに陣馬山から予想外にくっきりと富士山が見え、今週は晴れていたのに、こんなに近い三ツ峠から富士山は見えない。
    そんなものかもしれません。
    富士山を見るなら秋に来たら良いのですが、三ツ峠に来るならクサタチバナの季節にと、結局いつもこの季節に来てしまいます。
    上の画像がクサタチバナです。

    さて下山。
    苦手な砂まじりの急坂なので、ストックを1本使いましたが、それでも次の一歩がなかなか出ないほどの急傾斜のところもありました。
    どう足を置いても滑るのです。
    乾いた砂がまぶされている急坂が一番苦手です。
    「ここは、いつも厄介だよねー」
    後ろからそう話しかけて来た方に会釈して道をゆずりながら、そろそろと歩き、何とか通過。

    小屋前のベンチは木陰で快適そうでしたが、「使用料100円」と書いてありました。
    トイレ使用料は、ペーパー代や処理費用があるから当然だと思うのですが、ベンチ使用料はどうなのかなあ。
    でも、日帰りできる山での小屋の維持は大変だろうなあ。
    先ほどの広場に戻って、結局、無料のベンチで昼食をとりました。
    日向ですが、ここも快適です。
    標高1700mの山頂は、涼しい風が吹いていました。

    さて、下山。12:40。
    三ツ峠駅への道を下ります。
    先程の山小屋のベンチ脇から、まずは急な階段を下っていきます。
    かなり急で、壊れているところもありますが、手すりに銀の鎖が張ってあり、安心でした。
    道がやや平らになると、ところどころに桟道が。
    なかには、ちょっと斜めに傾いている桟道もありました。
    これ、濡れているときは怖いでしょうね。
    崖崩れが登山道を突っ切っている箇所もありました。
    これも、数年前の大雪の名残なのかもしれません。

    道が安定してくると、開運山の岩壁が見えてきました。
    クライマーが何パーティも登っています。
    岸壁の途中のテラスにも数組。
    見る分にはルートが明瞭で登りやすそうでしたが、実際にはもう登れないだろうなあ。
    少し下っていくと大きなテントが張られてありました。
    クライマーたちのものでしょうか。

    「落石注意」の看板の立つ登山道を急ぎ足で通過します。
    本当に漬物石くらいの石が登山道にゴロゴロ落ちています。
    そこを越えると、ようやく、歩きやすい下り道が続くようになりました。
    休憩適地の各箇所に、仏教的な名前が付けられています。
    三ツ峠は宗教登山の山でもあるのですね。
    八十八大師という場所には、草むらにお地蔵さまが赤い頭巾をかぶって沢山並んでいました。
    木陰のベンチに座って休憩。
    お地蔵さまと辺りの木々が調和しています。
    心休まる光景でした。

    延々と続くようだった登山道が終わり、いったん舗装道路へ。
    道しるべに従って再び短い登山道を行くと、広場に出ました。
    そこが達磨石でした。14:40。
    大きな石に、梵字が刻まれています。
    再び舗装道路。
    そこからは、もうずっと舗装道路が続きました。
    道の端にはホタルブクロが点々と咲いています。
    標高が下がると日向の道はさすがに暑いです。
    途中、滝を見物できる遊歩道が。
    少し遠回りになるので行きませんでしたが、あっちのほうが涼しかったかなあ。

    単調な舗装道路を50分ほど下っていくと、三ツ峠グリーンセンター。
    テニスコートやバーベキュー場、バンガローなどのある施設です。
    舗装道路はグリーンセンターに突当り、そこを左折。
    施設をまわり込んでいくと、本館らしき建物がありました。15:35。
    確か、ここで入浴できるはず。
    「日帰り温泉」などののぼりがないので、おそるおそる木の自動ドアをくぐると、中は日帰り入浴施設らしい構造でした。
    靴を脱いで、受付。
    入浴料610円。
    受付ではロッカーの鍵を渡されませんでした。
    脱衣所に入ってみると、ロッカー式ではなく、棚に大きなカゴが並んでいます。
    貴重品を入れる有料コインロッカーは別にありました。
    脱衣所も洗い場も空いていて快適でした。
    シャワーの出力も良好です。
    露天は竹炭風呂。
    無色透明で、さっぱりしたお湯でした。

    さてお風呂上がりのお楽しみ。
    しかし、自販機は「節電中」との表示が。
    6年前、やはりここで日帰り入浴しました。
    そのとき「節電中」だったのは、東日本大震災の直後で、どこもかしこも節電中でしたから、普通のことだと思っていました。
    まさか、6年経っても、まだ「節電中」とは。
    電気が足りないという話はあまり聞かないのですが。
    発泡酒。350mL、230円。
    「節電中」な微妙な冷え具合でした。
    お風呂上がりはキンキンに冷えたのを飲みたいなあ。
    入浴料をもう100円上げてくれていいから、自販機の節電はやめてくれると嬉しいなあ。
    そんなことを思いつつ、さて、駅へ。

    舗装道路をとにかく道なりに下っていきます。
    「三ツ峠グリーンセンター」の看板と矢印を見る度に、その反対方向を目指します。
    やがて高架線が見えてきて、ひと安心。
    高架線をくぐってすぐ右折すると三ツ峠駅。
    グリーンセンターから徒歩20分で駅でした。

    三ツ峠駅発。16:21
    この電車が、なんとホリデー快速富士山2号で、三鷹まで直通でした。
    でも、まるで「あずさ」のような2席ずつの構造の電車です。
    座り切れない客は通路に1人ずつ立っていて、身動きとれない印象です。
    三鷹まで乗り換えなしなのはいいけれど、これは三鷹まで立っていくということかあ。
    と思ったら、次の都留文科大学前駅で横に座っていた乗客が下りていきました。
    降りた人は1人だけです。
    何という幸運でしょう。
    そこから、三鷹までずっと座っていくことができました。
    三鷹。17:49。
    まだ明るいうちに三鷹に帰り着きました。

      


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    2017年07月06日

    奥高尾を歩きました。2017年7月。


    2017年7月2日(日)、陣馬高原から高尾山口まで縦走しました。
    もう少し晴れていれば行きたい山は他にあるのですが、どうせ眺望はないし、夕方から雨の可能性もあるし。
    そういうときは、やはり奥高尾を歩いてきましょう。
    というわけで、いつものように三鷹発8:05の特快に乗って高尾駅へ。
    梅雨時は少し登山客も減るので、電車は座っていくことができました。

    高尾駅北口からの陣馬高原行きバス停の行列も控えめです。
    夫婦連れらしい二人が、私の少し前に並んでいた若者のグループに、
    「日影はこのバスですか?」
    と訊いていました。
    若者グループは、
    「さあ?」
    うーむ。
    訊く相手を間違えていますね。
    グループで来ている若い子たちは、高尾に行くのがほとんど初めてという場合が多いでしょう。
    こちらに来たので、
    「日影なら、向こうの小仏行きのバスですよ」
    と声をかけたのですが、外では私の声はそんなに通らないので、聞こえなかったようです。
    「こっちかしら?こっち?」
    と奥さんのほうがひっきりなしに大声を出しているので、他人の声が聞こえないということもあったのかもしれません。
    とりあえず、小仏行きのバス停の行列のほうに歩いていったので、まあ大丈夫でしょう。
    と思っていたら、すぐ前に並んでいた3人のうちの1人の男性が、
    「あ。ここは陣馬高原行きだ。小仏行きのバスに乗るんだった!」
    と言い出し、移動していきました。
    何か今日はバタバタしていますね。

    バスは2台同時発車で、立っている客はいない状態で出発しました。
    終点、陣馬高原。9:25。
    この前来たときは、バス停のところのトイレが、右側は全部男性用、左側の1つの多機能トイレのみが女性用に変わっていて、長い行列ができていました。
    今回、また昔に戻っていて、右側のトイレも女性が使って良いことになっていました。
    良かったー。ヽ(^。^)ノ
    あのままだったら、とても不便でしたから。

    トレイを済ませて、さて出発。
    まずは舗装された林道を緩やかに登っていきます。
    今日も暑くなりそうなので、加減して歩きます。
    左側の沢から冷気が上がってきて、思ったより涼しい道でした。
    登山口分岐。9:45。
    前日まで雨が降っていましたから、かなりの湿気です。
    滑りやすい沢沿いの道から、急な登りへ。
    この道は変化があるので、幾度歩いても飽きないです。
    登山道を覆う広葉樹林の緑も爽やかです。

    後ろから若者2人が追い付いてきました。
    若い子は速いなあ。
    今日の私は久々にトレッキングポールも置いてきたこともあって、自分でも笑ってしまうくらい遅いのですが。
    暑いし、ゆっくり行きましょう。

    1つの目の急登を終えた分岐。
    緑が濃くて、気持ちのよいところです。
    先程の2人が、ここで休憩していました。
    ゆっくりとした足取りのまま、2人を追い越します。
    そこから、道は広くなり、ゆるやかな気持ちのよいところがしばらく続きます。
    先程の2人が追い付いてきました。
    道幅が広いので端に寄るだけで道を譲ることができます。

    しばらく行くと、再び急登。
    植相も変わり、この辺りは植林帯が広がっています。
    道は複線化し、直登もできますが、ジグザグにも登っていけます。
    あれ?
    先程の2人がまた休憩しています。

    ゆっくりゆっくり追い抜きます。
    しばらくして、また2人が追い付いてきました。
    こうなると、少し面倒くさくなってきました。(^。^)
    それでも仕方ないので道を譲ると、急登を登り切ったところで、また座り込んでいます。
    靴もウエアも高機能タイツもザックも、見た目はとっても「登れる人」なのだけれど、このペース配分は素人だなあ。
    ガシガシ登って、息が切れて、頻繁に休憩しないと登れなくなっているのに、スピードを緩めてゆっくり登っていくことはできないようでした。
    急いでも、その後に休憩しなければならないのなら、結局時間がかかるし、息が切れてつらいし、疲れるので、あまりいいことはありません。
    休憩せずに速く歩き続けられるのなら、それで良いのですが。

    そこからは、斜面をトラバースする細い道。
    泥で滑りやすくなっていて、用心して歩きました。
    ここで後ろから追い付いてこられると厄介だなと思いましたが、もう彼らは追いついて来ませんでした。
    いよいよ体力が尽きたのでしょうか。
    熱中症になっていないと良いのですが。

    大きなカエデの木のところで左折。
    ここから陣馬山名物のドロドロ道の始まりです。
    しかし、あまりに泥がひどいので、前を行く人が右の細い道に入っていくのにつられて、私も右折。
    こちらは遠回りのようでしたが、あまり泥がないので歩きやすかったです。
    和田峠から登ってくるときの、山頂近くの木段に途中で合流する道でした。
    少し登ると、陣馬山の白い馬のオブジェが遠くに見えてきました。

    上まで登りきらず、茶店の先の草原にシートを敷いて座りました。10:50。
    予想外にくっきりと富士山が見えています。
    上の画像がそれです。
    こんなに富士山が見えるのなら、丹沢か奥多摩に行けば良かったかなー。
    灰色がかった紺色の富士。
    少し雪渓の残る、見事な夏富士でした。

    おにぎりを1つ食べて、さて出発。
    まずは白馬のオブジェのところまで登ります。
    山頂の茶店は今日はお休みでした。
    そこから階段状の道を降りていきます。
    昔と比べて随分整備されて歩きやすくはなったのですが、やはりドロンドロンの道が続きます。
    後ろで誰かがズズッと滑っている音がするのがまた怖いんでよね。

    明王峠。11:50。
    売店は営業中。
    そこから高尾山へと進む道が整備されて、別の道みたいになっていました。
    いつもはドロドロのところを歩きたくないので、左端の木の根の作る段差のところを歩き、適当なところで登山道に降り立つようにしていたのですが、木の根ごとなくなっていました。
    全体に平らに整備されているのです。
    道の両側をロープで仕切られ、「ここを歩け」と指示されている印象でもあります。
    泥を避けて道の外を歩く人が多く、登山道の広がりや複線化が奥高尾で問題化しているということでしょうか。
    今後は木段やデッキによる整備がさらに進んでいくんだろうなあ。

    前を行く親子連れが、子どもとお父さんはまき道、お母さんは登り道のほうに分かれて登っていきました。
    歩きながら、「今どこー?」と声をかけあっています。
    最終的に、お母さんのほうが早く合流点について、カメラを構えてお出迎え。
    微笑ましい光景でした。
    お母さん、健脚だなあ。

    景信山。13:05。
    小屋に挟まれた通路から見えるせいか、富士山を大きく感じます。
    反対側の眺望も見事でした。
    この時期にスカイツリーが見えていました。
    ベンチに座って、もう1つおにぎりを食べました。

    景信山からの急な下りも整備が進み、歩きやすくなっていました。
    ここも、やがて完璧に整備されるのでしょう。
    小仏峠から登り返して、相模湖の見渡せるポイントへ。
    楽しみにしていた富士山が雲に隠れていました。
    さすがに午後になると雲が沸きますね。

    小仏城山。14:10。
    もっと楽しみにしていた、かき氷(大)400円を購入。
    今日はレモン味にしました。
    かき氷のシロップは色が違うだけで味はどれも同じらしいのですが、やはり色々試したい。
    涼みながら、ここで本日一番の大休憩。
    時間も遅いので、ベンチの人もまばらでした。

    富士山が隠れてしまったので、紅葉台は巻いて、高尾山下。15:25。
    高尾山も巻いて、さてそこからは6号路を下りました。
    琵琶滝コースです。
    こんな時間から登ってくる人が多いのに驚きました。
    しかも、山歩きの姿ではない人がほとんど。
    ロングスカートで、沢の飛び石を登ってくる人もいます。
    何だろう?
    高尾の夕景色とビアガーデンが目当てかな?

    高尾山口。16:45。
    駅前には靴の泥を落とすタワシが沢山置いてありました。
    ゴシゴシと泥を落として、電車に乗り込みました。

      


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    2017年06月28日

    2次関数と平方完成。


    2次関数は、y=a(x-p)2+q の形にすることで、どのような放物線であるかが明らかになります。
    上のような形になっていれば、軸は直線x=p、頂点の座標は(p,q)と読み取れます。
    ですから、問題の中で、y=aX2+bx+c の形で示された場合は、とにかく上の形に直すことが必要となります。
    そのために行うのが平方完成です。

    例題 2次関数 y=x2+4x-5 のグラフの軸と頂点の座標を答えよ。

    この見た目では頂点の座標はわかりませんから、平方完成しましょう。
    平方完成で使用するのは、中3で学習した因数分解の公式です。
    a2+2ab+b2=(a+b)2
    a2-2ab+b2=(a-b)2
    ですね。
    ただし、平方完成は因数分解ではないので、定数項が( )からはみ出して構いません。
    y=x2+4x-5
     =(x2+4x+4)-4-5
     =(x+2)2-9
    これが平方完成です。
    軸は直線x=-2、頂点の座標は(-2,-9)です。

    無いものを勝手に足して、同じものを勝手に引いて、それで辻褄を合わせるやり方が理解できずに苦労する高校生が多いところです。
    等しいというのはそういうことだから何も問題はないよと言っても、「わからない」「わからない」「わからない」という反応ばかりの子もいます。
    授業が全く進まないことがあります。

    そういうこともあり、高校生に対しては、基本的には、塾では復習中心で授業を進めます。
    数Ⅰと数Aと、数学は2科目ありますので、週1回の授業では予習先行したくてもすぐに学校に追いつかれてしまうという事情も大きいです。
    しかし、何より、「わからない」「わからない」「わからない」とつぶやく生徒と1対1で対話していると、時間ばかりかかって先に進まないのです。
    初めて学ぶ内容に違和感が強く、抵抗感も大きいのでしょう。
    とにかく補助するから練習してみようと声をかけても、手を動かしてくれません。
    やりながらわかってくることがあるよと言っても、反応がありません。
    「どこがわからない?何が疑問?」
    と訊いても、黙り込む子も多いです。
    何がわからないのか、それすらわからない。
    違和感がありすぎて、フリーズしてしまう。
    そういうことかもしれないと想像しています。

    しかし、同じことでも、学校で一度授業を受けていると、「わからない」と言いながらも練習することには抵抗しません。
    やり方を間違えている場合は多いですが、とにかく手を動かしてくれます。
    「そこのやり方は、こうだよ」
    と説明すると、素直に聞いてくれます。
    「こうやると間違えないよ」
    と説明すると、熱心に聞いてくれます。
    「すげえ。わかりやすい!」
    と言ってくれることすらあります。
    予習をする場合と同じ説明をしているのですが。

    とにかく、新しい事柄に抵抗があるのでしょう。
    高校数学は、最初に教える者が損をする科目かもしれません。
    「学校の先生もこんなふうに教えてくれたらいいのに」
    と言ってもらえることもあります。
    ・・・・いや、そういうことではないよ。
    最初に教わるときにはあなたはパニックを起こしているんだよ。
    そう思いますが、まあそれは本人には言わず、にこにこしております。
    ヽ(^。^)ノ

    定理や公式の説明は学校の先生に任せて、塾では、それを使ってどう正確に解くか、どうスピーディに解くか、そのテクニックの伝授に時間をかけたい。
    そういう気持ちもあります。
    でも、数学が苦手な子ほど、予習をしてほしがります。( 一一)
    学校の授業がわからなくて不安だからという気持ちはわからなくはないんです。
    学校の授業がわかるようになると安心するのでしょう。
    しかし、その先、定着するかどうはまた別の問題です。
    「わかる」ことと「解ける」ことはイコールではありません。
    予習ばかりして定着を確認できない授業形態では、テスト前になってようやく復習をしようというとき、予想通り何にも身についていないことがわかって、もう打つ手なしという場合もあります。

    学校の授業がわからなくて不安なら、授業の前に数学の教科書を読み、例題を自分で解いてみるのがお勧めです。
    何がわからないのか自覚でき、そこを中心にしっかり授業を聞くことができます。
    しかし、授業に不安を感じながらも、そういうことはしない子が多いです。
    自分で予習もして、学校の授業も受けて、宿題もこなして、塾にも行くのでは、数学に時間をかけすぎで、無駄に感じるのかもしれません。
    どこかを重ねて、一石二鳥で済ませたいのでしょう。
    そう考えると、予習と塾を重ねるのが、一番無駄がない。
    そして、復習は、学校指定の問題集を提出用ノートに解くことで、一石二鳥。
    本人はそれを合理的ととらえているのでしょうか。
    しかし、それは、自ら可能性を封じるやり方です。
    小学校の算数ならそれで大丈夫なのですが、高校数学でそれをやってしまうと、多くの場合、数Ⅱや数Bはほとんど何もわからない状態に陥っていきます。
    予習は予習で自分でやる。
    学校の授業を聞く。
    塾で演習する。
    塾の宿題をやる。
    学校の指定問題集は解答解説を見ないで自力で解く。
    余裕があれば、市販の問題集も自分で購入して復習する。
    何も重ねないことで、幾度も復習でき、定着します。
    こういう学習サイクルが理想です。


    話を平方完成に戻しましょう。
    y=x2+4x-5
    説明としては、上に書いたように
     =(x2+4x+4)-4-5
    となりますが、この書き方は説明のための書き方で、実際に解く際には解きにくいように感じます。
    いや、これに慣れているし、これで解きやすい、ミスもしないというのならそれで良いのですが、4xから「2」という数字を導きだして、しかもそれを2乗した「4」を書かねばならないのは、頭の中でやることが多すぎるのでケアレスミスが出やすいのです。
    y=x2+4x-5
     =(x+2)2-4-5
     =(x+2)2-9
    と書いていくほうが頭が少し楽なように私は思います。
    4xの係数の「4」を2で割った「2」という数字が、因数分解の公式の(a+b)2のbになります。
    a2+2ab+b2
    の2abの部分が4xに当たり、そのうちにxはaにあたりますから、4は2bにあたります。
    だから、bは、4xの4を2で割れば導かれます。
    これはいつでもそうなので、xの係数を2で割ればいいだけと単純化したほうが楽なのです。
    そこで、
    y=(x+2)2
    まで、まず書いてしまいます。
    そして、次に、a2+2ab+b2 のb2の部分を引いて辻褄を合わせます。
    y=(x+2)2
    と既に書いてありますから、bは2で、b2=4と見た目ですぐにわかります。
    だから、
    y=(x+2)2-4
    まで、スムースに書いていくことができます。
    考える時間は不要。
    秒殺の作業です。
    後は、もともとある-5を書き加えます。
    y=(x+2)2-4-5
     =(x+2)2-9
    こうすれば、平方完成は特に考え込む必要のない作業です。

    例題 2次関数 y=3x2-3x+5 のグラフの頂点の座標を求めよ。

    x2の係数が1ではない場合はどうしましょうか?
    これは、まず文字項を3でくくります。
    このとき、定数項+5はほおっておきます。
    定数項はどうせ( )の外に出るものなので、最後に考えます。

    y=3x2-3x+5
     =3(x2-x)+5
     =3(x-1/2)2-3・1/4+5
     =3(x-1/2)2-3/4+20/4
     =3(x-1/2)2+17/4
    よって、頂点の座標は(1/2,17/4)

    まず3でくくって、3(x2-x)。
    xの係数が-1なので、bにあたる数は-1/2。
    b2にあたる数は1/4。
    しかし、( )の前に3がありますから、それをさらに3倍したものを引かねば辻褄が合いません。
    だから、-3・1/4をすることで辻褄をあわせます。
    後の+5と通分するので、慌てて計算する必要はありません。
    1つ1つ目に見える形で書いていくことでむしろ速く正確に解いていくことができます。

    やり方そのものを「わからない」「わからない」と言っていた子が、この段階になると、上のように丁寧に書かず、何なら与式の次は答えの式を書こうとする飛躍を始めるのも一つの傾向です。
    無理な飛躍をするからケアレスミスをするのですが、そこを改めない子は多いです。
    書くのが面倒くさいらしいのです。
    暗算するほうが面倒くさいし、時間も余計にかかるし、間違いも多いのですが。
    子どもの中には「暗算ができることが数学ができること」という不可解な神話にとらわれている子がいますが、暗算は最優先の課題ではありません。

    一方、暗算しても書いていくのと同じスピードがあり、正答できる子はそれでいいのです。
    数字や数式をわざわざ書かなくても脳裏に映像として見えている子はいます。
    見えているものは省略してもミスしません。
    精度の維持が最優先事項です。
    やり方に「絶対」はありません。


    例題 2次関数 y=-1/2x2+4x+2 のグラフの頂点の座標を求めよ。

    y=-1/2x2+4x+2
     =-1/2(x2-8x)+2
     =-1/2(x-4)2+8+2
     =-1/2(x-4)2+10
    よって頂点の座標は(4,10)

    -1/2でくくるところが難しいです。
    -1/2(x2+2x)などとしてしまうミスが目立つところです。
    ( )の中のxの係数が-8になるということがピンとこないのかもしれません。
    符号ミスも多いです。
    「何でそうなるんですか?」
    と質問するので、展開して戻してみなよと言うと、一瞬で理解し、
    「あっ」
    と驚く子は、まだ理解の速い子。
    「展開って何のことですか?」
    など、会話がなかなか先に進まず説明に時間がかかることもあります。
    一応は理解した後も、類題を解くとまた同じミスをしてしまうところでもあります。

    平方完成は、2次関数の全ての基本。
    符号ミスや指数の書き忘れにも注意しましょう。
    ヽ(^。^)ノ


      


  • Posted by セギ at 11:15Comments(0)算数・数学

    2017年06月27日

    夏期講習のお知らせ。2017年夏。


    2017年度夏期講習のお知らせです。
    詳細は、今週、各生徒さんに書面をお渡ししておりますのでご覧ください。
    お申込み受付は、7月1日(土)からとなります。
    申込書またはメールでお申込みください。
    なお、この期間、通常授業はありませんので、いつもの時間帯の授業を希望される方も改めてお申込みください。
    8月通常授業はございませんので、8月分通常授業料のお支払いは不要です。
    通常授業の空きコマがないため、外部生の受講は承っておりません。
    大変申し訳ありません。

    以下は、夏期講習募集要項です。

    ◎期日
    7月24日(月)~8月31日(木) 
    ただし、毎週日曜日と、8月7日(月)~12日(土)は休校となります。

    ◎時間帯
    10:00~11:30 , 11:40~13:10 , 13:20~14:50 , 15:00~16:30 , 16:40~18:10 , 18:20~19:50 , 20:00~21:30

    ◎費用
    1コマ90分4,000円×受講回数+諸経費4,000円

    ◎指導科目
    小学生 一般算数・受験算数・英語
    中学生 数学・英語
    高校生 数学・英語


    ◎空きコマ状況 8月16日現在

    8月17日(木)
    16:40~18:10 , 20:00~21:30

    8月18日(金)
    10:00~11:30 , 1 5:00~16:30 , 18:20~19:50 , 20:00~21:30

    8月19日(土)
    11:40~13:10 , 13:20~14:50 , 15:00~16:30 , 16:40~18:10 , 18:20~19:50

    8月21日(月)
    11:40~13:10

    8月22日(火)
    18:20~19:50

    8月23日(水)
    13:20~14:50 ,16:40~18:10 , 18:20~19:50 , 20:00~21:30

    8月24日(木)
    16:40~18:10 , 20:00~21:30

    8月25日(金)
    10:00~11:30 , 15:00~16:30 , 18:20~19:50 , 20:00~21:30

    8月26日(土)
    13:20~14:50 , 15:00~16:30 , 16:40~18:10 , 18:20~19:50

    8月29日(火)
    16:40~18:10 , 18:20~19:50

    8月30日(水)
    15:00~16:30 , 18:20~19:50 , 20:00~21:30

    8月31日(木)
    11:40~13:10 , 13:20~14:50 ,18:20~19:50



      


  • Posted by セギ at 15:37Comments(0)大人のための講座

    2017年06月22日

    授業の受け方、ノートの取り方。




    少し前になりますが、勉強が得意な芸人さんが勉強のやり方を紹介するテレビ番組があり、何かヒントになることがないかと思って見ていた私は、その中の1つのコーナーに衝撃を受けました。

    京都大学出身の芸人さんと、勉強が苦手な芸人さんの2人が、同じ世界史の授業を受けて、その後にその授業内容に関するペーパーテストを受け、その成績を比較するという実験が行われたのです。
    京都大学出身の芸人さんの使う筆記用具はシャーペン1本でした。
    板書されたことや先生の説明で気になったことなどメモしながら、基本、ずっと板書と講師の顔を見ています。
    一方、勉強ができない芸人さんは、先生が板書した通りの色でノートをとろうとカラフルなペンを出しては片付け、出しては片付け、板書をノートに書き写すのに精一杯で、話を聞いている様子がないのです。
    板書を書き取ることだけに必死なのでした。

    その後のペーパーテストの結果は、
    京都大学出身の芸人さんは1問ミスしたのみ。
    勉強が苦手な芸人さんは、0点。
    見ていて、背筋が寒くなる結果でした。

    色使いのことに関して言えば、先生の板書する通りの色でノートを取ること自体は私は悪いことではないと思っています。
    重要度がひと目でわかりますからね。
    ただ、勉強が苦手な芸人さんのやっていたことは、目を覆うようなことでした。
    黄色いチョークが使われているところは、黄色で書こうとするのです。
    ペンケースからガサガサと黄色を探し、結局、黄色のマーカーで字を書いていました。
    先生が黒板で黄色を使うのは強調したいところだからでしょうに、白いノートに黄色いマーカーで字を書いたら、読めないですよ・・・・。
    なぜ、黄色を他の色に転換にする知恵がないんだ?
    緑とかにすればいいのに・・・・。
    そもそも色探しに時間がかかりすぎていました。
    授業を受けるときは、よく使う色のペンをあらかじめ机の上に出しておけばいいのです。
    よく使う色を1本のペンに集めて自分用にカスタマイズした4色ボールペンを使用するのも良いですよね。
    ペンをいちいち探すという無駄なことに授業時間を割き、どの色にするかに必死で、肝心の授業を聞いていないのは、いくら何でもまずいです。

    字を書くこと自体にも時間がかかる人のようでした。
    きれい汚いということではなく、自分が後で読みやすい字を安定したスピードで書いていく。
    そういうことができない子は、勉強が苦手な子に確かに多いなあ・・・・。
    時間がかかるだけでなく、板書を書き写している間はそれに必死で、授業を聞いていないことも課題です。
    まとまった語句ごとに書き写すということができず、1文字見てはその1文字を書き、また1文字見てはその1文字を書く子は、板書を書き写すのが苦手な子に多いですね。
    でも、本人は、一所懸命授業を受けているつもりでいます。
    ああ、勉強が苦手って、こういうことだ・・・・。
    見ていて悲しくなってしまう映像でした。

    番組を見て、それに付随して考えたことは、授業の受け方で本人が損をしていることはまだまだあるなあということでした。
    個別指導でも、勉強が苦手な子は、私が期待しているような行動はとりません。
    「はい。次の例題を解説しますよ」
    と言っても、目がテキストの例題のところに動きません。
    仕方なく指さすと、一瞬そこに目が行きますが、またすぐ逸れていきます。
    問題の内容を理解してくれないことには解説ができません。
    そこで私が問題を音読すると、その間、ペンを出したりノートを閉じたり開いたりと余計なことをしています。
    数学の問題文を音読を聞いて理解できますか?
    そして、私が解説を始めると、今度は解説は聞かず、テキストの問題を読んでいます。
    ( 一一)
    つまりはマイペースなのですね。
    自分のやりたいことをやりたいときにやってしまい、授業のペースに合わせることができないのだと思います。
    相手の言動の目的が理解できないのでもあるでしょう。

    個別指導でこれですから、学校の授業をその子がどう受けているかを想像すると、気持ちが沈みます。
    「学校の授業がよくわからない」
    と本人は不満を漏らしたりするのですが、
    「でしょうねえ・・・・」
    以外の感想のもちようがないことも多いのです。
    学校の先生が、特に大切なことだから、
    「はい。黒板を見て」
    などと声をかけても、その通りに行動できていなのではないでしょうか。

    そうした子たちは、私が解説をしているときに、テキストの解説をじっと読んでいて顔をあげないことも多いです。
    わざわざ個別指導を受けにきて、テキストの解説を読んでいます。
    彼女たちは、学校の先生が説明しているときにも、独りで教科書を読んでいるのかもしれません。
    そうして、
    「わからない。わからない」
    と思い続けている・・・・。
    教科書を読むのは大切ですが、授業中に読むように指示されたとき以外は、予習か復習のときに読むほうが有効です。
    特に予習として1回教科書を読んで、理解できるかできないかだけでも確認しておけば、授業を受ける姿勢が違ってきます。
    でも、授業中に教科書を読めば時間が短縮できて能率的だと本人は思うのかもしれません。
    授業中に独りで自習しているようなものなのですが、本人はそれが合理的だと思っている可能性があります。
    先生の解説がよくわからないからテキストの解説を読むのだと本人は思っているかもしれせん。
    先生の長い解説を聞くよりテキストの解説を読んでささっと理解したいという気持ちも働いているでしょうか。
    結局、それで理解できないから個別指導を受けに来るのですが、そこでも同じことを繰り返してしまいます。
    成績不振の子は、自分の授業の受け方が下手だということに気づいていません。
    そこに課題があります。

    個別指導では、そういう本人の授業の受け方の課題にあわせて授業方法を変えています。
    しかし、自覚して治せるものなら本人の努力で治したほうが良いだろうなあとも思います。

    上の番組の話に戻れば、秀才の芸人さんの言葉が印象的でした。
    「小学生の頃から、僕は先生に『おまえとは授業中によく目が合う』と言われてきた」
    秀才は、授業を受けるときは顔を上げ、常に全力で先生の話を聞きます。
    その当たり前のことに気づくだけで変わっていくことがあると思います。
      


  • Posted by セギ at 12:38Comments(0)講師日記

    2017年06月18日

    7月1日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    6月17日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    今回は「多項式の除法」です。
    中学数学でやっているような気がするのに、意外に一度もやっていないのが、多項式の除法です。

    問題 (x3+3x2-5)÷(x-2) を計算し、商と余りを求めよ。
    これは筆算していくことができます。
    やり方、考え方は数字のわり算の筆算と同じです。

    例えば、764÷6を筆算してみましょう。

    6 )764

    の7と6を見比べて、7の上に「1」という商が立つと判断します。
    その後、1と6をかけたものを7の下に書いていき、そして7からそれを引きます。
       1
    6 )764
       6  
       1

    これと同じことをやっていきます。

    x-2 )x3+3x2   -5

    x3とxを見比べて、x3の上に「x2」という商が立つと判断します。
    そのx2と「割る数」であるx-2とをかけたものを元の式に下に書いていきます。

        x2
    x-2 )x3+3x2   -5
         x3-2x2

    そして、元の式から、今書いたものを引いていきます。

        x2
    x-2 )x3+3x2   -5
         x3-2x2
            5x2

    次に、引き算の結果である「5x2」とx-2を見比べで、商を立てます。
    「5x」という商が立ちます。
    その5xとx-2をかけたものを下に書いていきます。
    そして、上の行から下の行を引きます。

        x2+5x
    x-2 )x3+3x2     -5
         x3-2x2
            5x2
            5x2-10x
                10x -5

    次に、引き算の結果である「10x」とx-2を見比べて、商を立てます。
    「10」という商が立ちます。
    その10とx-2とをかけたものを下に書き、上の行から下の行を引きます。

        x2+5x  +10
    x-2 )x3+3x2     -5
         x3-2x2
            5x2
            5x2-10x
                10x -5
                10x-20
                    15

    よって、商は x2+5x+10、余りは15です。

    「本当にこんなやり方で割ったことになるの?」
    「何でそれで答えが出るのか、意味がわからない」
    という感想の多いところです。

    そこで、ちょっと検算をしてみましょう。
    わり算は、(割る数)×(商)+(余り)=(もとの数)
    で検算することができるのでした。

    (x-2)(x2+5x+10)+15
    =x3+5x2+10x-2x2-10x-20+15
    =x3+3x2-5

    はい。
    もとの式に戻りました。

    やり方が理解できても、最初のうちはなかなか正答できない高校生は多いです。
    ミスしやすい箇所としては、多項式の書き写し間違い。(特に指数と符号)
    上の式の-5-(-20)のような箇所の計算ミス。
    練習を重ねることで精度を上げていきましょう。

    問題 (a3+2abc+b3-c3)÷(a+b-c) をaに着目して行い、商と余りを求めよ。

    最初の問題との違いは、文字が1種類ではないこと。
    「aに着目して」ということは、aについての文字式とみなし、他の文字は係数や定数項として扱いなさい、という意味です。
    これは、筆算として書くときから順番を意識し、他の文字はaの係数や定数項であるとわかるようにしておくことで解きやすくなります。
    aについて降べきの順に整理して書いてみましょう。

    a+(b-c) )a3     +2bca+(b3-c3)

    a3とaを見比べると、まずa2という商が立ちます。
    その商と「割る数」であるa+(b-c)をかけていきます。

           a2
    a+(b-c) )a3        +2bca+(b3-c3)
             a3+(b-c)a2 

    上の行から下の行を引きます。
    上から次に使う項も下ろしておきます。

           a2
    a+(b-c) )a3        +2bca+(b3-c3)
             a3+(b-c)a2
              -(b-c)a2+2bca

    ここでは、2次の項はもともと存在しなかったところから(b-c)a2を引くので、
    0-(b-c)a2
    =-(b-c)a2
    となることに注意が必要です。
    上からおろしてくる項は、あえて書けば、
    2bca-0
    =2bca
    となりますので、符号は変わりません。
    0から引くことと、0を引くこととは大違いですね。

    次に-(b-c)a2とaを見比べて、-(b-c)aという商が立ちます。

           a2-(b-c)a
    a+(b-c) )a3        +2bca+(b3-c3)
             a3+(b-c)a2
              -(b-c)a2+2bca
              -(b-c)a2-(b-c)2a

    例によって、上の行から下の行を引くのですが、ちょっと複雑で引きにくいですね。
    こういうときは、ノートの横の空欄などを利用して、そこの部分だけ計算すると良いでしょう。
    係数だけのひき算をすれば良いですね。
    すなわち、
    2bc+(b-c)2
    =2bc+b2-2bc+c2
    =b2+c2

    上から定数項も下ろしてくると、

           a2-(b-c)a
    a+(b-c) )a3        +2bca+(b3-c3)
             a3+(b-c)a2 
              -(b-c)a2+2bca
              -(b-c)a2-(b-c)2a
                      (b2+c2)a+(b3-c3)

    次の商は、(b2+c2) ですね。

           a2-(b-c)a +(b2+c2)
    a+(b-c) )a3        +2bca   +(b3-c3)
             a3+(b-c)a2 
              -(b-c)a2+2bca
              -(b-c)a2-(b2+c2)a+(b3-c3)
                      (b2+c2)a+(b-c)(b2+c2)

    最後の定数項のひき算も複雑ですね。
    ノートの空いているスペースで計算しましょう。
    (b3-c3)-(b-c)(b2+c2)
    =b3-c3-(b3+bc2-b2C-c3)
    =b3-c3-b3-bc2+b2C+c3
    =-bc2+b2c

    これが余りとなります、
    よって、商は  a2-(b-c)a+(b2+c2)
    となりますが、整理したほうが見た目がきれいですね。
    ( )を外しておきましょう。
    従って、商 a2+b2+c2-ab+ca
        余り -bc2+b2c
    となります。

    この筆算は複雑ですが、この先、「分数式の計算」や「因数定理」を学習する際にまた利用しますので、必ず身につけておきましょう。
    とはいえ、ネットでは罫線を引けないので、物凄く見にくいですね。
    全体の板書が上の画像です。

    さて、今回の授業はその次の「分数式の約分」に少し入りました。
    次回はその次から進みます。

    ◎日時  7月1日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「整式と分数式」を続けます。p10問題22から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。




      


  • Posted by セギ at 13:44Comments(0)大人のための講座

    2017年06月15日

    中間テスト結果出ました。2017年1学期。




    1学期中間テストの集計が出ました。
    高校の数学は「数Ⅰ」「数A」などの2科目の平均、英語は「コミュニケーション英語」「英語表現」の2科目の平均点をその科目の得点としています。

    数学 
    90点台 1人 80点台 2人 70点台 1人 60点台 2人 50点台 1人 50点未満2人
    英語 
    90点台 1人 80点台 1人 70点台 1人 60点台 1人 50点未満1人


    英語はやればやっただけ、あっという間に結果が出る科目ですが、一方数学は、結果が出るまで時間がかかることを改めて感じます。

    数学が苦手というのは多重構造で、一番の根本には、数学的なものの考え方が理解できないことがあるのだと思います。
    何をどれだけ学習しても表面的な作業手順をなぞるだけで終わってしまい、根本的なことが理解できない様子の子はやはり存在します。
    関数の学習などでそれは顕著に表れてきます。

    そこが核なのですが、その外側に「公式が覚えられない」という状況があります。
    根本が理解できないまま、小学校・中学校の間は、それでも公式と作業手順を何とか覚えてやり過ごすのですが、高校数学になると、学習する公式の数が本人が覚えられる限界を越えていきます。
    しかも、習った公式はその後も使うので、テスト前だけ公式を無理に暗記してすぐに忘れていると、やがてツケがまわってきます。

    さらにその周囲に、ケアレスミスが多いという本人の傾向が加わってきます。
    数学に限らず他のどの科目でもミスをしやすい子もいれば、他の科目ではそんなにミスをしないのに数学だけ突出してミスを繰り返す子もいます。
    単なる練習不足から起こるミスは、練習量を増やすことで減っていきます。
    ミスをしやすいようなやり方で解いているから起こるミスは、やり方を変えればなくなります。
    数学に対する苦手意識やプレッシャーによる動揺から起こるミス。
    多分全てのことでうっかりしやすい性格的なものが要因のミス。
    後者の2つは、果たして治るものだろうかと、首をひねる場合もあります。
    本人が自分を深く見つめることで解決していくしかない課題です。

    上の三重構造だけでも大変なのですが、まだあります。
    その外側に、「数学の勉強にそんなに時間はかけられない」という本人の気持ちがコーテイングされていることが多いのです。
    本人は、それでも数学にはそれなりに時間をかけているつもりでいますし、保護者の方も「数学はやっているようですが」とおっしゃるのですが、学校の課題を提出するために、教科書準拠の問題集を教科書の例題や解答解説と首っぴきで解き方をなぞって解いているだけの時間が数学の学習時間の大半になっていないでしょうか。
    何も見ないで自分で考えて数学の問題を解いてはいません。
    模範解答をなぞっているだけです。
    テストは、解答解説を見ることができませんから、解くことができません。

    数学が苦手な高校生の多くは、この強固な四重構造を形成しています。
    さて、打開策はあるか。
    考え込む日々です。

      


  • Posted by セギ at 12:29Comments(0)講師日記

    2017年06月12日

    鷹ノ巣山を歩きました。2017年6月。


    2017年6月、奥多摩の鷹ノ巣山を歩いてきました。
    いつも通りホリデー快速奥多摩3号で、終点奥多摩駅下車。
    駅を出てすぐ右のバス停に並び、「東日原」行きのバスに乗車します。
    梅雨入りしたせいか、登山客はそれほど多くなく、バスは1台で出発。
    バスの右側に奥多摩駅近くの工場が見えてくると、若い客の目は釘付けになりました。
    「あれ、何?」
    私もあの工場は見飽きないです。
    ジブリ映画に出てきそうな外観の工場なのです。
    さらに行くと道が細くなり、バスがバイクを通すために止まりました。
    「左に子どもの鹿がいます」
    と運転者さんがアナウンス。
    左側の乗客が窓から下を覗き込んでいました。
    道路に出てきちゃったんだなあ。

    終点「東日原」下車。10:00。
    トイレを済ませて、さて出発。
    バスの進行方向のまま、まずは舗装道路を歩いていきます。
    登山届は奥多摩駅でも出せますが、バスを降りてからでも、登山口までの間に派出所があり、登山届提出用紙とポストが置いてあります。
    しばらく歩くと、左手に「鷹ノ巣山登山口」の看板があり、コンクリートの階段を下りていきます。
    看板が出来たてのときは、随分目立つ大きな看板が出来たなあと思ったものでしたが、板が色あせて灰色になり、周囲になじんだ分だけ、注意していないと見落とす感じになっていました。

    コンクリートの階段は、沢沿いの細い登山道につながっています。
    沢が随分下のほうに見えるので高度感があり、朝一番に歩く道としてはちょっと緊張します。
    でも今日は腰痛予防にトレッキングポールを2本使っていますので、細い道も安心です。
    ポールは楽だなあ。
    けれど、足運びが雑になって緊張感がなく、つまらないなあ。

    下に見えていた沢をしっかりした造りの橋を渡って越えると、ゆるい登りが始まります。
    道はときどきV字に曲がりながら高度を上げていきます。
    この辺りも全体に道は細いです。
    「この先足元注意」の看板の出ているところと出ていないところの区別がつかないくらいに、全体に足元には注意が必要なところがしばらく続き、やがて1つ目の木橋。
    何年か前の大雪で、雪崩で運ばれてきたのでしょう大きな岩が沢を塞いでから、ここはむしろ登山道との区別がはっきりしました。
    以前は、沢が枯れているときには、沢が登山道に見えたものでした。
    明瞭な踏み跡をたどり、2本目の木橋で沢の左岸に戻ります。
    左岸は土止めの整備が進み、歩きやすくなっていました。
    しばらく進み、3本目の木橋で右岸に戻ります。
    3本目の木橋は老朽化が進み、横板が1つ朽ちて崩れ、他に2つの横板が取れていました。
    ポールがなかったら、ここは少し怖かったかもしれません。

    右岸をしばらく進むと苔むした4本目の木橋がありますが、そこは渡りません。
    左手に登り口が見えています。
    斜面をジグザグに登っていく急登の始まりです。
    今年はまだ早いのかヒグラシの声は聞こえませんでした。
    ときどき鳥が鳴く静かな登山道を淡々と登っていきました。
    稲村岩分岐。11:05。

    例年、ここで誰か登山者に会うのですが、今日は誰もいませんでした。
    稲村岩で死亡事故が起きた注意喚起の掲示がありました。
    去年はなかったものですから、この1年の間に起きた事故のようです。
    空が暗いせいもあり、ここをいつになく荒涼とした場所に感じました。
    風も冷たい。

    道しるべ通りに、木の根で作られた大きな段差の道を登っていきます。
    しばらく尾根は細いですが、その先、幅の広い岩村岩尾根が始まります。
    景色も単調で、道の印象をあまり記憶できないところなのですが、しかし、ところどころ道が付け替えられているのを感じました。
    古い道と比べて、まだフカフカで、ここは新しい道だなと気づきます。
    元の道らしきところは、深くえぐれ、落ち葉が積もって歩けなくなっていました。
    大きなブナの倒木。12:10。
    数年前の大雪の年に雪崩で倒れた木です。
    その先の少し平らなところで、休憩しました。
    静かな山道で、追い付いてくる人もいません。

    単調な登りが続きますが、樹間から空が見えてきました。
    いったん平らな道になり、そこがヒルメシクイノタワ。
    新しい掲示が提げられていました。12:45。
    今日はそれほど暑くないので、息切れしない程度のゆっくりペースで歩いているわりに時間的にも順調です。

    そこから、さらに登っていくと再び平らになり、道は二手に分かれます。
    今日は左の尾根道コースをとりました。
    右の道は前半は平らな歩きやすい道で、最後にまとめて急登があります。
    左の尾根道は、ずっと登りが続きます。
    山頂直前で道は合流し、空が開けて、山頂。13:15。
    さすがにここは先客が2パーティ。
    草地にレジャーシートを広げ、のんびりお湯を沸かして昼食中でした。
    私は土がむき出したところまで出て、石の1つに座りました。
    曇っていて、近くの尾根しか見えません。
    秋や冬に見るくっきりした富士山と南アルプスを心に描きながら、休憩。
    今日もおにぎりはちょっと喉を通りそうにないので、ゼリー飲料の昼食を取りました。

    さて、下山開始。
    石尾根を奥多摩駅へと下ります。
    山頂直下の急な下りも、トレッキングポールの補助で快適に降りていけました。
    たったか下って道は平らになったり、また急な下りになる繰り返しで少しずつ高度を下げていきます。
    ヤマツツジがまだ咲き残り、新緑の緑の中にアクセントを添えていました。

    広い尾根道が続きます。
    1本目の倒木は、半分埋まり、大きな段差があることでそれと気づく程度になっていました。
    2本目の倒木は、迂回路が踏み固められ、もうそこが正式な登山道です。
    3本目の倒木は、よいしょとまたいで、先に進みます。
    尾根から少し下がった巻き道を行くことが多くなり、そこから急下降点へ。
    トレッキングポールがあると、ここも随分楽でした。
    下るだけ下り、細い尾根をどんどん行くと、石尾根縦走路の巻き道と合流。
    尾根から少し下がっていますが、道幅は広く、歩きやすい道が続きます。
    今年の2月に歩いたときは、時間帯も違いますが、ここは明るい日差しに雪も融けていた道でした。
    今日は、曇り空に加えて木陰の薄暗い道です。
    左に回り込んでいくと、道は下り坂になり、大きなV字を描いて折れていきます。
    いったん下りきると、そこからは六ツ石山への登り返し。
    2月は雪が吹きだまって斜面と一体化し、登山道の端ギリギリにトレースがある、歩きにくい道でした。
    こんなに道幅があるのに、全部斜面と一体化したんだなあと感心しながらゆるい登り坂を行き、六ツ石山分岐。15:00。
    上の画像はそこで来た道を振り返って撮ったものです。

    少し休憩して、さらに進みます。
    道はなお尾根から少し下がった巻き道が続いています。
    先程よりも少し道幅が細くなり木の根の段差も少しあります。
    注意して歩いていくと、広い尾根に出ました。
    ここからは御前山が本当に大きく見えるのですが、木の影に隠れて、最初のうちは山の姿が見えませんでした。
    やっと見えてきた御前山の上のほうは雲の中。

    広い尾根が終わると、三ノ木戸との分岐。15:30。
    道幅のある巻き道が続きます。
    まわり込んでいくと、木陰が濃くなり、夕方のように暗くなってきました。
    登山道が深くえぐれたところに来たので、右手の林の中の踏み跡をたどります。
    覗き込むと、最近雨が少ないせいか、いつもより少しはましな様子でしたが、やはり底に泥がたまっていて、登山道を歩くのは大変そうです。
    林の中の踏み跡はやがて登山道と合流し、落ち葉の積もった下り坂へ。
    去年の落ち葉の大半は崩れて歩きやすくなっていました。
    道が緩くなり、歩きやすい道をどんどん進みます。
    三ノ木戸からの道との合流点でV字に曲がり、さらにどんどん行くと、桟道。
    そこから道は細くなり、むしろ少し歩きにくくなりますが、木陰が切れて少し明るく感じるようにもなってきました。
    ぽつぽつと雨が降ってきましたが、気になるほどではありません。
    朽ちかけた小さな小屋の前を過ぎ、道しるべの通りに右へ。
    道なりにジグザグに曲がっていくと、舗装された林道が下に見えてきました。
    林道出合。16:45。

    どんどん下り、途中は近道で林道をショートカット。
    2本目の近道で羽黒三田神社を通り過ぎ、最後の登山道を行くと、再び林道。
    しばらく行き、左手に「奥多摩駅近道7分」の道しるべの通りに階段を下っていくと、コンビニ脇にぽんと出ます。
    橋を渡って、交差点からもえぎの湯へ。17:30。
    もえぎの湯は、入場制限もなく洗い場の順番待ちもない、ほどよい盛況でした。
    木の椅子ではなく、背の高いプラスチックの椅子に変わっていました。
    背が高いと、シャワーを元の位置に置いたまま両手で髪を洗うことが難しいですし、両脇の人に水がはねやすいから、前の高さのほうが良かったかもしれません。
    まあ、そんなことは小さなことだ。
    今日は入って右手のほうの温泉でした。
    露天が薬湯ではなく温泉のほうです。
    とろっとした泉質。
    山や木々の眺めも良いので、もえぎの湯はやはりいいなあ。

    お風呂上がりもまだ外は明るく、のんびりと駅へと歩きました。
    6月の夕方の空気の匂い。
    夕暮れの山の景色。
    交差点のスーパーは閉まるのが早く、橋を渡ってコンビニへ。
    そんな回り道も、奥多摩の町を散歩している気分で歩けます。
    いつか、山を歩けなくなったら、こうやって年に何度も来ている奥多摩の町も、2度と来なくなるだろうか。
    まだ遠い話と思っていたけれど、今回の腰痛で、それは明日にもやってくることかもしれないと感じました。
    1座1座、大切に歩かなければなあ。
    そんなことを思いながら、発泡酒を手に駅へと歩きました。
      


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    2017年06月07日

    2次関数の一般式。


    今回は2次関数の話です。
    y=a(x-p)2+q
    これが2次関数の一般式です。
    中学3年で学習する、y=ax2 という放物線をx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動した放物線です。
    y=ax2の頂点は原点にあります。
    y=a(x-p)2+q の頂点は(p,q)です。
    頂点に注目することで平行移動のイメージは具体的になります。
    頂点の座標とy切片(y軸との交点のy座標)がわかれば、この放物線をイメージできますし、グラフを描くこともできます。
    どんな応用問題でも、2次関数を与えられたら、とにかくこの形に式を整理することで問題の形が見えてきます。

    しかし、数学が苦手な子は、これができないことが多いです。
    与えられた式をぼんやり眺めたまま、何をどうしたら良いのかわからず呆然としてしまうことが多いのです。
    「平方完成して」
    とアドバイスすると、
    「あ・・・」
    と思い出してその作業をする子はまだ軽症。
    「平方完成して」
    「平方完成って何ですか?」
    と訊いてくるようですと、かなり重症です。

    平方完成とは何か?
    与えられた式を( )2の形に直すことです。
    定数項がはみ出しても構いません。
    y=a(x-p)2+q
    は平方完成された形だということができます。

    昔、この説明をしていたとき、
    「y=a(x+p)2+qの式はないんですか?」
    という質問を受けたことがあります。
    そんな式は必要ないですよと説明したのですが、不評でした。
    「えー。わかりにくい!」
    「・・・・・?」
    どういうことなのか、そのときはよくわからなかったのですが、結局、根本の問題は正負の数に対する理解が不十分であることなのだと思います。
    y=a(x-p)2+q のとき、頂点の座標は(p,q)
    y=a(x+p)2+q のとき、頂点の座標は(-p,q)
    この2つの式は、結局、同じことを表しています。
    だから、2つ覚える必要はありません。
    要は、pのほうは式にするときに符号が反転するが、qのほうは符号はそのまま。
    そういうイメージですね。

    なぜ、pのほうだけ符号を逆にし、qの符号はそのままなのか。
    本当は、両方とも、符号は逆にしているのです。
    y=ax2をx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動した式は、整理する前は、
    y-q=a(x-p)2
    それを移行して、
    y=a(x-p)2+q
    となっているのです。

    でも、x軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動するなら、
    y+q=a(x+p)2
    なんじゃないの?
    そういう疑問を抱く高校生も多いでしょう。
    直観的にはそういうイメージを抱いてしまうので、この公式がますます覚えられない。
    わかりにくい。
    そういう子もいます。

    ここで、移動前の、頂点が原点である2次関数を、
    Y=aX2
    と大文字で表してみましょう。
    本当は全く別の文字を用いても良いのですが、関数らしさがなくなってますますわかりにくくなるといけないので、大文字にはするけれど、YとXを用いています。
    この放物線上の任意の点の座標を(X,Y)と表します。
    そうして、(X,Y)が移動した放物線上の点を(x,y)とします。
    このxとyとの関係を表す式が、新しい放物線の式となるでしょう。
    このXとxとの関係は、X+p=xでしょう。
    そして、Y+q=yです。
    すなわち、移項すると、
    X=x-p
    Y=y-q
    です。
    これを最初の式、Y=aX2 に代入すると、
    y-q=a(x-p)2
    y=a(x-p)2+q
    上の一般式が導かれました。

    しかし、この説明、途中でついてこられなくなる生徒が多いのです。
    文字ばっかりでよくわからない。
    何のために代入しているの?
    そんなの、代入していいの?
    大体、任意の点って何ですか?
    その点のxとyの関係を表す式が放物線の式って、本当ですか?

    数学が苦手な高校生の反応はこのようなことが多いです。
    関数に対する理解が浅いと、抽象的な証明は理解できないのも無理からぬところがあります。
    そこで、具体的に移動前と移動後の関数のxとyの値を表にして、座標平面上に点を打っていき、放物線を描いて、確かにその通りになると確かめるのが今の授業の主流です。
    しかし、ここでも、何のためにそんなふうに具体的に表にしてグラフにしているのか理解できず、なめてかかり、「何だ中学生みたいだな。こんなの簡単だ」と思っていたら、突然授業がまとめに入り、一般式の形にされるとよくわからなくておろおろする生徒もいるかもしれません。

    ともかく、2次関数の一般式は、
    y=a(x-p)2+q
    その頂点の座標は(p,q)、軸の方程式はx=p

    2次関数の全てはここからです。

      


  • Posted by セギ at 13:57Comments(0)算数・数学

    2017年06月04日

    6月17日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    6月3日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    今回は、「多項定理」の学習です。
    例えば、こんな問題です。

    問題 (a+b+c)7の展開式におけるa3b2c2の係数を求めよ。

    まずは、(a+b+c)7を逐一展開することをイメージしましょう。
    考え方の基本は二項定理のときと同じです。
    (a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)
    と書いてみるとよりわかりやすいですが、この7つの( )から文字を1つずつ選んでかけたものが、展開した際の1つ1つの項となります。

    aaaaaaaすなわちa7は1度しか出てきませんので、係数は1だとすぐわかりますが、aaabbccすなわちa3b2c2は、何回も同じものが出てくるでしょう。
    aaabbccだったり、aababccだったりと、文字の順番はそれぞれ違うでしょうが、まとめるとa3b2c2となることに変わりはない同類項です。
    そしてそれの出てきた回数が、a3b2c2の係数となるでしょう。
    それは、aaabbccを並べる順列の数と同じでしょう。
    すなわち、ここでも用いるのは「同じものを含む順列」です。

    「同じものを含む順列」の考え方は2通りあります。
    前回は並んだ箱をイメージして、特定の文字を入れる箱をそこから選ぶという考え方を用いました。
    今回は別の考え方を用いてみます。
    aaabbccで言えば、まずは7つの文字の順列を単純に考えます。
    すなわち、7P7=7!ですね。
    しかし、これは、同じ文字を別のものとして数えています。
    aについて考えれば、aの後ろに番号をつけて区別して、3つのa1,a2,a3をそれぞれ別の文字として数えていることになります。
    しかし、表面的には、それらは同じ文字です。
    a1,a2,b,a3,b,c,c も、
    a2,a3,b,a1,b,c,c も、実質は同じ並べ方で、区別する必要がありません。
    7!では、同じ並べ方を何度もかぶって計算していることになります。
    どれだけかぶって計算しているでしょうか?

    上の例で言えば、
    〇〇b〇bcc
    の〇の位置にaがあります。
    その3つの〇にa1,a2,a3を並べる順列だけ、同じ並べ方を何度もかぶって計算しているでしょう。
    すなわち、aに関しては、7!を3!で割ることで本当の順列の数が出てきます。

    次に、bについてはどうでしょう。
    これも同じで、2つのbの位置にどちらのbを入れても実質は同じなので、bの並べ方だけかぶって計算していますから、2!で割ることで本当の順列の数が出てきます。
    最後のcについても同様に、2!で割ることで本当の順列の数が出てきます。
    すなわち、7!/(3!2!2!)をすることで、正しい順列の数が導かれます。
    7!/(3!2!2!)
    =(7・6・5・4・3・2・1)/(3・2・1・2・1・2・1)
    =7・6・5
    =210
    これがa3b2c2の係数です。


    「前回のようなCを使った求め方はできないんですか」
    という質問が授業中にありましたので、そちらも解説しました。
    上の問題で言えば、まず7つの並んだ箱をイメージします。
    その7つから、aを入れる3つの箱を選びます。
    すなわち、7C3です。
    次に、残った4つ箱からbを入れる箱を選びます。
    これは、4C2です。
    上の2つは積の関係が成り立ちますから、
    7C3・4C2で全体の数を求めることができます。
    ここで、残った2つの箱には自動的にcが入ります。
    だから計算しなくても良いのですが、2つの箱から2つを選ぶ、すなわち2C2をやるとしても、同じ結果になります。
    2C2=1です。
    それをあえて書くと、
    7C3・4C2・2C2
    =(7・6・5/3・2・1)×(4・3/2・1)×(2・1/2・1)
    分数で表記するとよりわかりやすいと思いますが、これは上の解き方の、
    (7・6・5・4・3・2・1)/(3・2・1・2・1・2・1)
    と全く同じ式です。
    結局、この2つは同じ解き方なのです。

    だとしたら、上の解き方のほうが、簡単に立式できますね。
    7!/3!2!2!
    の分子の「7」はどこから来た数字かというと、(a+b+c)7の「7」です。
    分母の3!2!2!の「3」「2」「2」は何の数字かというと、a3b2c2という項のそれぞれの文字の指数です。
    与えられた式の指数と求める項の指数を見ただけでささっと立式できます。
    これが多項定理です。

    別の問題も解いてみましょう。
    問題 (a-b+2c)7 の展開式におけるa2b3c2の係数を求めよ。

    まず、7!/(2!3!2!)ですが、これだけではありません。
    それぞれの項に1以外の係数がありますので、それも考えます。
    bの係数は-1ですので、(-1)3をかけることが必要です。
    cの係数は2ですので、22もかけなければなりません。
    したがって、
    7!/(2!3!2!)・(-1)3・22
    =-210・4
    =-840
    これが答えとなります。

    さて、今回ご参加は1名様で、スルスルと授業が進み、予定していなかった「多項式÷多項式」に入りました。
    次回は、その確認から入ります。


    ◎日時  6月17日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「整式と分数式」を続けます。p8「多項式のわり算」から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。







      


  • Posted by セギ at 16:52Comments(0)大人のための講座

    2017年06月01日

    グラフに対する認識も小学生と中学生では大きく異なります。



    昔、大人のための数学教室で「1次関数」の復習をしていて、目から鱗が落ちる質問を受けたことがあります。
    1次関数のグラフを描くときは、そのグラフを通る2点を取って、それを直線で結べばいいんでしたよねと説明したときのことです。
    「本当に、それでいいんですか?何か、直線にならない気がするんですけど」
    「・・・・・え?」
    「yが途中で大きくなったり小さくなったりすると思うんですけど」
    「・・・・?」
    1次関数のグラフが直線であることに疑義を挟まれたことはそれまでなかったので、驚きました。
    「傾きがマイナスだと、直線になる気がしないんです」
    「・・・・・え?」

    なぜ傾きが負の数だと直線になる気がしないのか?
    例えば、y=-2x-3
    xとyの一覧表を作って確認しましょう。

    x -3 -2 -1  0   1  2   3
    y  3   1 -1 -3 -5 -7 -9 

    xが1ずつ大きくなると、yは2ずつ小さくなり、変化が一定であることがわかります。
    これらの点を座標平面上に取っていくと、全ての点は1つの直線上にあります。

    しかし、xが負の数であるときに、そのxに-2という負の数をかけてさらに-3をするときの値がどのように変化するか、頭の中だけでイメージするのは難しいかもしれません。
    xが大きくなるとyも大きくなるような気もするし、小さくなるような気もする。
    そのため、傾きが負の数の1次関数のグラフが直線になることがイメージできなかったようでした。 

    正負の数の計算について正確なイメージがないと、1次関数も正確にイメージできないのです。
    日頃、子どもからはこのように具体的な説明はなかなかないので、その場に立ち尽くしてしまうほどの衝撃がありました。
    1次関数のグラフを描くこと1つでも、そのように不安定な感覚と闘っている子どもがいるのだろうと思います。


    学校の数学教育が間違っているのかというと、そんなことはなく、中1の「比例」でも、中2の「1次関数」でも、初めて学習するときは、xとyがどのような値をとって変化するか、上のようにまずは表にして整理し、その表をもとにグラフに点を打ち込んでいき、それが直線になることを確認しています。
    「1次関数」は直線であることや、y=ax+bのaが正の数のときは右上がりのグラフ、aが負の数であるとき右下がりのグラフであることを実際の作業で確認するのです。

    ただ、そのような作業をしているときに、その作業の目的がよくわからない子は数学が苦手な子に多いかもしれません。
    符号ミスや計算ミスをしやすいため、自分の計算通りに点を打つと、グラフはジグザグの折れ線グラフになってしまいます。
    しかし、授業は、
    「はい。皆さん、直線になりましたね」
    と進行していきます。

    何のために何をやっているのかわからず、
    「点を打って結ぶだけだ。簡単なことをやっているなあ」
    とバカにしてかかる子もいるでしょう。
    しかし、
    「aが正の数のときは右上がりの直線、aが負の数のときは右下がりの直線になりますね」
    と、授業がまとめに入ると、何のことかわからずうろたえてしまうかもしれません。
    1つ1つの事象はわかるけれど、抽象化されると途端にわからなくなる子は、そういう反応になりがちです。

    あるいは、それすら「当たり前じゃん」と感じて聞き流す子もいるでしょう。
    大切なことを、大切であると認識できず、聞き流します。
    そうしてふっと気がつくと、1次関数が直線であるということに実感がありません。
    aの正負で直線の右上がり右下がりが決定することにも実感がありません。
    だから、aの正負によって場合分けして解かなければならない問題に対応できない。
    解説を聞いても、意味がわかりません。
    そういうことが起こります。


    中学校の関数の学習の冒頭に行う、上のように一覧表を作ってグラフを描いてみる作業の意味に気がつかない子が多いのは、小学校の算数から脱皮できていないことにも原因があるのかもしれません。
    関数のグラフは抽象化されたものなのですが、そのことがわかっていない子は多いと思います。
    小学校のグラフの学習は、「関数」ではなく「資料の整理」という単元から始まります。
    「1日の気温調べ」などの資料をグラフにし、点と点とを何の疑問もなく線分で結んでいくのです。
    それが折れ線グラフのルールだからです。

    ところが、小学校も高学年になると、そういう呼び方はしないものの「関数」の学習が始まります。
    「関係を表す式」「ともなって変わる量」といった名称の単元です。
    それは「資料の整理」とは別系統の単元ですが、グラフを使用するという点で、小学生には区別がつきません。
    5年生になって、「比例」の学習に入っても、作成した表の通りに点を打ち込んで、それを結んだだけのグラフを描いてしまいます。
    「原点と結んで」
    「グラフ用紙の最後まで直線を伸ばして」
    そう注意されれば、そんなものなのかと思ってその通りにするでしょうが、そうしなければならない理由を、小学生の大半はおそらく理解していないでしょう。

    6年生になると「反比例」の学習に入ります。
    そこでもやっぱり、点と点とを何の疑問もなく線分で結んで、カクカクした反比例のグラフを描いてしまう子は多いです。
    「もっとなめらかな曲線で結んで」
    と注意されると、素直な子は、ああそうなのかと直しますが、どうしてそうしなければならないのかを理解するのは、実は大変なことかもしれません。
    今までの折れ線グラフは、点と点とをカクカク線分で結んでいて正解だったのに、なぜ「反比例」のグラフはそれではダメなのでしょうか?
    そのことの意味を理解している小学生がどれだけいるでしょう。

    小学生が描いている「1日の気温調べ」などの折れ線グラフで用いているのは、測定値です。
    しかし、関数で描いているグラフは、測定値を結んだものではありません。
    あれは、座標平面上の点の集合です。
    共通の法則を満たす点の集合体としての直線または曲線です。

    しかし、そんなこと、小学生に話してわかる種類のことではないですし。
    中学生に話しても、わかる子もいればわからない子もいるでしょうし。

    こういう根本的なことを、言葉で説明されなくても概念のまま理解するのが子どもの能力の大きな特徴なのですが、もしも理解できなかった場合、その子には関数のグラフはどのように見えているのでしょう。
    意味のわからないことと、どのように折り合いをつけているのでしょう。

    「関数」が苦手な子が、表面上の作業手順だけは身につけたとしても、根本の理解に至らないままに終わる理由の一つにこういうことがあるのかもしれません。
      


  • Posted by セギ at 13:48Comments(0)算数・数学

    2017年05月29日

    奥多摩 戸倉三山を歩きました。2017年5月。


    2017年5月28日(日)、奥多摩の臼杵山・市道山、そして今熊山を歩いてきました。
    いつものようにホリデー快速あきかわ3号に乗車し、終点武蔵五日市駅下車。
    数馬行きのバス停は本日も大行列でした。
    3台同時発車です。9:00。
    「元郷」下車。9:20。
    バス停から来た道を数歩戻ると、登山口の坂道がありました。
    登山口の看板が出ているのでわかりやすく、助かりました。
    坂道の舗装はすぐに尽き、細い登山道を登っていきます。
    苔蒸した堰堤が前方に見えて、行きどまりかなと思うと道はくっきりと右に折れて急登が続きました。
    まだ車の音が聞こえてくるのですが、雰囲気はもう深山です。
    新緑の木漏れの下をゆっくり登っていきます。

    小さな峠に出て、道しるべ通りに左へ。
    腰の保護のために今日もトレッキングポール2本で歩いています。
    バランス的にも万全です。
    ポールを使わない普段なら、崖っぷちの細い道だし、道は斜めだし、木の根で滑るし、怖いなあと感じたかもしれません。

    ようやく稜線へ。
    のんびりした良い道が始まりました。
    1つ目のテレビ中継アンテナ。10:25。
    地図に載っているので、何となく鉄塔や携帯電話の電波塔のような大きな建造物を予期していたのですが、テレビ中継アンテナって思ったより小さいです。
    そういえば、三ツドッケに登ったときにも、中腹で同じものを見ました。

    そこを過ぎると、道はまた急になりました。
    モノレールの線路が登山道と並行して設置されていました。
    荷物運搬用のモノレールでしょうが、おもちゃみたいに細いものでした。
    丹沢の大山北尾根で見たモノレールは、運搬用でももっとごついものだったなあ。
    何を運ぶモノレールなのだろうと思っていると、機械音がして、何か降りてきました。
    うわあモノレールが下りてきたー。
    屋根のない金属の箱が下りてきたのです。
    30㎝×50cmくらいの箱です。
    中は、何に使うのかよくわからない部品が2つ3つ。
    上で何か工事でもしているのかな?

    道は急登が続きます。
    補助のため、ロープが張られていました。
    木段も整備されているので、登る分には問題ありません。

    2つ目のテレビ中継アンテナ。
    工事の作業をされている方が何人もいて、ちょっとびっくりしました。
    「撮影禁止」の掲示が何箇所もあり、それもびっくり。
    アンテナには、何か重大な企業秘密が隠されているのでしょうか。
    大岳山がすっきり見えていて良い撮影ポイントでしたが、工事中でわさわさしていたこともあり、何となくスマホを出す気になれず先を急ぎました。

    そこを越えると、臼杵山北峰。
    臼杵神社の祠がありました。
    カイコの神様を祀っているそうです。
    いったん下って登り返すと、南峰。
    ここに山頂標識がありました。11:00。
    山頂に憩う親子連れを発見。
    本日初めての登山者との遭遇でした。

    さて、道しるべの通りに下っていきます。
    そこから市道山までが、今日歩いた中では一番道が悪かったです。
    岩を越えていく箇所もあり、急な下りがあるかと思うと次は急な登りが始まります。
    しかし、向こうからやってくる人たちがときどき現れるのが励みになりました。
    マナーの良いトレイルランナー。
    山の会らしい20人ほどの集団。
    最後の急坂を登りきると、右手に明瞭な尾根が近づいてきました。
    あれは、前回降りたヨメトリ坂の尾根でしょう。
    やがて、見覚えのある笹平への分岐に出ました。
    前回は、今熊山から反対回りでここまで来て時間切れとなり、笹平に降りたのでした。
    そして、バス停で1時間以上もバスを待つことになりました。
    帰り道に本数の少ないバスに乗るのはもう嫌だ。
    反対回りを試そうと思い、今回歩いています。

    岩がちの平らな道を少し歩くと市道山。12:40。
    山頂標識が新しいものに変わっていました。
    前は山頂の西側に、狭い山頂に似合わない巨大な標識があったのですが、新しい標識は東側に置かれていました。
    まわりの樹木が育って、どちらにしろ眺望はほとんどないので、どこに置いても同じですが、前よりシンプルになったかもしれません。
    でも、山頂標識はもっと小さくていいように思います。

    ここまでの登りでかなりバテて、持参のお握りはちょっと呑み込めそうにありません。
    ゼリー飲料だけの簡素な昼食を取りました。
    賑やかな集団が登ってきました。
    山頂は狭い。
    さて、場所を譲ろう。

    市道山の山頂からはまず急な下りです。
    若いパーティが登ってきました。
    反対側からまわってくる人たちとちょうどすれ違う時間帯のようです。
    次から次へと登ってきます。
    新しい木段で整備されて、すれ違いは楽でした。
    振り返ると意外なほど高いところをすれ違った人たちが登っていくのが見えました。
    山の高さは1000m未満なのですが、アップダウンの多い山です。

    吊り尾根を右に分けて、登山道のアップダウンはさらに続きます。
    急な下りを下りながらも、すぐ先に急な登りが見えているのがつらいです。
    メンタルにきますね。( ̄ー ̄)
    ハセツネ10km地点。13:40。
    しかし、去年歩いたときと比べて木段の整備がかなり進んでいました。
    そこかしこが新しい白い丸太で整備されています。

    見覚えのある最後の大きな登りを終えて、ここから確かまき道が多かったはずと思い、ひと安心。
    予想通り、尾根道もありますが、まき道もついていました。
    勿論まき道を選びます。
    振り返った尾根の上、大きな鉄塔のオレンジ色が葉陰から見えて、ちょっとびっくり。14:25。

    道は複雑ですが、分岐の度に道しるべがあるので迷うことはありません。
    階段を下りて、いったん林道へ。
    入山峠です。
    次の登山道入り口がそこから見えていますが、道しるべもついていました。
    再び登山道に入ると、刈寄山との分岐。15:05。

    戸倉三山は、臼杵山・市道山・刈寄山の三山のことです。
    ここから急登を20分で刈寄山です。
    刈寄山は縦走路から少し離れているのです。
    前回登ったから、まあいいか。
    往復40分は、この時間帯ではちょっとやめたほうがいいなあ。
    ということで、今回はパスしました。

    尾根のアップダウンは続きますが、全てまき道を選び、どんどん先に進みました。
    道はだんだん広くなり、緩やかで歩きやすくなってきました。
    やはり、後になるほど歩きやすくなるほうが気持ちが楽です。

    最後の石段を登りきると、今熊山。16:00。
    ここでも、15人ほどの団体さんと遭遇。
    静かな山ですが、さすがに山頂では人と会います。
    ここのベンチやテーブルも新しくなっていました。

    さて、下山開始。
    「金剛の滝」の道しるべ通りに、段差のある道を降りていきます。
    全体に急坂です。
    登山道が崩落した様子で、真新しい桟道がかけてある箇所が1つ。
    さらに下っていくと、崩落予防で斜面を木材で固めてある箇所もありました。
    ところどころのベンチも真新しい。
    でも、沢にかかる橋は古い。
    大勢で一度に歩いたら危険かもという橋もありました。
    「金剛の滝」へ下りていくコースは、1か所は通行禁止。
    さらに下りていったところにあるもう1か所の分岐も、注意を呼び掛ける看板がありました。
    その道はとらず、「今熊山登山口バス停」の道しるべに従って下りていきました。

    道が平らな草地になって、赤い消火栓のある舗装された道に出ました。16:35。
    前回はなかった道しるべが登山口に立っていて、わかりやすくなっていました。
    今熊山登山口バス停に行くには、舗装道路を右に行くようです。
    私はバスには乗らず、駅まで歩いて行く道を探すことにしました。
    まずは「金剛の滝・沢戸橋」の道しるべにしたがって、変電所を右に見ながら舗装道路を歩いていきます。
    舗装道路が尽きたら、そのまま広い登山道を登っていくと、丁字路へ。
    登りの道は「小峰公園」に入る道です。
    「金剛の滝・沢戸橋」の道しるべの通りに直進しました。
    このあたりの道は登山地図には全く記されていないのですが、道幅のある平らな良い登山道が続きます。
    「金剛の滝」の分岐を左に分けて、直進。
    分岐にまた道しるべがありました。
    「沢戸橋」は直進。
    「広徳寺」の文字を確認して、その通りに右折しました。
    道は少し細くなりましたが、よく踏まれた明瞭な道です。
    その先も、「広徳寺」の道しるべの通りに行きます。
    斜面を下っていくと、舗装はされていませんが車の通れる道に出ました。
    ここに「広徳寺200m」の掲示と矢印があり、その通りに道を左へと下っていきました。
    害獣よけの低いロープのようなものをまたぐと、広徳寺。17:00。
    無事、明るいうちに下山できました。

    ポールを片付け、舗装道路を道なりに下っていきます。
    どんどん下って、最初の分岐を右へ。
    次の分岐に大きな略図の看板が出ていました。
    そこを左折。
    橋で川を渡り、そのまま道を登っていくと、檜原街道に出ました。
    「上町」交差点のところです。
    角はお茶屋さん。
    小さいですが「広徳寺」の道しるべもお茶屋さんと道をはさんだ向かい側の足元にありました。
    探したのですが、今回も阿伎留神社は発見できませんでした。
    もう一生たどりつけない気がします。
    でも、駅への道はこれが一番シンプルでわかりやすいように思います。

      


  • Posted by セギ at 12:53Comments(0)

    2017年05月25日

    6月3日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    5月20日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    前回と同じく「二項定理」の学習です。
    二項定理は、例えば、(a+b)5などを展開していく際に用いる定理ですが、全て展開するのではなく、必要な項の係数だけを求めることもできます。
    例えば、こんな問題です。

    例題 (x+2)6 を展開したときの、x3の係数を求めよ。

    全て展開していくのだとしたら、二項定理を用いて、以下のようになります。
    (x+2)6
    =6C0x6+6C1x5・2+6C2x4・22+6C3x3・23+6C4x2・24+6C5x・25+6C6・26
    =X6+12x5+30x4+160x3+240x2+192x+64
    前回も解説した通り、xの6乗の項は、6個の(x+2)から全てxを選んでかけている項です。
    それは1通りしかありませんので、係数は1です。
    xの5乗の項は、6個の(x+2)から5個のxと1個の2を選んでかけている項です。
    それは、xxxxx2を並べる順列と同じ個数だけ同類項があります。
    同じものを含む順列の考え方を用いて、6C1=6。
    係数としては、2も係数となりますので、6×2=12となります。
    xの4乗の項は、6個の(x+2)から4個のxと2個の2を選んでかけている項。
    それは、xxxx2・2を並べる順列と同じ個数だけあります。
    同じものを含む順列の考え方を用いて、6C2=15。
    2・2も係数となりますので、15×4=60。
    この辺で法則が見えてきたと思います。

    例えば、6C2の「6」は、(x+2)6の「6」です。
    6C2の「2」は、(x+2)の2を「2個」選んでいることを示します。
    それはxを6-2=4(個)選んでいるということでもあります。

    では、問題のx3の係数はどう求めることができるでしょうか。
    x3ということは、6個の(x+2)から、xを3個選んだということ。
    それは、2のほうを6-3=3(個)選んだということです。
    すなわちx・x・x・2・2・2の並べ方だけ、同類項が存在します。
    6C3=(6・5・4)÷(3・2・1)=20。
    2の3乗も係数となりますから、20×23=160。
    答えは、160となります。

    二項定理は、2項のうちの前の項、(x+2)で言えばxの項を初めは6回かける項、次はxを5回2を1回かける項というように、前の項を1個ずつ減らし、後の項を1個ずつ増やしていく形をとっています。
    最後は、全て後の項、(x+2)で言えば2を6回かけて終わります。
    二項定理の一般項は、nやrやn-rといった文字を用いるためか、それで混乱する高校生がいるのですが、全体の流れを把握することで一般項の意味を理解するとよいと思います。

    もう少し解いてみましょう。
    例題 (2x-3y)7 を展開したときのx4y3の係数を求めよ。

    xの項もyの項もそれぞれ1以外の係数がついているのに注意する必要がありますね。
    それらも全て項全体の係数に含まれていきます。
    x4y3の項ですから、7個の( )から、xを4回yを3回選んでかけます。
    すなわち、7C3。
    それに、xの係数である2の4乗、yの係数である(-3)の3乗も係数となります。
    7C3・24・(-3)3
    =(7・6・5)÷(3・2・1)×16×(-27)
    =-15120
    これが答えです。


    さて、ここからは応用です。
    易しい教科書や問題集には載っていない問題です。
    考えてみましょう。
    例題(3x2+x)8 を展開したときの x10の係数を求めよ。
    ( )内のどちらの項にもxが含まれています。
    どんなときにx10になるのでしょうか?

    3x2をp回、xをq回かけた項がxの10乗の項であるとします。
    ( )は全部で8個ですから、
    p+q=8・・・・➀ となります。
    また、x10という結果になることを踏まえると、指数法則から、
    2p+q=10・・・② となります。
    ➀・②を連立して解くと、
    p=2、q=6
    よって、3x2を2回、xを6回かけた項がxの10乗の項であるとわかります。
    あとは、二項定理にあてはめて、係数は、
    8C6・32・16
    =(8・7)÷(2・1)×9
    =4・7・9
    =252
    これが答えです。

    さらにこのような問題はどうでしょうか。
    例題 (x2+1/x)10 を展開したときのx11の係数を求めよ。

    後の項は分母にxがある分数なので、前の項とかけると、約分されてxの次数は減ってしまいます。
    x2をp回、1/xをq回かけるとすると、
    p+q=10 ・・・➀ であるのは今までの問題と変わりませんが、
    xの指数はたし算ではなくなります。
    約分されて減りますから、
    2p-q=11 ・・・② となります。
    ➀、②を連立して、
    3p=21、すなわちp=7、q=3 です。
    x2を7回、1/xを3回かけた項がxの11乗となることがわかりました。
    二項定理より、
    10C3=(10・9・8)÷(3・2・1)=10・3・4=120
    係数は120です。

    二項定理だけでなく、指数法則の理解が必要なので、こうした問題は易しい教科書や問題集からは除外されているのでしょう。
    使っている指数法則自体は中学校で学んでいる内容なのですが、pとかqとか抽象化されると「全くわからない」と言う高校生は多いのです。
    しかし、この先「指数関数」を学習した後に受験勉強で解き直すと、案外簡単に理解できることがあります。
    さて、次回の数学教室のお知らせです。

    ◎日時  6月3日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「整式と分数式」を続けます。p7「二項定理を用いた証明」から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。





      


  • Posted by セギ at 13:15Comments(0)大人のための講座