たまりば

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お知らせ

2017年10月18日

2次関数の解の正負に関する問題。


高校数Ⅰの「2次関数」のラストを飾るにふさわしい応用問題と言えば、これ。
2次関数の解の正負に関する問題です。

問題 2次方程式 x2-2ax+a+2=0 が2つの正の解をもつとき、aの値の範囲を求めよ。

発展的な問題とはいえ典型題ですので、解法パターンをしっかり把握しておきたいものです。
それには、なぜそれで解けるのか、一度しっかり理解することが大切です。
まず、F(x)=x2-2ax+a+2 という2次関数を考えます。
このグラフは下に凸の放物線です。
それが、x軸の正の部分と2点で交われば、上の2次方程式は2つの異なる正の解をもちます。
そのような放物線を座標平面上に描いてイメージします。
このとき、x軸・y軸との位置関係が重要なので、それらもしっかりと描いておくことが必要です。
きちんと描いた上で、放物線がこのような位置にくる条件を考えていきます。
x軸と2点で交わることから真っ先に思い浮かぶのは判別式でしょう。
判別式が0より大きいならば、x軸と2点で交わるのでした。

ここで「え?」となってしまう場合、判別式のところに戻って復習したほうが良いと思います。
応用問題を解く中で、以前に学習した基本が身についていないことに気づくことはよくあることですが、そこに戻って復習することを嫌う子は多いです。
「まあ、いいから、そういうことなんだとしよう」
と目先の応用問題ばかり気にかけ、解き方だけ暗記しようとします。
しかし、判別式とx軸との共有点の関係がピンとこなくなっているのなら、この応用問題は形が少し変わればもう解けないと思います。
ならば、前に戻って復習し、せめて判別式に関する基本問題で得点することを目指すほうが現実的です。

[1]判別式D/4>0より
a2-(a+2)>0
a2-a-2>0
(a+1)(a-2)>0
a<-1,2<a ・・・①

しかし、これだけでは、放物線はx軸の正の位置でも負の位置でもどこでも、とにかく2点で交わることしか決定しません。
では次に、放物線の軸の位置を決定してはどうでしょうか。
軸が正の位置にあるなら、それより右側の共有点は、正の位置に確定するでしょう。

[2]軸の方程式より
x=2a/2>0
a>0 ・・・②

ここで、
「え?今、何をやったの?何かの公式?」
とうろたえる生徒も多数出ます。
軸の方程式という言葉の意味さえわからないということもあり得ます。

2次関数の学習が始まった最初のほうで、2次関数の頂点の座標を求める練習をしています。
平方完成ですね。
一般式でいうなら、
y=ax2+bx+c
 =a(x2+b/ax)+c
 =a(x+b/2a)2-a(b/2a)2+c

本当はもっと整理するのですが、今はx座標だけ見れば良いので、ここまでとします。
頂点のx座標は、-b/2a です。
したがって、この放物線は、x=-b/2a という直線を軸として線対称です。
この直線の式を「軸の方程式」と呼ぶのでした。

「ちょっと何言ってるのかわからない」
という感想の場合、ここらへんが曖昧になっていると思いますので、復習したほうがいいのです。
「2次関数」は大きい単元なので、テスト範囲が1学期末と2学期中間に分かれることがあります。
そうなると、2学期中間テストの勉強をしていて、既に1学期末テスト範囲だったところがわからなくなっている子もいます。
しかも、「テスト範囲ではないから」と言って、前半の振り返りをしないのです。
基本がわからなくなっているのに、応用問題の解き方だけは丸暗記して済ませたい。
こういう無理をする子がいます。
でも、できるわけないですよね。
( ;∀;)

[3] F(0)>0より
F(0)=a+2>0
a>-2 ・・・③

さて、これは軸の左側の共有点のことを考えています。
軸がx軸の正の位置にあっても、左側の共有点は負の位置に来る可能性はありますね。
それを阻止するには、どうするか。
放物線が、y軸と正の位置で交われば良いのです。
そうすれば、必ずその右側でx軸と交わっています。

以上で、放物線は確かにx軸の正の部分で2つの共有点を持つように固定できました。

①、②、③より a>2
最後は、数直線上に3つの条件を整理して、3つとも満たすところだけを範囲とします。
ここで、見誤って、2つしか満たしていないところを答えとしてしまう人も多いです。
連立2次不等式を解く際にも同じ作業をするのですが、そこでも数直線を上手く読み取れない人がいます。
そこが弱点だなと感じたら、自力で正答できる自信が持てるまで重点的に練習してください。


さて、もう1つのパターンを見てみましょう。

問題 2次方程式 x2-ax+a=0 が異符号の解をもつときのaの範囲を求めよ。

これも3つの条件なのかな?
と考えてしまいがちですが、実はこれ、ただ1つの条件を満たせば良いのです。
F(x)=x2-ax+a という2次関数のグラフは下に凸の放物線です。
これがx軸と正の位置と負の位置の2か所で交わるのなら、F(0)<0 です。
これだけを満たせば、大丈夫です。
「うそだー」
と思う場合、y軸と負の位置で交わるのに、x軸の交点は正と負の2か所ではない放物線を描いてみましょう。
描けませんよね?
F(0)<0 だけが条件であることがそれで実感できると思います。

すなわち、F(0)=a<0
よって、a<0 が答えとなります。

「2次関数」は、繰り返し問題を解いて慣れてしまえば、高校数学の中でも特にわかりやすい得点源です。
(*^^)v

  


  • Posted by セギ at 12:37Comments(0)算数・数学

    2017年10月15日

    10月28日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    今月号の『山と渓谷』は高尾山特集です。
    奥高尾のメインストリートの他、北高尾や南高尾など、山地図から読み取れるほぼ全コースを案内しています。
    周辺の山からのロングコースも。
    高尾山に初めて来た山岳ライターの記事が面白かったです。
    難しい顔で名物のお団子を食べています。( *´艸`)

    さて、10月14日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    前回欠席された方がご出席。
    前回の演習から始め、最後の5分で、新しいところに突入しました。
    こんな問題です。

    問題 a+b=4 のとき、3a2+b2≧12 を証明せよ。

    a+b=4 という新しい種類の条件が提示されましたが、この使い方は何となくわかりますね。
    おそらく、代入して、文字を1種類に整理するのでしょう。
    a+b=4 より b=4-a 
    これを代入して、
    3a2+b2
    =3a2+(4-a)2
    =3a2+16-8a+a2
    =4a2-8a+16
    ここでいつものように平方完成してみましょう。
    =4(a2-2a)+16
    =4(a-1)2-4+16
    =4(a-1)2+12
    お?右辺と同じ12が出てきましたね。
    これで証明の方向が定まりました。
    (a-1)2≧0 より 4(a-1)2+12≧12
    等号はa=1のときですね。
    ならば、bも決定します。
    b=4-a=4-1=3
    よって、等号は、a=1、b=3のときに成立する。

    不等式の証明を学習していて、よく受ける質問に、
    「どのやり方で証明するのか、判断がつかない」
    というものがあります。
    パッと見た瞬間にこの問題はこのやり方、あの問題はあのやり方で証明する、と判断する基準は何なのか?
    それを求める高校生が多いのです。
    例えば、相加平均≧相乗平均 の定理を使うときと使わないときの違い、その基準は何なのか?

    気持ちはわかるんです。
    でも、そういうことはもっと演習しないと、基準や違いの説明を聞いてもピンとこないと思います。
    むしろ、そっちを覚えるほうが難しいです。
    とにかく試行錯誤してみることのほうを勧めます。
    「どのやりかたを使っていいのかわからないから、イライラする。解くのが苦痛だ」
    ではなく、
    「どのやりかたを使うのかわからないから、色々試してみる。それが面白い」
    だと思うんです。
    数学を楽しむ態度とはそういうものではないかなあと思うんですよ。

    小学校の算数や中学の数学は比較的良く出来たし得意だったという人が、高校数学が急に苦手になる原因の1つも、もしかしたらそれではないかと思うことがあります。
    中学の数学までなら、問題を読めばパッと解き方がわかった。
    数学とはそういうものだと思っていた。
    だから、色々考えないと解き方が見つからない高校数学が嫌いだ。
    自分には向いていないと感じる。
    そういうことなのではないかと思うのです。

    でも、色々考えるのが数学の楽しさです。
    (*^^)v

    さて、次の問題。
    問題 a>1、b>1、a+b=1 のとき、不等式 ax2+by2≧(ax+by)2 を証明せよ。

    まずは、上の問題と同様に代入してみましょうか。
    a+b=1 より b=1-a
    これを左辺-右辺 の式に代入して、
    ax2+by2-(ax+by)2
    =ax2+(1-a)y2-{ax+(1-a)y}2
    =ax2+y2-ay2-a2x2-2axy(1-a)-y2(1-a)2
    =ax2+y2-ay2-a2x2-2axy+2a2xy-y2(1-2a+a2)
    =ax2+y2-ay2-a2x2-2axy+2a2xy-y2+2ay2-a2y2

    うわあ・・・・。
    この先、やりようがあるのかもしれませんが、ちょっと迂回したくなってきました。
    これは、1回戻って考え直したほうが良さそうです。

    バラバラにしたのが良くなかったのかもしれません。
    代入前に戻って整理し直してみます。
    ax2+bx2-(ax+by)2
    =ax2+bx2-(a2x2+2axby+b2y2)
    =ax2+bx2-a2x2-2axby-b2y2
    =(a-a2)x2-2abxy+(b-b2)y2
    =a(1-a)x2-2abxy+b(1-b)y2

    ここで、あっとひらめくのです。
    a+b=1より、1-a=bですし、1-b=aです。
    この両方をそれぞれに代入します。
    =abx2-2abxy+aby2
    =ab(x2-2xy+y2)
    =ab(x-y)2≧0
    よって、ax2+bx2≧(ax+by)2
    等号は、x-y=0、すなわちx=yのとき成立する。

    そんなやり方、思いつかないよ。
    最初はそういう感想で当然だと思います。
    このテクニック、頭の引き出しに入れておきましょう。
    類題を解くときに使うかもしれません。

    さて、次回の数学教室のお知らせです。
    次回はいよいよ複素数について学習します。
    新しい数の登場ですよー。

    ◎日時  10月28日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「複素数」に入ります。p.19の問題21までが宿題です。

    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。



      


  • Posted by セギ at 15:48Comments(0)大人のための講座

    2017年10月12日

    場合の数と確率。思考の幻影と闘う。


    「場合の数」という単元は、小学校6年生で最初に学習します。
    「ならべ方・組合せ方」といった単元名で、全ての場合を書きだして求めるのが基本です。
    樹形図の基本もここで学びます。

    中学2年生で、「場合の数と確率」を学びます。
    「順列」「組合せ」「確率」という用語が登場しますが、この時期も基本は全て書きだして場合の数を求めることが多いです。
    中高一貫校では、この時点で公式も教えますが、公立中学では、樹形図などを用いて全て書きだしていくのが基本です。
    都立入試の問題も、そのような構造の問題が多いです。
    例えば、以下のような問題です。

    問題 サイコロを2回投げて出た目の和が6となる確率を求めなさい。

    1つのサイコロで出る目は1から6の6通り。
    よって、2つのサイコロで出る目の場合の数は、6×6=36(通り)
    このうち、目の和が6となるものは、順番に書きだしていくと、
    (1,5),(2,4),(3,3),(4,2),(5,1) の5通り。
    よって、確率は、5/36。

    簡単な問題に見えて、間違える子は案外多いです。
    間違える子の多くは、以下のように間違えます。
    和が6になるのは、(1,5),(2,4),(3,3) の3通りだけれど、順番が逆なのもあるので、
    3×2=6(通り)
    だから確率は、6/36=1/6。
    (3,3)は1通りしかないことに気づかないのですね。

    こういう思考をする子は、数学が特別できないわけではないのです。
    全部書き出して済ますのではなく、何とか計算しようと工夫しています。
    しかし、詰めが甘い。
    全部書き出していくのが嫌なら、( )内の最初のほうの数字だけに注目して、1から5までだな、それなら5通りだなと瞬時に判断するほうがよりシャープな思考だと思います。

    地道で丹念であること。
    よりシャープな思考を選択すること。
    「場合の数と確率」の単元は対極にあるような上の2つを同時に要求される単元なのだと思います。

    「何だ5通りかあ。だまされた」
    などとブツブツ言いながらも納得する子も多いですが、
    「え?6通りでしょう?(3,3)は2通りあるじゃないですか」
    と主張する子もいます。
    「いえ。(3,3)は、1通りしかないですよ」
    「2通りありますよ。こっちの(3,3)と、あっちの(3,3)は、違う(3,3)じゃないですか」
    と言うのです。
    もう1つの(3,3)の幻影が見えている様子です。
    一度この幻影が見えてしまった子は、なかなか説得できません。
    「場合の数と確率」という単元は、こういう思考上の幻影が見えてしまうのも1つの特徴なのかもしれません。


    高校数学になると、順列も組合せも公式を用いて計算するようになりますが、上のような幻影はさらに濃くなり、多くの人を翻弄します。
    数年前、高校生に組み合わせの計算を少し簡単にする方法を指導したときのことです。

    問題
    12人の生徒を7人のAグループと5人のBグループに分ける方法は何通りあるか。

    その子は、まず、12C7という式を立てました。(12や7は、実際にはCより小さく書きます)
    そこで私は、少し計算が楽になる助言をしました。
    「12人から7人を選ぶ組み合わせは、12人から5人を選ぶ組み合わせと同じだから、そっちで式を立てたほうが、約分が少なくて楽だよ」
    「ええっ?」
    「・・・・・・え?」
    その子の驚き方があまりに大きかったので、逆に私が驚いたくらいだったのですが、この話、その後が長くなりました。
    「え?どういうことですか?」
    「だから、12人から7人を選ぶということは、12人から5人を選ばないということと同じことだから、選ばない5人を選んでも、同じことなんだよ」
    「え?それは、計算するとたまたまそうなるということですか?約分するとどうせ消えるからということですか?」
    「・・・・・・たまたまじゃなくて、当然そうなるよ。12人から7人を選ぶことと、12人から5人を選ばないということは、同じことなんだよ」
    「ええ?」
    「わからない?」
    「わかりません」
    「・・・・・・・・そうか。じゃあ、とにかく、好きなようにやってみよう」
    「見捨てないくださいよ!」
    「いや、見捨ててないよ。自分のわかるやり方でいいよ」

    それともう1つ。
    これほど理解できないということは、彼女は何か他に誤解していることがあると感じたのです。
    それを見極めれば、その子が理解できる説明があるかもしれません。
    その子は、首を傾げながら、再びその問題を解き始めました。
    彼女が書き終えた式は、12C7+12C5というものでした。

    「待て。なぜ、それを足すの?」
    「え、だって、Bグループも選ばないと」
    「・・・・・12C7・12C5なら、まだわかる。いや、それも誤解なんだけれど、まだ意味がわかる。でも、たし算って何?」
    「えー?」
    「この問題は、12C5だけで答えが出るよ」
    「ええっ。何でですか?」

    12人から7人を選べば、5人が残ります。
    残った5人が自動的にBグループになるので、それを計算する必要はありません。
    Aグループに入る人を選んだ後で、さらにBグループに入る人をわざわざ選ぶ必要はないのです。
    足すこともかけることも不要です。
    12人からBグループの5人のほうを先に選んでもいい。
    選ばれなかった7人が残ります。
    その人たちが自動的にAグループになります。
    だから、人数の少ないBグループを計算するほうが少し楽なんです。

    しかし、いったん誤解し、思考がねじれてしまっている子が、上の話を理解してくれる可能性は低いのです。
    「場合の数と確率」の単元で、生徒が見てしまった幻影を消すのは大仕事です。
    例えるならそれは、シャツのアイロンかけをするとき、普通の洗濯じわなら簡単にまっすぐに伸びるのに、アイロンで誤って作ってしまったアイロンじわはなかなか取れないようなものでしょうか。

    ただ、上の話は理解してもらえなくても、理解してもらえる別の説明の仕方があります。
    12人から7人を選ぶ選び方は12C7。
    そのそれぞれに対して、Bグループは残った5人から5人を選ぶから、5C5。
    だから式は、12C7・5C5。
    でも、5C5=1なので、わざわざ書かなくてもいいですね。
    12C7=12C5 は、約分するとどうせそうなるからという理解でもいいです。
    一般式として証明するときは、そういう証明の仕方をしますから。

    この説明をすると、
    「最初からそう言ってくれれば、わかったのに」
    「・・・・・・・はい」
    そのように理解してくれる生徒は多いです。
    Bグループを選ばないままにしておくことは、どうしても納得できないので、5人から5人を選んであげると、頭の中がスッキリする様子です。
    そこがスッキリすると、12C7=12C5 の件は、大した問題ではなくなるようなのです。

    わかりやすさの基準はどこにあるのか。
    使っている言葉は、ほとんど変わらないのに。
    言葉を組み変えたり説明を変えたり、いろいろ試行錯誤をし、どれかがヒットするのを待つのですが、それでも伝わったり、伝わらなかったり。
    最初は伝わらかったことが、時間をおくと伝わったり。
    でも、それが面白いから、この仕事が好きなのかもしれません。


    最後にもう1問。これは少し難問です。

    問題 4人でじゃんけんを1回するとき、あいこになる確率を求めよ。

    シャープな思考と地道で丹念な解き方は、最終的に一致するものです。
    こういう漠然とした問題は、まずは具体的に地道に考えます。
    人を、A君・B君・C君・D君と名付けましょう。
    4人の手の出し方は、1人が3通りですから、全部で、3×3×3×3=81(通り)です。
    その中であいこになるのは、大きく分けて2通りあります。
    「全員が同じ手になる場合」と「3つの手が同時に出ている場合」です。

    まず、全員が同じ手になる場合は、
    全員がグー、全員がチョキ、全員がパーの3通り。

    次に、3つの手が同時に出ている場合。
    グー・チョキ・パーのどれかの手を2人が出し、あとは1人ずつでしょう。
    まず、グーを2人が出し、あとの手は1人ずつと考えてみましょう。
    A、B、C、Dを横に並べて、グー・グー・チョキ・パーのどの手を出すかを割り振っていきます。
    同じものを含む順列の公式で割り振ることができます。
    4!/2!=4・3=12(通り)
    これは、チョキを2人が出す場合も、パーを2人が出す場合も同じ数となるでしょう。
    だから、12・3=36(通り)

    よって、あいこになる場合の数は、
    3+36=39
    したがってあいこになる確率は、
    39/81=13/27 となります。

    このように、より具体的に考えていくことで立式が可能になります。
    高校数Aの「場合の数と確率」の問題は、より具体的に考えることが幻影を見ないコツだと思います。

      


  • Posted by セギ at 11:29Comments(0)算数・数学

    2017年10月09日

    2次不等式の解法。放物線がx軸と共有点を持たない場合。


    問題 2x2+x+5>0 を解け。

    これの、xの右の2は指数として読んでください。
    この種の問題は、テキストの解説・解答を読むと、いきなり判別式を書いて判断していると思います。
    なぜ、最初から、他の不等式とは違う解き方をするのか?
    他の不等式とどこが違うのか?
    自学自習をする上で、困惑する点の1つは、そういうところだと思います。

    でも、実は、こういう不等式も、他の不等式と同じ解き方から考え始めるのです。
    まずは普通の2次不等式のように、左辺を因数分解して解くことを考えます。
    しかし、因数分解はできないと気づきます。
    そこで、2次方程式の解の公式を使って解いていきます。
    すると、解の公式の分子の部分の√ の中、つまり判別式にあたる部分が負の数になってしまいます。
    そこで、ああ、この2次不等式は、普通のと違うぞと気づく。
    その流れで大丈夫なんです。

    ただ、慣れてくれば、そんなことをする前に、まず判別式だけ暗算することも可能です。
    というよりも、2次不等式を見た瞬間に、判別式は負の数になるなあとピンとくるんです。
    判別式 D=b2-4ac
    aは正の数となるように不等式は整えてあります。
    そこでcの正負が後半の-4acの正負を決定します。
    cが負の数ならば、-4acは正の数となり、b2-4ac全体も正の数なります。
    問題は、cが正の数のときです。
    cが正の数で、bの2乗よりも4acのほうが大きいと、D<0となります。
    正確にかけ算しなくても、ひと目で大体のことは判断できます。
    そういうこともあり、数学のテキストは、いきなり判別式を用いての解説が始まっています。

    しかし、このことを高校生に教えるのは難しいときがあります。
    cか正の数で、bの2乗よりも4acのほうが大きくなればいい。
    このことをなかなか理解できない子がいます。
    判別式を暗記していないため、書いてみないとわからない子もいます。
    bの2乗と4acのどちらが大きいかは、きちんと計算しなければわからない、と主張する子もいます。
    「こういうのは、私はきちんと計算しないと嫌なんですっ!」
    と、キレ気味の反応をする子もいます。

    結局、
    「わからないから、普通に解きます」
    と言われてその話は終了、というのはよくあることです。
    ( ;∀;)

    でも、それでも構わないんです。
    最初に書いたように、まずは因数分解できるのかなあと考え、ダメなら、2次方程式の解の公式で解いてみて、√ の中身が負の数になることに気づき、ああ、特別なタイプの2次不等式だと気づくという順番で、一向に構わないと思います。

    問題に戻りましょう。
    2x2+x+5>0 を解け。
    判別式D=1-4・2・5=-39<0
    判別式が負の数ですから、放物線y=2x2+x+5 は、x軸と共有点を持たないですね。
    軸と共有点を持たない、下に凸の放物線です。
    x軸の上空を放物線が浮いているイメージですね。
    では、そのyの値は常にy>0でしょう。
    ということは、すべてのxについてy>0、すなわち2x2+x+5>0 が成り立つということです。
    よって、この不等式の解は、すべての実数です。

    ここでの課題は、やはりどうしても y>0 と2x2+x+5>0 とが頭の中で一致しないことでしょう。

    x座標とy座標との関係について、何かが頭の中で詰まっていて、つながらない。
    そういう子は多いです。
    先日も、中学生に「1次関数」の授業をしていました。

    問題 直線y=1/3x+5・・・① がある。x軸上の点Pを通るx軸に垂直な直線と直線①との交点をQとする。
    点Pのx座標をtとするとき、PQの長さをtを用いて表せ。
    ただし、t>0とする。

    問題より、P(t,0)ですから、その真上にある点Qのx座標もtです。
    そして、点Qは直線①上の点ですから、Q(t,1/3t+5)と表すことができます。
    よって、PQ=1/3t+5 が答えです。

    この問題、わかる人には本当に何でもない問題なのですが、わからない子にとっては、もしかしたら一生理解することはないのではないというくらいわからないようなのです。
    点Pのx座標がtというのがまず少し抵抗があるようですが、それは問題にそう書いてあるので、仕方ないから諦めるようです。
    pの真上の点Qのx座標が同じtであることも少しモヤモヤしているようですが、まあギリギリ理解できるようです。
    しかし、Qのy座標が 1/3t+5 になることは理解できないのです。
    まして、PQ=1/3t+5 になることとなると全く理解できない様子です。

    「直線上の全ての点のx座標とy座標には、その直線の式と同じ関係があるんだよ。直線は、そういう性質の点の集合なんだから」
    「そうなんですか?」
    「うん。だから、y=1/3x+5 という関係が成り立つので、xがtのときは、yは1/3t+5になるんだね」
    「代入すればいいってことですか」
    「すればいいっていう言い方はちょっと引っかかるんだけど。本当にわかる?」
    「いや、全然わかんないです」
    「どこがわからない?」
    「いや、もうそれでいいってことで」
    「・・・・もう1回説明しますよ」

    このような中学生は多いです。
    理解していないので、問題の形式が少し変われば、もうそのことを利用できません。
    関数の応用問題が解けない子は、多くの場合、ここでつまづいています。
    座標平面上の点のx座標とy座標との関係を利用できません。
    その点がどの直線上にあるかに着目すれば、その直線の式を用いて、y座標を表すことができるのです。
    しかし、多くの子は、その点がどの直線上の点であるかに着目することができません。
    直線の式を用いるという発想を持つことができません。
    わかる子は一度の説明でスルッと理解するのですが。
    ここで、関数がわかる子とわからない子との間に大差がついていきます。
    何としても、中学のこの段階で関数の根本を理解しておいてください。
    高校数学を学ぶときに、大きく影響しますから。

      


  • Posted by セギ at 12:33Comments(0)算数・数学

    2017年10月05日

    2次不等式の解法。放物線がx軸と接する場合。


    さて、「2次不等式」の話の続きです。

    問題 x2-4x+4≧0 を解け。

    これは左辺が平方の形に整理されます。
    (x-2)2≧0
    2次関数 y=(x-2)2 を
    グラフにしてみると、点(2,0)でx軸と接する下に凸の放物線となります。
    この放物線は、すべてのxについてy≧0が成り立ちます。
    よって、もとの不等式の解はすべての実数です。


    問題 x2+6x+9>0 を解け。
    (x+3)2>0 と整理できます。
    放物線y=(x+3)2 は、点(-3,0)でx軸と接する下に凸の放物線です。
    これは、x=-3のときだけは、y=0となり、y>0を満たしません。
    だから、この不等式の解は、x=-3をのぞくすべての実数となります。


    問題 x2-6x+9≦0 を解け。
    (x-3)2≦0 と整理できます。
    放物線y=(x-3)2 は、点(3,0)でx軸と接する下に凸の放物線です。
    これは、x=3 のときだけy=0となり、y≦0を満たしますが、それ以外は全てy>0となり、y≦0を満たしません。
    よって、解は、x=3 となります。
    「不等式なのに解が1つだけでいいの?」
    と納得しない高校生もいるところですが、あてはまるところが1つしかないのですから仕方ありません。

    問題 x2-4x+4<0 を解け。
    (x-2)2<0 と整理できます。
    放物線y=(x-2)2 は、点(2,0)でx軸と接する下に凸の放物線です。
    これは、どのような場合にもy<0を満たしません。
    よって、解はない、となります。


    このようなタイプの問題を整理すると、

    (x-a)2≧0 のとき、 xはすべての実数
    (x-a)2>0 のとき、 xはaを除くすべての実数
    (x-a)2≦0 のとき、 x=a
    (x-a)2<0 のとき、 解はない

    上の( )の次の2は、指数として読んでください。
    この4パターンを理解するのにかなり時間がかかる子がいます。

    時間がかかっても正しく理解してくれたらそれで良いのですが、覚え間違えてしまう子もいます。
    奇跡的なほどに、逆に逆にものごとを覚えてしまう子がときどきいるんです。
    もういっそ、最初から逆に教えたら、むしろ正しく定着するんじゃないか、というほどに。
    解説を聞いて、そのときは理解しても、1週間経つと、また逆になっています。
    やればやるだけ混乱してしまう様子です。
    ( 一一)


    初期に覚え間違えると一生混乱するということはあります。
    私も、そういうのが1つあります。
    「熊」のアクセントがいまだによくわかりません。
    動物の「熊」と、目の下の「くま」の、どちらか頭高型アクセントだったか、混乱しがちです。
    これ、テレビを見ていても、アナウンサーやナレーターによってアクセントがバラバラであるように思うんですよ。
    私が混乱しているからそう思うのかなあ。
    ( 一一)

    最初に覚え間違えると、一生たたります。
    以前、あるタレントさんが「警視庁」と「警察庁」のどちらが何だったか、最初に覚え間違えて、よくわからなくなっているとぼやいていました。
    むしろ、世間一般では、警察庁というものの存在がほとんど認識されていないので、そこの混乱は起こりにくいのですが。
    高学歴タレントならではの不思議な混乱でした。


    左辺が平方になる2次不等式に話を戻して。
    「解はすべての実数」「解はない」などが答となる場合に、
    え、そんなのが答えでいいの?
    と納得しない高校生もいます。
    「解いた気がしない」
    と言うのです。

    すべての実数というのは、結局なんでもいいということだから、そんなのは答えと言えないのではないか。
    そんなふうに考えてしまうようです。
    そういう子は、x<3 というような答えでも、実は不満で、何ではっきり定まらないのが答えなんだろうと口にすることがあります。
    まだ小学校の算数の意識が残っているのかもしれません

    不等号に対する概念が小学生のままなのだと思うのです。
    不等号は、小学校では、大きさ比べ以外では使いません。

    3<5

    というようなことですね。
    実際には、
    2/7<0.3
    というように、小数と分数の大きさ比べなど、上の例よりは難しいことで使いますから、何かもっともらしいことをしている気がしますが、結局、小学生の間は、大きさ比べをしているだけです。

    しかし、x<3 が表しているのは、大きさ比べではありせん。
    「xは、3未満のすべての実数である」という意味なのです。
    これを、答えが定まっていないように思うのは誤解で、明確に定まっているんです。
    しかし、
    「xと3とを比べると、xのほうが小さい」
    というふうにしか思わないと、xの値はぼんやりしていて、じゃあなんなの?と感じてしまうようです。

    同様に、
    「解はすべての実数」
    というのも、解として明確に定まっています。
    解はすべての実数として、定まっているのです。
    しかし、そのことが理解しづらい子もいるようです。

    本人の理解不足から、
    「数学って何か変」
    「数学っておかしい」
    と不満を抱くようになり、数学を否定し始めることがあります。
    数学を否定し、数学を勉強しない言い訳にし、数学で受験できないようになってしまうのは、しかし、勿体ないです。
    全てを理解できないとイライラするのかもしれませんが、わかるところとわからないところがあっても数学全体は否定せず、何とかつきあっていってほしいなあと思うのです。

    難しい内容に対して、
    「学校でそんなのやってない」
    と主張する子もいます。
    これは微妙な話です。
    本当に学校で習っていないこともあるからです。
    進学校でない場合、こういう難しいところは省略してしまうことはあるでしょう。
    本人が数学を入試科目に使用する可能性が皆無であれば、無理に教える必要はないと私も判断します。

    しかし、本人が「やっていない」と思いこんでいるだけで、実は、学校で習っている可能性も高いのです。
    授業を聞いていない。
    授業が理解できていない。
    だから、何を学習し、何を学習していないのか、よくわからない。
    そういうことは珍しくありません。


    必ず持ってくるように言っても教科書を持ってきません。
    学校のノートもありません。
    学校の問題集だけは、塾で学校の宿題をやりたいなと期待して持ってきているので、それで調べます。
    「ここに、この問題が載っているけれど、本当に習っていないの?」
    そのように具体的に質問していくことで、ようやく本人の記憶が戻ってきたりします。
    「あ。やったかもしれない」

    ( ;∀;)


    「実数」という言葉が突然出てくると、えーと、実数って何?と言い出す子もいます。
    用語がいろいろありすぎて、だんだんわからなくなってくるという話は、少し前にもここでしました。
    しかし、数学の用語を使わないと、説明はもっとわからなくなります。

    以前にこんなこともありました。
    中学3年生と図形問題を解いていたときのことです。
    「この問題、補助線が要るね。どう補助線を引く?」
    と私が問いかけたところ、その子は、
    「真ん中の棒に、それと同じ幅の棒を、何かえーと、同じ幅になるように書いて・・・・・」
    と説明し始めました。
    「・・・・・待て。何を言っているのか、わからないよ」
    「だから、ここの棒を」
    「・・・・・・線分ACのことなの?中3が、数学の時間に、『線分』を『棒』と言ったらダメだよ」

    さらに彼の説明を聞くと、彼がしきりに「同じ幅」と説明していたことは、平行線のことだろうかと思ったのですが、実は、点Pから線分ACに垂線を下ろすことだったのです。
    さすがに、それは伝わらない。
    ( ;∀;)

    数学用語がたくさんあり、そのすべてについて厳密に定義されているのは、必要があってのことです。
    本人が使用している言葉の意味が、他人の理解とは異なる場合、伝えたいことが伝わらなくなります。
    だから、数学用語を正しく理解し、正しく使用することは、意味のあることなんです。

    教える側が、「すべての実数」という言葉を使わず、
    「なんか、何でもいいやつ」
    などと説明したら、おそらく、誰も理解できませんよね。
    (^-^;

    自然数、整数、有理数、無理数、実数。
    そして、この先に、虚数。
    用語の意味がわからなくなったら、その都度定義に戻って、正しい用語を正確に使用していきましょう。

      


  • Posted by セギ at 13:17Comments(0)算数・数学

    2017年10月03日

    10月14日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    9月30日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    今回は、「絶対値を含む不等式の証明」を学習しました。
    「絶対値」という言葉は、中学1年生の「正負の数」の最初のほうで学びます。
    数直線上での原点からの距離をその数の絶対値と呼びます。
    だから、+3も-3も絶対値は3です。
    したがって、絶対値とはその数の符号を外した数、すなわち正の数ととらえることができます。

    ここまでならシンプルな話なのですが、絶対値に文字がからむと途端にわかりにくくなるようです。
    例えば、高校数Ⅰで学習する以下の内容。

    |a|≧a
    |a|≧-a
    |a||b|=|ab|
    |a+b|2=a2+2ab+b2

    パッと見て、「そりゃそうだ。当たり前だ」と感じる子と、「え?え?何?」と焦る子とがいます。
    1つには、文字が正負の記号を含みこんでいることが理解しきれていないせいかもしれません。
    aという文字は、a≧0の可能性とa<0の可能性とがあります。
    そう説明されれば、「それは知っている。わかっている」と言うのですが、実際に問題を解くときには、わかっていないことが露呈してしまいます。
    aは正の数。
    -aが負の数。
    そういう感覚で解いてしまう子がいるのです。

    「aという文字が何なのか決まっていないのに、何で大小が言えるんですか?」
    そう質問されて、その質問がどういう意図のものかわからず、困惑したこともあります。
    「不等式の証明」の学習の始まりには、そういう疑問はもたない様子で、それなりに解いていたのです。
    しかし、絶対値を含む不等式になると、その質問が口をついて出てしまう。
    絶対値がわからないのか?
    最初から不等式がわからなかったのか?

    不等式の学習の最初に、全ての不等式が証明できるわけではなく、証明できる不等式だけを扱っているのですよと説明してあります。
    aという文字が何なのか決まっていなくても、大小が言える不等式だけを証明しているのです。
    でも、その説明をしても、その子の顔がパッと晴れることはないのです。

    おそらく、その質問は今どきの言葉で言えば「芯を食っていない」のでしょう。
    だから、私の説明も相手を納得させることがない。
    本人が質問したいことは、そのことではないのだと思います。
    では、何を問いたいのでしょう?
    わからないことの核心は、何なのでしょう?
    おそらく、わからないことの核心は、高校数学ではなく、中学の数学、あるいは小学校の算数の時代にあるのではないかと思うのですが、深すぎてなかなか届かないのが悩みです。


    ともかく、数Ⅱの実際の問題にあたってみましょう。

    問題 |a-b|≧|a|-|b| を証明せよ。

    この問題は、テキストでは、その上に例題が載っていて、それが、
    |a|+|b|≧|a+b|
    なのです。
    その解説を聞いた上で、実際に解くのがこの問題なのは、テキストの構成に若干悪意があるかもしれません。
    単純に例題の解法をなぞって解いてもダメですよ、という警告なのでしょうか。
    見た目が似ているので、同じように解いてしまう高校生は多いのですが。

    上の問題と例題とは、違うのです。
    では、何が違うのか?
    |a|+|b|≧|a+b|
    は、左辺も右辺も、正の数です。
    正の数での大小の比較ですから、それぞれ2乗して大小を比較することで単純に判断できます。
    しかし、
    |a-b|≧|a|-|b|
    は、左辺は正の数ですが、右辺は、負の数かもしれません。
    単純に2乗して大小を比較することはできません。
    ここは、場合分けして判断していかなければなりません。

    1) |a|-|b|<0 すなわち |a|<|b| のとき
    |a-b|>0、|a|-|b|<0だから、
    |a+b|>|a|-|b|

    2) |a|-|b|≧0 すなわち |a|≧|b| のとき
    (左辺)2-(右辺)2
    =|a-b|2-(|a|-|b|)2
    =a2-2ab+b2-(|a|2-2|a||b|+|b|2)
    =a2-2ab+b2-a2+2|ab|-b2
    =-2ab+2|ab|
    =2|ab|-2ab
    =2(|ab|-ab)
    ここで、|ab|-ab の正負について考えてみましょう。
    aとbが同符号あるいは0のとき、すなわち ab≧0 のとき、
    |ab|=ab となり、|ab|-ab=0 です。
    aとbが異符号のとき、すなわちab<0 のとき
     -ab>0 となり、|ab|-ab>0 です。
    よって、
    2(|ab|-ab)≧0
    ゆえに、
    |a-b|2≧(|a|-|b|)2
    したがって、
    |a-b|≧|a|-|b|
    1)、2)より、
    |a-b|≧|a|-|b|
    等号は|ab|=ab すなわち ab≧0 かつ|a|≧|b|のときに成り立つ。

    いかがでしょうか?

    さて、今回ご出席の方は、次回は欠席のご連絡を受けました。
    次回の授業は、まずは今回の内容に関して質問を受けます。


    ◎日時  10月14日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「等式・不等式の証明」を続けます。p.19の問題17までが宿題です。

    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。




      


  • Posted by セギ at 15:29Comments(0)大人のための講座

    2017年09月27日

    2次不等式の解法。




    画像は、3年前、日影沢で撮影したキツリフネです。
    かなりピンボケですが。

    今日は2次不等式の話。
    例えば、こんな問題です。

    問題 x2-3x+2≧0 を解け。

    実際に解くときには簡略化して、作業手順だけの解き方になりますが、ここではじっくり考えてみましょう。
    まずは左辺を2次関数とします。
    =x2-3x+2
    この放物線はx軸とどのように交わるでしょうか。
    y=0を代入してみましょう。
    x2-3x+2=0
    (x-1)(x-2)=0
    x=1,2
    よって、上の放物線は、x軸と点(1,0)、(2,0)で交わるとわかります。

    x軸と2点で交わる下に凸の放物線をイメージしてください。
    ここで、不等式x2-3x+2≧0に戻りましょう。
    この不等式の解の範囲は、放物線で、x軸上とそれより上の部分ということになりますね。

    ここで「え?」「え?」となってしまう高校生は多いです。
    x2-3x+2の値というのは、yの値なのであるということが頭の中で上手く繋がらないのかもしれません。
    y=x2-3x+2
    としたのですから、x2-3x+2の値はyの値です。
    したがって上の不等式は、放物線で y≧0の部分ということになります。

    xについて解く練習ばかりしてきたせいか、x2-3x+2という式自体が何かの値を表しているということがピンとこない子は多いです。
    それがyとイコールであることも、頭の中で上手くつながりません。
    y=x2-3x+2
    と書いてあるんだから、そうでしょう?
    と説明しても、ポカンとしています。

    「え?じゃあ、x≧0が解?」
    と高校生に質問されて、ぎょっとしたりするのですが、そういうことではありません。
    y≧0の部分のxの範囲が解です。
    では、どの部分かというと、x軸で点(1,0)、(2,0)で交わっているのですから、x座標でいうと、1以下の部分と2以上の部分で、放物線はx軸上とそれより上となります。
    よって、解は、
    x≦1,2≦x
    となります。

    x軸上とそれより上の部分の放物線の各点のx座標が、この不等式の解です。
    このことを理解してもらうためにはかなり根気よく説明しなければなりません。
    ここでは、実際に放物線を用いて説明していないからわかりにくいという面もありますが、放物線を用い、わかりやすいテキストを見ながら解説しても、上手く理解できない子もいます。
    「学校でやったけど、意味がわからなかった」
    と相談を受けることが多い箇所です。

    中学生のときに関数と座標平面について確かな感覚を養ってこなかった子は、放物線上のそれぞれの点にx座標とy座標があることが曖昧なのかもしれません。
    x座標やy座標を活用するタイプの問題に弱い傾向があります。
    放物線は点が上下に動いているように見えるので、上下の方向、すなわちy座標のことしか考えられなくなるのでしょうか。
    放物線上の点には、x座標とy座標があります。
    y≧0 である範囲の放物線上の点の、x座標が解なのです。
    それをx軸上に落として説明しているテキストは多いです。
    しかし、x座標で考えることができない子は多いです。

    中学の間は、関数と方程式は、ほとんどつながりがありません。
    唯一、中2の「1次関数」で、「連立方程式のグラフによる解法」という内容を扱います。
    その際に、
    「関数をやってたはずなのに、急に連立方程式の話になるから、意味わかんない」
    と愚痴を言う中学生がいます。
    「連立方程式なんて計算で解けばいいのに、それをグラフで何かぐちゃぐちゃやっているから、意味がわからない」
    というのです。
    その「グラフで何かぐちゃぐちゃ」が、実は大切な部分なのですが、問題を解くことに短絡的にはつながりません。
    無駄に思えて無視してしまう子は多いです。
    数学の各分野でそれを繰り返すうちに、頭の中に残っているのは個々の問題の解き方だけになってしまいます。
    海の上に浮かんでいる島だけが見えていて、それが海底で全部つながっていることがわかっていない状態です。
    本人の頭の中では、島どうしがつながっていませんから、全て不安定な浮島です。
    より高度な内容が入ってきたときに、それでは処理できなくなります。
    本当に大切なのは、島ではなく、海底を作る作業でしょう。

    今回学習した2次不等式は、最初は理解してもそのうち作業手順だけになりがちなところです。
    2次不等式を実際に解くときは、いちいちグラフは描きません。
    不等号の向きだけで単純に処理していきます。
    そのせいもあって、時間が経つと途中の考え方が頭の中から消えていきます。
    海底が消え、浮島だけが残ってしまいます。
    なぜそれで解けるのか、わからなくなります。
    そうして、わからなくなっていることに、ある日突然、自分で気がつき、不安になります。
    そうなってから、先生に質問します。
    しかし、不安を感じながら聞く説明は、もう最初のときほど理解しやすいものではなくなっています。

    海底を作る作業は、本当に難しい。
    小学生の頃から、ある意味頭の回転が速く、作業を手順化して短絡的に結びつけることに慣れているタイプの子ほど、あっという間に海底が消えていくことがあります。
    全ては海底でつながっていることを常に意識して問題を解いていきたいですね。


      


  • Posted by セギ at 11:46Comments(0)算数・数学

    2017年09月25日

    奥高尾、日影沢から大平林道からを歩きました。


    2017年9月24日(日)、奥高尾を歩いてきました。
    朝、どんより曇っていると、午後から晴れるという予報があっても奥多摩まで足を伸ばす気になれず、今日も奥高尾です。
    秋の観光シーズンの始まりでしょう。
    高尾駅北口のバス停はいつもより長い行列でした。
    小仏行きのバスに乗車。8:52。
    2台目のバスで座れることができました。

    日影で下車し、支度をして出発。9:15。
    金曜日の雨の名残りか、地面は湿っていました。
    沢からの冷気も上がってきて、ヒンヤリして歩きやすい道です。
    今は、ツリフネソウの花盛り。
    上の画像がそれです。
    ひと株だけ黄色い花のキツリフネがあるのを毎年楽しみにしていたのですが、林道の舗装工事の影響でなくなってしまったようです。
    赤いツリフネソウはそこら中にあり、まるで雑草みたいだから、一緒にされちゃったのかなあ。
    黄色い株は、日影沢ではここだけだったのに。
    残念です。

    林道の柵を越えると、高尾方面の見晴らしがよくなってきます。
    伐採したところで地滑りが起きたのらしい山肌が見えました。
    ふわあ。

    雲が切れ、青空が見えてきました。
    電波塔のそびえる明るい空に向かって歩いていきます。
    この辺りはいつ歩いてもすがすがしい道です。

    小仏城山。10:35。
    休日の城山は例によって大賑わいです。
    かき氷の旗もまだひらめいていますが、今日は、そんなに体温が上がらなかったので要らないかな。
    山歩きに良い季節になってきました。

    ツリフネソウが目当てで日影沢を登って来ましたが、さて、これからどこに行こう。
    やはり南高尾山稜でしょうか。
    名前の通り南面の道なので、この季節にはまだ暑いんですが。

    ともかく、高尾方面へと木段を降りて行き、分岐のデッキまで来ました。
    「南高尾方面、200m先、ハチの巣の落下の可能性あり。迂回してください」
    という掲示があり、入り口に低くロープが張ってありました。
    完全に侵入を禁止するのではない微妙な高さのロープです。
    注意を促しているだけかな?
    途中で問題のハチの巣を避けることができる迂回路があるのかな。
    それとも、別の道に迂回しろということかな。
    ちょっとわかりにくい情報の示し方ですね。

    よくわからないので、もう少し高尾寄りに進んだところから入ろうかと思いましたが、その入り口はもともと狭いうえに丈の高い夏草が生えて、ちょっと入りづらい印象になっていました。
    この道は、先ほどの道と合流するのですが、そこは果たしてハチの巣を回避した先なんだろうか。
    どうも入っていく気になれず、一丁平へと進みました。
    展望台は、今日も富士山は見えず。
    雲がわいて、丹沢もよく見えません。

    展望台から下っていくと、一丁平の園地。11:20。
    切り株の1つに座って、山地図を開きました。
    ここから南高尾に行く道があったんじゃなかったかなあ。
    高尾の山地図の裏側の、高尾山周辺の詳細図を見ました。
    ああ。ありました。
    ここは歩いたことがない。
    ちょっと興味が湧いてきて、そこを歩いてみることにしました。
    一丁平の園地は、小学生が高尾に遠足に来たときにお昼ご飯を食べる場所に使われることが多いところです。
    山の中にしては広く平らな場所で、そこに南に向かう明瞭な踏み跡がありました。
    踏み跡をたどっていき、あずまやを左に見てさらに進んでいくと、突き当り。
    ここは下るほうが正しいだろうと左に道をとりました。
    道はどんどん細くなっていき夏草に覆われています。

    チョウがたくさん舞っていました。
    人が入ってきたので驚いてヒラヒラしています。
    あ。ウラギンヒョウモンチョウ。
    大きめのチョウですが、三鷹でも見たことがあります。
    そして、真っ黒い大きなアゲハチョウ。
    これは、高尾の麓のミュージアムで標本になっていたんじゃないかなあ。
    レースのような美しいフォルムです。

    夏草をかき分けて進んでいくと、ポンと開けて、再び道は広くなりました。
    木段も整備されています。
    向こうから登ってくる人も現れました。
    例によって、甲州街道でバスを降りて登ってきた人たちでしょうか。
    そう言えば、今月の『山と渓谷』の別冊付録は、関東近郊バス時刻表。
    この昨年度版はとても重宝しました。
    今年度版も活躍しそうです。
    しかも、来月号は「高尾山」特集だとか。
    「山と渓谷」が高尾を特集する?
    どんな記事になるのか、今から楽しみです。

    道は細くなったり広くなったりを繰り返しますが、雨上がりの湿った土でもそんなに苦労しないで下りていける程度には整備されています。
    そして、鉄塔横の広い分岐に出ました。
    地図で確認。
    ここは大平林道ですね。

    右に少し進むと、また分岐があり、「大垂水」の道しるべがありました。
    ここから斜面の細い道を降りていくと、甲州街道に出られます。
    以前、冬の日にここは歩いたことがあったなあ。
    ところで、この大平林道自体はどんな感じの道なんだろう。
    南高尾は、また晩秋や冬の日に歩いたら良いので、今日はこの大平林道を歩いてみようかな。

    大平林道は、舗装はされていませんが、車が1台通れる道幅の平らな良い道でした。
    一般車両は侵入禁止だそうで、結局、車には1台も出会いませんでした。
    奥高尾主脈の少し下を巻いていく林道です。
    尾根道よりもずっと回り道ですが、人がいない静かな道でした。
    斜面をアサギマダラがふわふわと滑空していました。
    この渡りチョウは、大きいし模様や色が特徴的なので、遠目にもすぐわかります。
    居なくなったと思ったら、また別のアサギマダラ。
    これからどこまで旅をするのかなあ。
    今日はチョウに縁のある山歩きです。

    南面の明るい林道は、誰もいなくても不気味さも寂しさもなく、ただ静かでした。
    ところどころの岩肌から水があふれています。
    尾根を歩いているときは気がつかないけれど、高尾は水があふれる山。

    林道終点。12:15。
    山肌から水がしみだし、地面は濡れていました。
    そこから道は細くなり、最初に歩く予定だった南高尾山稜への下り道と合流するのでしょう。
    「大垂水・東海自然歩道」と道しるべにはありました。
    小仏城山から相模湖へ下る道ともつながっているんだなあ。

    終点まできて納得したので、来た道を戻りました。
    大平林道、楽しい。
    水平で楽だし。( ^^) 

    一丁平から降りてきた分岐のところまで戻ってきました。
    道しるべを確認すると、尾根にすぐに合流する「学習の道」は、今、工事中で侵入禁止との掲示がありました。
    稲荷山尾根とは合流できるようです。
    そちらに向かって、歩きだしました。
    伐採工事中で、丸太が積み上げられていたり、重機が置いてあったりしますが、日曜日で工事はお休みの様子です。
    たまに人がいて、相手の人も「お?こんなところを人が歩く?」と驚いたような顔をします。
    ( *´艸`)

    高尾山が近づいてくると、ときどき林道は舗装されていました。
    さらに進んでいくと、林道終点。
    「この先行き止まり」の道しるべがありました。
    左方向を示す道しるべに従い、細い道を上がっていきます。
    木段で整備されていますが、かなり狭い道でした、
    これ下りは嫌だろうなあと思いながら登っていくと、稲荷山尾根の登山道にぽんと出ました。
    すぐ右手に木段の上りが見えています。
    左手には、六号路琵琶滝コースへの道が。
    ここは今日も侵入禁止でロープが張られてありました。
    落石事故の点検、いつ終わるのかなあ。
    ベンチに座って休憩。13:55。
    大平林道は、座って休憩するポイントがないのが唯一の難点。
    ここでようやくお昼ご飯にしました。

    上からどんどん人が下りてきます。
    登ってくる人もどんどんいます。
    稲荷山尾根は大賑わい。
    先程の静けさとのギャップに驚くばかりです。

    おにぎりを2つ食べ、ポットに詰めてきた冷たいお茶をのんびり飲んで、さて下山します。
    2週間前も歩いた稲荷山尾根。
    本当にこの道は歩きやすくなりました。
    高尾山口。15:40。
      


  • Posted by セギ at 12:01Comments(0)

    2017年09月22日

    2次方程式の解と係数。


    2次方程式 ax2+bx+c=0 の2つの解をα、βとすると、
    α+β=-b/a , αβ=c/a

    これが「2次方程式の解と係数の関係」と呼ばれるものです。
    非常に単純なことであるにも関わらず、全く理解できない子や、そのときは理解してもすぐ忘れてしまい活用できない子の多いところです。
    何がいけないのだろうと考えるに、まず「α」「β」という文字遣いがいけないのでしょうか。
    もっと親しみやすい文字だったら、もう少しとっつきやすいのかもしれません。

    α(アルファ)やβ(ベータ)はギリシャ文字です。
    数学では他にギリシャ文字のɤ(ガンマ)、ω(オメガ)、θ(シータ)、Σ(シグマ)などを良く使います。
    「何でそんなの使うの!余計にわからなくなる」
    と頭の硬いタイプの子は不平を言いいます。
    でも、種類の異なる事柄を語る際には、アルファベットとは種類の異なる文字を使ったほうが、むしろわかりやすいと思います。

    ギリシャ文字を使うのは、これが初めてのわけでもありません。
    中学1年生から馴染んでいる円周率π(パイ)。
    あれも、ギリシャ文字です。
    なぜπにはあまり抵抗感を抱かないのでしょう。
    こんな文字は使いたくないと怒りだす中学生は見たことがありません。
    それは、πがあまりにも便利だから、その喜びに、他のことはどうでもよくなるからでしょうか。
    ×3.14の計算からこれで解法されるという喜びが、「πって見たことないけど何なの?」という違和感を凌駕するのでしょう。
    結局、違和感や抵抗感は、本人の気持ちの問題なのでしょう。
    それを数学嫌いの口実に使うのは、自分の将来を狭めるだけで、勿体ないです。

    とは言え、テキストに突然ギリシャ文字が表れて、何の説明もなされないとなると、違和感があるのも事実。
    仲間内の集まりと聞いていたのに突然知らない人が参加していて、誰も何にも説明してくれないような感じはするでしょうか。
    だから、最初に出てきたときに、紹介してあげれば良いのでしょう。

    ギリシャ文字のアルファとベータが今後は登場します
    aやbなどの英文字を使っているところに、それとは種類の違う数量を表したいときに使います。
    アルファは、上からひと続きで書きます。
    ベータの書き順は、下からひと続きです。
    お見知りおきを。

    これくらいの紹介をするだけで、案外すんなり受け入れてもらえるものなのかもしれません。

    さて、本題に戻って。
    解と係数の関係に関する問題を少し解いてみましょう。

    問題 2x2+bx+c=0の2つの解が1と3であるとき、b、cの値を求めなさい。

    これの地道な解き方としては、x=1、x=3をそれぞれ代入して、2本の式を作り、連立方程式として解く方法があります。
    x=1を代入すると、
    2+b+c=0 ・・・・①
    x=3を代入すると、
    18+3b+c=0 ・・・②

    ②-①をすると
    16+2b=0
       2b=-16
        b=-8 ・・・③
    ③を①に代入して
    2-8+c=0 
         c=6
    よって、b=-8、c=6

    しかし、以下のように解くこともできます。
    x=1,3 である2次方程式の1つは、
    (x-1)(x-3)=0 である。
    これを展開して、
    x2-4x+3=0
    全体を2倍して、
    2x2-8x+6=0
    これは 2x2+bx+c=0 と同じものだから、係数を比較して、
    b=-8、c=6

    はるかに簡単に同じ答えが出てきました。
    x=1,3 が、なんで (x-1)(x-3)=0 になるのかわからないという質問をときどき受けるのですが、これは、2次方程式を解く作業を逆転させていると考えてください。
    (x-1)(x-3)=0
    と因数分解された2次方程式の解は、x=1,3 ですね。
    その逆を行っています。

    ここまでくると、一番上で説明した解と係数の関係もわかってきたかと思います。

    証明してみましょう。
    2次方程式 ax2+bx+c=0 の2つの解をα、βとすると、
    (x-α)(x-β)=0 が成り立つ。
    これを展開して、
    x2-αx-βx+αβ=0
    x2-(α+β)x+αβ=0 ・・・・①
    ここで、ax2+bx+c=0 の全体を1/a倍すると、
    x2+b/ax+c/a=0 ・・・②
    ①と②は同じものであるから、係数を比較して、
    α+β=-b/a 、αβ=c/a
    これが、解と係数の関係です。

    こんなの何に使うのかというと。
    忘れた頃に応用問題でガンガン使うことになります。
    どうぞ、お見知りおきを。
      


  • Posted by セギ at 11:01Comments(0)算数・数学

    2017年09月17日

    9月30日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    9月16日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    今回は、相加平均と相乗平均の話です。

    言葉がまず少し難しい印象ですね。
    相加平均は、小学生の頃からお馴染みのいわゆる「平均」です。
    n個の数の和をnで割ったものです。
    一方、相乗平均は、n個の数の積のn乗根となります。

    ところで、まだ「指数関数・対数関数」の単元を学習していませんので、この「n乗根」というのが厄介です。
    今回の学習内容では、そこまで話を拡大する必要がありませんので、2つの数に限って話を進めましょう。
    今回欠席された方は、テキストp18の14番は解かないでください。
    質問もご遠慮ください。
    いずれ「指数関数・対数関数」を学習するときに、しっかりやっていきましょう。

    2つの数に限定して説明すると、
    相加平均は、2数aとbとの和を2で割ったもの。つまり(a+b)/2。
    相乗平均は、2数aとbの積の平方根。つまり、√ab です。

    a≧0、b≧0のとき
    (a+b)/2≧√ab
    等号はa=bのとき成り立つ。

    これが、
    相加平均≧相乗平均
    定理です。

    証明もそんなに難しくありません。
    左辺-右辺をやってみましょう。
    左辺-右辺≧0 となれば、左辺≧右辺 ですね。
    (a+b)/2-√ab
    これをまず通分します。
    =(a+b-2√ab)/2
    中3で学習した因数分解の公式が使えそうです。
    =(√a2+√b2-2√ab)/2
    =(√a-√b)2/2≧0
    よって左辺≧右辺となります。
    等号は√a-√b=0、すなわち a=b のとき成り立つ。

    相加平均≧相乗平均 の定理は、分数のままだと使いにくいので、両辺を2倍して、
    a+b≧2√ab
    の形で利用することが多いです。
    では、利用してみましょう。

    問題 a≧0、b≧0とする。
    (a+1/a)(b+1/b)≧4 を証明せよ。

    左辺の( )内がそれぞれ和の形になっています。
    文字の並びからして相乗平均したら右辺のように文字が消えて数字だけが残りそうです。
    これは、相加平均≧相乗平均 の定理が使えるでしょう。

    相加平均≧相乗平均 より
    a+1/a≧2√a・1/a
    a+1/a≧2√1
    a+1/a≧2 ・・・①
    同様に、
    b+1/b≧2 ・・・②
    ①×②をすると
    (a+1/a)(b+1/b)≧4
    等号はa=1/a かつ b=1/b すなわち、a=b=1のとき成り立つ。


    見た目は似ているようでも、全ての問題で相加平均≧相乗平均を使うわけではありません。

    問題 a≧0、b≧0のとき、√2(a+b)≧√a+√b を証明せよ。

    これも、相加平均≧相乗平均 を使うのだろうかと悩む高校生がときどきいますが、試しに使ってみると、すぐに式がグチャグチャになってきて行き詰まることがわかると思います。
    あれこれ悩む前に、可能性を感じるのならやってみたら良いと思います。
    手は動かさないのに、「使えるの?使えないの?どうやって見分けるの?」と質問する高校生は多いのですが、手を動かし、試行錯誤すれば、見分けがつくようになります。
    そうなる前に説明だけ聞いて見分けようとしますと、その説明が長くしかも細かくて何を言っているのかわからないということが起こりがちです。

    さて、上の式はa≧0、b≧0ですので、左辺も右辺も正の数であることがわかっています。
    ならば、それぞれ2乗しても大小関係は変わりません。
    だから、それぞれ2乗してみましょう。
    左辺2-右辺2
    =2(a+b)-(√a+√b)2
    =2(a+b)-(a+2√ab+b)
    =2a+2b-a-2√ab-b
    =a-2√ab+b
    =(√a-√b)2≧0
    よって√2(a+b)≧√a+√b
    等号は√a-√b=0 すなわちa=b のとき成り立つ。

    今までのところを整理しますと、不等式を証明するには、左辺-右辺≧0 を示すのですが、そのためには、
    ①平方完成する
    ②相加平均≧相乗平均 を利用する
    ③全体を2乗する
    これらのうちのどのテクニックを使うかは、その問題ごとに自分で判断します。
    判断がつかないうちは試行錯誤してみましょう。
    数学の問題を解いていて一番楽しい時間は、この試行錯誤の時間だと思うのです。
    一番意味のある時間でもあると思います。

    さて、次回の数学教室のお知らせです。

    ◎日時  9月30日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「等式・不等式の証明」を続けます。p19の問題15が宿題です。

    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。



      


  • Posted by セギ at 13:03Comments(0)大人のための講座

    2017年09月13日

    2次関数。放物線と直線の交点。


    放物線と直線の交点に関する問題は、中3の「2乗に比例する関数」でまず学習します。
    放物線の式と直線の式とを連立して解けば、交点の座標を求めることができます。
    そんなに難しい内容ではないのですが、このことに対する理解は大きく3段階に分かれます。
    どうしてそのようにして求められるのか、深く理解している子。
    どうしてそのようにして求められるのかはあまり理解できないが、作業手順として覚えている子。
    作業手順もなかなか覚えられない子。

    作業手順として覚えているのなら正解は出せるのだからまだ良いのではないかという考え方もありますが、深い理解をしていない場合、この知識を座標平面上の図形などの応用問題に活かせないことが多いのです。
    応用問題を解く際に、
    「とにかく、今求められるものを求めてみよう。その値は絶対使うから」
    などと声をかけても、何を求められるのかわからず、ぼんやりしてしまう子は、作業手順だけを覚えてきた子です。

    「放物線と直線の式は問題に書いてあるでしょう?だから、交点の座標は求められるよね?」
    「え?そうなんですか?」
    「そうだよ」
    「え?どうやって求めるんですか?」
    「・・・・・」

    基本問題の作業手順として覚えただけなので、他の場面では使えないのでしょう。
    作業手順は、しばらく作業しないでいるとやり方を忘れてしまうのも欠点ですが、使い回しが効かないのが一番残念な点です。

    放物線も直線も、それぞれ、同じ性質を持った点の集合です。
    その性質とは、その点のx座標とy座標との関係が同じということです。
    その関係を表しているのが放物線や直線の式です。
    放物線y=2x2上の点は、どの点もそのx座標とy座標は、y=2x2という関係があります。
    直線y=-x+3上の点は、どの点もそのx座標とy座標は、y=-x+3という関係があります。
    だから、その放物線と直線との交点は、その2つの式の両方の関係を持っています。
    2本の式を連立して解けば両方の性質を持っているxとyが出てきます。
    交点の座標が求められるのは、そのためです。

    こうした説明が深く入っていく様子がないのが、作業手順を覚えることに流れてしまう子の特徴です。
    上の説明の何かがわからないということはない様子です。
    しかし、上の説明の内容の重要性が理解できない。
    深く入っていかない。
    他のことと結びつかないのです。

    ですから、
    「次の放物線と直線の交点を求めなさい」
    という基本問題ならば解けるのですが、応用問題の中でそのことを活かしていくことができないのです。
    頭の回転は速いのに、何でそうなってしまうのかなあと不思議に感じる子は多いです。
    小学生の頃から、「勉強することは作業手順を覚えること」という頭の働かせ方をしてきたのかなあと想像するのですが、確証はありません。


    問題 放物線 y=kx2+2x+5 と直線 y=-2x+3 の共有点の個数を求めよ。

    これは、高校数学Ⅰの2次関数の問題です。
    共有点とは、交点ないし接点ということです。
    上の放物線と直線の共通の性質を持っている点ということですから、2本の式を連立して解けばいいですね。
    どちらもy=  の形ですから、代入法を用いて、
    kx2+2x+5=-2x+3
    とします。
    これは2次方程式ですね。
    左辺に集めましょう。
    kx2+4x+2=0
    これの解が、放物線と直線の共有点のx座標です。
    ですから、解が2つあれば、共有点は2個あります。
    解が1つならば、共有点は1個です。
    解がないならば、共有点はありません。

    解の個数が、共有点の個数。
    だったら、判別式が使えますね。
    上の2次方程式の判別式をDとすると、
    D/4=4-k・2=4-2k
    4-2k>0とすると、
     -2k>-4
       k<2
    よって、
    k<2のとき、共有点2個
    k=2のとき、共有点1個
    k>2のとき、共有点はない。

    これが上の問題の解答となります。

    この問題、説明を聞いている間は理解できたはずなのに、時間が経つと、ふっとわからなくなる人がいます。
    「あれ?判別式って、放物線とx軸の共有点の個数を判別するものなのに、何で放物線と直線の共有点の個数も判別式でわかるんだろう?直線は斜めになっているのに・・・」

    ここでもう一度確認したいのは、判別式というのは「放物線とx軸との共有点の個数を判別するもの」という定義は誤りだということです。
    そのために使うことはできるけれど、そのためのものではありません。
    判別式は、2次方程式の解の個数を判別するものです。
    上の問題では、まず放物線の式と直線の式とを連立して2次方程式を作りました。
    その解の個数は、放物線と直線との式との共有点の個数を表します。
    だから、判別式を利用して共有点の個数を判別できるのです。

    この説明も、深く理解できる子もいれば、もうわからないから作業手順だけ覚えますという子もいます。
    作業手順だけ覚えていくには、この先の内容は複雑過ぎるので、何とか少しでも理解を深めてほしいところです。
    まだ理解できるはずのところで諦めてしまうと、この先は大変なんですよ。
    ( ;∀;)

      


  • Posted by セギ at 13:22Comments(0)算数・数学

    2017年09月11日

    倉岳山でゲリラ雷雨にあいました。2017年9月。


    2017年9月10日(日)、山梨県大月市の倉岳山を歩いてきました。
    この前行ったのが、5年前の2012年11月。
    ちょうど紅葉の盛りで、山中が黄色く染まっていました。
    今回は、まだ夏の名残りの濃い山歩きです。

    中央線鳥沢駅。9:25。
    登山姿で電車を降りたのが私1人ということに軽いショックを受け、駅前広場のトイレが工事中で使用できないことにさら大きなショックを受けつつ、出発。
    代替トイレの地図は出ていましたが、ちょっと遠いようなのでパスしました。
    駅の出口は線路の北側でした
    まずは梁川駅に戻る方向に、甲州街道を歩いていきます。
    5年前の記憶でも地図の記載でも、最初の踏切を右折したはずですが、その少し手前に「高畑山」の道しるべと高架下のトンネルがありました。
    試しに行ってみることにしました。
    トンネルは低く狭く、背をかがめて通過。
    舗装はされていますが車の通らない道に出て、こちらの道のほうがストレスがありません。
    先程と同じ方向に歩いていくと、ずっと前を歩いていた人と道の突き当たりで遭遇。
    やはり、踏切を渡るよりもこちらのほうが近道のようです。

    後は「高畑山・倉岳山」の道しるべの通りに歩いていきました。
    道しるべがないときは道なりに進みます。
    曲がるときには必ず道しるべがありました。
    橋を渡り、大きな道路とは別れて、登り坂を行くと集落へ。
    ここからの道は入り組んでいましたが、道しるべも豊富でした。
    そして、道は柵に突き当たりました。10:00。

    柵の右端は開閉でき、人が通れるようになっていました。
    そこは貯水池周辺で、舗装はされていないものの車の通れる広い道がしばらく続きます。
    陽当たりが良く、草いきれの中の暑い道をとぼとぼ歩いていくと、「熊出没注意」の看板があり、ここから登山道でした。
    そこからはずっと沢沿いの木陰の道で、助かりました。

    5年ぶりでも記憶に鮮明な、荒れた登山道です。
    踏み跡はあるのですが、ここが正規の道なのかなあと不安になる道です。
    沢にかかる鉄骨4本を並べた橋は、1本が少し離れてしまっていて、結果3本分の道となり、ちょっとストレスを感じました。
    狭いなあ。
    用心して通過しました。
    あとは、飛び石で沢を越える箇所がありますが、飛び石1つで越えられる狭く浅い沢ばかりですので、特に問題はありません。

    石仏の分岐。10:40。
    ここからは斜面につけられた細い道を登っていきます。
    夏の終わりだというのに、斜面に草が生えていません。
    鹿が食べつくしたのでしょうか。
    草のない斜面は地滑りしやすく、以前に来たときよりも道が狭く斜めに傾いているような気がします。
    歩きにくい道を用心して歩いていくと、やがて少し道幅は広くなりました。
    暑いのでぼんやり歩いていると、目の前の登山道をヘビがすっと通過。
    斜面を下っていきました。
    体長1メートル以上はある、白っぽい灰色のへびでした。
    うわあ・・・・

    安定して歩いていけるようになると、仙人小屋跡。11:30。
    昔、仙人と呼ばれた人が住んでいた小屋の、柱だったのかもしれない1つに座って休憩しました。
    ここまで誰にも会っていません。
    5年前は紅葉の季節ということもあって、前にも後ろにも登山者がいたことなど思い出しつつ、さて出発。

    そこから斜面を直登ぎみに上がります。
    アキレス腱がよく伸びる坂道を登っていきます。
    斜面の上方に、本日初めての登山者の姿が見えました。
    急坂に手こずりながら下りてきます。
    この山、こんなにきつかったかなあ。
    5年前とは季節も違うのですが。

    斜面を登りきると、尾根に出ましたが、まだ終わりではありませんでした。
    ここから、尾根の登りが続きます。
    これもなかなかの急登でした。

    ようやく高畑山山頂。12:15。
    山頂は賑やかな女の子たちの声が響いていました。
    富士山は雲の中。
    木陰にレジャーシートを敷いて、大休憩を取りました。
    はあ暑かった。

    おにぎりを食べていると、女の子たちが出発していきました。
    先頭と最後尾に大人の男性がいたので、女子校の山岳部でしょうか。
    ほぼお揃いの登山靴でしたし。
    部員20人くらいかな。

    さて、体温が下がったので、私も出発。12:40。
    ここから尾根上を倉岳山へと縦走します。
    まずは山頂直下の急な下り。
    シモバシラの花が咲き始めていました。
    そして色々なキノコ。
    違う種類のものを見る度に写真を撮りながら降りていきました。

    短いアップダウンを繰り返して、まずは天神山。13:20。
    狭い山頂です。
    そこからまた登り下りを繰り返し、最後に急な斜面を登っていくと、再び尾根に出ます。
    その先が倉岳山山頂でした。13:55。

    上の写真が山頂で撮影したものです。
    まだ午後2時なのに、周囲が暗くなってきました。
    ひらけた山頂なのに、まるで夕方のようです。
    これはちょっとまずい。
    休憩もそこそこに出発しました。
    歩きだして間もなく、周囲の樹木に降りかかる静かな雨の音が聞こえてきました。
    葉がさえぎるので、雨粒は落ちてきません。
    このくらいなら大丈夫かなと思う間もなく、雨は大粒になり、滝のように降ってきました。
    ゲリラ豪雨です。
    物凄い雨量でした。

    どうする?
    雨具を着る?
    この季節に雨具を着たって、中から蒸れてびしょ濡れになるのは変わりません。
    ツェルトを出して、雨宿りする?
    いっそレジャーシートのほうが横からの通気性がいいかもしれません。
    そんなことを考えていると、耳元でかけているAMラジオに「ザザッ」と雑音が入りました。

    雷だ!
    やばいやばいやばい。( ゚Д゚)

    まだ稜線がしばらく続きます。
    逃げ場はありません。
    ザックにカバーだけかけて、走り出しました。
    後ろから雷鳴。
    ラジオに雑音が走ってから少し間がありました。
    まだ遠い。

    豪雨は激しさを増し、登山道はたちまち沢となり土が流れ始めました。
    稜線上の小さなピークに上がるときは緊張しました。
    ラジオからは「ザザッ」という雑音が繰り返されます。
    そこから雷鳴が聞こえるまでの時間で、雷は遠いことがわかります。
    まだ大丈夫。
    落ち着いて。

    立野峠。14:20。
    ここからようやく稜線を離れ、下りです。
    良かった。助かった。
    やがて雨も止んできました。
    急な下りを下りきると、月尾根沢。
    沢沿いに道がつけられています。
    登山道に、丸まった状態でも体長10㎝をこえるカエルが何匹も出てきていました。
    うおおっ。

    沢が下流となり、広くなるにつれて、登山道の位置も沢より高くなり、道幅も広くなってきました。
    だんだん、遊歩道のように歩きやすくなってきます。
    木橋を1つ渡ると沢と離れ、しばらく行くと、民家の屋根が見えてきました。
    やがて、樹木が途切れ、舗装された林道に出ました。

    登山口に「登山者数を計測しています」というカウンターがありました。
    チンと押して、9000番台であることを確認。
    いつから数えての数字でしょう。
    年間?
    林道のアスファルトも雨に濡れていましたが、雨はもう止んでいました。

    ゲリラ雷雨でいったんびしょ濡れになったウエアがもう乾き始めています。
    さすが速乾素材です。
    こういうことがあるから、山の道具とウエアは本物でないとなあ。

    梁川駅。16:15。
    私より少し早めに到着したらしい人たちが、ちょうどトイレで着替えを済ませ終わったタイミングのようでした。
    「着替えないととても電車には乗れないわね」
    と話しながら無人改札を抜けていきます。
    お風呂に入れるあてのないコースでも着替えをちゃんと持っている。
    用意がいいなあ。
    感心しながら、生乾きのウエアのまま私は電車に乗りました。16:25。
    わあ、東京行きの直通電車です。
    最近の電車は冷房がそんなにきつくないので助かりました。
    そうでなかったら、山の中では平気でも、電車の中で低体温症になったかもしれません。

    やはり雨具は着るべきだったのか。
    あの稜線上で?
    どうすることが正解だったんでしょうね。
    ともあれ無事で良かったです。

      


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    2017年09月06日

    ヤゴ沢コースから景信山を歩いてきました。2017年9月。


    2017年9月3日(日)、ヤゴ沢コースから景信山を歩いてきました。
    高尾駅北口からバスに乗車。
    2台同時発車でしたが、山歩きにはまだ暑いからか、立っている人はいませんでした。
    終点「小仏」下車。9:10。
    駐車場で支度をして、出発。
    まずは舗装された林道を登っていきます。

    景信山東尾根登山口を右に見て、さらに林道を進みます。
    舗装が尽きるとすぐ右にヤゴ沢が見えてきました。
    小さな滝のようになっています。
    ヤゴ沢の左手、沢の右岸に広い登山道が整備されてあります。
    登山地図に載っていないのが不思議なくらいの良い道です。
    丸太を何本か組んだ小さな橋は何回か渡りますが、飛び石などの危険箇所はありません。

    まずは平坦な道を行きます。
    沢の冷気を感じる谷底の道はシダが繁茂しています。
    ミゾソバやミズヒキも咲いていました。
    高尾の谷には早い秋が来ているようです。
    沢と別れると、道は少し傾斜が出てきました。
    トクトクと溢れる清涼な水場を過ぎると、さらに傾斜は強くなります。
    限界を越えると道は斜面を九十九折に登り始めました。

    ここにも秋の花。
    ヤマホトトギスかな。
    ヤマジノホトトギスでしょうか。
    上の画像がそれです。

    樹間に青空が見えてきて、ふっと視界が開けると、景信山直下の四辻にぽんと出ました。
    道しるべの脇でひと息。10:20。
    ここからは、景信山への急坂です。
    少し前に来たときよりもさらに整備が進み、木段も作られていました。
    これなら下りも楽そうです。
    下の茶店のベンチは盛況。
    そこから階段を数段登って上の茶店に行きます。
    2頭の大きな番犬が静かに水を飲む脇を通り、アザミの咲く木段を上がると、景信山山頂です。10:30。
    ベンチの1つに座ると、テーブルにバッタが止まっていました。
    空には多くのトンボが舞っています。
    このトンボたちが街に降りる頃には本当に秋が来ますね。

    まだ時間は早いですが、今日は足慣らしなので、もう戻ります。
    下りは、やはりかなり歩きやすくなっていました。
    たたらを踏んでしまうことなく降りていけます。
    四辻まで戻り、さて小仏城山へ。
    ちょっと歩きにくい下り坂と平坦な道が繰り返されます。
    最後に大きく下ると小仏峠。
    そこから急な登り返しでひと汗かくと、相模湖の見渡せるベンチに出ます。

    広く平坦な道がしばらく続きます。
    秋の紅葉の頃のこの辺りは特に印象深いので奥高尾の中でも好きな道です。
    木段を上がり、さらに木の根の段差の道を上がっていきます。
    浅間峠から縦走してくるときなどは絶望的に疲れを感じるあたりですが、今日はまだ歩いている距離が短いので、楽に登り切りました。
    電波塔が見えてきて、小仏城山。11:45。
    ちょうどお昼どきで、ここの茶店も大繁盛でした。

    城山からはよく整備された木段の道です。
    あれ?
    赤いバイクが2台停まっている。
    近寄ってみると、消防署のバイクでした。
    何かあったのかな。
    さらに行くと、一丁平の展望台ベンチの周囲にロープが張られてありました。
    「ハチ注意」の掲示も。
    スズメバチがベンチの後ろの木に巣を作ったのでしょう。
    幸いハチの姿はありませんでした。
    以前、奥多摩を歩いていたときに、ふっと目の前を黄色く大きいハチが横切ったことがあります。
    あの黄色は、何というかプラスチックみたいな質感で、びっくりしますね。

    一丁平展望台。
    やはり富士山は雲の中でした。

    まだ疲れを感じないので、紅葉台にも登ることにしました。
    緑が深く、木段の幅が少し狭くなっています。

    紅葉台。12:45。
    この季節に紅葉台をわざわざ経由する人も少ないのか、ベンチは空いていました。
    少し休憩。
    さすがに高尾山は巻き、トイレ前の分岐を右へ。
    今日も6号路琵琶滝コースを下山しようとベンチまで行くと、「落石事故のため6号路は通行止め」という掲示がありました。
    わあ、どの辺りで落石があったんだろう。
    ベンチの先の木段は、工事現場にあるようなオレンジ色と黒で縞々に塗られた通行止めの柵が設置され、ロープが張られてありました。

    暑いから、沢沿いの琵琶滝コースを歩きたかったのですが、これは仕方ないですね。
    5号路で高尾山の直下まで戻り、稲荷山尾根を下ることにしました。
    このコースに迂回する人が多いからか、人が多いです。
    谷を挟んで左側からサイレンが聞こえてきました。
    1号路を救急車が登っていくようです。
    病人かなあ。
    暑いからなあ。

    セミの声の中、稲荷山尾根を下ります。
    ミンミンゼミとツクツクホウシ。
    くらくらするくらいに鳴いています。
    高尾の尾根はまだ夏の名残が濃いですね。
    広い登山道を追い抜いたり追い抜かれたりして、下山。14:20。
    ケーブルカーの駅からは、
    「下り乗客多数につき、ケーブルカーは折り返しすぐ発車いたします」
    というアナウンスが流れていました。
    高尾は今日も盛況でした。
    はあ、暑かった。

      


  • Posted by セギ at 15:22Comments(0)

    2017年09月04日

    9月16日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    9月2日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    今回もまずは「等式の証明」の続きから。

    問題 a/b=c/d のとき、(a2+c2)/(b2+d2)=ac/bd であることを証明せよ。

    前回よりも複雑になってきましたね。
    与えられた式が分数のとき、例えばaについて解いても、その結果は分数になり、しかも文字が3種類残るので、左辺=右辺を示すことは難しそうだと見通せます。
    こんなとき、別の文字kを登場させるというテクニックがあります。

    a/b=c/d=k とおく。
    すなわち、a=bk、c=dk。
    これを代入して、
    左辺=(b2k2+d2k2)/(b2+d2)
       =k2(b2+d2)/(b2+d2)
       =k2
    右辺=bk・dk/bd
       =k2
    よって、左辺=右辺

    このテクニック、とても便利ですので、覚えておきたいですね。

    問題 x/3=y/4=z/2‡0 のとき、(x-y)2/(y2+z2) の値を求めよ。
    これも、与えられた式が分数ですね。
    ということで、これもkを使ってみましょう。
    x/3=y/4=z/2=k とおくと、
    x=3k、y=4k、z=2k。
    これを代入して、
    与式=(3k-4k)2/(16k2+4k2)
       =k2/20k2
       =1/20

    わあ、約分でkが消えて、式の値が出てきましたー。(^^♪
    これは、やはり便利ですね。
    こういうテクニックは、忘れた頃にまた別の単元で使うことになりますので、決して忘れないようにお願いいたします。

    本日、学習はスラスラ進み、次の「不等式の証明」に入りました。
    不等式は、左辺と右辺がお互い文字式のままでは、大小なんてわからないのではないかと思いますよね。
    文字の値によって大小なんて違ってくるんじゃないの?
    そんなものをどうしたら証明できるのでしょう。
    勿論、個々の文字の値が何であるかによって大小が異なる場合がほとんどです。
    証明できるものはごく一部です。
    ただ、練習するのは、証明できるものだけなのです。
    では、どんな場合に証明できるのか?

    左辺-右辺≧0
    を証明できれば、
    左辺≧右辺 ですよね。
    そして、左辺-右辺を何かの2乗の形にできるなら、それは0以上の数でしょう。
    実数の場合、2乗すれば必ず0以上の数になりますから。
    不等式は、これを用いて証明します。

    問題 x4+y4≧x3y+xy3 を証明せよ。

    左辺-右辺
    =(x4+y4)-(x3y+xy3)
    =x4+y4-x3y-xy3
    項の順番を変えてみましょう。
    =x4-x3y-xy3+y4
    ここで、共通因数で括ります。
    =x3(x-y)-y3(x-y)
    ( )の中身が共通因数となりましたので、さらに括れますね。
    =(x-y)(x3-y3)
    後半の( )の中身は、さらに因数分解できますね。
    3乗の公式を使います。
    =(x-y)(x-y)(x2+xy+y2)
    =(x-y)2(x2+xy+y2)

    さて、ここまで因数分解して、前半の(x-y)2は、2乗ですから、必ず0以上になりますね。
    後半の x2+xy+y2 は、どうでしょうか。
    これだけ、さらに平方完成してみましょう。
    平方完成を覚えていますか?
    数Ⅰの「2次関数」でやりましたね。
    頂点の座標を求めるために式を変形する方法です。
    xについての文字式と考えて平方完成しますので、yはxの係数として扱います。
    x2+yx+y2
    =(x+1/2y)2-1/4y2+y2
    =(x+1/2y)2+3/4y2≧0
    この式は、前半も後半も2乗の形になっています。
    だから、どちらも0以上の数だとわかります。
    0以上の数同士を足しても、0以上です。
    よって、この式は、0以上です。

    元の式に戻りましょう。
    (x-y)2(x2+xy+y2)
    これは、0以上の数と0以上の数の積であることがわかります。
    よって、元の式も0以上です。
    左辺-右辺≧0
    左辺≧右辺

    さて、≧のように、等号が含まれている不等式の場合、どんなときに等号が成り立つかを書き添えるのが慣例です。
    (x-y)2{(x+1/2y)2+3/4y2}=0
    は、どんなときに成立するでしょうか。
    前半の( )または後半の{ }の中身が0ならば、積は0ですね。
    よって、x-y=0 または、x+1/2y=0かつy=0
    となります。
    これを整理すると、
    前半は、x=y ですね。
    「または」の後のほうは、y=0をx+1/2y=0に代入すると、
    x=0となり、よってx=y=0です。
    これは、前半のx=yの1例と考えることができます。
    よって、等号は、x=y のときに成り立ちます。

    以上、今回はスラスラと2回分は進みましたので、欠席された方は、ここまで自習をお願いいたします。
    次回は、相加平均≧相乗平均 の話をしましょう。

    次回の数学教室のお知らせです。
    ◎日時  9月16日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「等式・不等式の証明」を続けます。p18から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。



      


  • Posted by セギ at 14:37Comments(0)大人のための講座

    2017年09月01日

    判別式とは何か。


    画像は、数年前に訪れた朝日連峰に咲いていたトモエシオガマ。
    今年の夏は全く山に行けなかったですが、また何日もかかる大きな山を歩きたいなあ。

    さて、本日は判別式の話です
    判別式は、2次方程式の解の公式の√ の中身の部分です。
    すなわち、2次方程式 ax2+bx+c=0 の判別式Dは、
    D=b2-4ac
    bが偶数である場合は、もう1本の解の公式の√ の中身を使います。
    4/D=(-b')2-ac

    これらの判別式、何を判別するのかというと、この2次方程式の実数解の個数を判別します。
    2次方程式の解の公式を確認しましょう。
    x=-b±√b2-4ac /2a ですね。

    もしも、√ の中身が0であるなら、この解は、
    x=-b/2a±√0
     =-b/2a
    となってしまいます。
    すなわち、これが重解。
    解が1つの場合です。

    √ の中身が負の数の場合はどうでしょうか。
    2乗して負の数になる数は、実数の中には存在しません。
    例えば、√-2 などの数は、実数には存在しませんね。
    だから、この2次方程式の実数解はないということになります。

    √ の中身が正の数の場合は、普通に、解は2個存在します。

    このように、√ の中身が0か、0未満か、0より大きいかで、解の個数が判別できます。
    そこで、√ の中身の部分を判別式と呼んでいるのです。

    まとめると、
    D>0のとき、実数解2個
    D=0のとき、実数解1個
    D<0のとき、実数解はない

    実数解の個数なんて、方程式を解けばわかることなのに、こんなの何に使うんだろう。
    判別式を初めて学習し、解の個数を判別するだけの基本問題を解いているとき、高校生は、そんなふうに感じてしまうことがあるようです。
    ひどく無意味なことをやらされている気がするのでしょうね。
    しかし、基礎訓練に意味を求めても仕方ないのです。
    教えられたことを理解しているかどうかの確認をしているだけですから。

    判別式は、2次方程式を解いている間は、さほど意味をなさないものです。
    問題は、ここから。
    2次関数と2次方程式との関係をまず考えてみましょう。
    ax2+bx+c=0
    という2次方程式は、
    y=ax2+bx+c
    という2次関数のy=0のとき、と考えることができます。
    y=0とは、どんなときでしょうか。
    それは、座標平面で言うなら、x軸上にあるとき、ということです。
    すなわち、2次方程式 ax2+bx+c=0 の解とは、
    2次関数 y=ax2+bx+c とx軸との交点のx座標であるということができます。

    ここで、数学が苦手な高校生の反応は例によって、
    「言っていることが全くわからない」
    か、
    「言っていることが当たり前すぎて、何にも刺さらない。だから、何?」
    となりがちです。

    そして、このことの重大さが理解できず、何となく通り過ぎた先に、これが大切なことだと認識できなかったために理解できなくなる多くのことが立ちはだかるのです。

    もう一度書きます。
    2次方程式 ax2+bx+c=0 の解とは、
    2次関数 y=ax2+bx+c とx軸との交点のx座標です。

    ここで、「え?」「え?」「え?」となってしまう人の中には、y=0の点はy軸上にあるという誤解をしている子もいます。
    こういう誤解はしつこく本人を苦しめるようで、そのときは理解しても、また何度でも混乱が起こります。
    一度間違えて覚えてしまったことはなかなか消えず、どちらが正しかったか、またわからなくなるようなのです。
    その度、そういう誤解をしているのではないかと察して補足説明をしてあげると、その先に進むことができます。

    「x軸との交点」とか「x座標」という言葉遣いがわかりづらくて苦手という子もいるようです。
    これらは一度きちんと定義されていますので、この用語を使うからこそ内容が正確に伝達できるものなのですが、その定義をきちんと覚えなかった子にとっては、難しい用語ばかり使われるのでわからない、となるようです。

    中学3年生に乗法公式の授業をしていたあるとき、その子が、
    「先生、この式もほぐすんですが?」
    と訊いてきたことがあります。
    「ほぐす?」
    「だから、ほら」
    「・・・・ほぐすって?」
    「ええと、どういうんでしたっけ」
    「・・・・展開するということですか?」
    「そうそう、それ」
    「・・・・ほぐすでは、伝わらないですよ」
    「えー。どうしてですか。感じが出ていませんか」
    「ニュアンスで数学を語っても、他人には伝わりませんよ」
    私は意地悪で理解しなかったのではなく、その子が何を言っているのか、本当にわからなかったのです。
    自分だけが理解できる表現で伝えても、他人には伝わりません。
    特に数学のように、緻密な内容を正確に伝えなければならないとき、自分だけが理解できる表現で伝えるのは無理があります。
    だから正確に定義された用語が必要となります。
    しかし、中高生は、まだ主観的な感覚から客観的な感覚へと脱却する途中にある子が多く、正確に定義された用語をむしろ嫌うのかもしれません。
    先人が正確に定義した用語よりも、自分の感覚で作った表現のほうが好ましいのでしょうか。

    これは英語の例になりますが、文法を学習していて、
    「これは知覚動詞だから、SVOCのCは原形不定詞か分詞になるでしょう。だから、この四択問題は、原形が正解なんですよ」
    といった説明をしていたところ、生徒が目を白黒させていたので、
    「うん?わからない?どこからわからない?」
    と質問しますと、
    「いや、時間をかければわかるんですけど、『チカクドウシ』と聞くと、他の字が頭の中に浮かぶんです」
    「・・・・どんな?」
    「地殻変動の地殻とか・・・」
    「・・・・今、地殻変動の話はしていないと思いますが」
    「わかっているけど、浮かぶんです」
    「・・・・・」

    英語が得意な子には「これは知覚動詞だから」まで説明すれば一瞬で通じることが、苦手な子には「知覚動詞」という用語がむしろ障壁になることがあるのかもしれません。
    用語の定義を覚えられない。
    頭の中で漢字変換すらできず、混乱する。
    それはわかるんですが、だからといって、書店などで売られている「こうすれば英文法がスラスラわかる」的な本に、
    「僕は、この動詞を『感じる動詞』と呼ぶことにしています」
    などと書いてあると、むしろ、あなたのくだらない造語を私に押し付けるのは勘弁してくれと思うのです。
    そんな使いまわしの効かない言葉を覚えるくらいなら、まっすぐ「知覚動詞」という言葉を覚えるほうが近道です。
    どの文法書にもその言葉は使ってあり、それで説明してあるのですから。
    それがわかるほうが有益でしょう。
    わかりやすく説明することとくだらない迎合とは別のことだと思うのです。
    とっつきにくく感じるからといって正しい用語を全て馴染みやすい別の言葉に言い換えていたら、定義がブレて、正しい知識の伝達ができなくなる可能性があります。
    「知覚動詞」と言うだけで、それが何を意味するか共通の認識が持てます。
    だから、正確な説明ができます。

    専門用語は無駄に使っているわけではなく、必要だから使っているということが、主観的な子たちにはなかなか理解できないことなのかもしれません。
    必要性がわからないから、覚える気がしないという側面もあるのでしょう。
    専門用語は使うけれど、意味がわかっていないようなら逐一定義に戻る。
    そうやって授業をしています。
    それも個別指導の良いところでしょう。

      


  • Posted by セギ at 14:13Comments(0)算数・数学

    2017年08月26日

    文章を読解できない理由。



    夏期講習に入り、高校3年生の英語の授業は過去問を使って実践的な演習を始めています。
    最近の5~6年の過去問はもう少し入試が近づいてから解きたいので、それ以前のものや受験する可能性のない学校の過去問を、この時期の演習には使用します。
    その中で、英語力にそんなに課題があるわけではないのに、共通して解けない問題があるのを発見することがあります。

    例えば、ある論説文。
    大体、こんな内容です。
    若者がイヤホンを使用し電車の中で音楽を聴いている光景も当たり前になった。
    他人に迷惑をかけずに電車内で音楽を楽しめるのは良い点ではあるが、彼らは、電車の中という公共の場でも他人と接触することがなく、それぞれに孤立している。

    このような文章に関しての、第1問。
    「筆者は、電車でイヤホンを使用することの利点は何であると述べているか」
    これは四択問題で、正解は、
    「他人に迷惑をかけずに音楽を楽しめること」
    という選択肢なのですが、この夏、この問題を解いた3人が3人とも間違えて次の選択肢を選んでしまいました。
    「電車の中でも他人と接触せずに済む」

    ( 一一)
    筆者はそれをむしろ否定的に書いています。
    しかし、生徒たちはそれを利点と感じるせいなのか、そのひっかけに見事に騙されていました。

    また別の英文。
    それは、仕事と余暇に関する文章でした。
    以下のような内容です。
    週休2日制が普及し、以前と比べて余暇の時間が増えている。
    しかし、余暇の時間を持て余している人も多い。
    従来、余暇は仕事をより良いものとするための休息の意味合いが大きかった。
    生活において仕事が第一であり、余暇は仕事を能率的にこなすための休息であった。
    しかし、近年、生活の中心は家庭であったり趣味であったりとする考え方が生まれている。
    そうした考え方においては、余暇は仕事のための休息ではない。
    だが、従来の仕事中心の考え方に影響されている人もまだ多い。
    そうした人たちは、余暇の時間に遊ぶことに罪悪感を覚えることがある。
    だから、余暇を仕事に使ってしまったり、余暇の時間に別の仕事を探してしまったりする。
    仕事と余暇とのバランスをもっと考えていくことが必要である。

    この文章に対する最後の設問。
    「筆者がこの文章で最も述べたかったことは何か」

    正解は、
    「仕事と余暇とのバランスをもっと考えていくことが必要である」
    という選択肢です。
    しかし、生徒たちが選んだのは、
    「近年、ますます余暇が増えている」
    という選択肢でした。

    ・・・いやいや、それは単なる事実で、筆者が最も言いたかったことではないです。
    ( 一一)



    なぜ、ここを間違えてしまうのでしょうか。
    1人正解できない人がいたというだけなら、その子の読解力の問題ですが、さまざまな英語力の3人が3人とも、同じところで間違えるとなると、何か他に理由があるのかもしれません。

    これは、国語においても言えることだと思うのですが、彼らは、文脈を正確に追わず、主観で文章を読んでしまったのではないかと思うのです。
    イヤホンの件で言えば、筆者が否定的に述べていることが、自分にとっては魅力的なことだったので、否定的にとらえることができなかったのではないでしょうか。
    仕事と余暇のバランスに関する文章は、自分の生活や考えとかけ離れていて、筆者の言っていることが理解不能だったので、そこを避け、自分が理解できる選択肢しか選べなかったのかもしれません。


    それで思い出したのは、この夏、中3の夏期講習で国語の読解をしていたときに、本文中のいくつかの傍線部を「事実」と「意見」に分けるという比較的単純な問題を正答できない生徒もいたということです。
    学力的には問題のない子です。
    申し分ない学力の子が「事実」と「意見」を区別できないことに私は内心驚いたのですが、そもそも、そのような観点で文章を読んだことがないのかもしれません。
    筆者の意見と自分の意見、あるいは意見と事実とを区別できないまま、曖昧な状態で文章を読んでいるのでしょうか。

    もっとテクニック的に、文章中のA内容(世間の常識的な概念)とB内容(筆者の考え)とをサクサク対比して、選択肢をザクザク消してさっさと正解を出していく国語読解法を指導しようと思っていたのですが、ああ、この子たちはもっと手前だと感じました。
    文章を読んだ経験がとにかく足りない様子です。

    しかし、そういう話になると、「本をもっと読みましょう」という結論になりがちです。
    それは勿論悪いことではないのですが、そういうときの「本」は、たいてい物語や小説で、文章の構造そのものが違いますから、上にあげたような論説文は読み慣れないままとなる可能性が高いのです。
    小説も読めない子なら、まず小説から読めばいいでしょう。
    しかし、学力が高い子は、小説ならまあまあ読解できる子が大半です。
    問題は、論説文が読めないこと。
    そんな文章、どこで読めばいいのでしょうか?
    学校の図書室を探しましょうか。
    あれ?
    学校の図書室に論説文なんてありましたっけ?
    誰が書いたどんなタイトルの本が論説文なんでしょう?

    模試や入試に出題される論説文は、新聞や雑誌に掲載されたものが大半です。
    評論集としてまとめられているものもあるでしょう。
    しかし、生徒はそういうものに触れる機会がほとんどありません。
    読もうと思っても、どこに載っているのかわからないのです。
    ですから、論説文を読むには、論説文の問題を解くのが一番手軽で確実です。
    日常的に国語の論説文問題を読み、解いていくことで、論説文の読解力がついていきます。
    普段読んだこともなく、解いたこともないから、たまに模試や入試で解こうとしても、どう読んでいいかわからないのですね。


    ところで、国語の場合は物語文は得意だが論説文は苦手という子が多いですが、英語になるとそれが逆転しがちなのも面白い傾向です。
    英語の場合、論説文なら読み取れるのに、小説やエッセイになると、何が書いてあるのかわからなくなる子は多いです。
    近年、大学入試の英語問題に小説が用いられることは少なく、実用的な英文を読み取れることが第一とされてはいますが、たまに英語で物語文を読むと、ある程度の英語力のある子でも、内容をほとんど読み取れないことがあります。
    ユーモラスな文章、ジョークを交えた文章は特に読み取れない様子です。

    例えば、こんな文章。
    オーストラリア出身の若者が、ロンドンで生活しています。
    ガーデニングで庭に穴を掘っていると、近隣の人に声をかけられます。
    「プールでも作っているのかい?」
    「いや、故郷に帰ろうと思ってね」

    問題 この若者の返答の意味を面白さがわかるように説明しなさい。

    この問題に正答できた生徒は、今のところ1人も存在しません。
    正解を説明してあげても、それの何が面白いんだという顔をしています。

    その他にも、英語で書かれた小説やエッセイは、例えばヨットでサルが暴れていたり、日本人なのにネイティブ・アメリカンと間違われ続けたり、屋根裏部屋に幽霊が出たり、頭の中に空洞があることに気づいたりと、生真面目に英文を読んでいる高校生ほど書いてあることが理解不能であるらしく、なかなか正答できない様子です。
    英語で書いてあることは真面目なことだと思いこんでいるのかもしれません。
    英語で読むだけでもハードルが高いのに、書かれてあることが予想外に突飛な内容だと、自分が正しく読み取れている自信が持てない。
    英語はもっとありがちな、環境問題とか、異文化コミュニケーションの大切さとか、そういう教科書に載っているような内容が書いてあるほうが読みやすい。
    ・・・わかりますけれど、少し頭の硬い考え方だなあとも思います。
    結局、それも、英文を読んだ経験が不足していることが最大の原因なのでしょう。

      


  • Posted by セギ at 17:55Comments(0)英語

    2017年08月19日

    9月2日(土)、大人のための数学教室を開きます。



    8月19日(土)の大人のための数学教室は、全員欠席で休講となりました。
    お盆休みから数日離れているから大丈夫かなと思いましたが、やはり皆さま忙しい時期のようです。

    そんなわけで、等式の証明の続きは次回やります。

    今日のこのブログは、この夏、生徒たちの計算する様子を見ていて感じたことを。


    算数・数学が苦手な子の多くに共通しているミスがあります。
    互いに伝達しあっているわけではないのに、同じところを同じように間違えます。
    そして、一度思い違いをするとその定着度は不可解なほど強く、なかなか正しく直りません。

    例 1/3(9x-2)+1/2(8x-4)

    文字式の計算ですね。
    そんなに難しくないはずなのですが、間違える子は、ほぼ同じようにこう間違えてしまいます。

    =3x-2+4x-4

    何をどう間違えているのか、わかりますよね?
    前半で言えば、1/3と( )の中の9xだけをかけて、-2はそのままにしてしまうのです。
    1/3が( )内の各項に平等にかかっていくことが理解できていない様子です。
    後半も同様です。


    また別の問題。
    例 2(3x-4)/5-3(2x+7)/2

    これは、分母が異なるので、通分が必要です。
    そこでは、こういうミスがあります。

    =4(6x-8)/10-15(10x+35)/10

    え?
    これは、何をしたの?

    前半の分母の5を10にするために、分子にも×2をします。
    そのとき、( )の外の2にも、( )の中にも、全て×2をしてしまったようです。
    後半も同様に、逐一×5をした様子です。

    何でさっきの問題では、( )の中の片方しかかけないという不平等なことをやっておきながら、今度は必要もないところに逐一×2をするのかなー。
    ( 一一)

    通分ではこの形のミスはしない子も、例えば方程式の「割合」に関する文章題で作った式を整理するときに、同じ性質のミスをしがちです。
    (x-1/10)(x-2/10)=7
    これを整理するとき、
    (10x-1)(10x-2)=70
    としてしまうミスは、数学の成績が「4」の子でも見られるミスです。
    右辺は700だよと教えても、きょとんとしてしまいます。
    何でそうなるのか、わからない様子なのです。
    説明すると、そのときは理解した表情にはなるのですが、ひと月もすれば、また同じミスをしてしまいます。

    計算上そんなことはあり得ない、ということを感覚的に把握していないのかもしれません。
    かけ算でつながっている部分は1つのまとまり、という感覚がないのだと思います。
    知識としてこれはしてもいい、これはしてはいけないと1つ1つ覚えるしかなく、覚えきれずに失敗するのでしょうか。

    何かが理解できていないのです。
    しかし、それは言葉で説明してもなかなか伝わりません。
    わかった顔はしますが、忘れた頃にまた同じミスが復活します。

    数に対する正しい感覚がどうしてその子の中に作られないのか。
    逆に、上のようなミスは決してしない子の、数に対する感覚は、どのように養われたものなのか。
    小学生時代に何をすれば、上のようなミスはしない子になるのか。
    難しい課題です。

    さて、次回の数学教室のお知らせです。

    ◎日時  9月2日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「等式・不等式の証明」を続けます。p16から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかラインに、ご予約をお願いいたします。









      


  • Posted by セギ at 15:07Comments(0)大人のための講座

    2017年08月18日

    2次方程式と判別式。


    2次方程式の基本は中学3年生で学習します。
    平方完成による解き方。
    因数分解による解き方。
    そして解の公式。
    「ゆとり教育」の時代に除外されていた解の公式も、今では中学3年生できちんと学習します。
    高校で新出の内容というと、2本目の解の公式。
    ax2+bx+c=0
    のbが偶数の場合に使用される公式です。
    ax2+2b'x+c=0のとき、
    x=-b'+√b'2-ac
    という式です。
    普通の解の公式でも同じ解になるのですが、途中のルート内の計算が2桁×2桁などになりがちで煩雑な上、最終的には約分もしなければなりません。
    2本目の公式を覚えて利用できたほうが圧倒的に有利です。

    しかし、ここで、
    「覚えなくてもいいんでしょう?」
    と言い出す生徒が必ずいます。
    数学が苦手な子ほど、そういうことを言う傾向があります。
    公式を覚えるのが本当に苦手で苦痛で、1本目の公式でも解けるのなら、それしか覚えたくないのでしょう。
    そうして煩雑な計算をし、時間もかかり、計算ミスをして間違えます。
    ( 一一)

    一方、2本目の公式を使えば計算が楽だし速いと実感できる子は、私が強制しなくても、嬉々として覚え、使うのです。
    それを使わずに問題を解くことなど考えられないのでしょう。
    だって、とても便利なんですから。
    こうした1つ1つのことが積み重なって、計算力に差がついていきます。

    2本目の公式を覚えなさいと言われれば覚えるけれど、テストが終われば普通の解の公式も忘れてしまう子もいます。
    公式が頭の中に残らないようなのです。
    サラサラと流れる水のように入っては忘れていきます。
    数学の勉強をしていても、何も積み上がっていきません。
    そういう手応えのなさを講師が感じ始める最初も、2次方程式の解の公式であるような気がします。

    忘れたくて忘れているわけではないのはわかるのです。
    しかし、努力して覚えようとしている気配も感じません。
    覚えなくても、その場その場で必要ならばまた覚え直していけば何とかなると思っているのでしょうか。
    しかし、高校の数Ⅱで、覚えにくい公式がどれほど大量に出てくるか、教える側は知っていますので、2次関数の解の公式くらいで「覚えられない」と弱音を吐かれると困ってしまうのです。
    そんなふうでは、この先には絶望しかないのに。
    数学が本当に好きで、公式なんか一度見れば覚えられる人や、数学に対して特別な才能があり、テスト中でも公式を自力で再生できる人ならともかく、そうでないのなら石にかじりついても公式を覚えるという強い意志が必要です。
    そうでない限り、先には闇しか待っていないのです。
    足許を照らす光を自ら手放しているのですから。

    解の公式とあわせて理解したいのが、「判別式」です。
    判別式は、要するに解の公式の√ 内の部分です。
    ここが、正の数か、0か、負の数かで、2次方程式の実数解の個数を判別できます。
    「2次方程式」の単元だけでなく2次不等式でも、それ以降の単元でも、判別式はよく使うものです。
    数Ⅱの「軌跡と方程式」などでも使いますね。
    「判別式を使う」というテクニックが頭の中に知識として存在していないと、判別式を使う問題は自力では一切解けないという事態に立ち至ります。
    ですから、忘れるとまずいものの筆頭なのですが、これもなかなか定着しません。
    判別式が大切だという感覚すら定着しないことがあり、苦慮するところです。

    判別式はDで表します。
    Dは、discriminantのDです。
    意味は、そのまんま「判別式」です。

    discrimination 区別・差別
    discriminate 区別する・差別する
    といった単語が連想されますね。
    英語も一緒に覚えられて、お得です。
    ヽ(^。^)ノ

    数学のこういう文字使いに目覚めた中学生が、
    「センセイ、点PのPって、ポイントですか?」
    「あー、はい。そうですね」
    「おお、すげえっ。じゃあ、Lって、ラインですか?」
    「うん、そうですよ」
    「あー、やっぱりそうか。すげえっ」
    と、1つ1つに感動することがあり、微笑ましいものです。
    何でもいいから、何かをフックに数学に興味をもって勉強してください。
    (*^-^*)

      


  • Posted by セギ at 12:24Comments(0)算数・数学

    2017年08月06日

    戦争のことを少し。


    今もそうですが、私は夏野菜が好きです。
    高校生の頃、夏になるとよく路地物のキュウリを丸ごと1本、マヨネーズをつけてかじっていました。
    そういう私を見て、必ず母は、
    「戦争中みたいねえ」
    と言っていました。
    「戦争中はキュウリに味噌をつけて食べていたものよ」
    「・・・・・」

    キュウリと味噌のある「戦争中」は、随分とのんびりした印象でした。
    少なくとも、私が本で読んだりドラマで見たり学校で習ったりしていた「戦争中」とは違うものでした。
    母の口にする戦争中の話には「餓死」も「空襲」も「罹災」も「疫病」も「疎開」も出てきませんでした。
    キュウリと味噌と、そしてもちろんお米のある「戦争中」は、果たして戦争中なのだろうか?
    それはそれなりに豊かな生活であるような気がしたのです。
    勿論、戦争を知らない私が安易にそんなことを言うわけにいかず、黙ってキュウリをぽりぽり食べているのが常でしたが。

    太平洋戦争の頃、母は新潟市に住む旧制女学校の生徒でした。
    近隣にはまだ農家が多く、祖父の友人の農家から野菜などを分けてもらっていたようです。
    食糧を求めに来たよそ者には辛くあたったかもしれない農家の人も、以前からの知り合いには優しかったと思います。

    母は、女学校の生徒でしたが、戦争末期には動員されて軍で働いていました。
    乱数表から暗号を読み取っていたそうです。
    ときどき、軍人さんからお菓子や肉の缶詰をもらえたと言います。
    「戦争中でも、軍には何でもあったのよ」
    と母は不満げに言っていましたが、ときどきでも分けてもらえる母の立場もかなり羨ましいものではなかったかと思うのです。
    私が知識として知っている女学生の動員は、軍需工場で働かされた上にその工場が空襲されて友達は死に、自分の身体は一生残る傷を負うという、この世の地獄のようなことばかりでしたから。
    そういう話と比べれば楽そうな職場にいた母は、それでも動員で働かされたことが不満だったようです。
    「結婚前に働きたくなかったのに」
    と言っていました。
    望まない労働を強制されたというよりも、女学校を出たら仕事などせず、花嫁修業をして、良い縁談に恵まれて結婚するというあるべき人生に余計なものが挟まったことに対する不快感が先にきている様子でした。
    そういう時代だから仕方ないのですが。

    『火垂るの墓』を書いた野坂昭如氏は、神戸の戦災で幼い妹さんを亡くし、新潟に住む実父に引き取られました。
    妹さんを亡くした経緯は小説とは随分違うものらしいのですが、妹さんは亡くなり野坂さんは生き残ったという事実は変わらないようです。
    自分だけが生き延びたつらい記憶を抱えて暮らすことになった新潟での、戦争があったとは思えない豊かな暮らしへの複雑な思いが書かれた著作を読んで、母が語る断片的な思い出とそれがつながり、ああ、そういうことだと腑に落ちました。
    まして、母は、私が読んでいる本の内容には頓着せず、
    「ああ。野坂昭如さん?あの人の義理のお母さんと、私、お茶の教室が一緒だったのよ」
    などと、さらにそれを裏付ける断片をぶっ込んでくるのでした。( ;∀;)
    お茶の教室って・・・・。
    いや、それはさすがに戦争中ではなく、戦後すぐの話だと思いますが。
    戦後の混乱期、母はお茶だお花だと花嫁修業にいそしんでいたのでした。

    『火垂るの墓』はひどく読みにくい文体でつづられています。
    それは、野坂昭如さんがいかにあの主題を語りにくかったのか、その辛さがそのまま文体になったものだろうと思います。
    学生時代の夏、うんうんうなりながらそれでも一応は読んだものの、以後、読み返すのはさすがにつらく、もっぱらアニメの記憶になってしまいます。
    アニメで印象的だったのは、主人公が餓死に直面している同じときに、戦争が終わって疎開から帰ってきた女の子が晴れ晴れとクラシック音楽を聴いて平和を享受している場面でした。
    たったそれだけのシーンで、その女の子は、戦争中ですら、それほどの苦難は味わわなかったのではないかと想像されるのです。

    悲惨な戦争があっても、そんなに苦しい思いをしなかった人もいる。
    戦争は平等に不幸をもたらすものではない。

    そのことに、私は戦慄します。
    みんな平等に不幸なら、まだましなような気がします。
    そもそも、みんな平等に不幸になるなら、もう2度と戦争は起こらないのです。
    誰もそんなことはやりたがらないのですから。

    どれほど悲惨な戦争があっても、そんなに苦しい思いをしなかった人もいる。
    だから、また戦争は起こる可能性がある。

    戦争で苦しむかどうかは、財力だけの問題ではないのでしょう。
    新潟は、軍事施設のある港でしたが、最後まで大きな空襲はありませんでした。
    しかし、原子爆弾投下候補地のリストに載っていたそうです。
    なぜ、新潟には原爆が落ちなかったのか。
    そんなのは、紙一重の問題でしょう。

    戦争末期、広島と長崎に「新型爆弾」が投下された後、8月11日だったのか12日だったのか、新潟市に3つ目の新型爆弾が投下されるという警報が出され、市民が一斉に避難した日があったそうです。
    「あのときは、リヤカーを引いて皆で避難したのよ。関屋まで逃げたよ」
    母はそう言うのですが、その「関屋」は、爆心地がどこになるかによるにせよ、被災から完全に逃れられたとは到底思えない距離にある地名なのです。
    戦争中に食糧にそれほど不自由しなかった幸運など、そうなってしまったら、もう何にも関係がありません。
    歴史的事実としては、新潟に原子爆弾は落ちなかった。
    落とされる可能性も低かったことが今はわかっている。
    それでも・・・・。

    財力があれば戦争から逃れられるわけではありません。
    戦争になったとき、どうすれば自分だけは苦しまないでいられるのか。
    そんなのは、戦争を引き起こした当事者でもわからないかもしれません。
    それでも、本人はわかっているつもりかもしれない。
    それが、恐ろしい。

    終戦の日、軍で玉音放送を聴いた母は、その直後、将校の1人が抜刀して女学生に切りかかり暴れだしたのを見たそうです。
    そうでもしないと気持ちのやり場がなかったのか。
    そうでもしないと面子が保てなかったのか。
    女学生に切りかかって暴れる軍人の話は、母の話の中で最もリアリティのある話でした。

    ああ、軍人ってそういうメンタルか。
    乱心して切りかかるにしても、女学生相手なんですね。
    結局、怪我人はいなかったそうで、全部ポーズですよね。
    ああ、嫌だ、嫌だ。

    その話は、私が二十歳を過ぎてからようやく母の口から語られたことでした。
    もしかしたら、母は、子ども相手に語るべきではないもっと嫌なことも見聞したのかもしれません。

    戦争がなかったら、東京の女子大で勉強できたのに。
    母から、幾度かそう聞きました。
    戦後の混乱期の東京に、娘を出すわけにはいかない。
    そういう理由で、母の大学進学はかないませんでした。

    何となく聞き流してきたけれど、私が当たり前のように大学に進学したのは、母のそういう気持ちも背景にあったろうと思います。
    母の戦争体験をのんびりしたもののように思う私ですが、では、自分が戦争のせいで大学に行けないとなったとき、それを我慢できるのかと考えると、そんなの我慢できるわけがないのです。
    本で読んだだけの悲惨な話に頭でっかちになり、小さな不幸に共感できないなんて。
    薄っぺらいのはむしろ私でしょう。

    戦争体験を語れる人が少なくなってきました。
    私の知っている断片だけでもここに残しておこうと思います。


      


  • Posted by セギ at 15:39Comments(0)講師日記

    2017年08月02日

    2次関数の最大・最小。




    今回は、「2次関数」の佳境、係数に文字を含む2次関数の最大値・最小値についての学習です。
    しかし、これの解説には放物線を示しながらの解説が不可欠です。
    ブログではちょっと説明しきれないのを感じます。
    ここはぜひとも授業を受けて理解してほしい部分なのですが、できる限り説明してみます。

    問題 y=x2-2ax+a (0≦x≦2) の最大値・最小値を求めよ。

    解き方を全て書いていくのは難しいのですが、とにかく、与えられた式を平方完成します。
    y=(x-a)2-a2+a
    よって、頂点は(a,-a2+a)、軸はx=a。

    定義域は、0≦x≦2です。
    この定義域の間で、yの値の最大値はいくつで、最小値はいくつなのかというのが問題の意味です。

    え?そんなのx=0のときが最小値でx=2のときが最大値じゃないの?

    1次関数の感覚でそんなことをうっかり考えてしまいそうですが、これは2次関数。
    x2の係数が1ですから、下に凸の放物線です。
    0≦x≦2 という定義域が、放物線のどのあたりに位置しているかによって、どれが最小値でどれが最大値かが違ってきます。

    まず考えられるのが、0≦x≦2 が、放物線の頂点より右側の部分である場合。
    このときは、x=0で最小値、x=2で最大値となるでしょう。
    ところで、aがどんな値のときに、放物線の頂点より右側が定義域になるでしょうか?
    この放物線は、頂点が(a,-a2+a)、軸がx=a の放物線です。
    aの値によって、軸の位置も変わり、定義域との関係も変わってくるということです。
    ですから、aの値によって場合分けが必要だとわかります。

    放物線の頂点より右側に定義域があるときというのは、x=0が、x=aより右側にあるということです。
    すなわち、a<0のとき。
    このとき、x=2で最大値、x=0で最小値です。
    このx=2やx=0を2次関数の式に代入するとyの値が出ます。
    関数の値とは、yの値ということです。
    与式に代入しても、平方完成した式に代入しても同じ値が出ますので、代入しやすいほうを選びましょう。
    与式にx=2を代入して、
    y=4-4a+a=-3a+4
    与式にx=0を代入して、
    y=0-0+a=a
    よって、a<0のとき、
    x=2で最大値-3a+4
    x=0で最小値a

    さて、次は放物線のどんな位置に定義域が存在する場合を考えましょうか。
    頂点を含んで定義域が存在する場合を考えてみましょう。
    頂点のところが最小値になることはすぐ判断できます。
    しかし、最大値は?
    定義域の範囲が、放物線の軸を挟んで右側のほうが高く上がっている場合は、右側が最大値となりますが、左側のほうが高く上がっていたら、左側が最大値となりますね。
    そして、頂点を挟んで、左右がつりあっている場合は、その両方が最大値となるでしょう。
    だから、頂点を含んでいるというだけでなく、もっと細かく場合分けが必要となります、

    軸を挟んで、右側のほうが高く上がっている定義域というのは、軸x=aとの関係はどうなるのでしょうか?
    え?0<a<2 でいいんじゃないの?
    そう思うでしょうか?
    しかし、それでは上に挙げた3通りの場合は全部そうじゃないでしょうか?
    もっと細かい場合分けが必要となります。

    どうしたら良いのでしょうか?
    ここで、重要なのは、定義域0≦x≦2 の中央の値、1です。
    定義域の中央の値と軸との関係によって、右に傾いたり左に傾いたりします。
    すなわち、0≦a<1のときに、放物線は、軸の右側が高く上がっていきます。

    ここらへんで、「え?」「え?」となる人が多いところですので、実際に放物線を描いて確認することをお薦めします。
    この問題は、必ず放物線を描いて解くものです。
    描く放物線は、x軸もy軸も必要ありません。
    どこにx軸やy軸があるのかわからないのですし、問題を解くのに関係ないからでもあります。
    下に凸の放物線を点線で描き、そこに軸を描き、定義域の部分を実線で描き、x=0、a、1、2の位置を書き込んでいくだけで十分です。

    さて、a=1のとき、そこは放物線の軸と重なります。
    定義域は左右対称となり、最大値は両端の2か所となります。
    1<a≦2のときには、定義域の放物線は左側が高くなるでしょう。
    すなわち、
    0≦a<1のとき、x=2で最大値-3a+4、x=aで最小値-a2+a 
    a=1のとき、  x=0、2で最大値1、   x=aで最小値0
    1<a≦2のとき、x=0で最大値a、     x=aで最小値-a2+a

    a=1のときは、aが明確になった分、最大値・最小値も文字の残らない数字になることにも注意が必要です。

    最後に、定義域が軸よりも左側にある場合は、2<a ということですから、
    2<aのとき、x=0で最大値a、x=2で最小値-3a+4

    以上をまとめると、
    a<0のとき    x=2で最大値-3a+4  x=0で最小値a
    0≦a<1のとき x=2で最大値-3a+4   x=aで最小値-a2+a
    a=1のとき    x=0、2で最大値1     x=aで最小値0
    1<a≦2のとき x=0で最大値a        x=aで最小値-a2+a
    2<aのとき    x=0で最大値a       x=2で最小値-3a+4

    この問題の解き方は、
    ①まず放物線を5通り描く。
    ②その放物線ごとのaの値の範囲を決定する。
    ③それぞれの場合の最大値・最小値を計算する。

    最近の親切な問題は、その5通りに場合分けをしてくれているのですが、むしろそれで混乱する子もいます。
    自力で5通りに場合分けして、問題の場合分けと一致していることを確認したほうがしっかり理解しながら解けると思います。
    なお、「最大値のみ」「最小値のみ」の場合は、放物線は3通りになります。
    定義域の中央の値である「1」が関係するかどうかは、放物線が上に凸か下に凸か、と最大値か最小値かでそれぞれ異なってきますので、実際に放物線を描いて判断します。

    これだけの説明を丁寧に行って、もう大丈夫、さて演習しましょうとなったとき。
    ところが、私が説明したのとは違う解き方を始めてしまう生徒がいるのです。
    ( ;∀;)
    やはり、テキストの問題が親切すぎるので、結局、問題にあるaの値の範囲の場合分けを優先して解こうとして、xの定義域とaの変域とで混乱が起こり、どう放物線を描いていいかわからなくなってしまいます。
    まず自分で場合分けしましょう、と強調したつもりでも、伝わっていないことは多いです。

    「まず、放物線を5つ、最初に描いて場合分けしましょう。問題に書いてある場合分けは、その後で、確認のために使ってください」
    私がそう言うと、不審そうな顔をする子もいます。
    「だって、先生が、さっき、こういう順番で解いていたじゃないですか?」
    「え・・・・?いえ、私は先に放物線を描いて、それで自分で場合分けするように言ったんですよ」
    「え?さっきはそうじゃなかったですよ」
    「え・・・?」
    これには動揺します。
    どうして全く逆のことが記憶されてしまうのだろう?
    おそらく、私が説明している間、その子は、テキストに書いてある場合分けを見ているのでしょう。
    そうして、私がテキストの場合分けに沿って説明しているのだと思いこんでいるのだと思います。
    私が、
    「テキストの場合分けは見ないで、自分で場合分けするんですよ」
    と説明しているのを聞いていないか、あるいは、自分の思いこみに反するそうした情報は聞き流してしまうのかもしれません。

    何かを正確に伝えることは、本当に難しいです。


    例えば、中学生の場合でも、こんなことがあります。
    中学1年生にとって、1学期は、小学校時代の「算数」から中学の「数学」に移行する大切な時期です。
    しかし、本人たちには、その違いがよくわかりません。
    だから、小学校時代の意識のまま、数学の問題を解いてしまいます。
    これは小学生の答案だなと感じる最たるものは、問題を解くのに式を書いていないこと。
    解き方を思いつくと、式を書くのを忘れてしまうらしいのです。
    くしゃくしゃ筆算して、答えだけ書いています。
    式を書く解答欄がなければ式を書かなくていいと思っている子は多いです。
    どういう公式や定理を使って、どういう流れで解いたのか、それでは何も読み取れない。
    そんなのは、数学の答案ではありません。

    それを直すために、特に私立中学の数学の先生は、中学1年生に高圧的な答案指導をすることがあります。
    かなり強く言わないと、子どもは直さないですから。
    「こう書かないと、テストは全部バツ」
    「これを書いていなければ、0点」
    そういう指導になりがちです。
    「うちの学校の先生、すごくうるさい」
    と口を尖らせて言う子のノートを見ると、ごく当たり前の答案が書かれていて、
    「何もうるさくない。これが普通です。良い答案を指導してくれる先生ですね」
    と説明することはよくあることです。

    しかし、ときどき奇妙な答案の書かれたノートに出会います。
    例えば、式の値を求める問題。
    「x=5、y=-2であるとき、3x-4yの値を求めよ」
    この問題の答案の1行目で目が止まってしまいました。
    「xを5、yを-2に代入して」
    ・・・・・・え?('_')
    わかると言えばわかるのですが、何かモヤッとする日本語です。
    これ、「を」と「に」が逆ですよね。
    「xに5、yに-2を代入して」
    このほうが良いでしょう。

    これは、その数学の先生に国語力がないために起きていることなのか、この子が勘違いしているのか、どちらなのだろうと困惑してしまいます。
    普通に考えれば、その子のミスなのですが。
    いずれにしろ、
    「x=5、y=-2を代入して」
    と書けば、そういう混乱は回避できます。
    しかし、その子にそう助言しても、
    「学校の先生がこうでなければダメだと言った!」
    と強く主張し、直しません。

    また別の問題。
    それは、式による証明の問題でした。
    「連続する3つの偶数の和は6の倍数になることを説明しなさい」
    この問題の答案の書き出し。

    「整数をnとすると、2n-2、2n、2n+2とかける」
    ・・・・・え?
    「整数をnとすると」
    この書き出しに、まず「え?」と思ってしまいました。
    「整数をnとすると」ではなく、「nを整数とすると」のほうが適切です。
    そして、最後の「かける」にも違和感がありました。
    「かける」とは「書ける」ということなのだと思うのですが、なぜ、書くこと限定なんだ?
    何だか、微妙に気持ち悪いです。
    間違っているとは言えないのですが、違和感があるなあ。
    間違っているわけではないから、まあいいのですが。

    これの標準的な書き方は、
    「nを整数とすると、連続する3つの偶数は、2n-2、2n、2n+2と表される」
    となります。
    「学校の先生が、こう書いているの?」
    と尋ねると、その子は黙ってうなずきました。
    しかし、学校の先生が本当にそう書いているのか、疑問の余地があるのです。
    板書の見間違いや写し間違いを、していないでしょうか。
    あるいは、本人の国語力が、学校の先生の模範解答を歪めていないでしょうか。
    学校の先生は「表される」と板書したのに、その子の語彙の中にそのような表現がない。
    本人としては「表される」という言い回しに、むしろ違和感がある。
    そのため、本人の中での「正しい日本語」に勝手に変換し、「かける」と直してしまった。
    しかも、自分がそのように書き換えたことが記憶の中から消え、先生がそのように板書したという記憶として残っている。
    そういうことなのではないかという推測もできるのです。

    しかし、確証はありません。
    私立中学に入学したお子さんの数学の勉強を見ようとして、こういうことで困っている保護者の方もいらっしゃるのではないかと思います。
    学校の授業の細部を、保護者は確かめることができません。
    子どもの記憶とノートが、情報の全てであることは多いです。
    そうした中で、多くの子どもは、
    「絶対に、こうだった」
    と言い張ります。
    学校の先生から、
    「こう書かないと0点」
    というプレッシャーを受けていますので、これは違うんじゃないのと言われても、認めません。
    「その書き方じゃなくても大丈夫だよ」
    と教えても、いや、あの先生は、絶対そういうのは許さないんだと決めつけたりもします。
    子どもの勉強を見ようとして、こういう反発にあい、教えることができなくなってしまう。
    そんなことが、起きていないでしょうか。

    数学の答案の筋道というものを理解させようとして、学校の先生たちは、ある程度生徒たちに強要します。
    しかし、それが、場合によっては、微妙に奇妙な答案を定着させてしまう。
    学校の先生が生徒たちに伝えようとしていることの核心は、そういうことではないのです。
    表現方法は何通りもあります。
    ただ、どうしても答案に書かねばならないことがある。
    どういう公式や定理を使って、どのように解いているか。
    それがわかる答案であることが、数学の答案には必要です。
    細部の表現に右往左往し、かえって日本語として誤った書き方をしてしまっている中学1年生に、1日も早く本質を伝えたいのですが、これがなかなか難しいです。

    経験から言えば、とにかく、その子の数学的能力を高めなければなりません。
    本質が見えていないのは、数学というものがよくわかっていないからだと思うのです。
    数学の能力が高まれば、自然に、こういう課題からは解放されていきます。
    ついでに言えば、もうちょっと国語力がつくといいかなあ。
    ヽ(^。^)ノ

      


  • Posted by セギ at 22:34Comments(0)算数・数学